悪意のある投稿をする人はどのような人か 佐賀大学経済学部 藤嶋良起 篠原圭介 中村知貴 竹島健人 原拓哉 平松千紘 竹村ゼミ 最所崇将 末安亮太 山口賢志郎 要約 近年、様々な SNS の普及により、ネット上で個人の意見を誰でも発信できる環境が生ま れた。これにより企業も SNS をマーケティングに利用しようとする動きも見受けられる。 その一方で、 「悪意ある投稿」がきっかけとなり、いじめや風評被害といった個人や企業が 被害を受けるという社会問題が起こっているが、この種の研究はこれまであまり行われて いない。そこで、われわれは、行動経済学や社会心理学の視点を取り入れて、どのような個 人が悪意ある投稿をするのか、つまり悪意ある投稿をする人の行動メカニズムを構築およ びデータ分析を試みた。その結果、いくつかのことが明らかになった。とりわけ興味深い結 果として、1) リセットの経験があれば悪意のある投稿をしやすいこと、2) プライバシー 性に関する意識などが高い人ほど悪意のある投稿をしにくいこと、3) 行動経済学的な要因 は概ね悪意のある投稿と関係がないこと、などがわかった。また、この結果を踏まえて、わ れわれは「倫理教育の充実」と「リセットをしづらくするための対策」を悪意ある投稿を抑 止する効果がある対策として提案している。 2015 年 10 月
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