大王製紙株式会社の取締役に対する訴訟の提起

平成 27 年 12 月 16 日
各
位
会 社 名 北越紀州製紙株式会社
代表者名 代表取締役社長 CEO 岸本 晢夫
問合せ先 広 報 室 長
電
柳澤
誠
話 03-3245-4500
大王製紙株式会社の取締役に対する訴訟の提起に関するお知らせ
当社は、大王製紙株式会社(以下「大王製紙」といいます。)の取締役 13 名に対し、下記の
とおり損害賠償請求訴訟を提起いたしましたので、お知らせいたします。
記
1.訴訟を提起した裁判所および年月日
東京地方裁判所
平成 27 年 12 月 15 日
2.訴訟を提起した相手(被告)
大王製紙 代表取締役社長
佐光正義
大王製紙 取締役
阿達敏洋、森 憲一、岡崎邦弘、大原英樹、都築明宏、
小野享志、山﨑浩史、清水康徳、篠原義幸、山上俊樹、
吉田伸彦、米田幸正
3.訴訟の内容
被告らに対し、連帯して、当社が保有する大王製紙株式の価値が毀損され当社が損害を
被った 88 億 145 万 3344 円から 126 億 7868 万 4106 円のうち、もっとも保守的に見積もっ
た金額である 88 億 145 万 3344 円及びこれに対する訴状送達の翌日から支払済まで年5%
の割合による金員の支払い等を求めるものです。
4.訴訟の原因および経緯
(1) 大王製紙は、平成 27 年 9 月 1 日、同日に開催した取締役会において、2020 年満期ユーロ
円建転換社債型新株予約権付社債の発行(以下「本件発行」といいます。
)を決議した旨の
公表を行い、また翌 2 日には、本件発行の諸条件を決定した旨を公表しました。
これにより、同日の大王製紙の株価は東京証券取引所第 1 部市場において最大となる下
落率を記録し、同月 7 日には、本件発行が公表される直前の株価(9 月 1 日の終値)からの
下落幅は 389 円(下落率約 27.2%)となり、数多くの大王製紙の株主が保有する株式価値
を総額で約 600 億円も毀損する事態を引き起こしました。
(2) このように、大王製紙の株価が大幅に下落し続ける異例な状況を踏まえ、当社は、大王
製紙に対し、本件発行は株主共同の利益を大幅に毀損するものであるとして、再三にわた
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り、本件発行の撤回を求めるとともに、大王製紙の資金調達について当社が最大限協力す
る用意があることなども伝え、大王製紙の株主共同の利益が大幅に毀損されることのない
よう、建設的な対話を求めました。
しかしながら、大王製紙は、本件発行までに十分な検討時間があるにもかかわらず、本
件発行の公表後に株価が下落し続けている状況を踏まえた検討を行うことなく、また株主
である当社との建設的な対話も拒み続け、同月 17 日、当初の条件及びスケジュールで、本
件発行を強行しました。
その結果、当社の保有する大王製紙の株式の価値は、88 億 145 万 3344 円から 126 億 7868
万 4106 円毀損されました。
(3) 取締役は、株主のために、株主の利益を守り、企業価値を向上させる「受託者責任」を
負っております。また、今年は所謂「コーポレートガバナンス元年」と言われ、上場企業
各社がその体制の強化に真摯に取り組んでおります。それにもかかわらず、本件発行の強
行を決定し、それにより株主共同の利益を一方的且つ大幅に毀損させた大王製紙の取締役
は、株主から経営を付託された取締役としての「受託者責任」を放棄し、善管注意義務及
び忠実義務を果たしていないものと言わざるを得ません。加えて、大王製紙は、本件発行
の強行後も、その経緯・理由についてなお説明責任すら果たしておりません。
そのため、当社は、大王製紙の株主として、また、当社ステークホルダーに対する説明
責任を負う上場企業として、本件発行を強行した同社の取締役による任務懈怠を看過する
ことはできないと判断し、やむを得ず、もっとも保守的に見積もった金額である 88 億 145
万 3344 円について損害賠償請求訴訟を提起いたしました。当社は、これからも大王製紙の
会社経営における規律を正すことにより同社の企業価値の向上を図り、当社グループの企
業価値のさらなる向上につなげてまいります。
5.今後の見通し
本件訴訟の提起が、今後の当社業績に与える影響は現時点ではありませんが、今後開示
すべき事項が発生した場合には、速やかに開示いたします。
以上
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