~日々の療育実践こそが、発達を保障する~

名古屋キリスト教社会館
(3)
﹁児童発達支援﹂の
これから
厚生労働省は、昨年七月に「障
害児支援の在り方に関する検討
会」の報告書をまとめました。そ
のポイントは①同世代の子どもと
同様に暮らせるように必要な条件
整備を行うこと②児童発達支援セ
ンター(そよ風、あつた、ちよだ、
ぽけっと等)は専門的な機能を出
前することの二点です。また、年
齢等に応じた切れ目のない支援
( 縦 ) と 地 域 の 関 連 諸 機 関( 横 )
との連携が必要であるとしていま
す。つまり、通ってくる子どもた
ちに対する療育だけでなく、入園
前・退園後も地域で安心して暮ら
せるように家族を支えていくこと
が 重 要 だ と 言 っ て い ま す。 こ れ
は、まさに私たちが目指してきた
ことで、日本中で同じように支援
が行われるならうれしいことで
(鈴木 絵莉)
り、いつのまにかみんなが集まり笑
顔いっぱいであそぶようになりまし
た。毎日の生活やあそびの中で保育
者が間に入り一緒にあそびこむこと
で お 友 だ ち 同 士 が 意 識 し 合 い、" 一
緒が楽しいね"という気持ちが広がっ
たのだと思います。子ども同士で顔
を見合わせて笑ったり、手を繋いで
あそんだり、追いかけたり。お友だ
ちと一緒がいい!という気持ちが高
まり、この一年間で大きくなった子
どもたちの成長をとても嬉しく感じ
ました。
お友だちとあそぶことの楽しさ
発達センターちよだでは、一年間
いっぱいあそび、大きくなり、成長
した姿を保護者とともにお祝いする
﹃えがおまつり﹄という行事をとり
くんでいます。
ちょうちょ・たんぽぽぐみは新入
児・進級児クラスで、春から保育者
とあそぶことの楽しさをたっぷり感
じてきました。秋の家族うんどう会
で築いた保育者との関係を土台に
し、えがおまつりではお友だちとあ
そぶことの嬉しさ・楽しさを感じて
欲しいと願ってきました。
絵本が楽しくなってきた姿から
﹃ お お さ む こ さ む ﹄ を 題 材 に し、 お
話 の 世 界 で あ そ ぶ こ と、" つ も り に
なって"あそぶことを大切にしてき
ました。子どもたちはこのお話がと
ても楽しくなり、主人公と同じマン
ト を 身 に 付 け、" 早 く あ そ び た い "
とワクワクしています。保育者が思
いっきりあそんでいる姿をみて子ど
もたちは興味をもち"同じようにやっ
てみたい"と一人、また一人と加わ
﹁ぼくも一緒にあそびたいよ!﹂
今年度オープンした東部地域療育
センターぽけっとは、普段は運動発
達に注目したクラス編成で保育を
行っています。二歳児が登園しない
木曜日は、同じ年齢の子どもたちの
グループ編成で保育をしてきまし
た。 い ち ご グ ル ー プ は 四・五 歳 の 子
どもたちがいます。四歳児のYくん
は、他のクラスの同年齢の子が楽し
んでいるのをじっと注目したり、嬉
しそうに笑ったり、自分から動くこ
とも増えてきました。Yくんが同じ
年齢の子たちとの関わりが嬉しかっ
た り、「 楽 し い!」 と い う 気 持 ち が
響きあうのを感じました。また、お
友だちはYくんのバギーを押すのが
嬉しいし、Yくんも初めは緊張して
いましたが、少しづつ慣れてきて笑
顔がでてきました。グループ保育を
通して、障害の違いがあっても、同
じ年齢の子ども同士の関わ
りの中で、子どもたちの経
験が一層広がり、楽しい・
嬉しいが響きあうのだと実
感 で き ま し た。 今 後 の ぽ
けっとでの保育につなげて
いきたいと思います。
(丹羽 悠子)
発達センターあつた
南部地域療育センターそよ風
す。しかし職員に高度な専門性を
求めても、今の制度は子どもの出
欠に左右される出来高払いであ
り、職員が働き続ける賃金を保障
するには不十分な報酬体系です。
また報告書では、児童発達支援
セ ン タ ー の 役 割 は、 地 域 の 保 育
園・幼稚園・児童発達支援事業所
等の「後方支援」に重きを置いて
います。日々の療育実践を豊かに
していくための方向性や施策の在
り方について示されていないとい
うことは、大きな問題です。
社会館は、四つの児童発達支援
センターでの日々の実践を通して
あるべき姿を目指して、それを子
どもの豊かな育ちと、地域での生
活支援を担保する制度をつくるた
TEL 792-7277
FAX 792-7258
TEL 782-0770
FAX 782-0771
発達センターちよだ
東部地域療育センターぽけっと
あそぶのって楽しいね! ∼大きくなったみんなのつどいを通して∼
した。一人ひとりが主人公になり、
夢中になってあそび込んでこれたと
思います。これからも、子どもたち
があそびの楽しさを通して"つなが
り 合 う こ と " や、" 人 と 一 緒 の 心 地
よさ"をいっぱい感じられるよう、
職員みんなで療育づくりをしていき
たいです。
謙一)
(加藤
(濱田
いることの大切さ」を伝えたいと思
い、スイミーの絵本を題材に遊んで
きました。
当日は、七人そろって一人ひとり
が力を出して、怖いけれどお友だち
がいるから⋮とみんなの力を合わせ
ダイナミックな揺さぶりで大きな怖
い魚を追い出すことが出来ました。
それぞれの子どもたちが生き生き
と輝いている姿に、内面の育ちを感
じました。
美穂)
みんなの力をあわせよう!
一年のまとめの行事でもある﹃大
きくなったみんなのつどい﹄に、親
御さんと一緒に向かってきました。
子どもの姿を親御さんに伝えるとこ
ろでは、子どものできるようになっ
た姿だけでなく、あそびに向かう中
で揺れ動く内面の育ちや、保育者や
友だちと一緒がうれしい子どもの姿
を大切にしてきました。また、職員
みんなで"あそび"の原点に立ち返
り、子どもの姿をとらえ合いながら、
子 ど も が「 楽 し い!」「 も っ と や り
たい!」と自分からあそびに向かう
ようなあそびづくり、集団づくりを
すすめてきました。あそびづくりの
中では、子どもの姿からあそびを広
げ、保育者も子どもと一緒にあそび、
目標になることで、やることがわかっ
て自分から向かう力が大きくなった
と感じます。また、くり返しあそび
込む中で手ごたえを感じたり、物が
変化する楽しさに気づいたり、自分
から「あそびたい!」と向かうたく
ましさもみられるようになってきま
スイミー
つばめ・にじぐみは、肢体不自由
や重複障がいのある子どもたちのク
ラスです。
身体の動きには制約もあります
が、視線や声、表情などで「これは
いい、いやだな」「もっとやりたい」
と要求を表現しています。
通園に通い、家庭と共に日々の健
康管理などを丁寧に捉え、積み重ね
てくる中で、お母さんも保育者も子
どもも「安静にした方がよいとき」
「これくらいなら大丈夫」など共に
捉える視点や周りの働きかけを受け
止める力が育ってくると思います。
健康面の安定や捉えがあるからこ
そ、生活やあそびに身体も心も向け
られ、集団の中で自分を感じ、もっ
とやりたい気持ちが膨らんでいる子
どもたちの姿へと繋がってきていま
す。
年中、年長の子どもたちのそんな
姿 か ら お 祝 い 会 で は、「 一 人 じ ゃ 小
さな力だけど、小さな力が集まって、
大きな力になること、一人ひとりが
TEL 681-1167
FAX 681-1178
TEL 612-3357
FAX 612-3411
めの努力を続けていきます。
( 東部地域療育センターぽけっと
淳)
加藤
~日々の療育実践こそが、発達を保障する~
名古屋キリスト教社会館
日本キリスト教社会福祉学会
第56回大会案内
マゴソスクール火災復興支援イベント
スラム街に生きる
500人の子どもたちのビッグママ
テーマ キリスト教社会福祉の使命~目の前のいのちに向かい合う
と き 2015 年6月 26 日(金)午前 10 時~ 27 日(土)午後 12 時 30 分
ところ 26 日(金)金城学院大学
27 日(土)日本キリスト教団名古屋中央教会
主な内容
1日目/基調講演 柏木哲夫 氏(淀川キリスト教病院理事長)
シンポジウム
研究発表・実践報告分科会
2日目/記念講演 永岡正己 氏(日本福祉大学)
パネルディスカッション
主 催 日本キリスト教社会福祉学会 大会事務局 名古屋キリスト教社会館
―アフリカからいのちの輝きを伝える―
日 時:4 月 25 日(土)13:30 開場 14:00 開演
場 所:日本ガイシフォーラム レセプションホール
内 容:◎講演:リリアン・ワガラ氏 早川千晶氏
◎ケニアの風ミニコンサート
協力券:1,000 円
※収益はマゴソスクールの運営資金に充てられます。
主 催 :名古屋キリスト教社会館後援会・国際交流委員会
お
手軽
お料理教室
イースター早天礼拝の
ご案内
日 時:2015 年4月5日(日)
場 所:日本キリスト教団 名古屋教会
名古屋市中区丸の内3-4-5
説教者:杉本美由紀牧師
(社会福祉法人
名古屋キリスト教社会館チャプレン)
献金使途:東北ヘルプへの活動支援
野菜あんかけ焼きそば 子どもたちも大好きメニューです。たっぷり野菜も麺と
一緒にモリモリ食べられる♪春野菜で彩りよくどうぞ。
【材料(1人分)】 ・焼きそば…100g
・豚バラ肉…20g
・白菜………22g ・キャベツ…22g
・にんじん…12g
・エンドウ…3g ・玉ねぎ……12g
・油…………0.5g
・コンソメ…1g
・しょうゆ…小さじ1 ・片栗粉……少々
献金・協賛報告
ご 協 力 頂い て お り ま す 方 々の
ご芳名を掲載し、報告とお礼とさ
せて頂きます。
(敬称略・順不同)
〈一般寄付〉
石村唯彦、神谷辰男、久保田啓、磯
部モータース 磯部昌治、岩田悦、
猪村正彦・猪村礼子、上田厚子、瀬
戸聖書バプテスト教会、大迫より
子、品川禮佑、田畑洋子、名古屋Y
WCA、田畑博、志村澄江、ぽけっ
と 河本、愛知国際病院 事務部長
高井望、愛知こどものとも社 北原
良男、千鳥学区地域福祉推進協議
会、
岩田悦
〈東日本大震災支援活動の為の寄付〉
安藤光枝、若園温子、上田厚子、柴
田謙治、小林冴子、山田春枝、恒川
修
〈 西館建設指定寄付〉
名古屋キリスト教社会館後援会、
岡村恒義、加藤峯子、池田越子、神
森啓介、そよ風職員一同、白石淑
江、
小原貴史、
湧井規子
〈 発達センターあつた指定寄付〉
山田幸治
〈作り方〉
①たけのこ、白菜、キャベツを短冊切り、玉ねぎ、
きくらげをせん切りにする。えんどうをさっと
下ゆでしておく。
②小鍋に油を温め、豚バラ肉と①を炒める。
③出し汁と水をかぶるくらい入れ、コンソメを入
れて野菜に火を通す。
④醤油で味付けをして、水溶き片栗粉でとろみを
つける。
〈ホーム社会館指定寄付〉
在日米国実業家協会
〈ぽけっと指定寄付〉
日本キリスト教団 名古屋新生教
会、愛知聖ルカ教会、
NPO法人
イエロー・エンジェル、日本基督
教 団 金 城 教 会 社 会 福 祉 委 員 会、
野島丈夫、加藤淳
〈クリスマス献金〉
岡村恒義、樋口真理、安藤光枝、若
園 温 子、磯 部 モ ー タ ー ス 磯 部 昌
治、小宮一子、日本基督教団 熱田
教会 めぐみ会、八事教会、新海英
行、加藤峯子、田村富士雄、犬飼尚
樹、岩田悦、活けるキリスト一麦
教会、川口誠・川口京子、土屋俶
子、日本キリスト教団 半田教会、
二〇一 五 年 度 が 始 ま る。
榎本令子、青木栄一、
YMCAか
新
年 は 冷 た い 空 気 の 中 で、
みさわ保育園、日本キリスト教団
「
今 年 を 思 う」け れ ど、そ
豊田教会、上田厚子、星みどり、名
れ と は 違 う 感 情 を 抱 く。空
古 屋 学 院、日 本 基 督 教 団 御 器 所
気 は 暖 か い の に、「今 年 度
教会、日本基督教団 春日井教会、 を 思 う」気 持 ち は 少 し 張 り
日本キリスト教団 刈谷教会、田
つめた緊張感を持ち合わせ
畑洋子、広路教会、名古屋聖ステ
ている。日本国憲法、原発、
パノ教会、金城学院幼稚園、神戸
沖縄基地問題 …
。平 和 を 脅
一子
かす力が働いている。
私たちが権利としての社
(以上 /9〜3/ 現在)
12
16
編集後記
会福祉を追求するために
苦情申し出の窓口
苦情の申し出窓口は、各事業
所 掲 示 板 等 に 掲 示 し て い ま す。
苦情受付者は主任、解決者は事
業所長が基本です。
法人への苦情は、
本部事務局
612-3370
は、そ の 力 に 向 き 合 い 抗 う
ための連帯や協同抜きには
考 え ら れ な い。社 会 館 で 働
く 者 と し て 肝 に 銘 じ た い。
と は い え、日 々 の 実 践 の 中
で は 悲 壮 感 を 持 た ず、西 館
建 設 と い う 夢 に 向 か い、子
どもたちや利用者の方々の
多 く の 笑 顔 で あ ふ れ る、二
〇一 五 年 度 と な る よ う 頑 張
りたい。
(A・S)
へお願いします。
また、法人職員ではなく、第
三者の立場として苦情を受付け、
より良い解決へと導く立場の者
として、第三者委員を選任して
います。
第三者委員は、
821-0570
611-0401
仲田 伸輝 小林 冴子 (4)
・たけのこ…12g
・きくらげ…0.5g
・出し汁……1カップ
⑤焼きそばを、油で炒めて、お皿に盛り付ける。
⑥焼きそばの上から④をかけて、えんどうを盛り
付ける。
〈応用ポイント〉
焼きそばを少し多めの油でしっかり焼くとバリバ
リと香ばしく、ちがった食感が楽しめます。野菜
は季節に合わせて旬の物をどうぞ。
菜の花保育園 栄養士 比嘉 彩華
防災一口メモ❹ 最後に!
★日本では災害は忘れても忘れなくても
やって来ます。いつ発生しても、避難
する時は緊急の判断なので、不自由な
生活が待っています。被災者になることは誰にとっても不本意です。
これまでの「普通の生活の有難さ」を知ることになります。悔しい
思いで落ち込みます。不安定な精神状態になります。だから支援が
必要です。支援する人は、被災者を可哀そうだと思うより「お友達
が困っている」から手を貸す、といった感覚が必要です。日頃から
好かれている人は被災者になっても救いの手が届きやすいが、そう
でない人は支援されにくい。介護施設に入っても同じです。日頃か
ら好かれて、良いお友達と顔見知りを多く作っておけば、支援する
側でもやり易いです。(終)
市民がつくる災害に強いまちづくりの集い代表
愛知県被災者支援センター事務局長
特定非営利活動法人レスキューストックヤード会員
初代館長 小崎 忠雄様
ご逝去のお知らせ
伊勢湾台風キリスト教救援本部より
の要請に応えて、初代館長にご就任、
1971 年度末までお勤め頂き、名古屋
キリスト教社会館の基礎を築いて下さ
いました小崎忠雄様が3月 11 日深夜
に神様のもとに召されました。享年
82 歳でした。14 日前夜式、15 日告別
式とも、所属の霊南坂教会においてお
こなわれ、しめやかかつ温かみのある
ものでした。
謹んで哀悼の意を申し上げるととも
に、生前のお働きに心よりの感謝を申
し上げます。
(法人事務局)
瀧川 裕康 共同募金配分金を
頂きました。
発達センターちよだは、この度愛知
県共同募金会を通じて、平成 26 年度
CBCチャリティ募金“こどもにぴたっ”
関連配分金を頂きました。この配分金
で発達センターちよだの出入り口にあ
るカーゲート、および園庭内に入る門
扉を新しくすることができました。
古くなり、あちこち傷んでいたもの
を新しく、きれいなものにすることが
できました。ありがとうございました。