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ニューズレター
『中国商務情報通信』vol.08
(2015.AUG.)
表1_表4
中国商務情報通信
フロンティア・アイズ・チャイナ
食品事業
08
VOL.
FRONTIER±EYES CHINA
∼P B 生 産∼
http://www.frontier-mgmt.com
中国事業部長
中村 達
英国の友人が寿司「工場」を経営しています。20 年程前に日本企業が出資した企業で、数
年前にMBO方式で自身の会社とし、現在は新工場を設立するなどビジネスを拡大しています。
チルド食品製造の衛生、安全管理、店舗への配送体制に特徴を出しましたが流通との取組が
課題でした。特に流通業が寡占化している市場で新興企業が流通との取引の安定化をどう図る
かでした。
同市場では、流通業各社は商品の PB 率を高めることで差別化を図っています。食品の PB
率が推定 50%前後の英国市場(中国は推定数%)で、流通業の商品開発の取り組みに、彼ら
は共同して開発・製造を行っていきました。友人は、自身の技術と管理能力を流通業に説明、
実績を積む事で流通業と良好な関係を築き両者の発展に繋げました。今は自社ブランドでの販
売も行っています。
中国では流通業の全国寡占化にはまだ時間が掛かると見られるものの、巨大な NB メーカー
と巨大化する流通事業体の間で、新たな海外の製造販売業は、製造コスト、製品保証そして販
路の確保が難題となっています。
販路確保の為には、流通業との資本・業務提携も一策と考えられます。売り場を保有する事
で成立していた流通業は、売場面積の急増と EC の急成長に伴い差別化を図る必要が出ている
中で、PB商品の拡充が必要となります。また、外食産業の多店舗化の中で、自らセントラルキッ
チンを建設するだけでなく、外部と商品開発をして製造することが重要になると考えられます。
英国と中国市場を同一に見る事はできませんが、参考とする点はあるのではないでしょうか。
©FRONTIER MANAGEMENT INC. 2015, AII rights reserved. Printed in Japan.
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:なし
作成OS:Mac OS X ver.10.9.5
FEch1508A
2015-08 vol.01-150807
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ニューズレター
『中国商務情報通信』vol.08
(2015.AUG.)
p01_p02
フロンティア・マネジメントのチャイナビジネス
戦略拠点としての香港活用 ∼香港から中国・アセアンを攻める∼
戦略拠点としての香港活用
∼香港から中国・アセアンを攻める∼
A
香港に拠点を置く優位性・メリット
出所:フロンティア・マネジメント作成
中国本土への本格進出の
足掛かり(本土との近接性)
華南経済圏(広東省・福建省等)
人口約2億人へのアプローチ
中国におけるビジネスの在り方が刻一刻と変化を見せる中、今後は多面的に中国市場を攻める方策を検討する必
要があると思います。その中で、「香港」を起点とした中国・アジア展開も検討可能な選択肢の一つになると考
えられます。本号では、香港の拠点としての魅力・重要性と、中国市場・アジア市場を攻めるうえでのスキーム
(方策)について検討したいと思います。
香港の持つ
魅力・機能の再確認
アジア全域にネットワークを張る
華人財閥との連携の可能性
東南アジア(ASEAN)
巨大な中国市場に近接しているため、本土の法規制整
備の動向や、マーケットのトレンド情報などの入手が容易
となり、中国市場にアプローチしやすいというメリットも
香港は、歴史的に形成され、高度に発達した金融・物流・
挙げられます。政策面での施策では、2003 年に中国−香
通信・法務・会計・不動産等のサービス機能とビジネス
港間で締結された「香港・中国経済貿易緊密化協定」
外資系企業の「China+1」
展開に伴う重要拠点
サポートインフラを有しています。また、ビジネス上の環境・
(CEPA)は、香港製品・サービス業の中国本土での円
政策としてシンプルかつ低い税率(法人税率は16.5%)
、
滑な流通による市場拡大を志向しています。本協定によ
自由度の高い会社法制、英語・中国語両言語での対応可
り、香港企業が親会社である場合、配当送金時の源泉
能といったメリットも挙げられます。1997年に中国に返還
課税が5%となり(通常は10%)
、またサービス業も出資
され特別行政区となった前後から、中国の経済発展を意
比率等の進出要件が緩和されるなど、香港を拠点とする
識した形で、
「アジアの統括拠点」や「中国ビジネスの窓
企業の中国市場開拓の手助けとなっています。
口」といった地域統括機能が、外資系企業だけでなく地
また、近年特筆すべきであるのは、外資系企業の「China
場・華人系企業にも重視されるようになりました。
+1」の動きが進む中で、香港の位置付けが再度見直さ
一方で、香 港は人口が 723 万人、一人当たりGDPは
れてきている点です。中国本土における労働費などのコス
3.8 万ドル弱に達する、高所得でしかも均質な消費市場を
ト高により、中国本土と東南アジア(アセアン)の双方に
形成しています。大手アパレルやファッションブランド、外
生産拠点を確立しようとする動きが加速する中で、中国内
本稿ではこのように香港の「拠点としての魅力」に再度
め香港に中間持株会社を設立し、同社から出資することも
食チェーンが香港に旗艦店を設立するなど、消費情報の
で生産された部品など「モノ」の移動が香港を経由して
注目したうえで、中国における事業展開ないし直接投資を
可能です。認可する中国当局から見れば香港からの投資
動くようになっています。
行っている日本企業を想定、香港に中間持株会社(地域
となるため、以下で紹介するようなメリットも生じるなど、
るアジア各都市の消費者に、製品・サービスをアピールす
さらに、香港には東アジア・東南アジアに深く根を張っ
統括会社)を置くスキームのメリットを紹介したいと思いま
いくつかの特徴が挙げられます注1。
る上で重要な地域となっています。
ている華人財閥・企業家が多数存在しており、これらの
香港の中国本土に対する地理的優位性も香港の魅力の
企業と連携することができれば、中国だけでなくアジア全
一つです。香港は後背地である広東省や福建省などの2
域での展開にも有利になる可能性があります。
億人近い人口を有する「華南経済圏」の入り口でもありま
以上のように、日本企業が中国・アジアで事業展開、
す。近年では、中国政府による広東省深圳市・前海地区
特に消費財・消費者向けサービスを提供しようとする際に
との一体化モデル地区に関する政策も注目を集めており、
は、
「最初にトライすべき場所」としての価値は高いと言え
サービス業での一体化も期待されています。
ます(図表
「情報発信地」としての魅力も大きく、最新の流行を求め
01
FRONTIER±EYES CHINA VOL.08
貼込アプリ
:なし
作成OS:Mac OS X ver.10.9.5
)
。
東アジア・東南アジアの消費
(ファッション・食等)の情報発信基地
香港における
中間持株会社設立の有効性
す。
中国で現地法人(外資系企業)を設立する際には、出
資者は通常、日本の親会社が想定されますが、あらかじ
特徴❶ 香港持株会社は中国本土から見ると海外企業となります。そのため、将来的に中国事業から撤退する際には、
同社の株式を売却しさえすれば、香港=中国現法の資本関係は変わらないため中国商務当局の認可は不要とな
り、本土に比べると売却・事業譲渡がよりスムーズに行えます 注2。
注1:なお、香港社に社員を派遣しない場合でも、会計・登記上の一定の維持コストが必要となります。
注2:但し、香港社に事業実態がない場合、中国の税務当局から見ると「間接譲渡」とみなされ、売却時のキャピタルゲイン課税の対象となる可能性があるので注意が必要です。
VOL.08 FRONTIER±EYES CHINA
02
2015-08 vol.03-150811
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ニューズレター
『中国商務情報通信』vol.08
(2015.AUG.)
p01_p02
フロンティア・マネジメントのチャイナビジネス
戦略拠点としての香港活用 ∼香港から中国・アセアンを攻める∼
戦略拠点としての香港活用
∼香港から中国・アセアンを攻める∼
A
香港に拠点を置く優位性・メリット
出所:フロンティア・マネジメント作成
中国本土への本格進出の
足掛かり(本土との近接性)
華南経済圏(広東省・福建省等)
人口約2億人へのアプローチ
中国におけるビジネスの在り方が刻一刻と変化を見せる中、今後は多面的に中国市場を攻める方策を検討する必
要があると思います。その中で、「香港」を起点とした中国・アジア展開も検討可能な選択肢の一つになると考
えられます。本号では、香港の拠点としての魅力・重要性と、中国市場・アジア市場を攻めるうえでのスキーム
(方策)について検討したいと思います。
香港の持つ
魅力・機能の再確認
アジア全域にネットワークを張る
華人財閥との連携の可能性
東南アジア(ASEAN)
巨大な中国市場に近接しているため、本土の法規制整
備の動向や、マーケットのトレンド情報などの入手が容易
となり、中国市場にアプローチしやすいというメリットも
香港は、歴史的に形成され、高度に発達した金融・物流・
挙げられます。政策面での施策をでは、2003 年に中国−
通信・法務・会計・不動産等のサービス機能とビジネス
香港間で締結された「香港・中国経済貿易緊密化協定」
外資系企業の「China+1」
展開に伴う重要拠点
サポートインフラを有しています。また、ビジネス上の環境・
(CEPA)は、香港製品・サービス業の中国本土での円
政策としてシンプルかつ低い税率(法人税率は16.5%)
、
滑な流通による市場拡大を志向しています。本協定によ
自由度の高い会社法制、英語・中国語両言語での対応可
り、香港企業が親会社である場合、配当送金時の源泉
能といったメリットも挙げられます。1997年に中国に返還
課税が5%となり(通常は10%)
、またサービス業も出資
され特別行政区となった前後から、中国の経済発展を意
比率等の進出要件が緩和されるなど、香港を拠点とする
識した形で、
「アジアの統括拠点」や「中国ビジネスの窓
企業の中国市場開拓の手助けとなっています。
口」といった地域統括機能が、外資系企業だけでなく地
また、近年特筆すべきであるのは、外資系企業の「China
場・華人系企業にも重視されるようになりました。
+1」の動きが進む中で、香港の位置付けが再度見直さ
一方で、香 港は人口が 723 万人、一人当たりGDPは
れてきている点です。中国本土における労働費などのコス
3.8 万ドル弱に達する、高所得でしかも均質な消費市場を
ト高により、中国本土と東南アジア(アセアン)の双方に
形成しています。大手アパレルやファッションブランド、外
生産拠点を確立しようとする動きが加速する中で、中国内
本稿ではこのように香港の「拠点としての魅力」に再度
め香港に中間持株会社を設立し、同社から出資することも
食チェーンが香港に旗艦店を設立するなど、消費情報の
で生産された部品など「モノ」の移動が香港を経由して
注目したうえで、中国における事業展開ないし直接投資を
可能です。認可する中国当局から見れば香港からの投資
動くようになっています。
行っている日本企業を想定、香港に中間持株会社(地域
となるため、以下で紹介するようなメリットも生じるなど、
るアジア各都市の消費者に、製品・サービスをアピールす
さらに、香港には東アジア・東南アジアに深く根を張っ
統括会社)を置くスキームのメリットを紹介したいと思いま
いくつかの特徴が挙げられます注1。
る上で重要な地域となっています。
ている華人財閥・企業家が多数存在しており、これらの
香港の中国本土に対する地理的優位性も香港の魅力の
企業と連携することができれば、中国だけでなくアジア全
一つです。香港は後背地である広東省や福建省などの2
域での展開にも有利になる可能性があります。
億人近い人口を有する「華南経済圏」の入り口でもありま
以上のように、日本企業が中国・アジアで事業展開、
す。近年では、中国政府による広東省深圳市・前海地区
特に消費財・消費者向けサービスを提供しようとする際に
との一体化モデル地区に関する政策も注目を集めており、
は、
「最初にトライすべき場所」としての価値は高いと言え
サービス業での一体化も期待されています。
ます(図表
「情報発信地」としての魅力も大きく、最新の流行を求め
01
FRONTIER±EYES CHINA VOL.08
貼込アプリ
:なし
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)
。
東アジア・東南アジアの消費
(ファッション・食等)の情報発信基地
香港における
中間持株会社設立の有効性
す。
中国で現地法人(外資系企業)を設立する際には、出
資者は通常、日本の親会社が想定されますが、あらかじ
特徴❶ 香港持株会社は中国本土から見ると海外企業となります。そのため、将来的に中国事業から撤退する際には、
同社の株式を売却しさえすれば、香港=中国現法の資本関係は変わらないため中国商務当局の認可は不要とな
り、本土に比べると売却・事業譲渡がよりスムーズに行えます 注2。
注1:なお、香港社に社員を派遣しない場合でも、会計・登記上の一定の維持コストが必要となります。
注2:但し、香港社に事業実態がない場合、中国の税務当局から見ると「間接譲渡」とみなされ、売却時のキャピタルゲイン課税の対象となる可能性があるので注意が必要です。
VOL.08 FRONTIER±EYES CHINA
02
2015-08 vol.02-150811
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ニューズレター
『中国商務情報通信』vol.08
(2015.AUG.)
p03_p04
フロンティア・マネジメントのチャイナビジネス
戦略拠点としての香港活用 ∼香港から中国・アセアンを攻める∼
特徴❷ 中国本土に持株会社スキームを構築することに比べ、香港に持株会社を置く方が利便性は高いと考えられます。
これらの点をはじめ、香港における持株会社設立のメ
ることで中国本土だけでなく、台湾さらには東南アジア地
中国本土に複数の現法を有する場合、出資先管理・持株会社的な機能を有する外資系企業として「投資性公司」
リットを図表 に挙げました。香港は一時期、シンガポー
域における市場開拓に有利となる可能性もあります。
のスキームがありますが、実務上は使いにくい部分が散見されます。例えば、設立の条件となる「最低資本金
ルと比べて拠点としての魅力が低下していると指摘された
当社では、香港を「アジア事業の中核拠点」に位置付け、
3,000万米ドル」は新規プロジェクトにのみ適用され、さらに同額の資本金を払い込んだあとでなければ既存の
時期もありました。しかし、本稿で紹介したように、香港
中国本土や東南アジアに積極的な攻勢をかける日系企業
現法持分を新設の持株会社の傘下に移すことができません。同スキームは日系企業にも広く使われていることは
には独自の優位性もあり、その優位性を裏付ける法的ス
の発展に貢献して参りたいと考えています。
事実ですが、香港での持株会社スキームは中国当局・会社法の管轄下にないため、中国の投資性公司スキーム
キームも存在しています。これらの枠組みを柔軟に活用す
(文責:中国事業部)
との比較において、中国現法の管理をより低いコストで行うことができるというメリットがあると言えます。
特徴❸ さらに、香港拠点の機能を強化する施策として統括会社機能の付与というオプションもあります。販売・マーケティ
C
香港に統括会社/中間持ち株会社を置く優位性・メリット
出所:フロンティア・マネジメント作成
ングまたは金融・財務面での統括機能を香港拠点に付与することで、より効率的な事業運営が可能になるほか、
統括会社の設立により税務メリットを享受できる可能性もあるためです。
香港はシンガポールに比べると「地域統括拠点(RHQ)
」の機能を政策的に強くアピールしてはいませんが、充
実したビジネスインフラを生かして、香港を中国も含んだアジアの統括拠点に据えている企業も多く見受けられま
日本親会社
す(図表 )
。日系企業の中国・アジア各地域における現地法人の成り立ちはそれぞれ経緯が異なるため、出資
元が日本本社や欧州の金融持株会社であるといったケースもあります。その場合でも、企業グループの中国・ア
ジアにおけるビジネスラインの意思決定機能を香港の持株会社に付与することで、香港という地域が持つビジネ
スインフラを直接利用するメリットを享受することも可能となります。
統括拠点としてのメリット
ケイマン等、
オフショア地域法人を
経由するケースも
● 独立性の向上、責任の明確化
● 現場(市場)に近い位置での迅速な経営判断が可能
特徴❹ 上記❸の発展形として、香港の持株会社化により、中国・アジア事業の「上場」という選択肢も可能となります。
香港の制度上のメリット
この場合、業務統括関係と資本関係は概ね一致している必要がありますが、香港またはケイマン等のオフショア
地域に設立した企業を上場主体とし、香港や米ナスダックに上場するというスキームは、アジアの華人系グルー
● 中国本土に比べ、資金・手続き両面で設立が容易
香港持株会社(統括会社)
● 法人税などが中国・日本に比べて低い
● 企業売却が中国本土に比べて容易
プや中国本土資本が、香港やオフショア地域に持株会社を設立して本土に投資または、逆投資を行うケースで
(中国商務当局の認可不要。キャピタルゲイン課税に留意)※
はよく見られます。上場主体には「独立した意思決定権限」が強く求められるため、日系企業グループがその傘
下の地域統括会社を上場させることはグローバル戦略から見て現実的ではありませんが、製品・サービスや市場
香港の地域上のメリット
で本社と棲み分けが可能な場合はあり得るのではないでしょうか。
● 中国との経済・租税協定の活用
(香港経由での参入による参入障壁の緩和)
(香港会社への配当送金源泉課税5%に半減)
B
香港に地域統括本部(企業)
を置く企業の本社所在地別の内訳
その他
米国
台湾
フランス
2.2%
3.1%
4.9%
日本(240社)
2014 年合計:
6.6%
中国以外の地域も
統括可能
22.3%
26.4%
シンガポール
出所:香港特別行政区・政府統計処『2014年代表香港境外母公司的
駐港公司按統計調査報告』よりフロンティア・マネジメント作成
1,389社
8.6%
17.3%
中国子会社
中国子会社
台湾・東南アジア子会社
8.6%
英国
ドイツ
中国内地
※ 本データの調査期日は、2014 年 6 月 3日付(報告書公表は 2014 年 10 月)
03
FRONTIER±EYES CHINA VOL.08
貼込アプリ
:なし
作成OS:Mac OS X ver.10.9.5
※ 中国事業(中国現地法人)の売却のため香港会社株式を売却する場合、当該香港社に事業実態がないと「間接譲渡」とみなされ、売手である外国企業にキャピタルゲイン税(中
国現法の登録資本金額と持分譲渡金額の差額の 10%)が課せられる可能性がある。
VOL.08 FRONTIER±EYES CHINA
04
2015-08 vol.05-150811
出力ファイル名:FEChina_v08_p03-p04_150811E_ol.ai
出力アプリ:Adobe Illustrator 17.1.0J(CC)
ニューズレター
『中国商務情報通信』vol.08
(2015.AUG.)
p03_p04
フロンティア・マネジメントのチャイナビジネス
戦略拠点としての香港活用 ∼香港から中国・アセアンを攻める∼
特徴❷ 中国本土に持株会社スキームを構築することに比べ、香港に持株会社を置く方が利便性は高いと考えられます。
これらの点をはじめ、香港における持株会社設立のメ
ることで中国本土だけでなく、台湾さらには東南アジア地
中国本土に複数の現法を有する場合、出資先管理・持株会社的な機能を有する外資系企業として「投資性公司」
リットを図表 に挙げました。香港は一時期、シンガポー
域における市場開拓に有利となる可能性もあります。
のスキームがありますが、実務上は使いにくい部分が散見されます。例えば、設立の条件となる「最低資本金
ルと比べて拠点としての魅力が低下していると指摘された
当社では、香港を「アジア事業の中核拠点」に位置付け、
3,000万米ドル」は新規プロジェクトにのみ適用され、さらに同額の資本金を払い込んだあとでなければ既存の
時期もありました。しかし、本稿で紹介したように、香港
中国本土や東南アジアに積極的な攻勢をかける日系企業
現法持分を新設の持株会社の傘下に移すことができません。同スキームは日系企業にも広く使われていることは
には独自の優位性もあり、その優位性を裏付ける法的ス
の発展に貢献して参りたいと考えています。
事実ですが、香港での持株会社スキームは中国当局・会社法の管轄下にないため、中国の投資性公司スキーム
キームも存在しています。これらの枠組みを柔軟に活用す
(文責:中国事業部)
との比較において、中国現法の管理をより低いコストで行うことができるというメリットがあると言えます。
特徴❸ さらに、香港拠点の機能を強化する施策として統括会社機能の付与というオプションもあります。販売・マーケティ
C
香港に統括会社/中間持ち株会社を置く優位性・メリット
出所:フロンティア・マネジメント作成
ングまたは金融・財務面での統括機能を香港拠点に付与することで、より効率的な事業運営が可能になるほか、
統括会社の設立により税務メリットを享受できる可能性もあるためです。
香港はシンガポールに比べると「地域統括拠点(RHQ)
」の機能を政策的に強くアピールしてはいませんが、充
実したビジネスインフラを生かして、香港を中国も含んだアジアの統括拠点に据えている企業も多く見受けられま
日本親会社
す(図表 )
。日系企業の中国・アジア各地域における現地法人の成り立ちはそれぞれ経緯が異なるため、出資
元が日本本社や欧州の金融持株会社であるといったケースもあります。その場合でも、企業グループの中国・ア
ジアにおけるビジネスラインの意思決定機能を香港の持株会社に付与することで、香港という地域が持つビジネ
スインフラを直接利用するメリットを享受することも可能となります。
統括拠点としてのメリット
ケイマン等、
オフショア地域法人を
経由するケースも
● 独立性の向上、責任の明確化
● 現場(市場)に近い位置での迅速な経営判断が可能
特徴❹ 上記❸の発展形として、香港の持株会社化により、中国・アジア事業の「上場」という選択肢も可能となります。
香港の制度上のメリット
この場合、業務統括関係と資本関係は概ね一致している必要がありますが、香港またはケイマン等のオフショア
地域に設立した企業を上場主体とし、香港や米ナスダックに上場するというスキームは、アジアの華人系グルー
● 中国本土に比べ、資金・手続き両面で設立が容易
香港持株会社(統括会社)
● 法人税などが中国・日本に比べて低い
● 企業売却が中国本土に比べて容易
プや中国本土資本が、香港やオフショア地域に持株会社を設立して本土に投資または、逆投資を行うケースで
(中国商務当局の認可不要。キャピタルゲイン課税に留意)※
はよく見られます。上場主体には「独立した意思決定権限」が強く求められるため、日系企業グループがその傘
下の地域統括会社を上場させることはグローバル戦略から見て現実的ではありませんが、製品・サービスや市場
香港の地域上のメリット
で本社と棲み分けが可能な場合はあり得るのではないでしょうか。
● 中国との経済・租税協定の活用
(香港経由での参入による参入障壁の緩和)
(香港会社への配当送金源泉課税5%に半減)
B
香港に地域統括本部(企業)
を置く企業の本社所在地別の内訳
その他
米国
台湾
フランス
2.2%
3.1%
4.9%
日本(240社)
2014 年合計:
6.6%
中国以外の地域も
統括可能
22.3%
26.4%
シンガポール
出所:香港特別行政区・政府統計処『2014年代表香港境外母公司的
駐港公司按統計調査報告』よりフロンティア・マネジメント作成
1,389社
8.6%
17.3%
中国子会社
中国子会社
台湾・東南アジア子会社
8.6%
英国
ドイツ
中国内地
※ 本データの調査期日は、2014 年 6 月 3日付(報告書公表は 2014 年 10 月)
03
FRONTIER±EYES CHINA VOL.08
貼込アプリ
:なし
作成OS:Mac OS X ver.10.9.5
※ 中国事業(中国現地法人)の売却のため香港会社株式を売却する場合、当該香港社に事業実態がないと「間接譲渡」とみなされ、売手である外国企業にキャピタルゲイン税(中
国現法の登録資本金額と持分譲渡金額の差額の 10%)が課せられる可能性があります。
VOL.08 FRONTIER±EYES CHINA
04
2015-08 vol.06-150811
出力ファイル名:FEChina_v08_p05-p06_150811_ol.ai
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ニューズレター
『中国商務情報通信』vol.08
(2015.AUG.)
p05_p06
中国の気になるデータ
フロンティア・マネジメントの中国ビジネスチーム
∼フロンティア・マネジメント独自の視点でデータを紹介します∼
フロンティア・
中国の介護施設の3 割強が赤字に
中国事業部
中村 達
Nakamura Toru
須田 成人
Suda Shigeto
中江 明皓
Nakae Akihiro
羅 恵
Luo Hui
横塚 仁士
Yokozuka Hitoshi
伊藤 美優
Ito Miyu
榮 智亮
Rong Zhiliang
繆 軼君
Miao Yijun
季 欽欽
Ji Qinqin
丁 晶瑩
Ding Jingying
[email protected]
マネジメントの
中国養老機構発展研究報告 調査による養老機構 (介護施設) の経営状況
部長
シニア・アドバイザー
中国ビジネス
[email protected]
チーム
シニア・ディレクター
■ 黒字
[email protected]
ディレクター
[email protected]
収支トントン ■
19.4%
アソシエイト・ディレクター
[email protected]
調査対象:
257施設
48.1%
アソシエイト
[email protected]
32.5%
事業開発第二部
ディレクター
[email protected]
■ 赤字
Frontier Management (Shanghai) Inc.
出所:2015年7月16日付新華網ニュース(電子版)よりフロンティア・マネジメント作成
ディレクター
[email protected]
アソシエイト
中国内の報道によると、中国老齢科学研究セン
少ないというリスクの高い状況にあると指摘してい
ターはこのほど、介護施設の発展に関する研究報
ます。また、高齢者は一般的に所得が低いため、
告書「中国養老機構(介護施設)発展研究報告」
介護施設のサービスを受けるだけの財政的余裕が
を公表しました。同報告書は中国内の介護施設の
ないことも介護施設産業の課題としています。
全体的な状況や課題、今後の発展の展望などにつ
同報告書は、中国の介護施設産業の健全な発
いてまとめられたものであり、同分野専門の報告
展には、分類管理制度の確立や構造調整、土地・
書としては国内初となるそうです。同報告書では、
金融・人材面での政策サポートや介護施設の管理・
ご注意事項
天津、
ハルビン、
重慶、
南寧、
済南、
太原、
南昌、
武漢、
サービスレベルの向上などが欠かせないとも指摘し
1
法律上、
会計上の助言
2
秘密保持
3
著作権
4
免 責
長沙、昆明、蘭州、福州の合計12 都市の介護施
ています。
設に調査を実施、合計 257の施設に関するデータ
また、今後の中国の介護施設の方向性として、
を収集しました。それによると、48.1%が収支トン
民営化、地域介護サービスとの融合、小型化、専
トン、32.5%が赤字、19.4%が黒字の経営状況に
業化、社会コミュニティ化、チェーン化、医療との
あるそうです。報告書では、介護施設は投資規模
結合の深化などをキーワードとして挙げています。
が大きいわりに投資効果が出るのが遅く、利潤が
(文責:中国事業部)
[email protected]
アソシエイト
[email protected]
本誌記載の情報は、法律上、会計上、税務上の助言を含むものではありません。法律上、会計上、税務
上の助言を必要とされる場合は、それぞれの専門家にご相談ください。
本誌記載の情報の貴社への開示は貴社の守秘義務を前提とするものです。当該情報については貴社内
部の利用に限定され、その内容の第三者への開示は禁止されています。
本誌記載の情報の著作権は原則として当社に帰属します。いかなる目的であれ本資料の一部または全部
について無断で、いかなる方法においても複写、複製、引用、転載、翻訳、貸与等を行うことを禁止します。
本誌記載の情報は、弊社が信頼できると考える各方面から取得しておりますが、その内容の正確性、信
頼性、完全性を保証するものではありません。弊社は当該情報に起因して発生した損害については、そ
の内容如何にかかわらず一切の責任を負いません。
05
FRONTIER±EYES CHINA VOL.08
貼込アプリ
:なし
作成OS:Mac OS X ver.10.9.5
VOL.08 FRONTIER±EYES CHINA
06
2015-08 vol.03-150811
出力ファイル名:FEChina_v08_p05-p06_150809_ol.ai
出力アプリ:Adobe Illustrator 17.1.0J(CC)
ニューズレター
『中国商務情報通信』vol.08
(2015.AUG.)
p05_p06
中国の気になるデータ
フロンティア・マネジメントの中国ビジネスチーム
∼フロンティア・マネジメント独自の視点でデータを紹介します∼
フロンティア・
中国の介護施設の3 割強が赤字に
中国事業部
中村 達
Nakamura Toru
須田 成人
Suda Shigeto
中江 明皓
Nakae Akihiro
羅 恵
Luo Hui
横塚 仁士
Yokozuka Hitoshi
伊藤 美優
Ito Miyu
榮 智亮
Rong Zhiliang
繆 軼君
Miao Yijun
季 欽欽
Ji Qinqin
丁 晶瑩
Ding Jingying
[email protected]
マネジメントの
中国養老機構発展研究報告 調査による養老機構 (介護施設) の経営状況
部長
シニア・アドバイザー
中国ビジネス
[email protected]
チーム
シニア・ディレクター
■ 黒字
[email protected]
ディレクター
[email protected]
収支トントン ■
19.4%
アソシエイト・ディレクター
[email protected]
調査対象:
257施設
48.1%
アソシエイト
[email protected]
32.5%
事業開発第二部
ディレクター
[email protected]
■ 赤字
Frontier Management (Shanghai) Inc.
出所:2015年7月16日付新華網ニュース(電子版)よりフロンティア・マネジメント作成
ディレクター
[email protected]
アソシエイト
中国内の報道によると、中国老齢科学研究セン
少ないというリスクの高い状況にあると指摘してい
ターはこのほど、介護施設の発展に関する研究報
ます。また、高齢者は一般的に所得が低いため、
告書「中国養老機構(介護施設)発展研究報告」
介護施設のサービスを受けるだけの財政的余裕が
を公表しました。同報告書は中国内の介護施設の
ないことも介護施設産業の課題としています。
全体的な状況や課題、今後の発展の展望などにつ
同報告書は、中国の介護施設産業の健全な発
いてまとめられたものであり、同分野専門の報告
展には、分類管理制度の確立や構造調整、土地・
書としては国内初となるそうです。同報告書では、
金融・人材面での政策サポートや介護施設の管理・
ご注意事項
天津、
ハルビン、
重慶、
南寧、
済南、
太原、
南昌、
武漢、
サービスレベルの向上などが欠かせないとも指摘し
1
法律上、
会計上の助言
2
秘密保持
3
著作権
4
免 責
長沙、昆明、蘭州、福州の合計12 都市の介護施
ています。
設に調査を実施、合計 257の施設に関するデータ
また、今後の中国の介護施設の方向性として、
を収集しました。それによると、48.1%が収支トン
民営化、地域介護サービスとの融合、小型化、専
トン、32.5%が赤字、19.4%が黒字の経営状況に
業化、社会コミュニティ化、チェーン化、医療との
あるそうです。報告書では、介護施設は投資規模
結合の深化などをキーワードとして挙げています。
が大きいわりに投資効果が出るのが遅く、利潤が
(文責:中国事業部)
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本誌記載の情報は、法律上、会計上、税務上の助言を含むものではありません。法律上、会計上、税務
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部の利用に限定され、その内容の第三者への開示は禁止されています。
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について無断で、いかなる方法においても複写、複製、引用、転載、翻訳、貸与等を行うことを禁止します。
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頼性、完全性を保証するものではありません。弊社は当該情報に起因して発生した損害については、そ
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FRONTIER±EYES CHINA VOL.08
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VOL.08 FRONTIER±EYES CHINA
06
2015-08 vol.02-150809
出力ファイル名:FEChina_v08_h01-h04_150807_ol.ai
出力アプリ:Adobe Illustrator 17.1.0J(CC)
ニューズレター
『中国商務情報通信』vol.08
(2015.AUG.)
表1_表4
中国商務情報通信
フロンティア・アイズ・チャイナ
食品事業
08
VOL.
FRONTIER±EYES CHINA
∼P B 生 産∼
http://www.frontier-mgmt.com
中国事業部長
中村 達
英国の友人が寿司「工場」を経営しています。20 年程前に日本企業が出資した企業で、数
年前にMBO方式で自身の会社とし、現在は新工場を設立するなどビジネスを拡大しています。
チルド食品製造の衛生、安全管理、店舗への配送体制に特徴を出しましたが流通との取組が
課題でした。特に流通業が寡占化している市場で新興企業が流通との取引の安定化をどう図る
かでした。
同市場では、流通業各社は商品の PB 率を高めることで差別化を図っています。食品の PB
率が推定 50%前後の英国市場(中国は推定数%)で、流通業の商品開発の取り組みに、彼ら
は共同して開発・製造を行っていきました。友人は、自身の技術と管理能力を流通業に説明、
実績を積む事で流通業と良好な関係を築き両者の発展に繋げました。今は自社ブランドでの販
売も行っています。
中国では流通業の全国寡占化にはまだ時間が掛かると見られるものの、巨大な NB メーカー
と巨大化する流通事業体の間で、新たな海外の製造販売業は、製造コスト、製品保証そして販
路の確保が難題となっています。
販路確保の為には、流通業との資本・業務提携も一策と考えられます。売り場を保有する事
で成立していた流通業は、売場面積の急増と EC の急成長に伴い差別化を図る必要が出ている
中で、PB商品の拡充が必要となります。また、外食産業の多店舗化の中で、自らセントラルキッ
チンを建設するだけでなく、外部と商品開発をして製造することが重要になると考えられます。
英国と中国市場を同一に見る事はできませんが、参考とする点はあるのではないでしょうか。
©FRONTIER MANAGEMENT INC. 2015, AII rights reserved. Printed in Japan.
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2015-08 vol.01-150807