ポリ乳酸のスチーム分解 by Faris & Wang

ポリ乳酸のスチーム分解特性
ポリエステル:
単純ランダム分解と自己触媒的ランダム分解
単純ランダム分解
AHMAD FARIS MOHD ADNAN
&
WANG YAN
自己触媒的ランダム分解
外部刺激
外部刺激
kd
k
kd
kd
d
COOH
COOH
九工大院・生命体 九工大ETC
九工大ETC
重量平均重合度の変化
数平均分子量の変化
(1)単純ランダム分解
(1)単純ランダム分解
1
1
µ n0
=τ +
= µn0 ⋅ τ + 1
µn
µ n0
µn
1
1
= kt +
Mn
M n0
1
µn
=
1
µn 0
e Kτ
τ = ∫ k h {T (t )}[W ]dt
t
0
μn : 数平均重合度
μn0 : 初期数平均重合度
自己触媒反応
ln µn = ln µn 0 − K' t
1
1
=
exp( kd t )
M n M n0
 1
+
 µn
 0
13
1 43
t vs. t
2
Mw




13
t
ln M n = ln M n 0 − k d t
ln M w = ln M w0 − K't
ln µw = ln µw0 − K't
K
(2 PD − 1)
3
K ⋅ kh ⋅ [W ] = K
加水分解に伴うGPC
スペクトルの変化
加水分解に伴うGPCスペクトルの変化
結晶相ラメラ厚相当分子
(B + 1)
Critical Point
0.004
43
0.0035
B = µ n0 τ
(2)自己触媒的ランダム分解
d (PD ) 2k
=
⋅ PD (2 − PD )
dτ
3
τ →∞
K' = −
生成オリゴマー
τ →∞
lim PD = 2
Nishida’s model
H. Nishida et al., Macromolecules, 33, 6595 (2000).
Relative Intensity
lim PD = 2
μw : 重量平均重合度
μw0 : 初期重量平均重合度

 − 1 Kτ
1
1  2
=
− 1 ⋅ e 3 + e K τ 

µ w 2 µn 0  PD0 

(1)単純ランダム分解
2
 1
1

1 + 2
− 
 PD0 2 




直線関係
(2)自己触媒的ランダム分解
単純ランダム
多分散度(分子量分布)
多分散度(分子量分布)の変化
PD =
Yoon’s model
 1
1

−
 µw
 0 2µ n0
J.-S. Yoon et al., Macromolecules, 29, 3303 (1996).
1/Mn
(2)自己触媒的ランダム分解
τ
1
= τ43
µw 2
13
0.003
0.0025
0.002
0.0015
0.001
0.0005
分子量分布は、2に収束する
0
2
3
4
5
log(MW )
6
7
1
単純ランダム加水分解解析
分子量および分子量分布の変化
200000
Mn
3.50
Mw
140000
3.00
Mw/Mn
120000
100000
80000
2.50
criticalPoint
point
Critical
1.00
0
0
1
2
3
4
0
5
1
Time / h
2
3
Time / h
4
0.0002
0.0002
0.00015
0.0001
0.0001
0.00005
0
0
1
2
3
4
5
0
2
4
Time4/3
Time / h
6
ln M n = ln M n 0 − k d t
log(MW)
ln M w = ln M w0 − k d t
4.5
4
75
175
70
170
65
165
60
160
55
155
50
Critical Point
45
10000
100000
熱的性質の
顕著な変化
135
1000000
Molecular Weight (M w)
Mn
3
0
1
2
3
4
容易な崩壊・破砕
への移行点
5
Time / h
水蒸気分解による他樹脂との分離
易ケミカルリサイクルのための
加水分解前処理技術
技術
易ケミカルリサイクルのための加水分解前処理
結晶相と非晶相
ƒ
ƒ
オリゴマー化処理技術の確立
大量処理プロセスの確立
課題
加水分解/物性相関の解明
スチーム処理の精密制御
破砕・洗浄・乾燥プロセスの合理化
実用化レベルでの実証
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
ケミカルリサイクルセ
ンター
→ 乳酸
→ ラクチド
→ ポリ乳酸
オリゴマー
110℃
120℃
130℃
PETとの分離
高温高圧水蒸気処理
(オートクレーブ処理)
無溶媒プロセス
溶媒除去プロセス不要
大量処理可能
乳酸による腐食回避
高温高圧水蒸気の加水分解機能
PLLA内部への浸透拡散機能
自己触媒的作用の有効利用
混合樹脂との容易な分離
Critical Point後の容易な崩壊性
130℃
ポリマー
Critical Value
PET、PSt
その他材質製品
非晶相での
自己触媒的ランダム分解
オリゴマー化条件
PBS,PCとの分離
Kd,Mw
目標
1.
¾
¾
¾
1.
¾
¾
¾
¾
8
140
35
1000
Mw
3.5
150
145
40
Melting Temperature (º(℃)
C)
Glass Transition Temperature (ºC)
ƒ 適用 可
ƒ MnおよびM
およびMwが同じ定数:kd を持つ
5
6
熱的性質と分子量の関係
自己触媒的ランダム加水分解解析
critical point
Critical
Point




Critical
critical Point
point
0.00025
0.00005
0
5.5
 1
1

−
 µw
 0 2µ n0
0.0003
0.00015
5
13
Yoon's analysis using Mw
0.00035
critical point
Critical
Point
0.00025
1/Mn
1.50




0.0004
Yoon's analysis using Mn
0.0003
Critical
Values
critical values
40000
20000
0
0.0004
0.00035
2.00
60000
τ 1 3 1 4 3  1
= τ +
 µn
µw 2

1
1
= kt +
Mn
M n0
4.00
180000
160000
Mn & Mw
ƒ Yoonのモデルの適応性
Yoonのモデルの適応性 ··· 無触媒下では不可
無触媒下では不可
分子量分布の明確な上昇
Time1/3/Mw
ƒ Critical Point:
Point:
PET: kd,Mv≈0
効率的分別
Critical Point とは?
分解しやすい非晶相で均一ラ
ンダム分解が進行し、やがて、
結晶相の存在によって、不均一
分解へと移行する分子量点
機械的強度の激減
効率的輸送
PLLA:
kd,Mw=0.0240
Critical Value
水蒸気
分解
PLLA
破
砕
フレーク
変化なし
崩壊へと移行
PET
2
結論
Pulication
ƒ ポリ乳酸の無触媒での
加水分解では、自己触媒的加水分解
自己触媒的加水分解
ポリ乳酸の無触媒での加水分解では、
反応が進行し、
MnおよびM
変化曲線からの離脱
曲線からの離脱
反応が進行し、M
およびMw双方の理論
双方の理論変化
と、最確分布から不均一な分子量分布へ移行する現象
によっ
と、最確分布から不均一な分子量分布へ移行する現象によっ
て明確な臨界点(
て明確な臨界点(Critical point)
point) が見出される。
が見出される。
ƒ Critical point は、ポリ乳酸成形体の熱的性質における顕著な
変化点としても見出され、同時に容易な崩壊・破砕への移行
点である。したがって、成形体の製品寿命を推測する上で有
用な目安となる点である。
“Evaluation of Kinetics Parameters
for Poly(L-lactic acid) Hydrolysis
under High-Pressure Steam”
Ahmad-Faris Mohd-Adnan, Haruo
Nishida, Yoshihito Shirai
Polymer Degradation and Stability,
93, 1053-1058 (2008).
ƒ 上記の優れた加水分解特性を利用することによって、ポリ乳
酸成形品を他のプラスチック製品と分別
することが容易となる。
酸成形品を他のプラスチック製品と分別することが容易となる。
3