2014年第4号

平成 26 年度 第 4 号
信州大学医学部附属病院
卒 後 臨 床 研 修 セ ン タ ー
平 成 27 年 2 月 18 日(水)発 行
信州大学医学部附属病院卒後臨床研修センターでは年数回センターニュースを発行しています。信州大学医学部
附属病院での臨床研修がどういうものなのか、研修医の生の声を中心にお届けします。臨床研修は患者さんはじ
め多くの皆さんのご協力があって成り立ちますので皆さんの御理解の一助になれば幸いです。
した
信州型総合医セミナーに参加してきま
配属病院:信州大学医学部附属病院
1年目 研修医 三浦 治己
2014 年 11 月 29 日・30 日に軽井沢のホテル鹿島の森で
開催された信州型総合医セミナー『信州で攻める!身体診
察な 2 日間』に参加してきました。メイン講師に藤田保健
衛生大学救急総合内科の山中克郎先生・徳洲会奄美ブロッ
ク総合診療研修センター平島修先生を迎え、また本学総合
診療科教授の関口健二先生を始めとした長野県内・県外の
各病院の先生方に参加頂いて、初期研修医 32 名、後期研
修医 4 名、医学生 19 名を指導して頂きました。
1 日目の冒頭の挨拶で有名な山中克郎先生が来年から諏
訪中央病院に来られることがわかり、知らなかった自分は
大いに感激いたしました。その後、その山中先生の講演が行われました。著書や DVD で「攻める問診」が有名な山
中先生ですが、今回は身体診察を強調したお話でした。参加者の中から選ばれた「イケメン」の身体にホワイトボー
ドのマーカーでグイグイと線を描きながら関節所見や腹部所見をユーモアあふれる話しぶりで説明頂きました。次に
平島先生による呼吸の視診についてのハンズオンセミナーが行われました。非常に情熱的な話しぶりと、興味深い実
例を交えたオリジナリティあふれる発表が印象的で、参加者の一部も一緒にアニメ「聖闘士星矢」のテーマソングに
合わせてエクササイズを行い、努力呼吸時の呼吸補助筋を観察するなど、楽しく呼吸の視診を学ぶことができました。
その後、再び山中先生の講演があり、豪華な夕食の後は多少アルコールの入ったリラックスした雰囲気で「夜の勉強
会」が行われ、本学総合診療科の田村謙太郎先生による非常にわかりやすい感度・特異度・尤度比のレクチャーと、
感度・特異度、診察実技、診断などを題材としたクイズ大会が行われ、楽しいひと時を過ごしました。
2 日目の前半は平島先生による頸静脈の診察についてのハンズオンセミナーが行われ、1 日目と同様に興味深い実
例を交えて内頸静脈拍動の観察などを行いました。後半はケースディスカッションで、各病院の先生方から身体診察
に重点を置いた症例提示が行われました。前日の山中先生の講演の際もそうでしたが、学生の皆さんが次々と的確な
鑑別を述べている姿に大いに刺激を受けました。
このセミナーの会場となったホテルは非常に静かで落ち着いた雰囲気で、夕食・朝食も会費(1 万円)からは考え
られないような豪華なものでした。このセミナーは長野県の医師確保対策室で開催されたセミナーであり、県民の税
金が使われていることを考えると、今回学んだことを今後しっかりと生かさなければならないと感じました。
平成 26 年度 第 4 号
研修医1年目 (今年の研修を振り返って)
氏名(平成 27 年度の勤務先)
内村 真介
(伊那中央病院)
北村 聡
(長野松代総合病院)
1 年間大学病院で研修をさせていただきました。分から
この信大での研修の 1 年間で多くのことを学ぶこと
ないことばかりでしたが、先生達の指導により少しず
ができたと思います。医師としてあるべき姿勢や自分
つですが出来ることが増えているような気がします。
が興味を持てる分野を見つけることができました。こ
将来はまだ、あまり分かりませんが、少しでも多くの
の 1 年間で得たものを、これからの医師人生に生か
患者さんの助けとなれるよう頑張りたいと思います。
していきたいと思います。
倉澤 幸史
(長野赤十字病院)
佐々木 真弥
(信州大学医学部附属病院)
循環器、救急、腎臓、麻酔、膠原病、心臓血管外科と
穏やかな集団にクセのある関西人が混ざることをとて
研修させていただき、各科の先生方をはじめ、多くの
も不安に思っていましたが、皆と仲良くなれて楽しい
方々に大変お世話になりました。1 年を通して内科の
研修生活を送ることができました。各科を回る度に
考え方や救急・麻酔・外科での手技を学び、どの科で
「佐々木先生に出会えて良かった」、口数の少ない患者
の経験も振り返ってみると大変ためになるものであっ
さんに「佐々木先生にだけは話しやすかった」と言っ
たと思います。将来内科医を目指している私にとって、
てもらえることが何度もあり、本当に嬉しかったです。
大学病院での循環器、腎臓、膠原病は特に選択してお
今後も初心を忘れずに頑張ります。
いてよかったと感じています。
相馬 藍
(信州大学医学部附属病院)
高松 良太
(篠ノ井総合病院)
今年度は、本当に周囲に恵まれた 1 年でした。そうし
今年 1 年間、信州大学医学部附属病院で研修させて
た環境の中で医師としてのスタートを切ることができ
いただきました。この期間の中で同期の皆さんや各科
て、とても幸せだったと思います。ありがとうござい
の先生方やコメディカルの方々、その他大勢の皆さん
ました。来年度も大学病院での研修を継続します。皆
に大変お世話になりました。良い医者になれるように
さん、よろしくお願いします。
しっかりと研鑽を積んでいきたいと思います。本当に
ありがとうございました。
玉田 恒
(松本市立病院)
各科指導医をはじめ諸先生方には大変よくしていただ
きました。また研修医室の望月さん、大場さんはじめ
卒後臨床研修センターの皆様には、どんな要望にも丁
寧に対応していただき、大変助かりました。おかげさ
まで 1 年間、楽しく研修することができました。あり
がとうございました。
平成 26 年度 第 4 号
小笠原 亨
(信州大学医学部附属病院)
茶木 真理菜
(信州大学医学部附属病院)
新しいことばかりで新鮮で楽しい研修でした。日々学
初期研修 1 年目は何もかもが初めてで学ぶ事がたく
んで、日々回っている毎日でした。大学病院では 1
さんあり、また院外研修をしたりと色々な経験ができ
つの症例をじっくり考えながら受け持てるという、研
充実した 1 年でした。大学病院は研修医が多く、み
修をする上でとてもよい環境でした。来年も大学病院
んなで励まし合いながら仕事ができてとても楽しかっ
での研修なので、充実したものになるよう目標を持っ
たです。信大に来て本当に良かった!来年も大学にい
て取り組みたいです。
るので、一緒になる方はどうぞよろしくお願いします。
中原 亜紗
(信州大学医学部附属病院)
中村 博之
(伊那中央病院)
研修と大学院の授業、研究以外の活動はほぼなかった
他大学の卒業ということもあり、期待半分不安半分で
1 年間でした。入浴と着替えのためだけに帰宅してい
したが、上級医の先生方にやさしく、時にきびしく指
た時期もありましたが、同期に励まされ、充実しすぎ
導いただき 1 年を終えることができました。この 1
た日々を過ごせたと感じます。共に学んだ仲間が今後、
年の経験を糧に、勉学に努めたいと思います。お世話
各々の分野で活躍していくことを励みに進んでいきた
になった方々と愉快な仲間たちに感謝の気持ちでいっ
いと思います。お世話になった先生方、ありがとうご
ぱいです。ありがとうございました。
ざいました。
翁 佳輝
(信州大学医学部附属病院)
松澤 周治
(諏訪赤十字病院)
今年度は長野赤十字病院で研修させて頂きました。愉
1 年間、お世話になりました。松本は相変わらず寒い
快な同期と、頼りがいのある先輩、熱心に指導してく
ですが、4 月からは、さらに寒い所での研修が決まり
ださる先生方に囲まれながら、楽しく、充実した研修
ました。医療従事者として、自分の健康管理には気を
をすることができました。来年度も実りある研修にし
つけたいと思います。皆様も健康にはお気を付けてく
ます。よろしくお願い致します。
ださい。ありがとうございました。
三浦 治己
(信州大学医学部附属病院)
成田 智晴
(安曇野赤十字病院)
院外研修で市中病院へ行って気付いたのは大学の研修
つい先日、部活の後輩に国試の過去問を貸して欲しい
医室のアメニティ・書籍文献へのアクセス・パソコン
と言われ、もう 1 年たったのか!と心底驚いておりま
環境が非常にすばらしいことで、研修医への温かい配
す。来年は市中病院で、大学よりも日々忙しくなると
慮を感じました。恵まれた環境で先生方に手間暇かけ
聞きますが、時を無為に過ごさぬ様にしたいです。ま
てご指導頂いたおかげで、物覚えの悪い自分も少しず
た多くの素晴らしい仲間に支えられた 1 年でありまし
つですが成長を実感しています。来年度も信大病院で
たので、後輩の皆様、どうか飲み会の開催をお願いし
研修します。
ます!
平成 26 年度 第 4 号
塩原 拓実
(信州大学医学部附属病院)
新藤 良太
(信州大学医学部附属病院)
もう 1 年ですか。あっという間ですね。週 1 回の救急
研修医になってまもなく 1 年。とにかく分からない
外来では、自分で検査や治療方針を立てる裁量が与え
ことだらけで毎日四苦八苦していましたが、実臨床の
られていましたので、大いにスキルアップに寄与でき
考え方を学び、自身で患者さんを診療する日々にやり
ました。来年は、信大ならではの特長を探し出して有
がいも感じられるようになってきました。大学病院で
意義な研修にしようと思いますのでよろしくお願いし
はより専門性の高い医療に触れながら、自分の医師と
ます。
しての方向性を考えていきたいと思います。
松髙 淳
(信州大学医学部附属病院)
1 年目は必修の研修を行うと共に、たくさん手技を経
験させてもらえました。進む科を決めず、出来るだけ
固定観念なく各科を研修出来たと思います。来年度は、
自分が進む科を絞るため研修を頑張ろうと思います。
今いる病院での研修はとても充実したものだったの
で、来年も同じ、それ以上に良い研修ができればと思
います。
研修医2年目 (今年の研修を振り返って)
氏名(平成 27 年度の勤務先)
黒河内 大輔
(信州大学医学部附属病院)
髙野 大樹
(信州大学医学部附属病院)
1 年目を大学、2 年目を諏訪日赤とたすきがけで研修
もうすぐ初期研修が終わってしまいますが、割と早く
しました。大学と市中それぞれで研修できたことは非
過ぎてしまった気がします。2 年間もあると働き始め
常に貴重な経験です。また、大学病院で多くの方と顔
た時は思いましたが、終わりが近づいてくると、得た
見知りになることができ、その中の何人かの先生方と
いの知れない焦りがでてきます。来年も引き続き信大
は諏訪でも一緒に診療にあたれたことは、信大出身で
に残りますが、よろしくお願いします。
はない私でも研修しやすい環境でした。同期にも恵ま
れ、とても有意義な 2 年間となりました。ありがと
うございました。
平成 26 年度 第 4 号
川田 伊織
(信州大学医学部附属病院)
大変なことも、もちろんありましたが、充実した 2 年
千葉 晃裕
(信州大学医学部附属病院)
研修は結局自分次第です。
間の研修を送ることができました。来年からも頑張り
ます。
中村 真菜
(信州大学医学部附属病院)
島田 奈緒
(信州大学医学部附属病院)
日々先生方のあたたかいご指導の元、研修させていた
今年 1 年間、大学で研修をさせていただきました。
だき感謝しています。残り少なくなった研修期間です
細かい間隔で多くの科を回らせていただきましたが、
が、来年以降のため出来るだけ多くのことを学びたい
どの科でも熱心に指導をしていただき、また様々な手
と思います。
技も経験でき、とても勉強になりました。ありがとう
ございました。
坂井 紘紀
(信州大学医学部附属病院)
品川 潤
(信州大学医学部附属病院)
松本市立病院にて初期研修医 2 年目を過ごしました。
4 月からは信州大学の耳鼻咽喉科で働きます!初期研
コンパクトな病院ですが「仕事」と「研修」のバラン
修の 2 年間は、3 年目から耳鼻咽喉科医として臨床を
スがちょうど良く、プライマリ・ケアを学ぶには非常
行っていくことを視野に入れて、耳鼻咽喉科と関連の
に良い環境でした。初期研修 2 年間で多くの方々にお
ある科を多く回らせて頂きました。今までお世話に
世話になりました.本当にありがとうございました。
なった方たちへ、立派な耳鼻咽喉科医になることで恩
4 月からは外科学第一に入局します。専門研修に入り
返ししていきたいです!頑張ります!
ますが,初期研修で得た general mind を忘れずに頑
張っていきます。是非一緒に外科をやりましょう。
平成 26 年度 第 4 号
研修説明会に参加して
配属病院:信州大学医学部附属病院
1年目 研修医 和泉 真
私の一年間の信州大学医学部附属病院における初期研修につ
いて臨床実習生の前で説明しました。私は麻酔科を志望してお
り、そのために内科の選択として麻酔と関連の深い臓器である
心臓、肺、腎臓の勉強をしたいと考えました。循環器内科、呼
吸器内科、腎臓内科をローテートしましたが、麻酔科と関連の
在る循環動態、人工呼吸器などの勉強はあまりできなかった旨
を伝えました。人生とはやはり儘ならないものです。循環器内
科では、検査、治療のための冠動脈インターベンション目的で
の入院が多く、呼吸器内科では肺癌の化学療法を目的とした入
院が多かったです。さらに、それらの高度な医療に関しては、上級医が治療方針を決定することが多く、初期研
修医が直接関与する機会は少ないとも説明しました。初期研修医の役割として上級医の治療方針を天から与えら
れた当然のものとして受けとめるのではなく、なぜその治療方針なのか、その治療方法の適応とはどのようなも
のであるかを考えてほしいと伝えました。また、大学病院では優秀な上級医の数が多く、初期研修医の存在意義
について悩むことも多くありましたが、初期研修医という立場を考え、チームの医療方針を理解した上で適切な
医療行為を行うことが重要であると説明しました。内科ローテート中に私のした仕事を具体的に書けば、病棟患
者の観察と健康管理と上級医の報告や、便秘薬や睡眠薬を中心とした薬の処方等でした。(医師たるものは軽々
しく希望的観測などをいうべきではないかもしれませんが)たとえ自分の期待した通りの医学、医療の勉強はで
きなくとも、各ローテーション先の診療科で自分に与えられた仕事を一生懸命にすれば、いかなる診療科に進路
を決定しようともきっと将来につながる筈であると伝えました。
臨床実習生に対して、臨床研修を始める前に一番覚えておいてもらいたいこととして医師国家試験には一度で
確実に合格するよう伝えました。全国の医学生の 9 割が受かる試験とはいえ、そこまで容易な試験ではなく、
油断して不合格になり一年を無駄にする程馬鹿らしいことはありません。良き医師を目指すのであれば、先ずは
医師になる必要があり、医師になるためには医師国家試験に受かることが絶対必要条件であるからです。また医
師には理想や大目標も必要ですが、あまりに抽象的な観念や空理空論を弄ぶよりも日々の暮らしや臨床実習を中
心とした学習を大切にし、実地に根差した医療を実践してほしいというメッセージも伝えたいと思いました。た
だ、医師国家試験には確実に合格するようにとしか言わなかったので、私の真意が何人の臨床実習生に伝わった
かは定かではありませんが。
センターニュースも今年度第 4 号となり、この 1 年の研修を振り返っての感想を頂きま
編集後記
した。各々の感想がありましたが、充実した研修生活が送れていたようで何よりです。
その他信州型総合医セミナーや研修医説明会の参加報告を掲載しました。
4 月から新しい職場環境となることと思いますが、それぞれの職場で本年の研修成果を存
分に発揮して下さい。信州大学医学附属病院での研修が充実するよう、皆様のご協力を
お願い申し上げます。( 編集委員 増田 )
【発行】 信州大学医学部附属病院 卒後臨床研修センター 〒390-8621 松本市旭 3-1-1 TEL 0263-37-3050(卒後臨床研修係)
Email:[email protected]
Web:http://wwwhp.md.shinshu-u.ac.jp/sotsugorinsho/
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