荒川区における 「子どもの貧困対策」

平成27年度政策・実務研修「子どもの貧困対策」
荒川区における
「子どもの貧困対策」
荒川区子育て支援部子育て支援課長
伊藤節子
荒川区の概況
地勢
東京23区の東北部に位置
し、総面積は10.16㎡です。
荒川区は東西に長く隅田川
が区の北東部を迂回して
流れています。
区内の大部分はほとんど
起伏がなく平坦ですが、
南西部には山手台地の一部
があります。
 人 口 210,468人

(平成27年9月1日現在)
年少人口
24,219人
荒川区
10.16㎡
総人口の推移
▼総人口の推移
千人
300
285
推
250
200
計
値
247
198
185
177 180
207 208 208 209 210 211 212
201 204 205 206
198
190 191 194
150
100
50
0
昭和 昭和 昭和 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成
35年 45年 55年 2年 7年 12年 17年 18年 19年 20年 21年 22年 23年 24年 25年 26年 27年 28年 29年 30年 31年
18歳以下年齢別児童人口の推移
荒川区の基本姿勢と取組の経緯
◆区の基本姿勢
・「区政は区民を幸せにするシステムである」
(区のドメイン)
・荒川区民総幸福度(GAH)の研究への取組
→当面は不幸を減らす取組が必要
・ワーキングプアや非正規雇用者の増加など格差
社会の顕在化
・弱い立場にある子ども達への影響の深刻化
・区民に最も身近な基礎自治体として、「区民の
安心の砦」となるために
◆これまでの取組の経緯(概略)
平成21年
05月:子どもの貧困問題検討委員会の設置
10月:荒川区自治総合研究所の設立
子どもの貧困・社会排除問題研究
プロジェクトスタート
平成22年
03月:「中間報告書」の公表
05月:荒川区子どもの貧困・社会排除問題
対策本部の設置
平成23年
08月:「最終報告書」の公表
荒川区子どもの貧困・社会排除問題
検討部会の設置
11月:子どもの貧困の早期発見のための
情報共有に関するPTの設置
子どもの貧困に至るリスクと決定因子
■複合的貧困の様相
・子どもの貧困・社会排除問題は、様々な要因が
複雑に絡み合って発生
・子どもの貧困の「リスク」を抱えた家庭に、
「決定因子」が組み合わさることで発生
・子ども自身にも現れる貧困・社会排除の様々な
様相
①学力不足
②不衛生
③食生活不全
④児童虐待
⑤不登校
⑥問題行動
⑦非行
【リスク】
①家計の不安定
②生活の負担
③疾患・疾病等
④家族の人間関係
⑤孤立
⑥貧困の連鎖
⑦その他(保護者の不十分な日本語能力、
若年出産など)
【決定因子】
①保護者の就労状況・就労力
②保護者の養育状況・養育力
③世帯に対する支援の有無
○リスクを持った世帯のシグナルを早期に発見
し、包括的にリスク軽減の方法を提供するこ
とで、子どもの貧困・社会排除の状態に陥る
ことを回避
○リスクと決定因子の両方を持っている世帯に
対しては、子どもの貧困・社会排除の状況か
らの離脱、自立生活への移行
区の取組の現状

産後うつ傾向や育児不安等の症状を持つ親へ
の精神科医による個別相談
(ママメンタルサポート事業)
平成20年度開始 1,300件/年

スクールソーシャルワーカー配置 3名
心理専門相談員配置 13名
平成22年度配置 来所相談5060件

子ども家庭支援センターの相談体制の強化
平成21年度虐待対応専門相談員配置
平成23年度心理専門相談員配置
平成25年度虐待対策コーディネーター配置
家庭相談の充実 平成24年度開始
(家事事件の専門知識を持つ職員の配置)
週2日 57件/年

保育園における早期発見体制の充実
(保育に関する知識と経験を持つ子育て相談
専門員の増員)退職保育園長を活用


保護者の学び直し事業 平成27年度開始
(高卒認定試験支援事業)

良好な学習環境にない子どもの学力不足に
対応した学習支援事業 平成24年度開始
(学びサポート事業)
週3日(月・水・金)16:30~19:45
対象 小学生:5~6年 中学生:全学年
平均16人/日
スタッフ(有償ボランティア)
コーディネーター2人
(1時間2000円)
学習ボランティア11人
(1時間1000円)

支援が必要な子どもに対して生活支援と学習
支援を提供する団体に助成 平成27年度開始
(子どもの居場所づくり事業)
対象者 支援が必要な18歳までの児童
助成内容
毎週1回、学習支援及び夕食の提供をする
取組に参加した児童1人につき2000円
を団体に助成
実施団体 地域の有志ボランティア、NPO
ご清聴ありがとうございました