気候風土 - 徳島経済研究所

気候風土
徳島県の気候は、南部の温暖で湿潤な太平洋側気候、北部の温暖で乾燥した瀬戸内気候、
山岳部の冷涼で湿潤な日本海側気候
(山岳気候)の三つに大別できる。年間の平均気温は沿
岸部で 17℃前後と温暖であるが、県西部や山間部では 12℃前後と冷涼であり、剣山におい
ては 4℃程度と寒冷である。また、台風の常襲地域でもあり、年数回はその影響を受けてお
り、特に県南部や那賀川上流部は大雨になることが多い。全体としては、年間を通じて温度
差が少なく、総じて穏やかな気候であり、日照時間も長い。
しかし、二酸化炭素などの温室効果ガス濃度の上昇による地球温暖化は徳島県も例外では
なく、年平均気温はゆるやかではあるが上昇している。
徳島県には、温暖、多雨、多湿な気候、豊富な水量などの気候風土を活かして成長した産
業が多くある。古代、粟がよく実ったことから「粟
(阿波)
の国」と呼ばれたように、現在も
吉野川流域の徳島平野を中心に、農業がさかんに行われている。全国屈指のシェアを誇る木
工、木製品は、もともとは那賀川流域の木頭杉などの加工から始まったものである。また、
徳島県の代表的産業に成長した製薬、化学も、かつては製塩時に発生する副産物を主原料と
して加工、製品化していた。
(元木恵子)
(気候−1)徳島県の年平均気温の推移
(℃)
18
17
16
15
1965
1970
1975
1980
1985
1990
1995
2000
2005
2010
2014 (年)
(気候−2)
気候風土に関する指標
最低気温
(2013,℃)
最高気温
(2013,℃)
年平均気温
日照時間
(年間) (2013,時間)
(2013,℃)
順位
県 名
気 温
順位
県 名
気 温
順位
県 名
気 温
順位
県 名
時 間
1
北海道
-8.0
1
山 梨
35.3
1
沖 縄
23.3
1
山 梨
2,462
2
岩 手
-7.1
2
京 都
35.1
2
鹿児島
18.9
2
宮 崎
2,411
3
青 森
-4.7
3
大阪・香川
34.8
3
宮 崎
17.9
3
高 知
2,373
11
徳 島
1.6
17
徳 島
33.7
15
徳 島
16.8
8
徳 島
2,327
45
福 岡
2.9
45
岩 手
10.6
45
北海道
1,648
46
鹿児島
3.9
46
青 森
10.5
46
青 森
1,516
47
沖 縄
14.3
47
北海道
9.2
47
秋 田
1,469
45
47
青 森
秋 田
北海道
29.3
27.1
注:日最低気温の月平均の最低値 注:日最高気温の月平均の最高値
1
地勢・土地
徳島県は、四国の東部に位置し、北は香川県、西は愛媛県、南西部は高知県に接してい
る。東部は海洋
(北から、瀬戸内海、紀伊水道、太平洋)
に面しており、北東部は大鳴門橋で
兵庫県淡路島と結ばれている。
徳島県の地形は地質の構造を反映して山、谷、川の多くが東西方向に分布している。徳島
の山系は、北から阿讃山脈、中央部の四国山地、南部の海部山地の三つに大別される。四国
山地には四国第二の標高の剣山
(標高 1,955 m)を頂点に、標高 1,000 メートルを超える山々が
数多くある。四国山地と阿讃山脈の間には、西日本を代表する吉野川
(四国三郎)
が流れてい
る。吉野川をはじめとする大小の河川が、河岸段丘、扇状地、三角州を形成し、東部海岸沿
いに平野部が広がっている。
歴史的には、徳島県は大阪など関西とのつながりが深い。四国内で隣接する香川県や高知
県との間には険しい四国山地があり、昔は往来が困難であったのに対し、関西へは船で海を
渡って行き易い地勢にあったことが大きく影響している。
徳島県の面積は 4,147 平方キロメートルで、国土の約 1.1%に相当する。山地が多く、森林
面積は県土の 75%を占めているため、可住地面積割合は全国平均を下回っている。しかし
ながら、都市として総合的に整備、開発及び保全を図る都市計画区域の割合
(都市計画区域
面積/可住地面積、2012 年)は 61.0%と全国平均
(80.0%)を下回っており、県勢発展に向け
て計画的な土地利用を促進することが大切である。
(地勢−1)徳島県の主な山岳と河川
1605
1849
1880
1812
1632
1606
1019
2
また、可住地の広がり自体に偏りがある。徳島県の人口集積は、徳島市を中心にして同心
円状に周辺部へ広がるのではなく、東西方向には吉野川沿い、南北方向には海岸線沿いに帯
状に広がり、T字型のような形状になっている。その結果、交通の流れは徳島市に集中する
こととなり、慢性的な交通渋滞を発生させるとともに、徳島市周辺の地価を相対的に押し上
げていると言われている。ちなみに、徳島県の基準地価の平均価格
(2014 年)は、住宅地が
30,800(円/㎡)、商業地が 63,000(円/㎡)であり、全国都道府県のなかでも住宅地は 27 位、
商業地は 31 位と経済力に比して高くなっている。全国的には地価の調整局面が続いており、
徳島県の地価も同様の傾向が見られる。
今後 30 年以内に 70%の確率(50 年以内では 90%)
で南海地震の発生が予想されている。東
海、東南海地震と連動した南海トラフ巨大地震が発生した場合、県内全域で震度6弱以上、
徳島市から阿南市などの東・南部沿岸では震度7の強い揺れも想定され、最悪の場合、県内
の死者は約 31,300 人、建物の全壊・焼失は約 116,400 棟に上ると予想されている。今後、早
急に地震への対応策が求められる。
(元木恵子)
(地勢−2)可住地面積1㎢当たり人口密度(2014年1月1日現在)
(人/㎢)
鳴門市
板野町
450∼550
石井町
美馬市
三好市
藍住町 北島町 松茂町
上板町
阿波市
550∼650
徳島市
吉野川市
東みよし町
つるぎ町
∼250
250∼450
650∼1000
神山町
佐那河内村
三好市
小松島市
1000∼
勝浦町
上勝町
阿南市
那賀町
美波町
牟岐町
海陽町
注:市町村別の可住地面積は2011.10.1時点のものを使用
資料:徳島県「県人口移動調査結果報告書」
(地勢−3)
地勢・土地に関する指標
総面積
面積割合
(2013,100㎢)
(対全国総面積)
人口密度
(2013,%)(可住地面積1㎢当たり) (2013,人)
順位
県 名
割 合
順位
県 名
割 合
順位
県 名
人 数
834.57
1
北海道
152.79
2
岩 手
21.03
1
大 阪
69.4
1
東 京
9,553.6
4.10
2
千 葉
68.5
2
大 阪
6,701.4
福 島
137.83
3
福 島
3.70
3
埼 玉
67.8
3
神奈川
6,187.3
36
徳 島
41.47
36
徳 島
1.11
38
徳 島
24.7
26
徳 島
751.8
45
東 京
21.89
45
東 京
0.59
45
岐 阜
20.7
45
岩 手
350.6
46
大 阪
19.01
46
大 阪
0.51
46
島 根
19.2
46
秋 田
328.7
47
−
香 川
18.77
47
香 川
0.50
47
高 知
16.3
47
北海道
244.6
全 国
3,779.60
−
全 国
100.00
−
全 国
32.8
−
全 国
1,042.1
順位
県 名
1
北海道
2
岩 手
3
面 積
可住地面積割合
(2013,%)(対総面積)
3
水系
■吉野川水系と那賀川水系
徳島県は豊かな水量を持つ多くの川に恵まれており、県民の川への愛着は非常に深い。
河川は上流部から小さな河川が合流し、この合流を繰り返しながら徐々に海へと向かうに
したがい大きな河川となっていく。これら一群の河川を合わせた単位を「水系」と呼んで
いる。1965年に施行された河川法によって、国土保全上または国民経済上特に重要な水系
として政令で指定されたものを「一級水系」と呼び、一級水系に係る河川が「一級河川」
である。一級水系と認定されている河川群は全国に109存在し、そのうち四国の一級水系は
8で、河口が徳島県にあるものは吉野川水系と那賀川水系の2つである(水系−1)。
吉野川水系は、3,750平方キロ(徳島県63%、香川県1%、愛媛県8%、高知県28%)の流域面
積(水系全体が雨水を集めてくる領域の広さ)を持ち、この広さは全国で17位、四国では
1位であり、四国全体の面積の約20%に相当する。幹川流路延長(水系の中心となる河川
の長さ)は国土交通省によると194キロで、全国12位、四国では渡川水系(四万十川を幹川
とする水系)の196キロにわずかに及ばず2位となっている(水系−2)。一方、1990年に
旧建設省が確認した源流からすると吉野川水系は198キロで、四国一であるという説もある。
いずれにしても、吉野川は既述のような流域面積を持つ四国一の大河であり、四国四県に
豊かな恵みをもたらしている。また、吉野川は古く昔から洪水を繰り返す暴れ川であり、
手に負えないワンパク兄弟といった意味合いから、本州・利根川の「坂東太郎」、九州・
筑後川の「筑紫次郎」と並び、「四国三郎」と呼ばれている。2012年から始まった「恵みの
宝庫『吉野川』創造プロジェクト」の一貫として、同年9月30日には、数年来これらの流域
団体が協議を進めてきた、日本三大河川の兄弟縁組が行われた。国内の河川同士の縁組は
初めてであり、なりわい・かたらい・にぎわいの3つの視点から交流促進を行っている。
もうひとつの一級水系である那賀川水系は、流域面積が全国70位、幹川流路延長が同34
位に位置し、剣山に源流を持つ、徳島県内だけを流れる一級水系である。吉野川は高知県
側の上流部86キロを除くと、徳島県内での幹川流路延長は108キロとなり、県内を流れる長
さでは125キロの那賀川が最長となる。特徴としては、流域が国内有数の多雨地帯でありな
がら、地形が急峻であり流速が速く、大雨が降り洪水が発生すると短い時間に急激に川の
水位が上昇する反面、雨が降らなければ渇水が起こりやすいことが挙げられる。
また徳島県の河川は水質にも定評があり、国土交通省四国地方整備局の水質調査報告書
『平成25年四国内一級河川の水質現況のお知らせ』
(2014年7月発表)によると、県内では
4地点が最良に選ばれており、吉野川は2年連続で水質が最良となっている(水系−3)。
二級河川・海部川(海部川水系)もその透明度の高さから「知られざる清流」といわれて
4
おり、2003年実施の徳島文理大学の調査では、その水質は穴吹川を上回るとの結果が出さ
れた。上流には1990年に『日本の滝百選』の一つに選定された轟(とどろき)の滝もあり、
流域には絶滅の恐れのある貴重な種も含め、多くの動植物が生息している。
■水の郷としての特色
徳島市には川が多く存在し、市の刊行物『ふるさと徳島 2002』に次のような記述がある。
「初めて徳島を訪れた人が驚くことの一つは、市内を流れる川の多さである。その数実に
138本、総延長209キロ、河川面積2,580ヘクタール(一級・二級・準用河川)で、市の
全面積の13.6%を占める」。その様子は徳島市中心部の地図などにもよく表れており、城
下町形成の際に河川群が担った役割を読み取ることができる。徳島市近辺の主要河川のう
ち、海に河口を持つものを北から順に並べると、撫養川、旧吉野川、今切川、吉野川、新
町川、勝浦川、那賀川となる。
また、徳島市は「水の郷百選」(国土交通省)に選出されており、2009年には徳島市で
「全国水の郷サミット」が開催された。そのなかで、市内中心部を流れる新町川と助任川
に囲まれた周囲約6キロの中洲が、上空から見ると「ひょうたん」の形に見えることから、
「ひょうたん島」と呼ばれており、水辺を生かしたまちづくりの先進的な事例として、周
遊船が約30分をかけて一巡する「ひょうたん島クルーズ」は大きな注目を集めた。多くの
市民や観光客が水上からの風景や風の心地よさを楽しんでおり、徳島の特産品である良質
な「青石」を使った護岸装飾やLED(発行ダイオード)の光の美しさも賞賛されている。
これらは、「ひょうたん島水と緑のネットワーク構想」に基づき、水辺を生かした個性的
なまちづくりが進められてきた結果といえ、行政やNPOをはじめ市民の手によって進め
られてきたところに大きな特徴がある。
2010年4月17日∼25日にはひょうたん島周辺で「徳島LEDアートフェスティバル2010」
が開催され、当初目標とした10万人を遙かに超える約20万人を動員した。新町川にかかる
ふれあい橋と両国橋では、橋全体がアート作品となったほか、徳島市の「LED景観整備
事業」により、隣接する新町橋もアーティストによるアート作品へと整備された。同フェ
スティバルは3年ごとに開催されており、2013年4月20日∼29日にはスケールを拡大した
「同2013」が開催され、21万人が訪れた。次回開催は2016年を予定している。
また、毎月最終日曜日(初回2010年12月26日開催)には、県産のこだわりの野菜や食材
を、新町川沿いのボードウォークで販売するお洒落な産直市「とくしまマルシェ」や各種
イベントが開催されるに至り、徳島が他県に誇るロケーションを活かしたまちづくりへの
機運が高まっている。2013年10月26日∼27日からはひょうたん島を舞台に、水都・徳島の
魅力を全国に発信することをめざした「徳島ひょうたん島博覧会2013」が開催され、3回
目となる2015年は「徳島ひょうたん島水都祭」として7月10日∼12日の開催を予定している。
5
■水の名所
こうした水系を持つ徳島県には水に関連した名所が多くあり、これまでにもさまざまな
機関や団体が水の名所を選出している。『とくしま水紀行50選』
(1999年、徳島県選定)、
『四国のみずべ八十八カ所』(2003年、四国のみずべ八十八カ所実行委員会選定)、『名
水百選』(1985年、環境省選定)、『日本の滝百選』(1990年、環境省など選定)などが
挙げられ、2008年には環境省が選定した『平成の名水百選』に海部川が選ばれている。
徳島県の水の名所を抜き出し、図表(水系−4)にまとめた。 (岩野倫子)
(水系−1)四国の一級水系
(2013年4月30日現在)
河川数
幹川流路
延長
(㎞)
吉 野 川
358
194
3,750
徳島県
那 賀 川
75
125
874
徳島県
土 器 川
11
33
127
水系の名称
流域面積
(㎢)
河 口
(水系−3)四国地方21河川
(湖沼・海域を含む)
の
地点別年平均値
(2013年)
水系名 河川名
調査地点
地点数 県名
各地点のBODまたは
COD年平均値
吉野川 吉野川
4
0.5 脇町潜水橋 0.5 徳島 高瀬橋
池田ダム 1.2※ 早明浦ダム 1.4※
香川県
吉野川 旧吉野川
3
0.9 牛屋島橋 0.7 徳島 大津橋
市場橋 0.6
重 信 川
75
36
445
愛媛県
吉野川 今切川
2
徳島 加賀須野橋 1.0 鯛浜堰上流 0.9
肱 川
475
103
1,210
愛媛県
物 部 川
35
71
508
高知県
吉野川 穴吹川
1
徳島 穴吹 0.5
仁 淀 川
167
124
1,560
高知県
吉野川 貞光川
1
徳島 貞光 0.5
渡 川(四 万十川)
319
196
2,270
高知県
吉野川 鮎喰川
1
徳島 鮎喰 1.1
吉野川 銅山川
3
2.1※ 柳瀬ダム 1.7※ 愛媛 新宮ダム
富郷ダム 1.2※
那賀川 那賀川
4
1.9※ JR那賀川鉄橋1,8※ 徳島 富岡水門
那賀川橋 0.6 長安口ダム 1.4※
那賀川 桑野川
2
徳島 富岡新橋 1.1 領家 0.8
(資料)国土交通省
(水系−2)全国の規模が大きな水系
(2013年4月30日現在)
水系流域面積(㎢)
幹川流路延長(㎞)
順
河 川
面 積
順
河 川
長 さ
土器川 土器川
3
香川 丸亀橋 1.7 祓川橋 0.6 常包橋 0.7
1
利 根 川
16,842
1
信 濃 川
367
重信川 重信川
5
愛媛 重信橋 0.5 拝志大橋 0.8
2
石 狩 川
14,330
2
利 根 川
322
重信川 石手川
2
愛媛 市坪 1.6 石手川ダム 3.5※
3
信 濃 川
11,900
3
石 狩 川
268
肱川
肱川
6
愛媛 肱川橋 0.6 鹿野川湖堰堤 2.9※ 野村ダム 2.8※
4
北 上 川
10,150
4
天 塩 川
256
肱川
矢落川
2
愛媛 生々橋 1.6 新大橋 0.6
5
木 曽 川
9,100
5
北 上 川
249
物部川 物部川
3
高知 深渕 0.6 戸板島 1.1 山田堰 0.7
6
十 勝 川
9,010
6
阿武隈川
239
7
淀 川
8,240
7
5
最 上 川
229
仁淀川 仁淀川
高知 伊野 0.5 大渡ダム 1.5※
8
阿賀野川
7,710
8
木 曽 川
229
仁淀川 波介川
1
高知 小野橋 1.2
9
最 上 川
7,040
9
天 竜 川
213
仁淀川 宇治川
1
高知 音竹 1.7
10
天 塩 川
5,590
10
阿賀野川
210
11
阿武隈川
5,400
11
渡 川
196
12
天 竜 川
5,090
12
吉 野 川
194
13
雄 物 川
4,710
12
江 の 川
194
14
米 代 川
4,100
14
新 宮 川
183
15
富 士 川
3,990
15
荒 川
173
16
江 の 川
3,900
16
大 井 川
168
17
吉 野 川
3,750
17
十 勝 川
156
18
那 珂 川
3,270
18
釧 路 川
154
19
荒 川
2,940
19
斐 伊 川
153
20
九頭竜川
2,930
20
那 珂 川
150
70
那 賀 川
874
34
那 賀 川
125
川口大橋 0.8 出合橋 1.1 中川原橋 1.1
長浜大橋 0.6 大和橋 0.7 祇園大橋 0.6
仁西 0.5 中島 0.5 八田堰 0.5
渡川
四万十川
2
高知 下田 1.6 具同 0.5
渡川
中筋川
2
高知 山路橋 1.2 中筋川ダム 1.5※
渡川
後川
1
高知 後川橋 0.5
※ 湖沼類型指定地点・海域類型指定地点は、全層COD平均値
を示す。
資料:国土交通省四国地方整備局
(資料)国土交通省
6
(水系−4)水の名所
名 称
所 在 地
50 88 滝 水 平・水
名 称
錦竜水など眉山湧水群
徳島市
○
日和佐川
蔵清水
徳島市
○
日和佐海岸(大浜海岸) 美波町
八多五滝
徳島市
○
不動の滝
牟岐町
○
吉野川河口
徳島市
○
海部川
海陽町
○ ○
こんにゃく橋のみずべ(鮎喰川) 徳島市
○
轟の滝と王余魚谷
海陽町
○ ○ ○
新町川水際公園とケンチョピア 徳島市
○
母川
海陽町
○
鳴門海峡
鳴門市
○
善入寺島周辺のみずべ
阿波市・吉野川市
○
ウチノ海
鳴門市
○
龍王水
吉野川市
○
のぞみの泉
小松島市
○
江川の湧水
吉野川市
○
宝寿水
小松島市
○
母衣暮露滝
吉野川市
○
午尾の滝
阿南市
○
土々呂の滝
東みよし町
○
水呑大師の水
勝浦町
○
大平の湧水
三好市
○
立川渓谷
勝浦町
○
貞光ゆうゆう館周辺の竹林とみずべ つるぎ町
裏見の滝
勝浦町
○
鳴滝
つるぎ町
○ ○
殿川内渓谷
上勝町
○
土釜と一宇峡
つるぎ町
○ ○
灌頂ケ滝
上勝町
○
穴吹川
美馬市
○ ○
命の水
佐那河内村
○
閑定の滝
美馬市
○
第十堰周辺のみずべ
石井町・上板町
龍頭の滝・金剛の滝
三好市
○
大泉・小泉
神山町
○
美濃田の淵
東みよし町
○ ○
柳の水
神山町
○
竜ケ峡
三好市
○
高根悲願寺の名水
神山町
○
祖谷峡
三好市
○
奧鮎喰渓谷
神山町
○
池田湖
三好市
○
雨乞の滝
神山町
○ ○ ○
黒沢湿原とたびの尻滝
三好市
○
神通滝
神山町
○
大歩危・小歩危
三好市
○ ○
鷲敷ライン
那賀町
○ ○
とびの巣渓谷
三好市
○
臼ケ谷渓谷
那賀町
○
次郎笈の水
三好市
○
明神の滝
那賀町
○
剣山御神水
三好市
○
長命水
那賀町
○
奧祖谷二重かずら橋と丸石谷川 三好市
坂州木頭川
那賀町
○
琵琶の滝
大釜の滝と釜ケ谷渓谷
那賀町
○
新居田の滝
那賀町
○
歩危峡の湧水
那賀町
○
高の瀬峡
那賀町
○
お水大師の水
美波町
○
○
○
所 在 地
50 88 滝 水 平・水
美波町
○
三好市
○
○
○
○
○
○
○
50:
とくしま水紀行50選
(徳島県、
1999年)
88:四国のみずべ八十八カ所
(「四国のみずべ八十八カ所」実行委員会、
2003年)
滝:
日本の滝百選
(環境省など、
1990年)
水:名水百選
(環境省、
1985年)
平・水:平成の名水百選
(環境省、
2008年)
7
(人口−9)
人口に関する指標
総人口
(2013,万人)
年少人口割合
[15歳未満]
(2013,%)
[65歳以上]
生産年齢人口割合
[15∼64歳]老年人口割合
(2013,%)
(2013,%)
順位
県 名
人 数
順位
県 名
割 合
順位
県 名
割 合
順位
県 名
割 合
1
東 京
1,330
1
沖 縄
17.6
1
東 京
66.8
1
秋 田
31.6
2
神奈川
908
2
滋 賀
14.8
2
神奈川
64.7
2
高 知
31.1
3
大 阪
885
3
佐 賀
14.3
3
埼 玉
64.1
3
島 根
30.9
44
徳 島
77
42
徳 島
12.0
32
徳島・香川・長崎
58.8
6
山形 ・徳島
29.1
45
高 知
75
45
北海道
11.6
45
山 口
57.3
45
愛 知
22.3
46
島 根
70
46
東 京
11.3
46
高 知
57.1
46
東 京
21.9
47
鳥 取
58
47
秋 田
10.9
47
島 根
56.4
47
沖 縄
18.4
−
全 国
12,730
−
全 国
12.9
−
全 国
62.1
−
全 国
25.1
(人口−10)人口に関する指標
合計特殊出生率
(2013,−)
自然増加率
(2013,%)
社会増加率
(2013,%)
従属人口指数
(2013,−)
順位
県 名
割 合
順位
県 名
割 合
順位
県 名
割 合
順位
県 名
割 合
1
沖 縄
1.94
1
沖 縄
0.44
1
東 京
0.53
1
島 根
77.3
2
宮 崎
1.72
2
愛 知
0.06
2
宮 城
0.20
2
高 知
75.3
3
島根・熊本
1.65
3
滋 賀
0.06
3
埼 玉
0.16
3
山 口
74.4
31
栃木・富山・徳島
1.43
41
徳 島
-0.56
31
徳 島
-0.22
15
徳 島
70.0
45
北海道
1.28
45
山 形
-0.60
45
長 崎
-0.42
45
埼 玉
56.1
46
京 都
1.26
46
高 知
-0.67
46
秋 田
-0.44
46
神奈川
54.5
47
東 京
1.13
47
秋 田
-0.82
47
青 森
-0.45
47
東 京
49.7
−
全 国
1.43
−
全 国
-0.19
−
全 国
−
−
全 国
61.1
(人口−11)人口に関する指標
一般世帯の平均人員
単独世帯の割合
高齢単身世帯の割合
共働き世帯の割合
(2010,人)(対一般世帯数)
(2010,%)
(対一般世帯数)
(2010,%)(対一般世帯数)
(2010,%)
順位
県 名
割 合
順位
県 名
割 合
順位
県 名
割 合
順位
県 名
割 合
1
山 形
2.94
1
東 京
45.79
1
鹿児島
14.09
1
福 井
36.44
2
福 井
2.86
2
大 阪
35.78
2
高 知
13.95
2
山 形
36.05
3
佐 賀
2.80
3
京 都
35.76
3
和歌山
12.81
3
富 山
35.11
26
徳 島
2.52
22
徳 島
29.02
11
徳 島
10.73
25
徳 島
26.92
45
鹿児島
2.27
45
奈 良
23.70
45
宮 城
7.02
45
北海道
21.24
46
北海道
2.21
46
岐 阜
23.61
46
茨 城
6.93
46
大 阪
19.08
47
東 京
2.03
47
山 形
23.17
47
滋 賀
6.55
47
東 京
17.74
−
全 国
2.42
−
全 国
32.38
−
全 国
9.24
−
全 国
24.45
資料:総務省統計局「国勢調査報告」
13
人口
国勢調査の結果によると、2010年10月時点での徳島県の人口は、785,491人となっており、
前 回( 2 0 0 5 年 )に比 べ 2 4 , 4 5 9 人( 3 . 0 % )減 少し、8 0 万 人を大きく割り込んだ( 人 口−1)。
国立社会保障・人口問題研究所が2007年に推計した2010年の県人口より、約3千人少ない
結果ともなっている。2015年1月1日時点の推計人口は、762,834人(前年同期比5,824人減)。
国勢調査が始まった1920年当時、670,212人であった徳島県の人口は、戦争中の一時期を
除きほぼ一 貫した増 加を続け、1 9 5 0 年には8 7 8 , 5 1 1 人となり、調 査 開 始 以 来、最 大の人口を
記 録した。その後 、
日本は高 度 経 済 成 長 期を迎えるが、当 時の徳 島 県には、雇 用の吸 収 力
のある産 業が少なく、大 都 市 圏などに仕 事を求めたことから人口流出が進み、1 9 7 0 年には、
7 9 1 , 1 1 1 人にまで減 少した。1 9 7 0 年 代に入ると、出生 数の増 加や転出者 数の減 少などから、
人口は再び増加基調となり、1985年以降は概ね83万人台で安定していたが、1990年以降は
少 子 高 齢 化の影 響などにより減 少が続いている。一 方、世 帯 数は核 家 族 化の進 展や、高 齢
単身世帯の増加を背景に、2010年は301,546世帯と前回(2005年)に比べ4,007世帯(1.3%)
増 加し初の3 0 万 台に達したが、将 来 的には世 帯 数も減 少 見 込みとなっている
( 人口−8)。
2 0 1 0 年 時 点での年 齢 構 成をみると、年 少 人口( 1 5 歳 未 満 )が1 2 . 4%、生 産 年 齢 人口( 1 5
∼ 6 4 歳 )が 6 0 . 6%、老 年 人 口( 6 5 歳 以 上 )が 2 7 . 0%となっている( 人 口−2、
3)。2 0 1 3 年
時 点での年 少 人口の割 合は全 国で6番目に低く、老 年 人口の割 合は全 国で6番目に高いこ
とから、徳 島 県 は 全 国 的にみても少 子 高 齢 化 の 先 進 県 であるといえる( 人 口−9)。今 後
も死 亡 率の低 下による平 均 寿 命の伸 長や、少 子 化の進 行といった全 国 共 通の要 因のほか、
若 年 層の就 職や進 学などによる県 外 への流出という地 方 特 有の要 因により、老 年 人口割 合
の上昇や、年少人口と生産年齢人口の割合の低下が進むものと予想される。2014年の社会
動態(県内移動を含む)
をみると転入者数が23,668人、転出者数が25,152人で1,484人の転出
超 過となった( 人口−6)。1 9 9 0 年 代 後 半には転 入 超 過の年もあるが、長 期 的に見れば転出
超 過が続いており、他の都 道 府 県からに限った場 合についても転出超 過となっている反 面、
近 年は国 外 からの 転 入 者 が 増 加 傾 向となっている。
2 0 1 4 年に生まれた子どもの数(出生 数:住 民 票の記 載をした者 )は5 , 5 2 9 人と戦 後 最 少を
更 新しており、少 子 化 へ の 対 策 が 重 要 度を増している( 人 口−5)。第 二 次 ベビーブーム
(1971∼1974年)以降減少が続いた出生数は、2006年に増加を見た後ふたたび減少傾向が
続き、2009年以降ようやく減少に歯止めがかかっている。2013年の合計特殊出生率(女性1
人 が 生 涯に産む子どもの平 均 数 )は1 . 4 3と6年ぶりに低 下し、緩やかな上 昇 傾 向にある全
国 平 均 1 . 4 3と並んだ( 人 口−7)。今 後 は 地 域 で 安 心して子どもを産 み 、働きながら子 育
てしやすい環 境の整 備、社 会や企 業の意 識 改 革などが一 段と求められている。
また2 0 1 4 年
8
の死亡者(住民票の削除をした者)は9,869人であり、21年連続で死亡数が出生数を上回って
いる( 人口−5)。平 均 寿 命は年々延び 続け、2 0 1 0 年には男性が7 9 . 4 4 歳( 全 国 7 9 . 5 9 歳 )、
女 性 が 8 6 . 2 1 歳( 同 8 6 . 3 5 歳 )
とほぼ 全 国 平 均 並みの水 準となっている( 人口−4)。
日本 全 体が本 格 的な人口減 少 時 代に突 入しており、現 状のままでは経 済も連 動し、確 実
に縮小していくこととなる。国立社会保障・人口問題研究所が2012年1月に発表した「日本の
将 来 推 計 人口」によると、
日本の総 人口は、2 0 4 8 年に1億 人を割り込み、9 , 9 1 3 万 人となり、
2060年には8,674万人にまで減少する。65歳以上の高齢者率も39.9%に達し、超高齢化時代
となる。同 研 究 所の「日本の地 域 別 将 来 推 計 人口」
( 2 0 1 3 年 3月推 計 )によると、徳 島 県の
総人口は2040年に571,016人にまで減少し、2010年と比べ21,4475人(27.3%)減少する。各
市町村の将来推計人口では、2010年以降に人口が増加する地域は、北島町と藍住町のみと
なっているが、藍 住 町は2 0 3 0 年に、北 島 町についても2 0 3 5 年には減 少に転じることから、
2 0 3 5 年からは全ての地 域で2 0 1 0 年よりも人口が減 少 する見 通しとなっている( 人口−8)。
高齢化の進行も鮮明となっており、2040年時点での65歳以上の人口の割合(高齢化率) は、
全都道府県で30%を超え、徳島県については40%を超えると予想されている。
人口減 少の加 速ぶりが顕 著 化 するなか、徳 島 県 へのUターン、Iターンといった移 住 者に
対 する期 待は大きい 。徳 島 県と2 4 市 町 村で構 成 する「『とくしま』ふるさと回 帰 推 進 協 議
会」が2013年度に徳島県内市町村への移住者として把握したのは、
2年連続で100人超えと
なったものの対 前 年 度 比 7 人 減となる1 0 7 人( 県 内 間の移 住 2 7 人を含む)である。市 町 村 別
上位は神山町32人、那賀町22人、上勝町18人などとなっており、都市部住民の田舎志向の
高まりに加え、市 町 村 側での積 極 的PR活 動やNPOによる受け入れ 態 勢の整 備 が 効 果を
発揮しつつある。団塊世代移住による経済効果の詳細は、
『 徳島経済 』2006年秋号(vol.7
9)
に掲載の「団塊世代の徳島県への移住(U・J・Iターン)
にともなう経済波及効果」に記述。
(岩野倫子)
(人口−1)徳島県の人口
(千人)
1,000
800
716,544 728,748 718,717
854,811 878,511 878,109 847,274 815,115
834,889 831,598 832,427 824,108 809,950
785,491
791,111 805,166 825,261
600
400
200
0
1930
35
40
47
50
55
60
65
70
75
80
資料:総務省統計局
「国勢調査報告」
9
85
90
95 2000 05
10 (年)
(人口−2)徳島県年齢3区分別人口割合の推移
100%
7.5
60.0
8.4
9.6
64.7
67.1
10.7
12.0
13.3
67.2
66.7
66.3
50%
32.5
0%
1960
26.9
65
15.5
18.9
21.9
66.3
65.1
63.8
24.4
27.0
老年人口
(65歳以上)
62.6
60.6
生産年齢人口
(15∼64歳)
年少人口
(0∼14歳)
23.2
22.1
21.2
20.4
18.0
15.9
14.2
13.1
12.4
70
75
80
85
90
95
2000
05
2010 年
資料:総務省統計局「国勢調査報告」
(人口−3)徳島県の年齢(5歳階級)別男女別人口
1975年
男
40
30
20
10
10
0
(千人)
2010年
女
20
30
85歳以上 男
80 ∼ 84
75 ∼ 79
70 ∼ 74
65 ∼ 69
60 ∼ 64
55 ∼ 59
50 ∼ 54
45 ∼ 49
40 ∼ 44
35 ∼ 39
30 ∼ 34
25 ∼ 29
20 ∼ 24
15 ∼ 19
10 ∼ 14
5 ∼ 9
0 ∼ 4
40 (歳) 40
30
20
10
10
0
(千人)
女
20
30
40
資料:総務省統計局「国勢調査報告」
(人口−4)平均寿命の推移
(歳)
90
86.35歳
85
86.21歳
全国(女)
全国(男)
80
79.59歳
79.44歳
徳島(女)
75
徳島(男)
70
65
60
1970
75
80
85
90
資料:厚生労働省「都道府県別生命表」
10
95
2000
05
10 (年)
(人口−5)自然増減
(出生・死亡:人)
(増減:人)
2,000
10,000
死亡数
9,000
9,869
1,000
△4,340
8,000
0
-1,000
-2,000
7,000
-3,000
6,000
5,000
出生数
-4,000
5,529
-5,000
1990 91 92 93 94 95 96 97 98 99 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14(年)
資料:徳島県統計協会「徳島県人口移動調査報告」
(人口−6)社会増減
(転入・転出:人)
(増減:人)
37,000
2,000
36,000
転出数
1,000
35,000
34,000
△1,484 0
33,000
32,000
-1,000
31,000
30,000
-2,000
29,000
28,000
-3,000
27,000
26,000
25,152
転入数
-4,000
25,000
23,668
24,000
-5,000
23,000
1990 91 92 93 94 95 96 97 98 99 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14(年)
(注)転入
(出)数にはそれぞれ県内他市町村から(へ)
の移動を含む
資料:徳島県統計協会「徳島県人口移動調査報告」
(人口−7)合計特殊出生率の年次推移
2.20
2.00
1.80
1.60
徳島
1.40
1.20
1.43
1.43
全国
1.00 1965 70 75 80 85 90 94 95 96 97 98 99 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13
(年)
資料:国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集」
、
厚生労働省
「人口動態統計」
11
(人口−8)(1)将来の市町村別人口および指数(2010年=100とした場合)
総人口(人)
市町村
徳 島 県
徳 島 市
鳴 門 市
小松島市
阿 南 市
吉野川市
阿 波 市
美 馬 市
三 好 市
勝 浦 町
上 勝 町
佐那河内村
石 井 町
神 山 町
那 賀 町
牟 岐 町
美 波 町
海 陽 町
松 茂 町
北 島 町
藍 住 町
板 野 町
上 板 町
つるぎ町
東みよし町
2010年
785,491
264,548
61,513
40,614
76,063
44,020
39,247
32,484
29,951
5,765
1,783
2,588
25,954
6,038
9,318
4,826
7,765
10,446
15,070
21,658
33,338
14,241
12,727
10,490
15,044
2015年
755,619
258,639
59,276
38,905
73,524
41,978
37,009
30,330
26,447
5,260
1,609
2,379
25,432
5,345
8,174
4,337
6,924
9,504
15,024
22,103
33,754
13,822
12,230
9,294
14,320
2020年
722,519
250,772
56,700
37,115
70,713
39,737
34,757
28,179
23,416
4,798
1,429
2,180
24,694
4,598
7,148
3,886
6,171
8,616
14,858
22,181
33,817
13,302
11,664
8,242
13,546
指数
2025年
686,332
241,150
53,831
35,146
67,595
37,393
32,442
26,026
20,606
4,346
1,259
1,978
23,802
3,921
6,183
3,454
5,441
7,749
14,569
22,073
33,586
12,710
11,041
7,266
12,765
2030年
648,962
230,474
50,858
33,081
64,320
35,039
30,140
23,972
18,079
3,911
1,112
1,787
22,812
3,340
5,312
3,053
4,764
6,931
14,206
21,802
33,104
12,083
10,395
6,392
11,995
2035年
610,592
218,825
47,734
30,935
60,946
32,683
27,842
22,013
15,819
3,508
987
1,604
21,735
2,842
4,552
2,674
4,151
6,182
13,763
21,419
32,382
11,409
9,722
5,631
11,234
2040年
571,016
206,368
44,451
28,779
57,487
30,276
25,514
20,058
13,745
3,122
884
1,428
20,583
2,395
3,859
2,333
3,592
5,466
13,252
20,934
31,450
10,678
8,994
4,942
10,426
2045年
72.7
78.0
72.3
70.9
75.6
68.8
65.0
61.7
45.9
54.2
49.6
55.2
79.3
39.7
41.4
48.3
46.3
52.3
87.9
96.7
94.3
75.0
70.7
47.1
69.3
(注)2010年は国勢調査報告
(2)2040年の姿 人口減少指数(2010年=100)
鳴門市
板野町
上板町
阿波市
石井町
美馬市
三好市
藍住町北島町 松茂町
徳島市
吉野川市
東みよし町
つるぎ町
小松島市
佐那河内村
神山町
三好市
勝浦町
上勝町
阿南市
(単位:%)
100以上
那賀町
90以上100未満
美波町
80以上90未満
牟岐町
70以上80未満
海陽町
60以上70未満
資料:国立社会保障・人口問題研究所
「日本の地域別将来推計人口」
(2013年3月推計)
50以上60未満
50以下
(3)将来の世帯数(一般世帯)
(千人)350
300
250
258,149
273,839
単独世帯
夫婦のみ
287,897
297,539
301,546
2000
2005
2010
夫婦と子
299,245
ひとり親と子
その他
292,418
282,417
270,412
256,762
2020
2025
2030
2035(年)
200
150
100
50
0
1990
1995
2015
資料:国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)」(2014年4月推計)
(注)2010年までは国勢調査報告
12
経済力
一国の経済力や経済規模は、国内総生産いわゆるGDP
(Gross Domestic Product)の金
額で表されることが多く、具体的には、一定期間に一国内の生産活動によって新たに生み
出された財・サービスの付加価値の総額をいう。このGDPは、市場価格をベースに推
計されるため、時々の物価変動の影響を受ける。このため、その時点の時価で金額表示
する方法と、各時点間での価格水準の変化分を取り除き、ある基準時点の価格水準で評
価する方法の二通りがあり、前者を名目GDP、後者を実質GDPと呼んでいる
(名目値
は一つの数値しかないが、実質値の方は基準時点の取り方によって異なる数値となる)
。
経済の量的規模が拡大することを経済成長といい、ある期間のGDPの、前の期間のG
DPに対する変化率を経済成長率という。この経済成長率も名目と実質の二種類がある
が、一般的には、物価変動による影響分を取り除いた実質経済成長率を用いる場合が多い。
徳島県の経済力については、国ベースの「国内総生産」と同様の概念である「県内総生
産」で見ることができ、この県内総生産の対前年度比増減率が県の経済成長率に相応する。
徳島県の 2012 年度の県内総生産は名目で 2 兆 8,389 億円であり、名目経済成長率は△
1.1%と、3年ぶりにマイナスとなった(経済−1)
。全国も+ 0.1%に留まっており、前年
度東日本大震災により経済活動が縮小した状況から依然として回復し切れなかったことが
示されている。生産面では、産出額(生産総額)が対前年度 320 億円増
(対前年度比+ 0.6%)
(経済−1)県内総生産
(名目)
と名目経済成長率の推移
3.0
(億円)
△0.1
31,000
0.8
徳島県
0.2
0.5
△0.0
29,959
29,000
29,952
29,073
28,942
28,000
△1.6
△2.0
28,773
2.0
0.3
△0.9
△3.4
(%)
3.0
1.3
0.7 全国 0.8
△0.6
△0.7
30,000
4.0
△1.3
0.1
△1.1
△3.2
△4.6
28,520
1.0
0.0
△1.0
△2.0
△3.0
28,614
28,700
2010
2011
△4.0
28,389
△5.0
27,957
27,501
27,000
26,000
25,000
0
∼
∼
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
出所:徳島県「平成24年度 県民経済計算年報」、内閣府ホームページ「国民経済計算」
14
2012(年度)
の 5 兆 396 億円、生産に使われる原材料や燃料などの中間投入額(中間消費)は同 630 億円増
(同+ 2.9%)の 2 兆 2,006 億円となり、両者の差額である県内総生産は前年度に比べ 310 億円
減少(同△ 1.1%)した。
産業別に見ると、県内総生産の 25.3%と最も大きなウェイトを占める製造業において、総
生産額が 203 億円減少
(対前年度比△ 2.7%)
したことが目立つ。この内訳を業種別に見ると、
製造業の 50.8%のウェイトを占める化学が総生産額 316 億円増(同+ 9.5%)
となった一方、こ
れに次ぐ 19.4%のウェイトを持つ電気機械は 293 億円減少(同△ 17.4%)
した。また、食料品、
一般機械も、それぞれ 6 億円(同△ 0.9%)、57 億円
(同△ 12.2%)
減少している。
製造を除く産業では、卸売・小売業が 14 億円減
(同△ 0.5%)
、建設業が 92 億円減
(同△
6.1%)
、電気・ガス・水道業が 96 億円減
(同△ 7.4%)
、金融・保険業が 56 億円減
(同△ 5.5%)
となった。増加した業種を見ると、サービス業が 77 億円増
(同+ 1.5%)
、不動産業が 18 億円
増(同+ 0.5%)、運輸業の総生産額が 65 億円増
(同+ 6.9%)
となっている。
2012 年度の名目県内総生産(2 兆 8,389 億円)を支出側から見ると、全体の 55%を占める家
計最終消費支出
(いわゆる個人消費)が対前年度比+ 0.1%と5年ぶりのプラスとなった。ま
た、投資にあたる総固定資本形成は同+ 0.5%で、うち民間部門は△ 3.2%(住宅:+ 3.4%、
企業設備:△ 4.2%)と落ち込んだが、公的部門は同+ 10.7%と増加している。
徳島県の 2012 年度の実質経済成長率は、△ 0.8%と3年ぶりにマイナスとなった。2002 年
(経済−2)県内総生産
(実質)
と実質経済成長率の推移
1.9
(億円)
32,000
4.4
2.3
6.0
徳島県
1.5
1.9
1.4
1.1
31,000
3.4
1.8 全国 1.8
0.8
△0.3
△0.2
△1.2
△2.0
△2.0
30,000
29,121
29,000
30,393
1.7
0.4
30,898
△3.7
29,515
28,927
29,155
29,108
29,017
2006
2007
2008
(%)
5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
1.0
0.0
△0.8
△1.0
30,644 △2.0
△3.0
△4.0
28,665
27,892
28,000
27,000
26,000
25,000
0
∼
∼
2002
2003
2004
2005
2009
2010
2011
注:実質経済成長率は、国内(県内)総生産の実質値(2005暦年を参照年とする連鎖方式)の前年度比増減率。
出所:徳島県「平成24年度 県民経済計算年報」、内閣府ホームページ「国民経済計算」
15
2012(年度)
度以降をみると、2004 ∼ 07 年度の間は徳島県の成長率が全国を下回ったが、2008 ∼ 11 年
度は徳島県が全国を上回って推移した
(経済−2)
。
2012 年度の県民所得総額は、対前年度比△ 1.3%の 2 兆 1,152 億円
(うち、県民雇用者報酬+
0.8%、財産所得+ 7.7%、企業所得△ 5.5%)
であり、この金額を 2012 年 10 月 1 日現在の人口
775,516 人で除した一人あたり県民所得は、同△ 0.7%の 2,727 千円となった
(県民所得は、県
内居住者が得た給与所得等
【雇用者報酬】
や利子・配当金等【財産所得】
、さらには企業の経常
利益等【企業所得】
を合算したもので、単に個人の所得水準を示すものではなく、企業の所得
等も含めた地域全体の所得水準を表している)。こうした県民所得を一人あたり国民所得と
比較すると、全国を 100 とした所得水準指数は、2004 ∼ 07 年度は下降、2008 ∼ 11 年度は上
向き、直近 2012 年度は再び下降し 99.0 となっている
(経済−3)
。
ところで、徳島県の名目県内総生産は、日本全体の総生産(同全県計)から見ると、近年概
ね 0.5%台のシェアで推移していることから、徳島県の経済力はしばしば「0.5%経済」と称
される。このシェアは、2003 年度に 0.58%となった以降低下が続き、2007 年度は 0.53%を記
録した。2008 年度からは再び上昇に転じ、
直近 2011 年度では 0.58%となっている。こうした
徳島県の経済規模を他県比較すると 2011 年度は全国 43 位となるが
(経済−4)
、前述した地
域の所得水準を表す一人あたりの県民所得で比較すると、徳島県は同年度全国 23 位に浮上
する。 (蔭西義輝)
(経済−3)一人あたり県民所得と国民所得の比較
一人あたり県民所得
(徳島県)
(千円)
99.3
94.3
3,000
97.8
2,897
2,855 2,862 2,883 2,832
2,691
94.3
2,928
2,760
一人あたり国民所得
(全国)
92.0
90.7
96.4
100.0
100.5
所得水準
(国民所得=100)
99.0
100.0
90.0
2,978
2,957
2,721
93.0
所得水準指数
2,773
2,702
2,578
2,690
2,755 2,755 2,747 2,733 2,727 2,754
80.0
2,594
2,500
70.0
60.0
50.0
2,000
0
∼
∼
∼
∼
2002
2003
2004
2005
2006
2007
出所:徳島県「平成24年度 県民経済計算年報」
16
2008
2009
2010
2011
0
2012(年度)
(経済−4)
経済力に関する指標
県内総生産(名目)
と県別シェア
県別
(実質)経済成長率
一人当たり県民所得
一人当たり県民雇用者報酬
千円)
%) (2011年度、千円) (2011年度、
(2011年度、
億円、%) (2011年度、連鎖方式、
順位
県 名
金額
シェア
順位
県 名
順位
県 名
金額
順位
県 名
金額
1
東 京
923,878
18.57
1
愛 媛
5.9
1
東 京
4,373
1
東 京
6,385
2
大 阪
366,000
7.36
2
広 島
5.6
2
静 岡
3,162
2
大 阪
5,291
3
愛 知
318,815
6.41
3
香 川
4.9
3
愛 知
3,105
3
神奈川
5,014
27
愛 媛
51,000
1.03
2,790
香 川
4,480
高 知
香 川
15
36
16
35
香 川
37,314
0.75
徳 島
2,698
高 知
4,430
23
18
39
徳 島
19
徳 島
4,400
25
愛 媛
2,673
35
愛 媛
3,943
成長率
0.8
0.6
43
徳 島
28,633
0.58
44
佐 賀
26,736
0.54
45
島 根
23,959
0.48
45
宮 城
△1.1
45
宮 崎
2,208
45
沖 縄
3,527
46
高 知
21,646
0.44
46
佐 賀
△1.8
46
高 知
2,199
46
秋 田
3,502
17,660
0.36
47
福 島
△6.0
47
沖 縄
2,018
47
佐 賀
3,288
4,974,111
100.00
47
鳥 取
全県計
1.8
全県平均
全県平均
2,915
全県平均
4,677
注:県民経済計算は、国民経済計算(93SNA及び2005年基準)
に準拠した
「県民経済計算標準方式」に基づき各都道府県が推計している。
ここでの全県計や全県平均は、各都道府県の数値を積み上げ合計し、あるいは平均したものであり、国民経済計算の各数値
(国内総生産や
実質経済成長率、一人あたり国民所得など)
と必ずしも一致しない。
出所:内閣府「平成22年度 県民経済計算年報」
(経済−5)一人あたり市町村民所得(2012年度)
(千円)
鳴門市
3001∼
板野町
阿波市
上板町
藍住町北島町 松茂町
2801∼3000
2601∼2800
石井町
美馬市
三好市
吉野川市
2401∼2600
徳島市
2201∼2400
東みよし町
つるぎ町
神山町
佐那河内村
三好市
小松島市
∼2000
勝浦町
上勝町
阿南市
那賀町
美波町
牟岐町
海陽町
出所:徳島県「平成 24 年度 市町村民所得推計結果」
17
2001∼2200
外国との交流
■外国人登録者
徳島県の外国人登録者数は 2013 年末に 5,002 人となり、昨年
(4,981 人)に比べ 21 人増加し
た(外国−2)。人口千人当たりの外国人登録者数をみると、本県は 6.4 人
(全国 32 位)
となっ
ている(外国−1)。国籍別にみると中国が 2,821 人で全体の 56.4%を占めている。外国人登
録者に占める中国人割合の高さでは徳島県が全国第1位である。続いてフィリピン、韓国・
北朝鮮と続き、アジア出身者の比率が9割と圧倒的に多い
(外国−3)
。在留資格別には「技
能実習1号、2号」が 2,188 人と高い。
■外国との人の交流、地域間交流
海外旅行を含む徳島県の海外渡航者数
(日本人出国者数)は、1964 年の海外旅行自由化以
降、第二次オイルショックや湾岸戦争で一時的に減少することもあったが、ほぼ一貫して
増加を続けてきた。特に、1994 年9月の関西国際空港開港後は大幅に増加し、2000 年には
70,410 人となった。その後は、米国同時多発テロ、イラク戦争、アジアで流行した新型肺炎
(SARS)
、新型インフルエンザなどの影響で減少傾向がみられ、2013 年は円安の影響により
減少し 49,887 人となっている
(外国−4)
。
居住地の移動状況を示す人口移動調査によって、国外との転入・転出をみると、2013 年
中に国外から徳島県へ転入してきた人は 1,739 人、一方徳島県内から国外へ転出していった
人は 845 人で、2013 年は 894 人の転入超過になった
(外国−5)。
(外国−1)外国との交流に関する指標
外国人登録者数
(人口千人当たり)
日本人出国者数
(2013,人)(人口千人当たり)
一般旅券発行件数
(2013,人)(人口千人当たり) (2013,件)
県 名
人 数
順位
県 名
件 数
1
東 京
273.1
1
東 京
41.2
27.2
2
神奈川
209.7
2
神奈川
34.8
大 阪
23.5
3
千 葉
171.6
3
京 都
30.6
32
徳 島
6.4
31
徳 島
63.9
37
徳 島
16.9
45
宮 崎
3.7
45
岩 手
35.5
45
岩 手
12.8
46
秋 田
3.5
46
秋 田
35.0
46
秋 田
11.8
47
青 森
2.9
47
青 森
31.0
47
青 森
10.9
−
全 国
16.3
−
全 国
138.2
−
全 国
26.1
県 名
人 数
1
東 京
31.9
2
愛 知
3
順位
順位
資料:総務省「住民基本台帳人口要覧」
法務省入国管理局「出入国管理統計」「在留外国人統計」
外務省領事局旅券課「旅券統計」
18
(外国−2)
徳島県の外国人登録人口
(人)
6,000
アジア
5,500
4,996
5,000
4,505
4,500
4,000
3,500
600
562
3,980
5,354
534
5,459
5,521
543
553
5,409
539
616
5,157
517
4,957
4,981
5,002
491
482
469
4,466
4,499
4,533
2011
2012
2013(年)
52,420
54,582
2011
2012
635
550
2,500
1,500
5,818
591
3,000
2,000
5,911
アジア以外 5,421
3,430
4,380
3,870
4,830
5,311
5,256
4,820
4,916
4,968
4,870
4,640
1,000
500
0
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
資料:法務省入国管理局「在留外国人統計」
(外国−3)
徳島県における国籍(出身地)別外国人登録者(2013年)
アジア 90.6%
フィリピン
14.5%
中国 62.2%
0資料:法務省入国管理局「在留外国人統計」
20
40
60
北アメリカ
ヨーロッパ
アフリカ
南アメリカ
オセアニア
無国籍
3.9%
2.4%
1.3%
1.2%
0.7%
0.0%
韓国・北朝鮮 8.0%
ベトナム
4.5%
その他
10.7%
100
120
80
(外国−4)
徳島県の海外渡航者数
(日本人出国者数)
(人)
70,000
60,000
58,649
58,421
56,165
59,303
58,237
54,753
53,755
49,127
50,000
46,179
49,887
40,546
40,000
30,000
20,000
10,000
0
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
資料:法務省入国管理局 「出入国管理統計」
19
2008
2009
2010
2013(年)
「徳島県観光動態調査
(徳島県観光戦略局)」によると、2010 年に県内観光地を訪れた外国
人入込客延べ総数は 24,043 人で国籍別にみると、台湾が 25%を占め、これに香港、韓国、中
国を入れると、62%に達し、東アジアからの観光客が多い。また、県内の宿泊施設に宿泊し
た外国人延べ人数は 13,803 人となっている。
徳島県内には、文化交流や親善を目的として、外国の都市と姉妹・友好都市関係を結んで
いる自治体がある。徳島県とブラジルのサンパウロ州との姉妹都市提携をはじめ、8自治体
が8か国 16 自治体と提携している(外国−6)。2011 年 10 月 25 日に鳴門市と中国湖南省張家
界市は国際友好都市協定を結んだ。また、2011 年 10 月 24 日に徳島県と中国湖南省は「友好
県省関係を樹立する協議書」を調印した。
徳島県は、外国人観光客誘致や通訳人材登録、国際交流の環境整備を図る「とくしま国際
戦略センター」を 2013 年 4 月に開設した。
■貿易、企業進出
企業の貿易取引状況を小松島税関支署の統計でみると、2012 年の輸出入総額は 1,061 億円
(輸出額 139 億円、輸入額 922 億円)
となっている。この金額は小松島税関支署管内(徳島小松
島港、橘港)の実績だけであり、神戸港などを経由して行われている貿易取引額は含まれて
いない。
県内の輸出入関連企業に行ったアンケート調査によると、2012 年の輸出額は 2,927 億円、
輸入額は 1,083 億円である
(外国−7, 8)
。この結果から、特に輸出については、神戸港など
を利用した貿易取引も活発に行われていると推測できる。地域別にみると、輸出では北米の
割合が高く、輸入はアジアが高い。代表的な品目としては、輸出では電気・電子機器・同部
分品、無機化学品・有機化学品・医療用品・肥料、輸入では鉱物性燃料、電気・電子機器・
同部分品、繊維・衣服・繊維製品などがあげられる。
また、同調査によると、海外進出を行っている県内企業(駐在員事務所、支店、100%出資
の子会社、合弁会社などの形態で海外に進出して直接事業を行う企業)
は 39 社で、延べ拠点
数は 73 カ所ある。進出地域は、中国の 42 カ所をトップにアジアが約 80%を占めている(外
国−9)
。
徳島県は、2010 年 11 月1日に初の海外事務所として、中国上海市延安西路の上海国際貿
易中心内に「徳島県上海事務所」を開設した。県内中小企業の販路開拓や徳島県への観光客
誘致を進めている。
(大谷 博)
20
(外国−5)
国外との転入・転出
(人)
2,500
転入
転出
2,000
1,739
1,500
1,000
845
500
0
1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013(年)
資料:徳島県「徳島県人口移動調査結果報告書」
(外国−6)
徳島県の友好交流状況一覧
(2014年12月末現在)
自治体
徳 島 県
徳 島 市
鳴 門 市
三 好 市
美
阿
美
牟
馬
波
波
岐
市
市
町
町
提携先
ブラジル・サンパウロ州
提携年月日
1984.11. 6
提携のきっかけ
徳島県人会が基礎
中国・広東省※
1996.10.28
関西国際空港からの利便性、県関係企業の進出等の実績を
ふまえ、今後も経済分野等の交流の永続性
ドイツ・ニーダーザクセン州
中国・湖南省
アメリカ・サギノー市
ポルトガル・レイリア市
中国・丹東市
ドイツ・リューネブルク市
2007. 9.13
2011.10.24
1961.12.23
1969.10.15
1991.10. 1
1974. 4.18
徳島県貿易協会の「徳島県ドイツ経済ミッション」
上海万博「徳島ウィーク」における湖南省からの提案
民間人同士の交流
徳島市で生涯を終えたモラエス氏の生誕地
中国大使館等の推薦
俘虜収容所で生活したドイツ兵士と地元住民との交流
中国・青島市※
1999. 8.26
第一次大戦中に青島で降伏したドイツ兵が板東俘虜収容所
で生活し、地域住民との交流
中国・湖南省張家界市
アメリカ・タクイラ市
アメリカ・ザ・ダルズ市
中国・雲南省大理市
北マリアナ諸島・サイパン市
オーストラリア・ケアンズ市
台湾・埔塩郷
2011.10.25
2007. 8.17
2007. 8.17
2010. 8.24
1990. 8. 1
1969. 4. 1
1983. 7.22
鳴門市観光協会と張家界市人民対外友好協会の交流
町出身者の仲介
87年より民間交流
うだつのある建物が残るなどの共通点
農業実習生の受入
ウミガメの産卵地
診療所元医師の故郷
資料:徳島県国際戦略課
(外国−9)
海外進出先
ア ジ ア
60
欧 州
4
北 米
6
その他・不明
3
計
73
(所)
中 国
42
ASEAN
12
東アジア(中国除く)
4
その他アジア
2
資料:徳島県「平成 25 年度徳島県貿易・国際事
業実態調査報告書」
21
(外国−7)
品目別輸出額
(2012年) (単位:百万円)
動物・動物性生産品 1,913
その他 118
植物・植物性生産品 48
家具・寝具・同部品 13
光学機器・測定機器・精密機器・
医療機器・同部分品 230
油脂・調整食料品・飲料・アルコール・
食酢 2,019
輸送用機器・同部品 452
電気・電子機器・
同部分品
164,596
鉱物性生産品 93
総 額
292,658
無機化学品・
有機化学品・
医療用品・
肥料
109,584
その他の化学品 10
プラスチック・ゴム・皮革・
同製品 758
木材・同製品 6
履物・身辺用品 183
資料:徳島県「平成 25 年度徳島県貿易・国際事
業実態調査報告書」
一般機械・同部分品 3,440
(外国−8)
品目別輸入額
(2012年) (単位:百万円)
パルプ・紙・紙製品 8,009
繊維・衣服・繊維製品 432
鉄鋼・鉄鋼製品・
非鉄金属・同製品 755
真珠・貴石・半貴石・貴金属・身辺細貨・
玩具・運動用具・雑品・美術品・収集品 6
家具・寝具・同部分品 359
その他 63
動物・動物性生産品 1,353
光学機器・測定機器・精密機器・
医療機器・同部分品 1
植物・植物性生産品 2,701
油脂・調整食料品・飲料・
アルコール・食酢 4,703
輸送用機器・同部分品 7
鉱物性生産品 2,131
電気・電子機器・同部分品 20,500
一般機械・同部分品 2,709
鉄鋼・鉄鋼製品・非鉄金属・
同製品 232
繊維・衣服・
繊維製品 5,029
総 額
108,313
土石製品・陶磁器製品・
ガラス・同製品 52
鉱物性燃料
58,303
パルプ・紙・紙製品 1,336
履物・身辺用品 501
木材・同製品 6,216
プラスチック・ゴム・
皮革・同製品 51
無機化学品・有機化学品・
医療用品・肥料 2,063
資料:徳島県「平成 25 年度徳島県貿易・国際事
業実態調査報告書」
22
県外との交流
■県外との人口転出入
2013 年中に就職・転勤や進学などで徳島県から県外
(国外を除く)
へ転出した人数は 12,200
人、一方、県外(国外を除く)から徳島県内へ転入してきた人数は 10,221 人と 1,979 人の転出
超になっており、
県外への転出が続いている。転出先(国外を除く)
の第1位は大阪府の 1,717
人、次いで香川県の 1,674 人、兵庫県 1,272 人などとなっている。転入先
(国外を除く)
の第1
位は香川県で 1,465 人、次いで大阪府 1,268 人、兵庫県 987 人などとなっており、転出・転入
ともに近畿地方と四国内とで5割程度を占めている
(県外−1)
。
国内での転出入の動向をみると、1999 年以降は転出者数、転入者数とも年々減少し、と
りわけ転入者数は急激に低下した。2008 年以降は転出入の動向に変化がみられ、転出者数
が急激に減少するようになり、一方それまで続いていた転入者数の減少スピードがややゆる
くなった。ところが、2012 年以降は転出者数が再び増加に転じるようになり、2013 年の転
出超過数は昨年を 161 人上回り 1,979 人となっている
(県外−2)
。
5歳階級別に各年齢層の転入・転出状況をみると、5 歳∼ 34 歳の年齢層で転出超過、とり
わけ 15 歳∼ 29 歳の若者層で就職・進学等にともなって転出超過が著しい。一方、50 歳∼ 79
歳では転入超となっており、U ターン定住傾向がうかがわれる。ただ、80 歳以上になると転
出超がみられる
(県外−3)
。
(県外−1)徳島県の転出入先・上位5位
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
(%)
転出
転入
第1位 第2位 第3位 第4位 第5位 第1位 第2位 第3位 第4位 第5位
東京
兵庫
香川
愛媛
愛媛
大阪
東京
兵庫
香川
大阪
6.0
13.3
9.5
7.4
6.7
13.2
8.8
9.2
13.2
14.9
東京
香川
兵庫
愛媛
愛媛
大阪
東京
兵庫
香川
大阪
6.5
12.9
9.6
8.2
7.1
12.7
9.0
9.7
13.9
14.6
高知
大阪
兵庫
愛媛
愛媛
香川
東京
兵庫
香川
大阪
6.6
12.7
9.3
7.9
6.5
12.6
9.1
10.1
13.4
14.4
東京
香川
兵庫
愛媛
愛媛
大阪
東京
兵庫
香川
大阪
5.8
11.5
8.8
7.6
6.0
11.2
8.1
9.1
11.5
13.3
東京
大阪
兵庫
愛媛
愛媛
香川
東京
兵庫
香川
大阪
7.0
13.6
10.4
7.5
7.0
12.6
9.1
9.9
13.0
15.0
東京
大阪
兵庫
愛媛
愛媛
香川
東京
兵庫
大阪
香川
6.5
14.4
10.1
8.3
5.9
12.6
8.3
9.0
12.6
12.7
愛媛
東京
大阪
兵庫
愛媛
香川
東京
兵庫
大阪
香川
7.1
8.9
13.2
10.1
6.9
11.9
9.7
10.5
14.6
14.8
東京
愛媛
大阪
兵庫
愛媛
香川
東京
兵庫
大阪
香川
6.6
8.4
14.6
10.3
6.7
12.8
9.4
10.2
14.2
14.3
愛媛
東京
香川
兵庫
愛媛
大阪
東京
兵庫
香川
大阪
7.6
8.1
14.3
9.7
6.9
12.4
9.7
10.4
13.7
14.1
資料:総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告年報」
注:国外を除く 転出先比率・転入先比率
23
(県外−2)徳島県の転入・転出人口
(人)
18,000
17,000
転入
16,000
転出
15,000
14,000
13,000
12,200
12,000
11,000
10,000
0
10,221
∼
∼
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
注:国外への転出、国外からの転入を除く
資料:総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告年報」
(県外−3)徳島県の年齢階層別転入人口−転出人口(2013年)
転入人口−転出人口
100歳∼
95∼99歳
90∼94歳
85∼89歳
80∼84歳
75∼79歳
70∼74歳
65∼69歳
60∼64歳
55∼59歳
50∼54歳
45∼49歳
40∼44歳
35∼39歳
30∼34歳
25∼29歳
20∼24歳
15∼19歳
10∼14歳
5∼9歳
0∼4歳
-1,600
-1,400
-1,200
-1,000
-800
-600
-400
-200
注:国外への転出・国外からの転入を除く
資料:総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告年報」
24
0
0
200
人
400
2013(年)
■県外との通勤・通学
2010 年の「国勢調査
(総務省)」によると、徳島県から他県へ通勤・通学している人数は
5,786 人であるが、逆に他県から徳島県内へ通勤・通学している人数は 3,541 人にとどまり、
大幅な流出超になっている。徳島県からの通勤・通学先をみると、第1位は香川県の 3,059
人で全体の半数を占めている。次いで愛媛県の 1,018 人、兵庫県 689 人の順である。一方、徳
島県へ通勤・通学する人の地域は、第1位が香川県の 1,402 人、次いで兵庫県 530 人などで、
通勤・通学とも香川県のウェイトが大きい
(県外−4)
。
■県外との物流
2012 年度中の徳島県内から他県への貨物量
(徳島県発貨物)は 16,051 千トン、逆に他県か
ら徳島県への貨物量
(徳島県着貨物)
は 17,133 千トンで、移入超になっている。徳島県発の貨
物の行き先は、第1位が四国内で 6,459 千トン、次いで近畿地方の 4,750 千トン、中国地方の
1,244 千トンの順となっている。一方、徳島県着の貨物は、四国内の 8,889 千トン、近畿地方
から 3,734 千トン、次いで中国地方 2,095 千トンなどとなっている(県外−5)。
■県外との相互応援協定
阪神・淡路大震災を契機に、東南海・南海地震などの大規模災害に備えて、県や市町村が
県外の自治体と「震災時等の相互応援協定」などを締結する例が増えた。徳島県は近畿2府
4県、四国3県、鳥取県、福井県、三重県などとの間で協定を締結している。また、徳島市
は神戸市や洲本市、鳥取市と、阿南市は米子市と、吉野川市は鳥取市や倉吉市と、三好市は
隣接する三豊市、観音寺市、四国中央市と、美波町は三豊市と、勝浦町は千葉県勝浦市や和
歌山県勝浦町とそれぞれ相互応援協定を結んでいる。
■関西広域連合
東南海・南海地震などに備えた広域防災事務や広域ドクターヘリの共同運行、また広域
観光面の通訳案内士制度の創設などといった府県の枠を超えて広域行政に取り組む「関西
広域連合」が徳島県を含む7府県(大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、和歌山県、徳島県、
鳥取県)の参加で 2010 年 12 月1日に設立された。その後 2012 年4月に大阪市と堺市、8月
には神戸市と京都市が加入した。広域連合は、地方自治法にもとづく特別地方公共団体で、
7府県の知事と4市の市長からなる「広域連合委員会」と定員 29 名の「広域連合議会(徳島
県議会から3議員が選出)
」が設置された。
「防災」
「観光・文化振興」「産業振興」「医療」
「環境保全」「資格試験・免許等」
「職員研修」の7分野を各府県がほぼ1分野ずつ担当し
事務局を置く
(徳島県は「医療」を担当)
。関西広域連合が設立されて 4 年余りが経過した。
2012 年 3 月に各分野別の広域事務計画を策定し、この計画に基づき取り組みを本格化させ
25
ている。これまでの成果としては、広域防災分野では、災害発生時における対応シナリオ等
を定めた関西広域応援・受援実施要綱を策定し、広域応援体制を強化し迅速な対応を実現す
るための広域応援訓練を実施した。広域観光・文化振興分野では、関西全体の文化振興を進
めるため、中長期的な目標や方向性等を含めた包括的な指針として、関西広域連合文化振興
指針を策定した。広域産業振興分野では、産業クラスターの連携や公設試験研究機関の連
携、合同プロモーション・ビジネスマッチングの実施、新商品調達認定制度による中小企業
者の新事業創出支援など、関西経済の活性化に向けた取り組みを実施した。また、農林水産
業を関西の産業分野の一翼を担う競争力ある産業として育成・振興することを目的とする関
西広域農林水産業ビジョンを策定した。広域医療分野では、広域連合が主体となった相互補
完を可能とする複数機のドクターヘリによる運航体制を構築し、救急患者の救命率の向上や
後遺症の軽減に努めるなど、住民の「安全・安心」の確保に貢献した。
(大谷 博)
(県外−4)徳島県の県外との通勤・通学者数(2010年)
徳島県からの通勤・通学者数
徳島県への通勤・通学者数
他県計
5,786人
3,541人
四国計
4,342人
2,078人
香川県
3,059人
1,402人
愛媛県
1,018人
226人
高知県
265人
450人
徳島県からの通勤・通学先上位府県
徳島県への通勤・通学先上位府県
1
香 川
3,059人
香 川
1,402人
2
愛 媛
1,018人
兵 庫
530人
3
兵 庫
689人
高 知
450人
4
高 知
265人
愛 媛
226人
5
大 阪
263人
大 阪
192人
資料:総務省統計局「国勢調査報告」
(県外−5)徳島県の発着貨物量(2012年度)
徳島県からの貨物量
(千㌧)
徳島県への貨物量
他県計
16,051
17,133
四国計
6,459
8,889
香川県
1,878
7,163
愛媛県
3,342
1,156
高知県
1,239
徳島県発貨物の行き先
570
徳島県着貨物の発地
1
四国
6,459
四国
8,889
2
近畿
4,750
近畿
3,734
3
九州
1,225
中国
2,095
4
中国
1,244
中部
926
5
中部
954
九州
854
資料:四国運輸局「四国地域貨物流動の推移」
26
観光
■徳島県の観光資源
徳島県内の観光地としては、雄大な渦潮で知られる鳴門海峡のほか、四国第2の高峰剣山
を中心とした大歩危・小歩危の峡谷美や秘境祖谷渓などの景勝地を持つ剣山国定公園、複
雑な海岸線の橘湾やアカウミガメの産卵地で知られる大浜海岸を含む室戸阿南海岸国定公
園などがある。また徳島市の徳島城跡
(旧徳島城表御殿庭園)や、さだまさし氏の小説のタ
イトルで映画化された眉山、脇町のうだつの町並みなどもよく知られている。
古くから開けた徳島には独特の行事や古い伝統、歴史文化も数多く残っている。全国的
にも有名な阿波踊りや、2014 年が四国霊場開創 1200 年にあたる歴史・文化遺産の「四国
八十八ヶ所霊場と遍路道」は言うまでもなく、今も数多く点在している農村舞台や人形浄
瑠璃、藍染め、大谷焼などは、いずれも地域固有の観光資源である。
加えて、県南の海でのサーフィンやダイビング、剣山山系でのスキー、吉野川上流での
ラフティング、那賀川でのカヌー、四国一の清流穴吹川での筏下りや川遊びなど、自然の
中での体験型スポーツも徳島の代表的な観光資源として人気を集めている。
観光における「食」の魅力は旅先を選ぶ動機ともなるが、すだち、なると金時、なるとわ
かめ、鳴門鯛、阿波尾鶏といった食材は、徳島のうまいものとして名が知られている。最近
では徳島ラーメンが全国区の人気となり、県外から大勢の観光客が目当てに訪れるが、これ
に、たらいうどん、祖谷そば、半田そーめんを加えた「徳島4大麺」
、さらに鳴ちゅるうど
んも加えた「徳島4大麺プラス」も話題を呼んでいる。また全国的にご当地グルメがブー
ムであるが、ハモや阿波牛、レンコンなどバラエティー豊かな地元食材を活かしたとくし
まバーガーや、ソウルフードの豆天玉焼き
(小エビを揚げた天ぷらと金時豆の入った関西風
お好み焼き)、アワビやアオリイカなど新鮮な海産物を盛りつけたご当地丼などが次々に商
品化され、観光振興に一役買っている。
一方、2010 年 12 月からスタートした「とくしまマルシェ」
(徳島市新町川ボードウォー
ク)や「徳島びっくり日曜市」
(同問屋町)
などの産直市・朝市も、県外からのバスツアーが
実施されるなど、その注目度は高まっている。
このほか、2014 年に日本プロサッカーJ1リーグに昇格した徳島ヴォルティスや、野球の
独立リーグ四国アイランドリーグ plus の徳島インディゴソックスなどに代表されるスポー
ツ観戦、また映画やドラマが撮影されたロケ地めぐりも、新たな観光資源として定着して
いる。最近では、2010 年に続き2回目となる「徳島LEDアートフェスティバル 2013」が
開催されるなど、地域資源や特性を生かしながらアートの力を融合させて、新たな魅力や
価値を創造していくこうした取り組みにも注目が集まっている。
27
さらに、近年では芸術・文化の発信拠点である美術館や博物館に、国内外から多くの来
館者が訪れ、美術作品が観光振興に一役買うケースが見られるが、鳴門公園の一角にある
大塚国際美術館はまさにその代表例と言えよう。1998 年に開館した同美術館は、延床面積
29,412㎡におよぶ日本最大の常設展示スペースを有する世界初の「陶板名画美術館」であり、
古代壁画から現代絵画まで 1,000 余点の陶板画
(オリジナル作品の原寸大)
を展示し、居なが
らにして世界 25 カ国、190 余の美術館めぐりが体験できる施設である。2007 年 3 月には開館
10 周年記念事業として、ミケランジェロの「システィーナ礼拝堂天井画」(ヴァチカン)を
完全再現するなど、世界に類がない美術館として年間 24 万人もの観客を集めている。旅行
口コミサイトの日本法人トリップアドバイザーが発表した「行ってよかった日本の美術館
&博物館ランキング 2011」では、並み居る強豪施設を抑えて美術館1位に選ばれた。これ
らの陶板名画は約2千年以上にわたって現色のまま存続するとされており、今後も国内外
からの集客が期待され、長きにわたって貴重な観光資源となろう。
■観光入込客
1988 年の瀬戸大橋、1998 年の明石海峡大橋、1999 年のしまなみ海道と、過去3度の本州
四国連絡橋開通時に四国への架橋観光ブームが沸き起こったが、徳島県の観光入込客にお
いては、とりわけ明石海峡大橋開通のインパクトが大きい。2014 年 4 月には、本四高速への
全国共通料金制度の導入が実現し、これまで割高だった明石海峡大橋や大鳴門橋の通行料
が全国と同じレベルになり、観光入込客を増加させるチャンスとなった。
近年の徳島県における観光入込客の推移を見てみると
(観光− 1)
、
1998 年−明石海峡大橋が開通し、前年の 10,907 千人から 28.4%増の 14,010 千人
1999 年−前年の反動減及びしまなみ海道開通で、11,970 千人に落ち込む
2000 年−エックスハイウェイ開通や鳴門観潮用遊歩道「渦の道」オープン
淡路島で開催された花博の影響などから、13,138 千人と持ち直し
2001 年−「あすたむらんど徳島」がオープンしたほか、四国横断自動車道の板野∼津田東
間開通の効果で、13,221 千人と微増
2002 年−祖谷・大歩危を中心とした県西部が牽引し、13,243 千人と微増
2003 年−「ねんりんピック徳島」開催するも、阿波踊り降雨の影響で、13,158 千人と反落
2004 年−台風の相次ぐ襲来により、12,806 千人に落ち込む
2005 年−徳島ヴォルティスの J 2リーグ参戦や四国アイランドリーグ発足など話題は豊富
だが、愛知万博開催のマイナス作用が大きく、12,452 千人と3年連続の減少
2006 年−映画「バルトの楽園」の上映効果や「BANDOロケ村∼歓喜の郷」
(鳴門市大麻
町)のオープンなどで、4.2%増の 12,973 千人
(「バルトの楽園」は第1次世界大戦
中、板東俘虜収容所のドイツ兵と地元住民との交流を描いた作品で、徳島がベー
28
(観光−1)徳島県の観光入込客・観光消費額の推移
(113,399)(百万円)
70,000
66,178
(千人)
16,000
59,180
10,000
14,010
45,191
13,138
11,970
59,476
54,519
13,566
13,697
14,198 14,108
51,798
50,177
50,000
12,973
10,441
9,033
観光入込客(左目盛)
6,795
7,215
6,197
6,941
5,811
6,159
5,697
5,210
5,864
7,109
9,342
1,565
12,033
1,977
30,000
2,142
2,498
6,891
6,916
3,471
6,970
県内客
県外客
日帰客
宿泊客
10,243
1,727
11,423
1,715
11,976
1,590
11,413
1,560
12,045
1,652
12,600
1,598
12,465
1,643
20,000
10,000
7,474
1,559
1998
1999
2000
2006
2007
2008
2009
2010
2011
8,802
1,639
7,939
1,475
0
1997
40,000
9,414
5,918
8,190
6,064
8,134
6,306
7,391
6,298
7,268
4,000
2,000
60,000
10,907
8,000
6,000
50,736
60,566
56,954
51,261
14,000
12,000
観光消費額(右目盛)
2012
0
2013(年)
注:2010年までは徳島県独自の手法により調査・集計されたもの。一方2011年以降は「観光入込客統計に関する共通基準」
(2009年12月策定)
により観光庁が集計したもので、両者は直接比較できない。
注:2011年以降は日本人(観光目的・ビジネス目的)及び訪日外国人の値を合計したもの。
資料:徳島県観光戦略局「徳島県観光調査報告書」、観光庁「(共通基準による)観光入込客統計」
トーベン「第九」交響曲のアジア初演の地となったエピソードである)
2007 年−映画「眉山」上映効果により、
徳島市の阿波踊りは過去 20 年間で2番目に多い 139
万人の人出。第 22 回国民文化祭・とくしま 2007(おどる国文祭)は延べ 76 万人が参
加・来場し、4.6%増の 13,566 千人
2008 年−前年の「眉山」上映の知名度向上効果が続くとともに、神戸淡路鳴門自動車道全
通 10 周年を記念した「とくしまマラソン」の開催などで、13,697 千人と微増
2009 年−高速道路料金の休日 1,000 円効果に加え、NHK 連続テレビ小説「ウェルかめ」の
放送効果や秋の大型連休シルバーウィークなどから4年連続の増加となり、明石
海峡大橋が開通した 1998 年を越える、過去最高の 14,198 千人
(3.7%増)
2010 年−夏の猛暑日が多かったことによる出控えや前年のシルバーウィークの反動。また
NHK 大河ドラマ「龍馬傳」の放送効果で高知県に観光客が流れ、
14,108 千人と反落
2011 年−東日本大震災の影響で前半は自粛ムード広がる。また九州新幹線の開通で九州に
注目が集まり、9,033 千人と伸び悩み
(2011 年以降は従前と集計方法が異なる)
2012 年− 11 年 6 月に高速道路の休日上限 1,000 円の割引制度が終了した影響あり。一方で、
震災後に旅行を自粛した前年の反動や逆打ち遍路により、4.2%増の 9,414 千人
29
(観光−2)徳島県の主要観光地入込状況
(人)
1,000,000
文化の森総合公園
(徳島市)
800,000
渦の道(鳴門市)
2000年4月開館
600,000
とくしま動物園
(徳島市)
98年4月開園
あすたむらんど徳島
(板野町)
01年7月開館
400,000
祖谷のかずら橋
(三好市)
200,000
太龍寺ロープウェイ
(那賀町)
0
200,000
うだつの町並み
(美馬市)
(拡大)
眉山ロープウェイ
(徳島市)
(再掲)眉山ロープウェイ
(徳島市)
150,000
阿波十郎兵衛屋敷
(徳島市)
阿波おどり会館
(徳島市)
99年7月開館
大鳴門橋架橋記念館
[エディ]
(鳴門市)
100,000
うみがめ博物館
[カレッタ]
(美波町)
ドイツ館
(鳴門市)
藍の館
(藍住町)
50,000
ひょうたん島
周遊船(徳島市)
石の博物館
[道の駅大歩危]
(東みよし町)
96年8月開館
0
1997
1998
1999
2000
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
139
136
2011
2012
2013
注:大鳴門橋架橋記念館は97年度休館。眉山ロープウェイは97、98年度とも運休。うみがめ博物館は97年9月∼98年3月休館。 (年度)
石の博物館は10年4月から妖怪屋敷との複合施設となっている。
資料:四国運輸局「四国の主要観光地入込状況について」、徳島市「公営企業会計決算審査」
(観光−3)阿波おどりの人出の推移(徳島市 毎年8/12∼8/15)
(万人)
160
150
130
120
134
135
133
65
105
135 131
133
126
高速千円6月終了
50
128
高速休日千円開始
60
130
映画﹁眉山﹂効果
70
133
︵悪天候︶
80
126
137
しまなみ海道開通
90
瀬戸大橋開通
100
130
136
134
129
明石海峡大橋開通
110
128
127 129
︵二日間中止︶
140
149
122 123
114
1987 88 89 90 92 93 94 95 96 97 98 99 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 (年)
注:人出数は阿波おどり実行委員会調べによる。
資料:徳島新聞
「(各年 8/16 付)阿波おどり総括記事」より
2013 年−主要観光地(施設)の入込が低調の中、アベノミクス効果による景気回復基調を受
けてビジネス需要を中心に入込客が大幅に伸び、10.9%増の 10,441 千人となった。
この間の主要観光地
(施設)の入込状況を見てみると
(観光− 2)、多くの観光施設が横ば
30
い、あるいは減少傾向で推移しており、徳島県を代表する観光資源の阿波踊り
(徳島市/毎
年 8 月 12 日∼ 15 日)
も、ここ数年は伸び悩んでいる状況がうかがえる。なお、これまでの最
高の人出は、明石海峡大橋が開通した 1998 年で 149 万人となっている
(観光− 3)
。
■観光消費と経済波及効果
近年、観光産業は地域のリーディング産業といった認識が広まり、多くの自治体や地域
において、観光振興が重要な課題として取り組まれている。観光が重要視される要因とし
ては、一つは外需を取り込み、地域外から外貨を稼ぐ産業ということであり、もう一つは
関連産業のすそ野が広く、その経済波及効果が大きいことが挙げられる。
経済波及のイメージは、例えば観光客の増加によって支払われる宿泊費が、ホテル・旅
館等への直接的な需要増加となり、そこから朝・夕食の材料となる農水畜産物等の調達を
通じて、生産者や卸・小売店にも間接的に需要が及び、また他方で、洗面用具、シーツ等の
備品調達や客室清掃を通じて、各製造業者やサービス業にも需要が広がっていくというも
のである。観光は旅行業や宿泊業、旅客輸送業などのいわゆる観光産業のみならず、飲食
業や小売業、サービス業、食料品・土産物製造業といった多くの幅広い産業と密接に結び
ついており、観光客の消費がインパクトとなり、他の関連産業へ経済波及効果をもたらし、
ひいては地域経済の活性化に繋がるものと期待されている。
さらに観光客の支出は、一般的に地域ならではの農水畜産品や加工品、独自のサービス・
体験等に対価が支払われるため、地域外に代金が流出せずに地元にお金が留まりやすく、そ
の地域の経済循環に大きく貢献するといった特徴もある。
全国共通基準で調査した「観光入込客統計」を見てみると
(観光− 4)
、徳島県は日帰り、
宿泊とも入込客数は全国下位レベルに位置し、その結果を反映した観光消費額も、前年の
(観光−4)共通基準による「観光入込客統計」に見るランキング
観光入込客数【宿泊】
観光入込客数【日帰り】
順位
1
2
3
(2013年年間値)
千人回
県 名
順位
476,712
東 京
1
95,185
埼 玉
2
90,750
愛 知
3
17
奈 良
17,666
26
愛 媛
10,080
28
徳 島
8,802
33
34
35
岡 山
岩 手
高 知
6,511
6,383
3,191
全国平均
37,619
28
32
33
34
35
観光入込客数【日帰り+宿泊】
(2013年年間値)
千人回
県 名
順位
35,926
東 京
1
18,057
静 岡
2
17,905
千 葉
3
愛 媛
高 知
佐 賀
奈 良
徳 島
全国平均
(2013年年間値)
千人回
県 名
順位
512,638
1
東 京
103,444
2
愛 知
99,368
3
埼 玉
19
奈 良
19,848
26
愛 媛
13,113
33
34
35
徳 島
鳥 取
高 知
10,441
10,009
5,902
3,033
2,711
2,367
2,182
1,639
7,890
観光消費額
全国平均
45,509
(2013年年間値)
百万円
県 名
5,246,315
東 京
1,179,713
千 葉
794,113
北海道
30
奈 良
128,810
33
34
35
徳 島
愛 媛
高 知
113,399
111,827
92,491
全国平均
463,585
注:「共通基準による観光入込客統計」における2015年3月27日更新時点の数値をもとにランキング。大阪府と福岡県は未導入。
2府県を除く45都道府県のうち、福島県、神奈川県、富山県、福井県、滋賀県、山口県、香川県、熊本県、大分県、沖縄県の10県は集計
中であり、ここでは差引35都道府県でのランキングとなっている。
資料:観光庁「共通基準による観光入込客統計」
31
最下位は脱したものの、2013 年は 113,399 百万円とワースト 3 位となっている。徳島県にお
いては、この観光消費額をさらに伸ばすことを念頭に、観光客誘致に積極的かつ継続的に
取り組むことが求められる。特に、経済効果により直結するという意味では、その消費額
が日帰り客の3倍以上にもなる宿泊客数の動向が今後注目される。
近年の国内旅行は、従来型の自然や名所旧跡見物、温泉泊といった周遊的な団体旅行か
ら、体験・交流・本物志向をキーワードとした個人旅行へと主流が移ってきている。また地
域らしさをより深く味わいたいという意識も強くなっており、旅行者ニーズの多様化、高
度化への対応が不可欠の時代を迎えている。こうした中で、地域ならではの自然や風景、伝
統・文化、歴史・伝説、産業などに加え、地元が自信を持って薦める食や体験といった地
域資源を掘り起こし、また再発見して磨き上げ、商品化していく着地型観光の推進が重要
となってきている。
■宿泊旅行統計
観光振興を推進する上での重要な基礎データとなる観光統計については、2007 年以降、全
国規模の「宿泊旅行統計調査」(当初は従業者数 10 人以上の宿泊施設が対象)などが順次実
施され、全国統一基準による各都道府県別の宿泊者数等の把握・比較などが可能となった。
こうした観光統計が今後も整備されることで、観光の実態やその動向が地域間で比較可能
となるほか、観光振興に関する適切な政策が立案・実施されることが期待される。
2014 年の都道府県別延べ宿泊者数(全宿泊施設対象)を見ると(観光− 5、6、7)
、徳島県は
251 万人泊と、2010 年からの4年連続最下位を脱し、全国 46 位となった。2014 年は四国霊
場開創 1200 年といった周年効果などで、前年比 11.1%の大幅増となった(観光− 8)
。
(観光−5)都道府県別延べ宿泊者数
【2014年(速報値)、全宿泊施設】
(観光−5)都道府県別延べ宿泊者数
【2014年(速報値)、全宿泊施設】
(万人泊)
(万人泊)
5,428
5,428
5,000
5,000
4,500
1位
4,500
1位
4,000
4,000
3,500
3,500
3,000
3,000
2,500
2,000
2,500
1,500
徳島県 251 万人泊 46位
3,239
高知県 288 万人泊 44位
3,239
2,678
5位
2,678
2,139
2,125
10位
2,139 2,125
1,566
2,000
1,500
500
20位
981
15位
25位
758
618
20位
758
30位
542
25位
618
愛媛県 362 万人泊 36位
35位
395
30位
542
40位
45位
342
271 251 216
35位
奈良県
徳島県
佐賀県
高知県
鳥取県
島根県
富山県
香川県
秋田県
宮崎県
福井県
愛媛県
埼玉県
青森県
和歌山県
山口県
滋賀県
茨城県
岡山県
山形県
岩手県
岐阜県
大分県
熊本県
長崎県
石川県
山梨県
鹿児島県
群馬県
広島県
三重県
栃木県
新潟県
福島県
宮城県
兵庫県
愛知県
福岡県
神奈川県
長野県
京都府
沖縄県
静岡県
千葉県
大阪府
北海道
東京都
0
10位 15位
981
1,000
香川県 342 万人泊 40位
愛媛県 362 万人泊 36位
1,566
1,000
500
高知県 288 万人泊 44位
香川県 342 万人泊 40位
5位
徳島県 251 万人泊 46位
40位
342
45位
271 251 2
徳島県
佐賀県
高知県
鳥取県
島根県
富山県
香川県
秋田県
宮崎県
福井県
愛媛県
埼玉県
青森県
和歌山県
山口県
滋賀県
茨城県
岡山県
山形県
岩手県
岐阜県
大分県
熊本県
長崎県
石川県
山梨県
鹿児島県
群馬県
広島県
三重県
栃木県
新潟県
福島県
宮城県
兵庫県
愛知県
福岡県
神奈川県
長野県
京都府
沖縄県
静岡県
千葉県
大阪府
北海道
東京都
0
資料:観光庁「宿泊旅行統計」
395
資料:観光庁「宿泊旅行統計」
32
なおこのランキングは、観光客以外にも出張等のビジネス客を含むため、各県の基礎的
指標である人口規模や経済力
(県内総生産)等に左右される。そこで都道府県別宿泊者数を
各県人口で除した観光度指数
(各県人口に対して何倍の宿泊者数が来ているかを表す)を見
ると(観光− 9)、徳島県は 3.21 倍と全国 29 位までランクアップする。四国内では高知県が3
年連続で全国平均を上回っており、比較的健闘している様子が見てとれる。
次に、インバウンド(外国人訪日旅行)の状況を見てみると(観光− 10、11)
、徳島県にお
ける外国人延べ宿泊者数は、
2014 年は 3.6 万人泊と全国 45 位となっている。2013 年の瀬戸内
国際芸術祭で外国人観光客から注目された香川県が、その後も順調に宿泊数を伸ばす一方
で、他の四国3県は下位グループに低迷している。インバウンド市場は、為替の円安への
(観光−6)
延べ宿泊者数の推移【全宿泊施設】
(観光−7)
延べ宿泊者数の推移【従業者数10人以上施設】
(万人泊)
500
(万人泊)
300
417(34)
400
367(36)
香川県
愛媛県
380(35)
360(38)362(36)
327(41)355(39)359(39)
342(40)
303(40)
287(44)
300
309(42)
293(43)
297(43)
高知県 248(46)288(44)
296(44)奈良県 223(46)
251(46)
203(46)
226
(
47)
200
216(47)
徳島県
196(47)
182(47)
176(47)
100
2010
2011
2012
2013
250
244(39) 241
(39)
227
(41)
200
214(41)
184(44)
296
(37)
192
(44)
239
(39)
香川県
2008
283(38)
高知県
218(45)
217
(43) 195(46)
(42) 212
210(45) 215
(45)
171
(46)
184(45)
124(46) 123
(46)120
(46)
2007
283(37)
(40)
251(40) 253
239(41)
182
(46)
奈良県
161(46)
(47)
115(47) 117
292
(38)
252(39)
150
100
2014 (年)
304
(36)
289(36)
281(37)
愛媛県
141(47) 141(47)
167(46)
163(47)
徳島県
(47)
133
(47) 135
111
(47)
2009
2010
2011
2013
2012
2014(年)
注:2007∼2013年は確定値、2014年は速報値。
注:全宿泊施設対象の調査は2010年4月より開始されており、年間べースでの比較は2011年以降となる。2010年については、便宜的に
〈従業者数10人以上施設の年間値〉+〈同9人以下施設の4月∼12月集計値〉を合算している。
注:図表中の( )の数値は、各年の都道府県順位(延べ宿泊者数の多い順)を表している。
資料:観光庁「宿泊旅行統計」
(観光−8)延べ宿泊者数 (観光−9)観光度指数
【全宿泊施設】前年比増減率ランキング【全宿泊施設】ランキング
(2014年速報値/ 2013年確定値)
順位
%
順位 県 名
13.6
1
滋 賀
1
12.1
2
大 阪
2
12.0
3
福 岡
3
11.1
徳 島
4
24
0.5
愛 媛
25
0.2
27
高 知
26
38
45
46
47
香 川
富 山
奈 良
鳥 取
全国平均
▲ 4.7
▲ 12.5
▲ 12.8
▲ 18.1
1.4
(観光−10)
外国人延べ宿泊者数の推移【全宿泊施設】
(2014年速報値)
(万人泊)
12
倍
県 名
13.83
沖 縄
8.76
山 梨
10
8.31
長 野
高 知
3.82
香 川
3.38
29
徳 島
3.21
41
愛 媛
2.52
45
46
47
茨 城
奈 良
埼 玉
全国平均
1.81
1.54
0.54
3.68
注:観光度指数は、
全宿泊施設の年間延べ宿泊者数÷
(同年)
各都道府県
人口で算出し、
宿泊者数が各都道府県人口の何倍かを求めている。
資料:観光庁
「宿泊旅行統計」
、
総務省
「住民基本台帳に基づく人口」
33
9.6
(32)
香川県
8
6
4
5.8
(38)
4.6
(40)
2.4
(44)
2
0
1.8
(46)
2010
15.2(26)
6.3
(34)
6.7
(35)
6.5(38)
愛媛県
3.9
(33)
3.7
(36)
1.9
(45)
4.5
(37)
4.3
(38)
3.4
(43)
徳島県
3.2
(44)
3.8(44)
3.6(45)
2.5
(46) 高知県
1.6
(46)
2011
注:
(観光 - 6、
7)
と同じ
資料:観光庁
「宿泊旅行統計」
2012
2013
2014(年)
変化を背景に、ビザ発給要件緩和や免税制度拡充といった国策が後押しすることで、近年
急拡大しており、地域を挙げて積極的にこの成長分野に対応することが望まれる。
2014 年の四国における外国人宿泊者の国籍(出身地)別構成比を見てみると
(観光− 12)、
四国他県の外国人国籍の順序は、第 1 位台湾、第 2 位韓国と続き、以下も概ねよく似た順序と
なっているが、徳島県については、香港が 22.0%と最も多く、以下中国 15.4%、北米 13.0%、
台湾 11.8%と続いている。香港については、2013 年にチャーター便が就航し、1,500 人あま
りの観光客が来県するなど、積極的に誘致を推進している。また欧米の比率が 21.2%と比較
的高いことも特徴的である。
(*徳島県の観光振興やインバウンド推進については『徳島経
済』2009 年夏号(Vol.84)、2010 年夏号(Vol.86)
、2012 年春号(Vol.89)
、2014 年春号(Vol.93)
に掲載の「これからの徳島観光戦略Ⅰ∼Ⅳ」の各レポートを参照)
(観光−11)都道府県別〈外国人〉延べ宿泊者数【2014年(速報値)、全宿泊施設】
(観光−11)都道府県別〈外国人〉延べ宿泊者数【2014年(速報値)、全宿泊施設】
(万人泊)
1位
(万人泊) 1位
600 1,345.3
1,345.3
600
583.8
583.8
550
550
350
500
500
450
450
400
徳島県 3.6 万人泊 45位
403.5
400
350
300
340.9
5位
250
300
275.0
200
5位
10位
100
94.2
200
150
50
0
150
香川県 15.2 万人泊 26位
15位
20位
10位50.6
94.2
15位
28.8
25位
30位
15.7
13.0
20位
100
35位
40位
45位
7.9
5.2
3.6
25位
30位
15.7
13.0
50
0
島根県
福井県
徳島県
高知県
秋田県
福島県
山口県
山形県
鳥取県
愛媛県
青森県
岩手県
佐賀県
埼玉県
茨城県
岡山県
群馬県
宮城県
新潟県
富山県
奈良県
香川県
栃木県
三重県
宮崎県
滋賀県
鹿児島県
和歌山県
石川県
大分県
広島県
長崎県
熊本県
長野県
兵庫県
岐阜県
静岡県
山梨県
神奈川県
福岡県
愛知県
沖縄県
千葉県
京都府
北海道
大阪府
東京都
50
愛媛県 6.5 万人泊 38位
香川県 15.2 万人泊 26位
150
100
0
高知県 3.8 万人泊 44位
200
愛媛県 6.5 万人泊 38位
275.0
250
250
高知県 3.8 万人泊 44位
340.9
350
300
徳島県 3.6 万人泊 45位
403.5
50.6
28.8
35位
40位
45位
7.9
5.2
3.6
福井県
徳島県
高知県
秋田県
福島県
山口県
山形県
鳥取県
愛媛県
青森県
岩手県
佐賀県
埼玉県
茨城県
岡山県
群馬県
宮城県
新潟県
富山県
奈良県
香川県
栃木県
三重県
宮崎県
滋賀県
鹿児島県
和歌山県
石川県
大分県
広島県
長崎県
熊本県
長野県
兵庫県
岐阜県
静岡県
山梨県
神奈川県
福岡県
愛知県
沖縄県
千葉県
京都府
北海道
大阪府
東京都
資料:観光庁「宿泊旅行統計」
(観光−1
2)国籍(出身地)別の外国人延べ宿泊者数構成比【2014年速報値】
(観光−1
2)国籍(出身地)別の外国人延べ宿泊者数構成比【2014年速報値】
資料:観光庁「宿泊旅行統計」
台湾
台湾
全 国
全 国
19.1
19.1
東南アジア韓国
東南アジア
12.0
12.0
10.3
台湾台湾
32.332.3
四 国
四 国
香港
香港
22.0
徳島県
徳島県
韓国
17.4
中国
15.4 中国
22.0
香川県
台湾
27.9
台湾
愛媛県
27.9
高知県
0
北米
13.0
韓国
19.9
37.4
愛媛県
韓国
16.5 韓国
台湾
38.8
台湾
38.8
20
香港
10.6
韓国
17.4
北米
13.0
15.4
台湾
37.4台湾
香川県
高知県
中国 中国
18.7 18.7
16.5
香港
11.9
韓国
18.2
40
台湾
11.8
韓国
19.9
香港
11.9
韓国
18.2
韓国 北米
10.3 8.6
北米
香港
8.6
7.6
香港北米
10.6 8.5
中国
北米
8.58.3
台湾 欧州
8.2
11.8
香港
7.9
北米
10.9
中国
8.9
60
香港
欧州
5.37.6
北米
7.1
7.0
中国
香港
8.3
中国
8.9
東南アジア その他 17.1
東南アジア
5.5韓国
欧州
北米
6.7
北米 10.7
10.9
5.3
欧州
その他
中国 東南アジア
欧州 東南アジア
5.9
8.3 2.8
5.9 2.8 14.3
韓国
欧州
7.1
8.2
香港
7.0
7.9
欧州
その他 18.3 その他 18.3
5.5
その他 17.1
中国 東南アジア その他
5.4欧州1.4 中国 東南アジア
14.2
6.7
5.4
1.4
その他
欧州 東南アジア
13.7
4.4 3.9 欧州 東南アジア
中国
10.7
4.4
3.9
東南
北米 アジア 欧州
その他 12.9
東南
5.8
3.8 3.5
香港
8.3 80
34
その他
14.2
その他
13.7
北米 アジア 欧州
5.8
3.8 3.5
その他 12.9
100
(%)
100
注:従業者数
0 10 人以上の施設に対する調査をもとに作成。
20
40
60
80
注:北米はアメリカとカナダを、
欧州はイギリス・ドイツ・フランス・ロシアの4か国を、
東南アジアはシンガポール・タイ・マレーシア・
注:従業者数 10 人以上の施設に対する調査をもとに作成。
インドネシア・ベトナム・フィリピンの6か国をそれぞれ合算している。
注:北米はアメリカとカナダを、
欧州はイギリス・ドイツ・フランス・ロシアの4か国を、
東南アジアはシンガポール・タイ・マレーシア・
資料:観光庁
「宿泊旅行統計」
インドネシア・ベトナム・フィリピンの6か国をそれぞれ合算している。
資料:観光庁
「宿泊旅行統計」
その他
14.3
(%)
■新たな観光資源や地域の取り組み
○徳島市は地域資源の水と緑の魅力に、地域産業であるLEDの「光」の要素を加えた、他
の都市にはない新たな魅力を持つ「水都・とくしま」の創造を目指し、2010 年にLEDを
使った芸術祭では世界初となる「徳島LEDアートフェスティバル 2010」を開催した。スー
パーバイザーには、
「大地の芸術祭」
(新潟県)
や「瀬戸内国際芸術祭」
(香川県)を手がけた
アートディレクターの北川フラム氏を迎え、当初目標の 10 万人を大幅に上回る約 20 万人の
人出で大きな盛り上がりをみせた。このイベントは3年に1度のトリエンナーレ形式で行
われ、2013 年 4 月には第2回となる同フェスティバル 2013 が、規模や期間をスケールアップ
して開催された。10 日間の会期中には、国内外の著名アーティストの作品が 55 点展示され
たほか、ナイトマルシェなど食のイベントも開催され、約 21 万人が来場した。LEDアー
ト作品の一部は常設展示されており、新町川にかかる両国橋やふれあい橋、新町橋そのも
のがそれぞれアート作品化され、夜の水都を彩る新たな観光資源となっている。
また、徳島大学出身の中村修二氏らによるノーベル賞受賞でLEDが脚光を浴びる中、徳
島県では「LED王国・徳島」を国内外にアピールするため、2015 年 3 月に徳島市出身の猪
子寿之代表が率いるウルトラテクノロジスト
(様々な分野のスペシャリスト)集団の「チー
ムラボ」
(本社:東京都)と連携し、観光の目玉ともなる最先端のデジタルアート展を開催
した。チームラボはニューヨーク、香港、シンガポールなどでの作品展示や東京お台場で
のアート展開催、また大河ドラマのオープニング映像を手掛けるなど、今世界的に注目を
集めており、徳島県と連携した今後の新たな展開が期待されている。
○徳島市が誇る新町川沿いのロケーションを活かした、お洒落で楽しい欧風産直市「とく
しまマルシェ」が 2010 年 12 月から毎月最終日曜日に開催されている。これは徳島経済研究
所が発表した「徳島県の農業ビジネス活性化構想」の一部を具現化したもので、徳島県産
のこだわりの農産物や厳選された加工品などが販売されている。毎回目玉企画が盛り込ま
れるほか、音楽の生演奏や野菜ソムリエのトークショーなどのイベントも催され、情報発
信にユーストリームによるライブ中継やツイッターといったITが積極的に活用されてい
る。毎回1万人を越える人出で賑わい、これまでにマルシェを組み込んだ県外からの観光
ツアーも実施された。隣接する中心商店街では、最終日曜日にさまざまなイベントが同時
開催されるなど、中心市街地の活性化にも波及効果が表れている。
○ 2009 年 10 月から始まったアニメイベント「マチ☆アソビ」は、5 月、10 月の開催を中心
に 2015 年 5 月までに計 14 回実施され、毎回全国各地から数万人規模のアニメファンが徳島
駅前∼しんまちボードウォーク∼眉山山頂エリアに押し寄せている。これは 2009 年に徳島
市に事務所を開設したアニメ制作会社ユーフォーテーブル(本社:東京都)が企画したもの
35
で、アニメ上映会のほか、アニメ監督やプロデューサー、人気声優らを招き、若者を中心に
人気を博している。同社は 2012 年 3 月に常設のアニメ映画館(3 D映画にも対応する 71 席と
29 席の大小 2 ホール)を徳島市中心商店街にオープンし、またここでしか手に入らないグッ
ズ等を販売するアニメ専門店を併設するなど、徳島の新たな賑わい創出拠点となっている。
○近年、地域の特色を活かした体験型観光が注目されており、藍染体験や大谷焼の作陶、廃
校を利用した田舎暮らしや農業体験など、県内外から多くの観光客を集めている。こうし
た中、海部郡3町は自然のありのままを体験してもらう体験型観光を推進し、2004 年 9 月
「南阿波よくばり体験推進協議会」を発足した。地元住民がインストラクターとなり、定置
網漁などの漁業体験やウミガメ生態観察、無人島探検、シーカヤックなど、68 種類の体験
プログラムを提供、2005 年から一般観光客を受け入れている。また修学旅行など教育旅行
の誘致にも力を注ぎ、2006 年 9 月に広島県からの修学旅行を受け入れて以来、毎年着実に誘
致数を伸ばし、最近では年間 10 数校受け入れている。地域住民と修学旅行生との交流も深
まっており、地域の活性化にも成果が上がっている。
○ 2008 年 10 月、「観光圏」整備認定地域第一弾(全国 16 地域)に「にし阿波観光圏」
(三好
市、美馬市、東みよし町、つるぎ町の二市二町)が選ばれ、日本の原風景とも言われる「ほ
んものの田舎」をコンセプトに、伝説・伝承が残る観光資源を巡る周遊コースの開発や外
国人観光客向けのガイドマップ作成などの取り組みが進められた。同観光圏における実働
組織としては、宿泊事業者が連携した「大歩危・祖谷いってみる会」が中心となって活動
しているほか、2011 年には、地域内の着地型旅行商品提供者と市場
(旅行会社、旅行者等)
を繋ぐワンストップ窓口として「一般社団法人そらの郷」が設立され、修学旅行や体験学
習の誘致、滞在型旅行商品の開発、特産品の商品化などに取り組んでいる。なおこの地域
は、東洋文化研究者のアレックス・カー氏がその著書で「日本の原風景」と紹介し、築 300
年の歴史を持つ茅葺きの「
庵(ちいおり)」に代表される古民家での滞在が人気となって
いるほか、フランスの旅行ガイドブック「ミシュラン・グリーンガイド」
(2009 年 3 月発行)
において、2つ星獲得の祖谷街道や1つ星のかずら橋、大歩危峡、東祖谷などが紹介され、
近年、欧米や香港、台湾などからの外国人旅行者が急増している。
○徳島経済研究所は、国内外から観光客を徳島県に誘致し、県内の観光関連産業の活性化を
図ることを目的として、2014 年 5 月に「徳島観光ビジネス活性化研究会」を立ち上げ、1年
間を通した研究会での検討内容を「徳島県の観光ビジネス活性化構想」としてまとめ、
2015
年 6 月のシンポジウムにて、観光に強い徳島に向けた提言を行うこととしている。
(元木秀章)
36
交通機関
県外への交通機関は、本四架橋と高速道路の整備により大変革がもたらされた。1998 年
4月5日の明石海峡大橋開通により、本州方面への交通の便は、それまでの中心であった海
上交通から陸上交通へ大きく様変わりした。また、四国内の高速道路網の整備は4県都間や
神戸・大阪方面への時間距離を大幅に短縮した。
■高速道路
大鳴門橋の交通量は、明石海峡大橋の開通とその後の通行料金の大幅な割引にともなっ
て急増し、1日の平均交通量は 23,792 台(2013 年度)
と開通前の 1997 年度
(9,360 台)
と比較し
て約 2.5 倍になっている
(交通−1)。また、交通量を車種別にみると、乗用車等の普通車が
全体の約 60%を占め、次いでトラックや高速バス等の大型車が約 18%、軽乗用車が約 13%
などとなっている。明石海峡大橋開通後で見ると、大型車の増加が目立っている。これは、
高速バス路線が増加したのと物資を輸送するトラックが瀬戸大橋ルートからシフトしてき
たためである。また、2009 年度からは料金の大幅引き下げによって普通車と軽自動車が大
幅に増加している
(交通−2)。
本州四国連絡道路の通行料金は一般の高速道路に比べてはるかに高かった。ETC利用
車を対象に 2008 年9月から実施された通行料金割引
(普通車・軽自動車は土日祝日昼間5割
引、中型車以上は平日夜間4割引など)や 2009 年3月 20 日から開始された大幅引き下げ
(E
TC利用の普通車・軽自動車は土日祝日片道上限 1,000 円、平日3割引など)によって、大鳴
門橋では通行量が増加してきた。
2014 年4月からは全国共通料金制度が導入され、普通車や軽自動車の通行料金は基本料
金が引き下げられる。ETC割引が継続されるため土日祝日と平日通勤時間帯はそれまでの
通行料金とほぼ同額、平日の昼間は引き下げられた。ただし大型車等は基本料金が大幅に引
き下げられるものの、現行の割引は適用されないため通行時間帯によっては料金が上がっ
た。(交通−3)
徳島自動車道は、現在のところ神戸淡路鳴門自動車道とは連結していないことなどもあっ
て交通量は四国内の高速道路で最も少なく、1日あたり平均交通量は 8,580 台(2013 年度)
に
とどまっている
(交通−4)
。
2005 年 10 月、高速道路関係4公団が民営化された。四国内の横断自動車道と縦貫自動車
道は西日本高速道路株式会社が建設、維持管理を行うことになった。また、本四架橋は本州
四国連絡高速道路株式会社が維持管理を行うことになった。
県内の今後の高速道路整備は、四国横断自動車の鳴門JCT∼阿南IC間が計画されてい
37
る。鳴門JCT∼小松島IC間
(23㎞)は 1998 年 12 月に施行命令が出ており、このうち鳴門
JCT∼徳島東IC間(15.2㎞)は 2005 年6月に着工した
(うち鳴門JCT∼徳島JCT間は
2015 年3月 14 日に開通した。松茂PAと松茂スマートICが設置されている。徳島JCT
∼徳島東IC間の供用予定は 2019 年度)。徳島東IC∼小松島IC間
(7.8㎞)
については設計
協議が完了した。小松島IC∼阿南IC間
(10㎞)
は現在工事中である。徳島東IC∼阿南I
C間(17.7㎞)については新直轄方式(自治体と国がともに資金を負担して建設する方式で通
行料は無料)で整備している。阿南以南の自動車専用道路
(阿南安芸自動車道の県内区間)に
ついては、阿南∼桑野間(桑野道路)は現在調査設計中、桑野∼小野間
(福井道路)は 2012 年
度に着手、小野∼北河内(日和佐道路)は 2011 年に開通、北河内∼県境(海部道路)は未着手
となっている。
■空港
徳島空港(通称:徳島阿波おどり空港)
は、滑走路が 2,500 m、乗り入れ路線は東京
(羽田)
、
福岡の2路線(2015 年1月現在)である
(交通−5)
。2013 年の年間輸送人員は 954,723 人と
なっている。路線別にみると、東京便が 916,995 人と圧倒的に多く、福岡便は 33,832 人となっ
ている(交通−6)
。大阪便は、明石海峡大橋の開通にともなって本格的に運行が開始された
高速バスに利用客が大きくシフトしたため 2002 年1月7日限りで廃止、40 年余
(1957 年開
設)の歴史に幕を閉じた。また、名古屋便も 2011 年1月5日限りで休止された。
徳島空港では、滑走路が 2,500 mに延長され、2010 年4月8日に新ターミナルビルがオー
プンした(空港の愛称が徳島阿波おどり空港となった)
。2010 年 10 月 31 日から全日本空輸が
徳島∼羽田線を再開し、1日3往復運航することになり、日本航空と合わせて東京便は1
日9往復の運航となった。その後、全日本空輸が2往復増便
(2011 年 10 月 30 日から1往復、
2013 年 10 月 27 日から1往復)
。2014 年3月 30 日からは日本航空が1往復増便して東京線は
過去最多の 12 往復となっている。
■高速バス
明石海峡大橋開通とともに、徳島と京阪神を結ぶ高速バスが大幅に拡充された。大阪駅、
神戸・三宮駅、京都駅などの中核ターミナルが発着場所となっているため利便性が高く、発
着便数も多いこともあって、徳島と関西を結ぶ大動脈となっている。さらに、関西国際空港
へも運行しており、海外へのアクセスルートとしての役割も果たしている。乗客数は年々増
加し 2007 年度は約 210 万人もの乗降客を運んだ(交通−7)
。しかし、2009 年度からは高速
道路料金の大幅引き下げによって乗降客が減少した
(2013 年度乗降客 179 万人)。
また、四国内の高速道路が整備されたのにともない徳島から四国の3県都を結ぶ高速バス
が運行されているほか、広島(2002 年 12 月開設)、岡山
(2003 年4月開設)などの路線も開設
38
された(交通−8)。
■鉄道
JR徳島駅発着の特急列車の本数は、2013 年 12 月現在、高徳線の高松方面が 16 往復
(所
要時間片道約1時間 10 分)、このうち2往復が瀬戸大橋経由で岡山方面(同片道約2時間)
に
直接乗り入れている。また徳島線の池田方面は6往復(同片道約1時間 15 分)
、穴吹方面が
1往復(同片道約 40 分)となっている。県南へは牟岐線の牟岐方面は3往復
(同片道約1時間
10 分)、阿南方面は1往復
(同片道約 30 分)
となっている。
JR徳島駅の乗降客数は年間約 609 万人(2013 年)
、1日平均 16,676 人と前年をやや上回っ
た(交通−9)。
徳島市内の交通渋滞緩和と健全な市街地づくりを促進するため、徳島駅、二軒屋駅を含む
高徳線、徳島線、牟岐線の連続立体交差事業が計画されている。2001 年 12 月に鉄道高架事
業調査が国に認められ、
2006 年度に着工準備が採択された。現在は都市計画決定に向けた調
査設計が進められており、2010 年度に「徳島駅周辺及び二軒屋駅付近まちづくり計画
(案)」
が策定された。また、徳島県が 2014 年2月に計画区間を2分割し一部を先行して都市計画
決定する案を徳島市やJR四国に提示している。しかし、関係者の合意形成や事業費などの
課題も大きく、着工時期並びに完成時期の見通しは立っていない。
■海上輸送
明石海峡大橋開通にともなって、県内発着のフェリー・高速船の航路は相次いで廃止・減
便され、2015 年 1 月現在では、徳島と和歌山を結ぶ南海フェリー(1日8往復)
および徳島と
東京・北九州を結ぶオーシャン東九フェリー(1日各1便)
の2航路のみが運行されている。
活力と魅力ある港湾空間の整備に向けて、徳島港区では、2005 年7月に四国横断自動車道
の徳島インターチェンジを含んだマリンピア沖洲第2期計画事業
(土地利用面積約 29ha、事
業費約 173 億円)が着工した。2010 年3月に北部エリアの臨海道路、緑地、人工海浜が完成
した。さらに、マリンピア沖洲の南側水域を埋め立てて、フェリー輸送や大型船舶の寄港に
対応するターミナルが整備される予定となっている
(埠頭用地 2.7ha、水深 8.5m 岸壁、事業費
約 118 億円、2011 年度に着工し 2014 年度に完成、オーシャン東九フェリーが移転する予定)
。
(大谷 博)
39
(交通−1)大鳴門橋、明石海峡大橋、瀬戸大橋通行台数 (交通−2)1998年度を100とした車両通行指数
(大鳴門橋)
(1日当たり平均交通量)
200
200.0
(台)
35,000
190
33,021
180
30,000
174.1
170
160
明石海峡大橋
25,000
23,792
144.0
140
20,902
大鳴門橋
20,000
150
133.3
130
121.3
120
15,000
110
瀬戸大橋
100
∼
∼
92.9
90
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(年度)
80
∼
∼
資料:本州四国連絡高速道路株式会社
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
(年度)
中型車
普通車
特大車
計
大型車
軽自動車
資料:四国運輸局「四国における運輸の動き」
(交通−3)神戸淡路鳴門自動車道の通行料金(普通車) (交通−4)高速道路の交通量(1日あたり平均交通量)
非ETC車
1998年
開通当初
2014年
4月∼
6,050
5,610
(台)
25,000
20,000
ETC車
平日
3,280
休日
(土日祝日)
2,620
15,000
注:鳴門∼神戸西区間
資料:国土交通省
10,000
5,000
0
26,051
21,494
26,589
20,426
18,528
15,915
18,317
14,792
12,461
18,726
15,380
25,766
26,841
松山自動車道
19,110
17,926
13,633
19,209
19,362
18,345
18,647
13,231
13,609
高松自動車道②
高知自動車道
10,386
7,075
7,986
8,127
8,060
2008
2009
2010
2011
注:高松自動車道①:川之江JCT∼高松東IC
高松自動車道②:高松東IC∼鳴門IC
資料:四国運輸局「四国における運輸の動き」
40
26,366
高松自動車道①
8,324
8,580
徳島自動車道
2012
2013
(年度)
(交通−5)四国各県の空港(定期航空路) 2015年1月末現在
徳島空港
(徳島阿波おどり空港)
高松空港
松山空港
高知空港
(高知龍馬空港)
2,500
2路線
2,500
6路線
2,500
10路線
2,500
4路線
東 京
福 岡
東 京
成 田
那 覇
ソ ウ ル
上 海
台 北
東 京
成 田
大阪(伊丹)
関 西
名古屋(中部)
福 岡
鹿 児 島
那 覇
ソ ウ ル
上 海
東 京
大阪(伊丹)
名古屋(小牧)
福 岡
滑走路(m)
路 線
(交通−6)徳島空港の乗降客数
(千人)
1,200
1,000
997
816
800
986
総数
総数
936
832
829
946
833
957
855
962
873
955
885
809
東京
870
786
883
830
752
758
696
808
750
758
917
847
723
600
400
200
0
大阪
89
52
45
34 43 42
2000 2001
名古屋
福岡
53
42
2002
54
42
2003
50
39
42
40
2004 2005
32
33
2006
39
36
2007
37
32
2008
(札幌線の推移は記載していない)
資料:徳島県「統計情報」
41
34
20
2009
34
14
2010
32
2011
33
2012
34
2013 (年)
(交通−7)高速バス輸送実績
(1)松山・高松・高知
(千人)
120
115
(2)京阪神
120
110
105
114
111
104
(千人)
2,500
2,068 2,099 2,075 1,767 1,678 1,699 1,735 1,790
100
85
2,000
85
80
75
78
75
83
78
1,500
60
45
44
38
38
40
50
44
42
1,000
500
20
0
2007
2008
2009
2010
2011
0
2013
(年度)
2012
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
(年度)
徳島−松山 徳島−高松 徳島−高知
資料:徳島県交通政策課、四国運輸局「四国における運輸の動き」
(交通−8)徳島駅発の主な高速バスの1日の便数、所要時間
2015年1月30日現在
方 面
便数
所要時間
方 面
便数
所要時間
方 面
便数
所要時間
大 阪
56
2時間25分
枚 方
2
3時間15分
東 京
7
9時間00分
神 戸
40
1時間45分
岡 山
3
2時間25分
高 松
12
1時間35分
関西空港
9
2時間45分
広 島
2
3時間45分
松 山
7
3時間10分
京 都
7
2時間50分
名 古 屋
3
5時間00分
高 知
4
2時間40分
便数は発便数、所要時間は片道
資料:徳島バス、ジェイアール四国バス、海部観光
(交通−9)JR徳島駅の1日平均乗降客数の推移
(人)
30,000
25,000
20,000
17,950
17,658
17,568
17,070
17,046
16,876
16,656
2003
2004
2005
2006
2007
2008
15,736
16,306
16,656
16,438
2009
2010
2011
2012
16,676
15,000
10,000
5,000
0
2002
資料:JR四国
42
2013(年)
県財政
■県財政
県行政に必要な経費は、住民税や事業税などの県税のほか、所得税や法人税などの一定
割合を国が地方に交付する地方交付税、国からの補助金(国庫支出金)などで充当し、不足
分を借入れ(県債の発行)などで賄っている。徳島県は歳入の約6割を地方交付税や国庫支
出金、県債などの依存財源に頼る構造のため、国の動向の影響を受けやすい。
●歳入、歳出、基金等
徳島県の歳入・歳出は、2000 年度をピークに減少を続けていたが、2008 年度を底にして
下げ止まっている。2013 年度(以下、県・市町村とも普通会計)の歳入決算額は 5,095 億円
で、ピーク(2000 年度 6,428 億円)と比較すると総額で 1,333 億円、約 2 割少なく、内訳は、
地方交付税△ 428 億円、国庫支出金△ 547 億円、県税△ 157 億円等である。
歳入で最も多いのは地方交付税で 1,506 億円(29.6%)、次いで県税 802 億円(15.7%)、地
方債 577 億円(11.3%)、諸収入 633 億円(12.4%)、国庫支出金(補助金、負担金など)720 億
円(14.1%)、などとなっており、自主財源は約 4 割である。
一方、歳出を目的別にみると、最も多いのは歳出の 18.4%(874 億円)を占める公債費で、
教育費 805 億円(16.9%)、民生費 555 億円(11.7%)、商工費 512 億円(10.8%)と続く。土木
費は、最も多かった 1996 年度は 1,505 億円で歳出総額の 1/4 余りを占めたが、2013 年度は
527 億円(11.1%)まで減少しているほか、農林水産費もピークの 796 億円(1999 年度)から
345 億円にまで減少している。また、公債費は 2008 年度(927 億円)をピークに減少に転じ
ている。性質別区分でみると、人件費(23.4% 1,113 億円)と公債費(18.3% 873 億円)で全体
の約4割(41.7%)を占め、投資的経費は 17.0%(809 億円)である。
県税(地方消費税清算前)は、過去最も多かったのは 894 億円(2000 年度)だったので、
2013 年度(731 億円)は約2割少ない。ただし、2007 年度に所得税から住民税への税源移譲
があったので、実質的にはもっと少ない。内訳を見ると、法人事業税は 2009 年度に前年度
の 218 億円から 136 億円に約4割減少したが、2011 年度(110 億円)を底に 2013 年度は 143
億円まで回復、個人県民税は株価上昇を背景に 257 億円と前年度から 30 億円増加し過去最
高となった。
財源不足を補てんする財政調整的な基金である財政調整基金と減債基金は一時枯渇寸
前にまで減少した(財政調整基金:2007 年度 47 億円、減債基金:2009 年度 1 億円)が、2013
年度は財政調整基金 141 億円、減債基金 72 億円に回復している。県債残高は 2006 年度が
ピーク(9,751 億円)で、2013 年度は 9,135 億円に減少した。
43
●地方公共団体財政全体の把握と早期健全化
財政の状態を分析する代表的な指標には、①財政力指数、②経常収支比率、③実質公債費
比率などがある。さらに、
「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」
(健全化法)
が 2009
年に全面施行され、地方公共団体は、①普通会計の「実質赤字比率」
、②公営企業まで含め
た「連結実質赤字比率」
、③従来からの指標である「実質公債費比率」
、④公社・三セクまで
含めた「将来負担比率」の4指標(健全化判断比率)及び公営企業の⑤「資金不足比率」を
公表するとともに、一定基準に該当すると健全化計画や再生計画の策定が義務づけられた。
(1)「財政力指数」は、標準的な行政サービスを住民に提供するのに必要な一般財源の額
(基準財政需要額)のうち、どの程度を県税などの地方税及び地方譲与税
(基準財政収入額)
で賄えるかを示す指標であり、この値が高いほど財源に余裕があるといえる。財政力指数
が 1.0 を下回ると、基準財政需要額と基準財政収入額との差額が普通地方交付税として国か
ら交付されるが、徳島県は 0.29367 で全国平均(0.46370)
を下回り国に大きく依存している形
となっている。
(2)「経常収支比率」は、経常一般財源総額に対する義務的経費
(職員の人件費や物件費、
発行済み地方債の利息や返済期限の到来した元金分の公債費など)
の比率のことである。義
務的経費を差し引いて残った分が政策的な経費に使えるので、経常収支比率は低いほど財
政構造に弾力性があることを示す。徳島県は 91.8%で全国平均(93.1%)
より若干良い。
(3)起債制限は「実質公債費比率」によって行われる。この指標は、普通会計のみならず
病院事業など公営企業の元利償還に充当する繰出金や将来の公債償還に充てる基金
(減債
基金)の積立状況も加味し、18%以上になると地方債の発行に許可が必要となり、25%以上
になると単独事業の起債が認められない。徳島県は 20.1%(全国 46 位、全国平均 14.6%)で
発行に許可が必要な団体となっていることから、2016 年度までに 18%未満を目指している。
(4)「実質赤字」や「連結赤字」はなく、
「将来負担比率」
(将来負担すべき実質的な負債
の標準財政規模に対する比率)は 197.5%となっている。また、「資金不足」に該当する公営
企業はない。
■市町村財政
2013 年度普通会計の歳出決算額は、阿南市など 17 団体が前年より増加、東みよし町など
7団体が減少、市町村全体では 77 億円(2.2%)の増加であった。
財政力指数(2014 年度、直近 3 年度平均)は、阿南市
(0.897)、松茂町(0.903)と続き、最低
は上勝町(0.113)である。
経常収支比率は、市町村平均が 83.7%で前年度
(2012 年度 84.4%)とほぼ同水準だった。
90%を超えるのは徳島市、鳴門市、小松島市、板野町、つるぎ町の5団体、財政に比較的
余裕があるといわれる 80%を下回ったのは海陽町など7団体であった。
44
健全化判断比率をみると、実質公債費比率は、2011 年度以降すべての団体が 18%を下回っ
ており、現在地方債発行に許可が必要な団体はない。また、実質赤字や連結実質赤字団体
もない。将来負担比率は最高(最も悪い)が鳴門市
(121.4%)で、小松島市
(95.4%)
、徳島市
(77.2%)
と続いている。なお、公営企業で徳島市商業観光施設事業会計
(9.9%)
に資金不足が
生じているが、健全化基準には該当しない。
徳島県内に早期健全化の対象となる市町村は無いが、早期健全化基準に抵触する場合は
相当悪化している状態を示すものとして解釈すべきであり、クリアしているから大丈夫と
いうものではない。厳しい財政事情が続く中、行政コストと住民サービスのバランスをど
うしていくか、住民も関心を持つ必要がある。
そのほか、自主財源は多いほど自由度が高まるが、松茂町
(67.1%)のように 2/3 を有す
る町がある一方、5団体(佐那河内村:19.4%、三好市:19.3%、美波町:18.5%、上勝町:
17.6%、つるぎ町:15.9%)
が2割に満たない。
■用語の説明
○会計方法による区分
・一般会計:行政運営の基本的な経費を網羅して計上した、議会・住民向けの会計。
・特別会計、公営事業会計:特定の歳入・歳出を、一般の歳入・歳出と区分するために設
置する。徳島県には、
赤石地区での大規模投資に伴っての公債費負担が大きい港湾等整備事
業特別会計や、約 90 億円の累積欠損金を抱える病院事業会計
(中央、三好、海部の3病院)
などが設けられている。
・普通会計:個々の地方公共団体の財政比較や統一的な把握のための会計で、一般会計と
特別会計のうち公営事業会計に係るもの以外のものの合計。
○収入経路による区分
・自主財源:自主的に収入できる財源。地方税が代表。
・依存財源:国を経由し、使途が制限される財源。地方債は依存財源に分類される。
○使途による区分
・一般財源:どのような経費にも使用できる歳入。地方税、地方交付税など。
・特定財源:特定の事業に使うために交付される歳入。国庫補助金、地方債など。
(竹中淳二)
45
(財政−1)歳入決算額・地方債残高の推移(普通会計)
(億円)
10,000
9,000
自主財源比率
(右目盛り)
8,000
7,000
その他
6,000
5,000
4,000
県債
国庫支出金
3,000
地方交付税
2,000
県税以外の自主財源
1,000
(財政−2)県税 税目別収入額(一般会計)
(%)
地方債残高
45
県税
0
(億円)
1,000
40
900
35
800
30
700
25
600
20
500
15
400
10
300
5
200
0
100
利子割県民税
その他
軽油取引税
自動車税
地方消費税
個人県民税
法人事業税
法人県民税
0
98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13
(年度)
資料:総務省「都道府県決算状況調」
98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13
注:2007年国税(所得税)から地方税
(住民税)へ税源移譲 (年度)
資料:徳島県「徳島県税務統計書」
徳島県財政課
(財政−3)歳出決算額構成比(普通会計)
(1)目的別
(2)性質別①
(%)
30
(%)
40
35
25
土木費
20
15
15
98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13
(年度)
0
10
20
30
40
50
60
05
43.2%
06
45.2%
25.3%
07
48.8%
20.2%
08
49.1%
28.4%
17.2%
70
33.7%
38.1%
10
46.7%
16.5%
36.8%
11
47.6%
14.7%
37.7%
12
47.8%
14.4%
37.9%
13
44.1%
全国
42.9%
投資的経費
定額運用基金
1,000
30.9%
16.3%
義務的経費
物件費
98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13
(年度)
90
29.5%
45.6%
15.5%
積立金
(%) (財政−4)基金残高の推移
100
(億円)
1,200
28.5%
80
09
17.0%
0
貸付金
その他
5
警察費
(3)性質別②
補助費
10
総務費
その他
公債費
20
民生費
商工費
5
人件費
25
教育費
10
0
公債費
農林水産費
普通建設事業
30
800
その他特定目的基金
600
400
38.9%
減債基金
200
41.6%
その他経費
0
資料:総務省「都道府県決算状況調」
徳島県財政課
財政調整基金
98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13
資料:総務省「都道府県決算状況調」
徳島県財政課
46
(年度)
(財政−5)主要指標の推移
(1)財政力指数
(2)経常収支比率
↑良好
(%)
105
(%)
0.6
100
0.5
0.4
90
85
徳島県
0.3
80
0.2
良好↓
95
00
05
10
70
65
13
(年度)
(3)
実質公債費比率
95
00
05
10
13
(年度)
(4)実質収支比率
(%)
4.0
(%)
22
21
3.5
徳島県
20
18
2.5
17
2.0
16
1.5
良好↓
15
1.0
全国
14
13
95
00
徳島県
3.0
19
05
10
全国
0.5
13
(年度)
(5)将来負担比率
0.0
95
00
05
10
13
(年度)
(6)ラスパイレス指数
(%)
300
(%)
108
徳島県
106
250
104
全国
200
全国
102
100
150
98
100
徳島県
96
良好↓
94
50
0
徳島県
75
0.1
0.0
全国
95
全国
92
95
00
05
10
13
(年度)
注:1.全国は都道府県の単純平均
2.ラスパイレス指数:国家公務員行政職俸給表(一)の適用者の
俸給月額を100とした場合の地方公務員一般行政職の給与水準。
資料:総務省「都道府県決算状況調」
徳島県財政課
47
95
00
05
10
13
(年度)
(財政−6)自主財源割合(2013年度)
鳴門市
∼20%
板野町
上板町
阿波市
20∼30%
藍住町 北島町 松茂町
30∼40%
石井町
美馬市
三好市
40∼50%
徳島市
吉野川市
東みよし町
つるぎ町
50∼60%
佐那河内村
神山町
三好市
60%∼
小松島市
勝浦町
阿南市
上勝町
那賀町
美波町
牟岐町
海陽町
資料:徳島県市町村課
(財政−7)財政指標
財政力指数[県財政]
(2013年度)
経常収支比率[県財政]
(2013年度,%)
実質公債費比率[県財政] 将来負担比率[県財政]
(2013年度,%)
(2013年度,%)
順位
県 名
指 数
順位
県 名
比 率
順位
県 名
比 率
順位
県 名
比 率
1
愛 知
0.92681
1
東京
86.2
1
東 京
0.6
1
沖 縄
65.9
2
神奈川
0.91340
2
愛媛
87.0
2
神奈川
11.1
2
東 京
73.2
3
東 京
0.87052
3
鳥取
88.6
3
千 葉
11.3
3
鳥 取
108.9
42
徳 島
0.29367
15
徳 島
91.8
45
岩 手
19.4
22
徳 島
197.5
45
鳥 取
0.24074
45
兵 庫
97.3
46
徳 島
20.1
45
新 潟
282.9
46
高 知
0.22891
47
北海道
21.3
46
北海道
320.6
47
島 根
0.22401
−
全 国
14.6
47
兵 庫
341.1
−
全 国
0.46370
−
全 国
200.9
46
−
愛 知
大 阪
全 国
98.7
93.1
(財政力指数∼ラスパイレス指数)
資料:総務省「地方公共団体の主要財政指標一覧」
・
「決算状況調」
(全国は単純平均)
ラスパイレス指数[県財政]歳出決算額(人口1人当たり) 県内8市の指標
(2013年度)[県・市町村財政合計](2012年度,千円)
順位
県 名
比 率
順位
県 名
(2013年度,%,千円)
財政力指数 経常収支比率 実質公債費比率
金 額
実質収支
徳 島 市
0.806
90.8
6.9
474,201
鳴 門 市
0.663
94.1
15.5
318,439
小松島市
0.520
92.4
15.0
49,703
阿 南 市
0.897
83.6
7.9
518,330
1
静 岡
111.3
1
岩 手
1,780.9
2
東 京
111.1
2
宮 城
1,737.6
3
栃 木
110.2
3
福 島
1,437.5
44
徳 島
105.0
10
徳 島
1,061.8
吉野川市
0.390
87.6
11.7
829,186
45
北海道
101.9
45
千 葉
595.6
阿 波 市
0.363
81.4
7.6
413,424
美 馬 市
0.304
83.9
8.6
594,497
46
大 阪
101.2
46
神奈川
563.3
三 好 市
0.207
84.6
10.3
826,976
47
鳥 取
99.1
47
埼 玉
541.2
−
全 国
107.4
−
全 国
824.6
注:財政力指数は2012∼2014年の3か年平均
実質公債費比率2011∼2013年の3か年平均
資料:徳島県県民環境部市町村課
48
過疎
徳島県では、過疎地域自立促進特別措置法に基づく「過疎地域」に 11 市町村が、
「一部過
疎地域」に2市町村の一部が該当している。また、県独自に「準過疎地域」として3市町の
一部を指定している
(過疎−1)
。
「過疎地域」と「一部過疎地域」を併せた県内の過疎地域の人口は 128,339 人で県全体の
16.3%を占めるに過ぎないが、市町村数は 13 市町村で 54.2%、面積は 3,004㎢で 72.4%を
占めている。一方、全国の過疎地域は、市町村数で 45.1%、面積で 57.2%、人口で 8.1%
を占めている。徳島県は、全国と比べ過疎地域が占める割合が高く、過疎化が進んだ「過
疎先進県」といえる(過疎−2)。
徳島県の人口は、1960 年から 2010 年における 50 年間で、84.7 万人から 78.5 万人への減少
となっているが、過疎地域の人口は 27.7 万人から 12.8 万人と 50%以上減少している。加え
て、過疎地域の高齢化率
(総人口に占める 65 歳以上人口の割合)は 37.3%(2010 年)
で、県全
体の 27.0%を大幅に上回っているとともに、5 年前の 34.7%と比べると高齢化が一層進んで
いる。
この結果、65 歳以上の住民が全体の 50%を占め、共同体としての機能低下により将来消
滅に向かう恐れが強い「限界集落」は、2010 年現在、県内の過疎地域全体の集落数 1,708 の
うち 606 集落にものぼり、全体の 35.5%を占めている
(過疎−3)
。
このような過疎地域における著しい人口減少および住民の高齢化は、地域社会における活
力低下をもたらし、集落や地域そのものの維持・存続に深刻な影響を与えている。
こうした中、2010 年4月に過疎地域自立促進特別措置法
(過疎法)
が改正され、法律の期限
が 2016 年3月末まで延長された。このなかで、過疎債を原資に基金を創設し、その支援対象
を地域医療や生活交通の確保などのソフト事業にも拡大するとともに、これまでのハード事
業についても活用の幅が広げられている。なお、同法は、東日本大震災の発生により対策事
業の遅延が想定されることから、上記期限は 2021 年3月末まで延長されている。徳島県では、
過疎法の改正を受け「徳島県過疎地域自立促進計画」を策定するとともに、2012 年度からは
「とくしま集落再生プロジェクト」を進めている。
ところで、県外のIT企業などが、神山町、美波町、三好市といった過疎地域に「サテラ
イトオフィス」の形態により進出する事例が目立つようになってきた。また、現在話題に
上っている「地方創生」では、人口減少に歯止めをかけることを大目的として、行政だけで
はなく民間も一緒になって「産業の活性化」や「まちづくり」などに積極的に取り組むこと
が求められている。なお、この政策の特徴は、国による支援が全国一律的ではないことであ
る。過疎からの脱却に向け、地域間競争が既に始まっている。 (蔭西義輝)
49
(過疎−1) 徳島県の過疎地域
鳴門市
三好市
旧市場町
板野町
旧土成町 上板町
藍住町北島町 松茂町
阿波市
石井町
美馬市
旧三好町
町
よし
東み
旧山川町
旧三加茂町
吉野川市
徳島市
旧美郷村
つるぎ町
佐那河内村 小松島市
神山町
法に基づく過疎地域
勝浦町
①吉野川市のうち旧美郷村、②美
馬市、
③三好市、
④勝浦町、
⑤上勝
町、
⑥佐那河内村、
⑦神山町、
⑧那
賀町、
⑨牟岐町、
⑩美波町、
⑪海陽
町、⑫つるぎ町、⑬東みよし町のうち
旧三好町
上勝町
阿南市
那賀町
本県独自に指定した
「準過疎地域」
美波町
牟岐町
①吉野川市のうち旧山川町、②阿
波市のうち旧土成町・旧市場町、③
東みよし町のうち旧三加茂町
海陽町
資料:徳島県HP
全国の過疎地域
(過疎−2)徳島県の過疎地域
13
(54.2%)
市町村数
11
(45.8%)
3,004
(72.4%)
面積(㎢)
128,339
人口
(人)(16.3%)
0%
市町村数
1,143
(27.6%)
面積(㎢)
657,152
(83.7%)
20%
40%
775
(45.1%)
216,321
(57.2%)
80%
100%
0%
161,629
(42.8%)
11,773
(91.9%)
1,033
人口(万人)(8.1%)
60%
945
(54.9%)
20%
(県全体に占める割合)
40%
60%
過疎地域 非過疎地域
過疎地域 非過疎地域
(注)1.徳島県面積は全国都道府県市区町村別面積調、他は2010年国勢調査による。
2.市町村数は2013.
4.
1現在
資料:徳島県「過疎地域自立促進計画(平成22年度∼27年度)」、
総務省過疎対策室「平成24年度版 過疎対策の現況」、
国土地理院「全国都道府県市区町村別面積調」、
総務省統計局「平成22年国勢調査」
(過疎−3)過疎地域における集落数の状況
606
(35.5%)
徳島県
四国圏
1,102
(64.5%)
1,750
(24.3%)
5,466
(75.7%)
10,091
全国(15.5%)
0%
20%
54,863
(84.5%)
40%
60%
80%
(国全体に占める割合)
80%
100%
限界集落 その他
資料:総務省・国土交通省「過疎地域等における集落の状況に関するアンケート調査」
(2010.
11実施)
50
100%