平成27年度事業計画 昨年の我が国を振り返りますと、2月に関東地方での2週に渡る大雪を始め として、8月の広島市での土砂崩れ災害、9月には御嶽山噴火と自然災害の恐 ろしさを再認識した一年でした。 国内経済では、一昨年から続く円安・株価上昇、さらには原油価格の急落が昨 年9月以降顕著となり、また円安も年初予想できなかった1ドル120円まで 進み、自然環境・経済環境ともに振れ幅の大きな一年となりました。 年末には原油価格が、8月価格の半分程度までに下がり、LPガスのFOB 価格も後追ではありますが大幅な下落が続いており、LPガスの物流と価格に おいても今年から来年にかけて大きな転換点となる事が予想されます。 エネルギー業界は、電力・ガスシステム改革、再生エネルギーの推進、シェー ル革命による脱中東依存、水素を利用した燃料電池自動車の実用化等水素社会 の出現など大きな転換期を迎えております。 LPガス業界においては、取引の適正化と料金の透明化の徹底によるお客様 の信頼確保はもちろんの事、エネファームなど省エネ機器を国の補助金制度を 有効に活用し、需要拡大に努めていかなければなりません。 一方、東日本大震災の教訓から政府は、エネルギー基本計画を大きく見直し、 その中でLPガスは「最後の砦」と表現され、改めて災害時に強いエネルギー と位置付けられております。 協会では、東京都環境局と昨年5月に「災害時におけるLPガス等の供給に 関する協定書」を締結し、各区市町村との協定締結を推進しております。 また、国の補助で整備された11ヶ所の中核充填所を中心とした部会を協会 内に設置し、災害時の供給体制及び災害対策、稼動訓練の実施など防災組織体 制整備に努めております。 東京都管内のLPガスの事故件数は、平成26年度9件と平成25年度の 10件から減少しておりますが、本年もLPガスの事故撲滅のため「LPガス 安全応援推進運動」に取り組みLPガスの事故防止に努めて参ります。 平成27年度の事業計画は、上記の事柄を踏まえお客様にLPガスを安全・安 心に提供できるよう以下の諸事業を推進して参ります。 1 1.保安対策事業 ① 「保安110番」事業の推進 お客様へ安全、安心を提供出来る様、保安の確保及び法令遵守の強化を 図り「保安 110 番」制度を推進する。 ② 保安講習会の実施 液石法第18条に基づき販売事業者等従業員の保安教育の講習会を実施する。 ③ 「LPガス安全応援推進運動“すべてはお客様の安心のために“」の実施 平成24年度から全国展開してきた 「LPガス安全安心向上運動」が平成 26年度で終了し、今年度から新しく、「LPガス安全応援推進運動“すべて はお客様の安心のために“」を3年間実施する。「LPガス安全安心向上運 動」同様に東京都の事故状況をみて協会独自に対策を打ち出す。内容は 別紙1のとおり実施する。 ④ 「自主保安活動チェックシート」の実施 自主保安活動チェックシートを活用して、販売事業者自らの保安活動を検 証し、事故ゼロを目指し保安の確保に努める。 ⑤ 製造事業所、容器検査所等の保安対策 LPガス製造施設において自主点検を実施し、保安の確保と事故防止を図 る。 ⑥ LPガス放置容器の回収処理 都内で発生している放置容器の回収処理を迅速に行い、事故防止を図る。 2.需要促進事業 ① 平成25年度から3年計画で全国展開している、「需要開発推進運動」に 取り組む。同運動は、LPガスの需要拡 大と消費 者保 安向上 のため、 「進化 する LP ガス」、「究極 のライフライン LP ガス」、「人を育む LP ガス」の3つのカテゴリーに分けて実 施する。 3.高圧ガス保安協会関連事業 ① 東京都液化石油ガス教育事務所事業 高圧ガス保安協会東京都液化石油ガス教育事務所として、法令に基づく 各種資格取得講習及び検定試験並びに再講習を実施する。 講習会の予定は別紙2のとおり。 ② 東京都液化石油ガス試験事務所事業 高圧ガス保安協会より委託された高圧ガス試験(液化石油ガス関係)を 都内で実施する。 4.販売事業者指導支援事業 経済産業省の補助事業として実施しているお客様相談所事業は、LPガス 消費者から寄せられるLPガスについてのさまざまな疑問、要望、意見等 に 適切に対処する事によって、LPガス販売事業者の取引の適正化、料金の 透明化に寄与し、また消費者のLPガスについての意識向上に繋がるよう 推進する。 5.保安機関認定申請の指導 保安機関の認定更新に対する指導を精力的に展開し、認定期限内に全て 2 の事業者が更新出来る様努める。 6.取引適正化推進事業 特商法違反やLPガス切替勧誘に関するトラブル防止のための消費者向け チラシを作成、配布し、LPガス適正取引を推進する。 7.競合エネルギー対策の推進事業 都市ガス会社並びに電力会社への切替対策を各県協会と連携して推進す る。 8.広報活動事業 広報誌「エルピー東京」を年4回発行し、業界動向、当協会の活動状況等の 情報を積極的に提供し、会員の事業活動に貢献できるようにする。 また、LPガス事業PRのためのチラシ等の作成も検討、実施できるよう推進 する。 9.高圧ガス防災訓練への協力参加 東京都高圧ガス地域防災協議会のLPガス部門を担当して平成27年度東 京 都高圧ガス防災訓練に参加する。 10.保安活動促進週間への協力参加 自主保安活動促進のための活動に協力する。 11.災害発生時等の情報連絡手段の確保 東京都が都庁各局及び関連団体に配備した業務用MCA無線により定期的 に通信訓練を行い、当協会と東京都の災害発生時等の情報連絡の確保をと る。 12.石油ガス地域防災対応体制整備事業 昨年度から経済産業省の補助事業として実施している中核充てん所事業 は、 都内11の中核充てん所と行政で連携した稼動訓練等の実施及び大規模災 害発生時のLPガス安定供給を図るため協会防災体制の構築をする。 13.保安功労者、優良事業所等表彰の推薦 永年に亘り、LPガスの保安業務に精励され、業界及び当協会に貢献された 個人及び事業所に対し、保安功労者、優良事業所等として、各保安大会等 に推薦する。 14.行政庁及び関係団体への協力 行政機関及び関係団体と相互に連携して、関係業務の円滑な運営を図る。 15.協会組織の検討 協会の組織体制の整備及び事務合理化の推進を図る。 16.登録、認定、届出等の指導業務 会員及び入会希望者の登録、認定、届出及び免状交付手続き等の指導業 務を行う。 17.賠償責任保険その他関連業務 液化石油ガス法に基づくLPガス賠償責任保険及びオートガススタンド保険 や個人情報漏えい賠償特約、総合賠償特約の付保業務並びにLPガスライ フ応援制度の受付業務を行う。 3
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