チベットにおける成仏体系・修道体系の全体像を把握できる

コード
b52006300 :
単 位
履修科目名
(担当教員)
無上瑜伽タントラの全体構造
2
期 別
(平岡 宏一)
春学期
学 年
2年次~
到達目標
チベットにおける成仏体系・修道体系の全体像を把握できる
授業内容
チベット密教は日本に伝わらなかった、秘密集会タントラやカーラチャクラタントラなどの無上瑜伽タン
トラを中心とする修行体系が取られている。密教の成仏体系に関しては、ツォンカパの『秘密真言道
次第(ガリム)』が有名であるが、難解で複雑であるため、現在ではダライラマ法王以外では、超一級
と言われるチベットのゲシェー(仏教博士)でも、その解説は難しいと言われている。
この内容を、理解し、分かり易く纏めたものが、18世紀後半に活躍したガワン・パルデンの『大秘密四
タントラ部の〔十〕地・〔五〕道の構造をタントラの典籍を明らかにするもの』(日本名『大秘密四タントラ
概論』)である。ガワン・パルデン自身はモンゴル人であるが、この注釈書があまり優れているため、
今も多くのチベットの学僧に支持されている。今回はその中で最も比重を占める無上瑜伽タントラの
章を学ぶことで、チベットにおける成仏体系・修道体系全体を知ることを目的とする。私は1988~1989
年の二年間に亘り、ゲルク派の密教総本山ギュメ密教学堂に留学する機会を得て、以降第99世管長
ロサン・ガンワン師、第101世管長ロサン・デレ師について、20年以上、無上瑜伽タントラの伝統的解
釈法を学んで来た。この経験をもとに、テキストを和訳し、出来るだけ分かり易く解説する。
成績評価方法
出席(40点)レポート(60点)
授業計画
1. 無上瑜伽タントラの道の進み方
2. 二次第の観想
生起次第1
3. 生起次第2
4. 聖者流の究竟次第
5. 第一次第 定寂身
6. 定寂語
7. 定寂心
8. 無上瑜伽タントラ最大の特徴 幻身
9. 空性を直観する 光明
10. 悟りへとそのまま移行する双入1
11. 双入2
12. 聖者流以外の無上瑜伽タントラの究竟次第
13. 煩悩即菩提 貪欲の生かし方
14. 三種の成仏法
15. まとめ
テキストおよび参考文献等
≪テキスト≫ 講師自身の日本語訳をしたプリントを授業ごとに配布する。
≪参考文献≫ 大秘密四タントラ概論 -チベット密教入門ー
北村太道 ツルティム・ケサン共訳 永田文昌堂刊
Powered by TCPDF (www.tcpdf.org)