第2学年 国語科学習指導案

第2学年
Ⅰ
単元名
Ⅱ
学習指導要領との関連
国語科学習指導案
本と友だちになろう「スイミー」
(光村図書
2年)
本単元は、物語の展開に即して登場人物の行動や気持ちの変化を読み、読み取ったことを生かした
音読発表会を行うことを通して、楽しい読書活動に広げていくことをねらいとする。
読むことに関する指導事項
ウ
場面の様子について、登場人物の行動を中心に想像を広げながら読むこと。
Ⅲ
文学的文章教材における系統性
月
単元・「教材名」
教材の目標
みんなでよもう
語や文としてのまとまりや内容・響きなどについて考
「ふきのとう」
えながら声に出して読む。
本と友だちになろう
場面の様子について、登場人物の行動を中心に想像を
「スイミー」
広げながら読む。
10 ∼
ようすを考えて読もう
場面ごとのようすや物語の移り変わりをとらえ、登場
11 月
「お手紙」
人物の気持ちを工夫して読む。
お話を楽しもう
モンゴルの情景や場面の様子、登場人物の気持ちなど
「スーホの白い馬」
について、想像を広げながら読む。
4月
6月
3月
Ⅳ
単元の目標
○
スイミーの行動や出来事に興味をもち、読み取ったことを生かして音読しようとする。
(国語への関心・意欲・態度)
◎
物語の展開に即して場面の様子やスイミーの行動の変化を理解し、その様子を豊かに想像しなが
ら読むことができる。
(読むこと)
―1―
Ⅳ
指導計画
予予習
復復習
教教えること
考考えさせること
◎評価基準
第1時
◎
音読に関心をもち、単元の学習のめあてを設
定し、学習の見通しをもつことができる。
1
教師による音読を聴いて、そのよさを実
教
用語「音読(音読会)」を教える
感し、学習のゴールのイメージをもつ。
2
単元の学習の課題を設定する。
単元の学習課題
「めざせ音読名人
お話のおもしろさをつたえよう。
」
音読会(単元のゴール)に向けて、上手に 教
3
える。
音読するための学習の見通しをもつことがで
きる。
上手な音読に向けての大まかな学習計画を伝
①ステージ1…文章をすらすら読む。
・文字を正しく
・言葉をはっきり
・ひっかからずに
②ステージ2…お話をしっかり読み取る。
・人物の様子や行動を読み取る。
・場面の様子を思い浮かべる。
用語「読み取る=大切なことを文から読んで取
り出すこと」を教える。
③ステージ3…自分なりに音読を工夫する。
・ ①、②をもとにどこをどのように読むか
を決める。
・ 音読の練習をし、伝え合う。
4
教材文の範読を聞き、初発の感想を書く。 教
教
用語「中心人物」「登場人物」を教える。
感想を書く視点を教える。
①登場人物について思ったこと。
②お話の内容について思ったこと。
教
漢字の読みを教える。
―2―
予
□
全文音読(3回以上)
第2時
めざせ音読名人
ステージ1
◎
「スイミーをすらすら読もう。その1」
1
新出語句の読み・書き、難語句の意味や
新出語句の読み、書き、難語句の意味や用例を
理解することができる。
教
用例を理解する。
2
全員で音読し、正しく読めたかを確認す
新出漢字の読みを確認し・書きを教える。
難語句の意味や用例を教える。
教
ノートの使い方を確認させる。
る。
予
□
全文音読(3回以上)
第3時
めざせ音読名人
ステージ1
スイミーをすらすら読もう。その2」
1
挿絵を使って場面分けをする。
2
様々なやり方で音読練習をする。
◎
文章のひとまとまりの語や文を意識して、明瞭
な発音で読むことができる。
教
用語「場面」を確認する。
※『学習で使う言葉』として掲示。
教
様々な音読練習のやり方を教える。
−音読の技能向上に関わる練習方法例−
ex1「、で1回、
ex2
。で2回」机をたたく。
○秒以内で読む。
―内容理解に関わる練習方法例―
3
ペアで音読をし、本時の課題に対して
練習の成果を確認する。
ex3
形式段落ごとに交代して読む。
ex4
場面ごとに場所を変えて読む。
ex5
提示された挿絵の場面を読む。
教
ペアになり、互いの音読を聞き合う。聞き手は
間違ったところにサイドラインを引く。
―3―
予
□
全文音読(3回以上)
第4時(本時)
めざせ音読名人
◎
ステージ2
「スイミーのことをくわしく読もう。
1場面」
挿絵と文章とを結びつけながら読むことによっ
て、叙述に即して中心人物「スイミー」の特徴を
読み取ることができる。
(教える)
1
挿絵と文章を結びつけることによって、
教
叙述に即して読み取る方法を「読み取りの技」
必要な情報(=登場人物)を叙述に即し
として段階的に教え、技能として定着を図る。
て読み取る方法を理解する。
※ 読み取りの技①「絵から読み取る。
」
※ 読み取りの技②「文から読み取る。
」
(理解確認)
2
中心人物を挿絵の中から読み取った後、
教
読み取りの技①、②の理解状況を確認する。
教
物語の展開における主人公の人物設定の重要性
中心人物の名前「スイミー」を文章か
ら読み取り教科書に線を引く。
(理解深化)
今日の課題
「スイミーってどんな魚だろう。
」
3
課題に対して一人調べをする。
を伝え、本時のめあて「スイミーってどんな魚だ
ろう。」に対するめあて意識を高める。
考 「スイミーってどんな魚だろう。」に対する自分
の考えを短冊に記述させる。記述の仕方について
つなげながら「スイミーはどんな魚か」に
は、記述例を提示し、一人調べの進め方を具体的
ついて読み取り、短冊に書く。
に示しながら理解させ、取り組ませる。
4
形式段落2、3に着目し、挿絵と文章を
互いの考えを意見交換の場で開き合う。
考
一人調べができた児童が互いの意見を開き合う
場を設定し、「どんな魚か。」に対する考えと「そ
う考えた理由」を絵や文から見つけ、明確にさせ
る。
机間指導により、個々の考えの把握と個に応じた
指導を行う。
5
全体で考えを出し合い、表現の工夫に着
考
全体の話合いでは、「スイミーはどんな魚か。」
目しながら他とは違うスイミーの特徴を読
に対する考えと理由を視点に吟味させる。さらに、
み取っていく。
「からす貝」の写真の提示や「一ぴきだけ」
「∼よ
・みんな赤いのに、一ぴきだけは、からす貝
よりもまっくろ。
・およぐのは、だれよりもはやかった。
りも」
「だれよりも」に着目させ、スイミーだけの
特徴を実感させながら読み取らせる。
「∼だけは」
「∼よりも」をおさえる。
―4―
6
学習したことを生かして音読する。
考
スイミーがどんな魚かがわかるところを「ゆっく
り・はっきり」読むとよいことを教え、本時の学習
を生かした音読を意識させる。
(定着の診断)
7
本時の学習をふり返り、自己評価をす
る。
考
本時の学習への満足度評価(4段階)、
「わかった
こと・わからなかったこと」のふり返りを評価カー
ドに書かせる。
予 2場面の音読(3回以上)
□
復 1場面の音読(学習を生かして3回以上)
□
「∼よりも」
「∼だけ」を使った短文作り
第5時
めざせ音読名人
ステージ2
◎
おそろしいまぐろの様子について読み取り、ひ
とりぼっちになってしまったスイミーの気持ち
「スイミーをくわしく読もう。2場面」
を想像する。
○
今日のめあて
「スイミーにどんなことが
おこったのだろう。」
1場面「楽しくくらしていた。
」と2場面「に
げたのはスイミーだけ。
」を比較させ、スイミー
の暮らしを一変させた出来事に目を向けさせ、め
あて意識を高める。
(教える)
1
前時に学習した読み取りの技①、②を使
教
既習事項である読み取りの技①、②を想起さ
い、必要な情報(=おそろしいまぐろの出
せ、おそろしいまぐろの出現について、挿絵と本
現)を読み取る方法を理解する。
文(全員で音読)から読み取る方法を理解させる。
(理解確認)
2
前時に学習した読み取りの技①、②を使
教
まぐろの行動や様子を挿絵や文章から読み取
い、まぐろの行動や様子を読み取り、教科
っているかを作業状況から把握するとともに、読
書に線を引く。
み取ったことを出し合わせる。
・おそろしいまぐろが
「ミサイル」に関する情報を伝え、まぐろの形、
・おなかをすかせて
動く様をミサイルとつなげて想像させたり、「一
・すごい
口で」「一ぴきのこらず」に着目させたりして、
はやさで
・ミサイル
・つっこんで
みたいに
きた
おそろしいまぐろの様子と、一ぴきの残らずぐろ
にのみこまれる魚たちの様子をとらえさせてい
・一口で、
くことで、次の活動へつなげる。
・一ぴきのこらずのみこんだ。
「∼みたい」を使った表現により、目に浮かぶよ
うに、詳しく表すことができることをおさえる。
―5―
(理解深化)
4
一人だけ逃げるスイミーの気持ちを想像
する。
考
まぐろの様子と行動について読み取ったこと
を生かしながら、きょうだいたちが、一口で、ま
ぐろにのみこまれる中、
自分だけ逃げていく時の
気持ちを想像させ、吹き出しに書かせる。
5
学習したことを生かして音読する。
考
本時の学習を生かし、まぐろの恐ろしさがわ
かるところや、場面が変化したところ(「事件の
はじまり、集結」)などは、声の大きさ、速さな
どの変化を付けるとよいことを教え、読ませる。
(定着の診断)
6 本時の学習をふり返り、自己評価をする。
考
本時の学習への満足度評価(4段階)、「わか
ったこと・わからなかったこと」のふり返りを評
価カードに書かせる。
予 3場面の音読(3回以上)
□
復 1、2場面の音読(学習を生かして3回以上)
「∼みたいに」を使った短文作り。
□
第6時(問題解決型学習で実施)
めざせ音読名人
ステージ2
◎ スイミーを元気にした海にあるおもしろいも
「スイミーをくわしく読もう。3場面」
ののすばらしさと、それによって元気になるス
イミーの気持ちの変化を読み取る。
1
本時の課題を立てる。
今日の課題
○
挿絵と形式段落⑦、②を提示し、比較させるこ
とによって、
各段落におけるスイミーの気持ちと
「スイミーを元気にした海のおもしろい
ものを文から取り出そう。読み取ろう。」
その変化を読み取らせる。そこから、変化の原因
である「スイミーが見たおもしろいもの」に着目
させ、本時の課題を設定する。
「倒置法」についておさえ、文の内容を伝える力
が強まることを実感させながら捉えさせる。
2
自力解決の見通しをもつ。
① 読み取りの技を使って調べる。
・読み取りの技①
絵から読みとる。
・読み取りの技②
文から読みとる。
○
既習の技能を自力解決の方法として明確にさ
せ使わせることで、技能の定着を図る。
② 読み取ったところに線を引き、特に大
切だと思う言葉は線で囲む。
―6―
3
スイミーを元気にした「海のおもしろい
○
机間指導により、読み取りの状況を把握すると
ともに、個に応じて指導を行う。
もの」について書いてあることを自分の力
・自力解決が困難な児童へは読み取りの技により
で読み取る。
「スイミーが海で見たものは何か」と問いかけ、
文章中から、例示として取り出させ線を引かせ
る。以下についても同じように、読み取りの作
業を行うように助言する。
・自力解決が終わった児童へは、意見交換の場(第
1時で実施)で読み取ったことを開き合わせる。
さらに、それぞれの表現が「色・形・動き」の
中の何が思い浮かぶようなたとえになっている
か、意見交換をさせる。
4
読み取ったことを出し合い、全体で課題
○
自力で解決したことを出し合わせる。
・「∼ような」「∼みたいな(2場面で既習)」に
を解決する。
・にじ色のゼリーのようなくらげ
着目させる。
「にじ色の∼くらげ。」と「くらげ。」
・水中ブルドーザーみたいないせえび
の2つの表現を比べさせ、どちらが「おもしろ
・見たこともない…見えない糸で…いる。
さ」が伝わるかを考えさせることで、例えるこ
・ドロップ…林。
とのよさに気付かせる。また、それぞれの生き
・うなぎ。顔を…長い。
物の様子が思い浮かぶように書き表されてい
・風にゆれる…いそぎんちゃく。
など。
る表現であることを理解させる。
・くらげ、いせえびなどの一つ一つの海の生き物
たちをまとめて、「おもしろいもの」と「すば
らしいもの」と表現されていることを理解さ
せ、本時の課題とつなげる。
5
「スイミーが見たおもしろい生き物たち」
を、文章をもとに、絵に描いたり動作化し
たりしておもしろさを実感する。
○「おもしろいものたち」に関する一つ一つの表現
を実感させるため次のような表現の場を作り
児童にやってみたい表現を選択させる。
・くらげ…くらげの形に色をぬる。(お面)
・いせえび…いせえびの絵を頭につけて動作化。
・魚たち…糸の付いた深海魚の動きを再現。
・岩、こんぶやわかめの林…こんぶやわかめの絵
に岩を描く。
・うなぎ…頭としっぽを描いておいて胴体を紙で
作る。
・いそぎんちゃく…いそぎんちゃくの絵を参考に
描いて色をぬる。
―7―
第7時(6時の続き)
予 3場面の音読(3回以上)
□
復 自分が選んだ「おもしろいもの」をどのように表現するか(色、形、動作)を考える。
□
6
自分が選んだ表現に取り組む。
○
前時に選択した活動に取り組ませる。活動時間
を知らせ、時間の見通しをもって取り組ませる。
早くできた児童は時間内であれば、次の表現に取
り組んでよいことを知らせる。
7
互いの表現について発表し合う。
○
どこをどのように考えて作ったか、動作で表し
たかを説明させた後、友達に見せるようにさせ
る。互いのよさについて文章とのつながりを視点
に相互評価させ有能感を高めるとともに課題に
対する読みの深まりを認識させる。
作品を身に付けて、音読や動作化に取り組ま
せ、スイミーと同じように「海の中のおもしろい
もの」のすばらしさを実感できたかを考えさせ
る。
8
本時の学習を生かして音読する。
○
最後に、3場面の全体を音読させる。場面が変
化したところ(人物の様子や気持ちの変化)は、
声の大きさ、強さを変化させるとよいことを教
え、意識して音読させる。
9
学習をふり返り、自己評価をする。
○
本時の学習への満足度評価(4段階)、
「わかっ
たこと・わからなかったこと」のふり返りを評価
カードに書かせる。
予 4場面の音読(3回以上)
□
復 1∼3場面の音読(学習を生かして3回以上)身の回りのものを「∼みたいに」
「∼ような」を
□
使って書く。
第8時
めざせ音読名人
ステージ2
「スイミーをくわしく読もう。4場面」
◎
何とかしようと考えるスイミーの気持ちをスイ
ミーと小さな赤い魚たちの言動とを比較しながら
読み取る。
―8―
(教える)
1
読み取りの技①、②によりきょうだい
教
挿絵と形式段落⑦を提示し、既習内容、倒置法
により、スイミーのうれしさが強く表れている
スイミーの気持ちを想像させる。
ことに気付かせる。
2
にそっくりの魚たちとの出会いを読み取り
会話文を手がかりに人物の言動を見つけ
教
会話文に着目させ、人物の言動から気持ちを読
言動から気持ちを読み取ることができる
み取ることができることを教える。
ことを理解する。
会話文を手がかりにスイミーの言葉を見つける
ことを実際に活動しながら理解させる。また、言
動から気持ちを想像することも体験させる。
※ 読み取りの技③
「話したこと」から気持ちを考える。
(理解確認)
3
会話文を手がかりにスイミーの呼びかけ
教
教科書の読み取りの技③を使って小さな赤い
に対する、小さな赤い魚たちの答えを読み
魚たちの言葉に線を引くことができているかを
取り、線を引く。
確認する。
・挿絵や言動をもとに、小さな赤い魚たちが、
大きな魚に対して恐怖心をもっていることを
理解させる。
・スイミーの 2 回目の言葉も取り出させ、両者
の言動を分けて提示する。それぞれの思いを
比較させながら理解させていくとともに、ス
イミーの思いの強さに気付かせ、深化課題に
つなげる。
(理解深化)
今日の課題
「スイミーはどんなことを考えたのだ
ろう。」
4
読み取ったことをもとに、スイミーの考
えている内容を吹き出しに書く。
考
次のような手立てにより考える手がかりにさ
せる。
・「考えた」のくり返し、
「いろいろ」
「うんと」
の意味をとらえさせて、考える手がかりとさせ
る。
・読み取りの技③を使って、言動を手がかりにし
ながら考えさせる。
―9―
5
吹き出しに書いたことを開き合う。
考
吹き出しに書いたことを開き合い、そのよう
に書いた理由を視点に話し合わせる。
1場面の挿絵を提示し、楽しく暮らしていた
場面と比較させ、小さい魚たちの様子の違いに
気付かせる。
「また、仲間たちと楽しく暮らした
い」と考え「そのために何とかしよう」と知恵
をふりしぼっていること理解させる。
話を詳しく読むために、それまでの場面の文
章や挿絵と比べるとよいことを知らせる。
6
学習したことを生かして音読する。
考
学習したことと音読を結びつけて工夫点を
示し、意識して音読するようにさせる。
・会話文の前後は間を空け、読み取った気持ち
が伝わるように音読する。
・場面が変化するところは、間をしっかり取る。
(定着の診断)
7
本時の学習をふり返り、自己評価をする。
考
本時の学習への満足度評価(4段階)、
「わか
ったこと・わからなかったこと」のふり返りを
評価カードに書かせる。
予 5場面の音読(3回以上)
□
復 1∼4場面の音読(学習を生かして3回以上)
□
第9時
めざせ音読名人
◎
みんなで大きな魚になろうとするスイミーの
知恵と仲間への思いを読み取る。
ステージ2
「スイミーをくわしく読もう。5場面」
1
4場面と5場面の挿絵を比べ、小さな赤い
4場面と 5 場面の挿絵を提示して比較させな
○
魚たちの様子の変化に気付き、スイミーの
がら、読み取りの技①を使って、小さい赤い魚
作戦に関心をもつ。
たちの変化に気付かせ、スイミーが考えた作戦
への関心をもたせる。
2
挿絵と文をつなげて読み、文章に帰着して
登場人物の様子を読み取る。
○
読み取りの技②を使って挿絵と5場面の文章
をつなげて読み、叙述に即してスイミーの作戦
を読み取らせる。
―10―
3
○
2場面と5場面の挿絵を比較し、読み取り
2場面と5場面の挿絵を提示して比較させ
の技①を使って登場人物(小さな赤い魚、ス
ながら、読み取りの技①を使って登場人物の様
イミー、まぐろ)の変化、様子をつかむ。
子を読み取らせる。
4
読み取りの技②を使い、文章に帰着して登場
○
活動3をもとに、読み取りの技②を使って、
登場人物の様子を文章に帰着して読み取らせ
人物の様子を読み取る。
る。
さらに、挿絵を使いながら以下の点について考
えを深めさせる。
・ スイミーの作戦によって小さな赤い魚たち
が役割をしっかり守って大きな魚に立ち
向かっていること。
・ 2場面では逃げていたスイミーが、「ぼく
が目になろう。」と自分の特長を生かして
仲間と共に作戦を決行させていること。
・ 小さな魚(力)が集まって大きな魚(力)
になり、まぐろを追い出したこと。
5「文章中に『みんな』という言葉が、4回出て
○
一匹だけ体の色が違い、一匹だけ生き残った
くるのはどうしてか。」について考え、スイミー
スイミーが、
「みんな」で作戦を決行し、
「みん
の変化を読み取らせる。
な」で一匹の大きな魚になって大きな魚をおい
出すという、大きな変化に気付かせていく。
6
学習したことを生かして音読する。
○
これまでの学習を生かし、自分なりに工夫し
て音読させる。
7
本時の学習をふり返り、自己評価をする
○
本時の学習への満足度評価(4段階)、
「わか
ったこと・わからなかったこと」のふり返りを
評価カードに書かせる。
―11―
Ⅴ―i
本時の学習活動(4/11)
(1)本時の目標
○
挿絵と本文を結びつけながら読むことによって,叙述に即して中心人物「スイミー」
の設定をとらえることができる。
(2)先行学習
☆
全文音読(3回以上)
(3)具体の評価規準
おおむね満足できる状況(B)
Cと判断される児童への手だて
Aと判断される状況
挿絵と本文を結びつけることに
挿絵からわかるスイミーの特徴
叙述に即してスイミーの特
より、叙述をもとにスイミーの
に気付かせ言語化させる。それ
徴を読み取り、読み取った
特徴を読み取ることができる。
を文章中からさがすように助言
ことを理由付けしながら説
(読むこと) し,挿絵と本文をつなげた読み
明することができる。
取りを個別指導する。
過程
学習活動
(読むこと)
指導上の留意点
時
間
1 単元の学習計画をもとに本時
○ 第1次で行った単元の学習の見通しを
の学習の見通しをもつ。
教
想起させ,本時より「お話の内容」を
教
「人物と場面の様子」を視点に読み取
っていくことを確認する。
めざせ音読名人
え
る
え
る
「スイミーのことをくわしく読もう」
1 )を関
2 挿絵と本文(形式段落□
1場面
1 )を
1場面の挿絵と本文(形式段落□
○
連させることで,叙述に即して内
提示し,「だれが出てきているか」と登
容を読み取る方法を理解し、以下
場人物に視点をあてた問いかけをする。
の内容を読みとる。
挿絵からの予想,本文と関連させながら
・(登場人物)
の読み取りを実際に行いながら,内容
小さな魚のきょうだいたち
・(どうした)
楽しくくらしていた。
(登場する人物)を読み取り、線で囲ま
せる。この一連の活動を「読み取り方」
として理解させる。
読み取りの技①「絵から読み取る。」
読み取りの技②「文から読み取る。」
―14―
10
教
次に,「小さな魚のきょうだいたちは
どうしているか」と問いかける。この場
合,挿絵からの予想は難しいことから,
教
本文の叙述から読み取ることが必要で
ある。児童へ絵からでも挿絵からでも自
え
由に必要な情報を取り出してよいこと
を理解させる。
このように,必要な情報を本文から読
み取る活動を全員で一つ一つ行い,でき
ることを実感させながら教えていくこ
え
る
とで,読み取り方という知識を読む能力
/
として身に付けていくことを目指す。
5
2 ,□
3 ) ○
3 挿絵や本文(形式段落□
理
解
学習活動2と同様に登場する人物を
から登場する人物を読み取り,読
問いかけ,技を使って挿絵と本文の叙述
み取りの技①の理解状況を確認
の両方から見つけさせる。本文の答えと
する。
なる叙述を線で囲ませ,ペアで互いの理
(登場人物・中心人物)
解状況を確認し合わせる。
・
理解が進まない児童へは、次のように
スイミー
る
読み取りの技①、②にそって指導・支援
確
を行い、全員が理解できるように配慮す
る。
(1) 教科書の挿絵を示し,「小さい魚の
認
兄弟たちのほかに登場するものは
何か」と問いかけて答えさせる。
(2) 黒い魚の存在を挿絵の中で明確に
させる。
(3) 黒い魚の名前の確認後,その記述を
/
/
考
理
え
解
4 理解させたことを使って,中心
さ
深
人物「スイミー」の設定を読み取
んな人(もの、生き物)であるかを読み
せ
化
る。
取ることは、お話を詳しく読みとる上で
る
本文からさがさせ、線で囲ませる。
25
○
スイミーは主人公であり、主人公がど
重要であることを伝え深化課題を提示
する。
―15―
スイミーはどんな魚だろう。
考
理
○「スイミーはどんな魚だろうか」につい
を使いながら、「スイミーはどん
て読み取りの技①、②を使って読み取
な魚か」を読み取る。
らせ、短冊に記述させる。記述の仕方
a
さ
え
・広い海にくらす魚です。
5 形式段落2、3に着目し、挿絵
を以下の手順で理解させる。
(1)児童が使う短冊と同じ形式のものを
提示し、記述例を示して書き方を理
解させる。
(左図a参照)
(2)どうしてそう考えたのか、理由を見つ
解
・みんな赤いのに、一ぴきだけは、
け、サイドラインを引かせる。
(3)1枚の紙に一つの要素(特徴)を書く
からす貝よりもまっくろな
(魚です。)
ように指示する。(短冊は予備を準
・およぐのはだれよりもはやい
さ
備)
(魚です。)
6 意見交換の場で,2人組になっ
○
短冊への記述ができた児童は2人組
て互いの考えを交流し,自分の考
で自由に意見交換をするように呼びか
えとその理由をはっきりさせる。
ける。意見交換の際は、「スイミーはど
深
んな魚だろう」に対する自分の考え(短
冊への記述内容)と、文や挿絵のどこか
せ
らそう考えたのかについて開き合わせ
る。
7 全体で考えを出し合い,「スイ
ミーはどんな魚か」について読み
を深める。
○
全体の場で出た考えは、挿絵や文章の
叙述から読み取ることができるかとい
う視点で吟味させる。
る
化
※ さらに、本文の叙述「みんな赤いの
に一ぴきだけ」「からす貝よりもま
っくろ」「だれよりも」に着目させ
る。からす貝の写真を提示したり,
挿絵とつなげて考えさせたりして,
「スイミーはどんな魚か」に対し,
スイミーの特徴を他との違いとし
てとらえさせる。
「∼だけは」「∼よりも」をおさえる。 5
―16―
考
8
学習したことを生かして音読
○
本場面での中心人物「スイミー」がど
んな魚であるかということ(人物設定)
する。
は,今後の話の展開,お話のおもしろさ
え
に大きく関わってくることを教え、スイ
ミーがどんな魚かがわかる叙述は、ゆっ
くり・はっきり読むとよいことを伝え
さ
る。
9 本時の学習をふり返り,自己評
せ
自
○
本時の学習をカードを使って振り返
らせる。学習の満足度を4段階で評価さ
価をする。
せ、「わかったこと・わからなかったこ
と」の2つの視点で記述により評価させ
る
る。記述評価を行うか否かは児童に任せ
己
る。単元を通して1枚のカードを活用
し、日々の評価を蓄積させる。
○
評
価
―17―
予習の内容を知らせる。