新型のノロウイルス拡大 免疫なく大流行に警戒

富山高校 保健室
平成 27 年 10 月
裸眼視力 1.0 未満の人の世代間比較
中高生の裸眼視力が 1.0 未満の人は 5 割を超え(富山高校は
80.3%)、30 年前と比較すると大幅に増えてきています。
これは、ゲーム、パソコン、スマートフォンなどの情報端末の
普及と長時間利用が要因として考えられます。
近視は体型と同じように遺伝しますが、環境要因によって進行
することもわかっています。進行を防ぐためには、本を読んだり
画面を見るときにあまり近づけすぎないこと、暗いところで本を
読まないこと等が大切です。また、近くを見続けているときは
10分間に1~2秒でよいので、遠くにピントを移してください。
近視は重宝な目!?
―近視の長所と短所―
皆さんは「目が悪い」というと、すぐに「近視」の目を思い起こすのではないでしょうか。たし
かに近視の目は遠くを見ようとしても裸眼ではどうしてもピントが合いません。しかし、裸眼で近
くのものにははっきりとピントが合います。眼科でいう「目が悪い」とは眼鏡やコンタクトレンズ
を用いても、遠くも近くも十分な視力が得られない目のことを指しており、近視を指すわけではあ
りません。
近視で不便と思うのは、裸眼で遠くがよく見えないことです。一方で、近視であることは悪いことばかりではありません。
近視は裸眼で近くにピントが合っているので、近くを見るときに毛様体に力を入れる必要がなく、軽度~中等度の近視なら
長時間近くを見続けても目に疲れが起こりにくいのです。このため、受験勉強や小さな美術品や芸術品の製作を長時間行う
ことは得意な重宝な目なのです。
新型のノロウイルス拡大 免疫なく大流行に警戒
中日新聞 2015.10.10
激しい嘔吐や下痢を引き起こすノロウイルスの新型が国内で確認され、広がりつつあることが、川崎市健康安全研究所
等の調査で 10 日までに分かりました。毒性は従来と変わりませんが、多くの人は免疫がなく大流行する恐れがあります。
同研究所によると、川崎市で 2014 年、感染性胃腸炎の患者から採取した検体を調べたところ、通常と異なるノロウイ
ルスの遺伝子配列を発見、「GⅡ・17」という種類が変化した新型ウイルスと分かりました。
このウイルスは 15 年1月から徐々に検出数が増加。川崎市では 15 年1~6月に 36 人から新型を検出しました。ま
た、川崎市以外に、長野県や栃木県、大阪府などでも確認。海外でもアジアを中心に検出され、米国や欧州でも報告例が
あるそうです。
ノロウイルスのウイルス変異は、2006 年や 2012 年にも確認されています。いずれの年も日本国内で多くの感染者
が出て、全国的に流行しました。ウイルスの遺伝子変異が確認されたことで、これまでの例から、この秋からのノロウイ
ルスのシーズンに流行が懸念されています。
ノロウイルスの予防策は今まで通り
―ノロウイルスにアルコール消毒は効かない―
①
②
③
④
帰宅時や調理前には、せっけんでよく手を洗う
患者の汚物を処理するときはマスクや手袋をする
カキなどの二枚貝や生ものは中心部まで加熱する
調理器具やウイルスで汚れた衣類などは、熱湯や
次亜塩素酸(家庭用の塩素系漂白剤で可)でしっ
かり消毒する
※ 症状のない不顕性感染者からも感染します。
依存の疑い
男子 6.4%、女子 9.9%
中高生のインターネット依存
高校保健ニュースより
国立病院機構久里浜医療センター
ネット依存治療研究部門 医長 仲山秀紀
最近は、電車の中でも歩いていてもスマートフォンや携帯ゲーム機を触っている人をよく見かけます。総務省の行
った通信動向調査では、
2013年時点で13~19歳の世代でのインターネット普及率は、
97.9%と報告されています。
インターネットは我々に高い利便性を与えるとともに、そこから得た情報が蓄積されているパソコンやスマートフ
ォンは、
我々の頭脳の補助もしてくれています。
今やインターネットがつながらないと様々な障害を来してしまいます。
一方で犯罪やいじめ、プライバシーの曝露、そして依存などの問題点も次第に知られるようになってきました。
インターネット依存とは
「依存」とは一言で言うと「ある行為が制御できなくなること」です。つまり適度にインターネットをしていれば
問題ないのですが、その制御が困難となって度を超えてやってしまうので様々な問題が出てきます。現在様々な議論
がありますが、世界的にインターネット依存を病気(障害)としてとらえようという流れになりつつあります。
インターネット使用障害・依存
①
②
③
④
過剰使用・・・
離脱症状・・・
耐性
・・・
悪影響 ・・・
しばしば時間の感覚を忘れ、日常生活の基本的行動(食事・睡眠・風呂など)が疎かになる
インターネットができないときのイライラなど、特に取り上げられたときに顕著になる
よりよいコンピューター設備を求め、使用時間などがエスカレートする
成績・業績低下や口論、孤立、疲労など
男子はオンラインゲーム、
女子はSNSが多い
インターネット依存 中高生への広がり
2012~2013 年に厚生労働省によって行われた中高生 10 万人の調査では、男子の 6.4%、女子の 9.9%が
インターネット依存疑いとされ、日本全国の中高生のうち 51.8 万人が該当すると推計されています。
表 中高生のインターネット使用障害・依存の主な問題点
学業・金銭面
遅刻・欠席
留年
成績低下
作業能力低下
浪費(課金)
詐欺にあう
精神面
イライラ
うつ
不安
引きこもり
昼夜逆転
過眠
身体面
やせ
肥満
少食、過食
運動不足
運動機能低下
骨密度低下
栄養障害
人間関係
親との不和
兄弟との不和
(現実の)友人の減少
孤立
家族のストレス
家族の不眠
その他
家出
暴言
暴力
警察沙汰
インターネット依存の予防と対処の実際
久里浜医療センターでは、2011 年 7 月からネット依存治療研究部門を立ち上げて診療にあたっています。
韓国では長時間のインターネット使用によると考えられる死亡事故などが問題化したため、政府による対策が行わ
れていますが、日本ではまだインターネット依存への対策は始まったばかりで、治療できる施設は限られています。
現実(リアル)の生活を充実させることが予防につながる
誰でもインターネット依存やゲーム依存になりうる可能性があり、また一度依存を形成してしまうと、脱却する
のが大変な場合が多いことを念頭に置いて、予防策を講じる必要があります。インターネットを全く排除するのは
困難なので、制約を設けます。
予防のポイントとしては、インターネットを使用する時間や場所などのルールを明確化してそれを遵守すること
と、社会的活動(部活動、習い事、趣味など)に参加する機会を多く持ち、現実の生活を充実させることです。
インターネット依存になると、家庭内での制約は困難になることが多いのですが、家庭の外ではネットやゲーム
を制約しやすいので、家庭外での活動が多いことはプラスに働きます。