英語科教師の “なんちゃって”「クラシック音楽通《

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【エッセイ】英語科教師の “なんちゃって”「クラシック音楽通」
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音楽部(オーケストラ)の学生とクラシック音楽を知ったか振りの英語教師との間の電子辞書にまつわるエピソードです。
学生:先生、こんにちは。先週うちらの部活「ていえん」があったんですよ!
英語教師:「ていでん?」それは、困ったね。君たち何のクラブだっけ?
学生:「ていえん」です!オケですから!
英語教師:あぁ、「ていえん」ね。(素早く「複数辞書検索」、素早く上下のスクロール。)OK、OK!
学生:「定期・演奏会」のことです。
英語教師:あぁ、「定期・演奏会」ね。(素早く「複数辞書検索」、「オーレックス和英辞典」から)つまり、「regular concert」のことね。(ペン、マーカー機能を使って、ハイ
ライト!)英語で言ってくれればよかったのに。
学生:その「regular concert」のチケットがあったのですが、先生クラシック音楽がたぶん分からないと思ったので、持ってきませんでした。
英語教師:(ムカッとして)ちょっと待ってよ、クラシックわからないだろうって…決めつけるなんて…
学生:先生、クラシック詳しいんですか?
英語教師:まぁ、詳しいって言っても、基本的な1000曲ぐらい押さえている程度だけど…
学生:えぇ~、スゴイ!意外!!見直す!
英語教師:ところで、何の曲やったの?
学生:えっ?作曲家ですか?言って分かります?
英語教師:何でも知ってる訳じゃないけど…(「メニュー」から「生活・実用2」を選び「クラシック名曲1000フレーズ」の準備体制を整える。)
学生:「シベリウス」ですけど、分かります?
英語教師:(素早く「作曲家名から探して聞く」を選択し、「シベリウス」を検索)あの「ジャン・シベリウス」のこと?
学生:えぇ、知ってるんだ!意外!チケットあげればよかった…
英語教師:それで、シベリウスの何やったの?
学生:交響曲です。
英語教師:もしかして、交響曲2番のニ長調?
学生:そうです!(尊敬の眼差しで英語教師を見て、交響曲のフレーズを口ずさむ学生)
英語教師:あぁ、それそれ!第1楽章のはじめ、こんな感じでしょう?(知ったか振りに、シベリウス交響曲を再生する)
学生:それです!ところで、先生、その音楽が流れている「機械」なんですか?DS?i-pod?
英語教師:これ、カシオの電子辞書。
学生:えっ?私、同じの使ってます。クラシック音楽入っているの知りませんでした。
英語教師:電子辞書の使い道って、いろいろあるでしょう!
学生:一瞬、騙されそうになった!次の定演は、「ドリーブ」やりますから、先生、しっかり予習して演奏会に来てくださいね。
英語教師:了解です!
…と言うわけで、束の間の「クラシック音楽通」を演じることができた、とある英語教師のエピソードでした。
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2012 巽
徹)