案件情報・得意先情報の管理のポイント

Management Innovation by ICT Solution
業務改革セミナー(第2弾)
~営業モデリング改革~
CIO-Partners Consulting Service for Management Innovation
第2部
案件情報・得意先情報の管理のポイント
2015年 7月 8日
CIOパートナーズ株式会社
マネージャ
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安田 信弘
Management Innovation by ICT Solution
目次
CIO-Partners Consulting Service for Management Innovation
1章 得意先情報管理の遷移
2章 SFAにより管理項目が増える得意先情報・案件情報
3章 なぜ、SFAが期待した成果を上げれられないのか
4章 案件情報管理・得意先情報管理からみた現在のSFAの課題と対応
4-1.営業プロセスの明確化・詳細化がされていない。
4-2.営業プロセスと紐づいた商談の進捗管理ができていない。
4-3.営業報告が日報作成システムとしてしか利用しきれていない。
4-4.得意先情報・案件情報の入力・管理ルールが不明確。
5章 SFAと会計システムとの得意先情報・案件情報の連携
6章 最後に…
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1.得意先情報管理の遷移
CIO-Partners Consulting Service for Management Innovation
 顧客管理システム(CRM)・営業支援システム(SFA)の導入に伴い、企業の情報システムでは既存の取引先情報だけの管
理から、見込み客を含めた得意先の管理が求められるようになった。
会計システム中心の得意先管理
取引のあるお客様の基本情報・契約情報及び実績情報を管理すればよかった。
CRMが目的とする得意先管理
お客様に関わる情報を一元管理することで、お客様と接触する全ての社員が、会社がお客様に対してどの
ような取引を行いどう対応してきたのかが一目瞭然であること。
SFAが目的とする得意先管理・案件管理
既存顧客や見込顧客に対する営業活動に関連する情報を記録・管理を行い、過去の商談の履歴や、現在進
行中の案件の進捗状況、営業活動を通じて入手した重要な情報、アポイントメントや期限といったスケ
ジュールなどを一覧したり編集することができること。
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2. SFAにより管理項目が増える得意先情報・案件情報
今までの会計システムで管
SFAで管理を行う
理していた得意先情報
得意先情報
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基本情報
基本情報
得意先コード
主要銀行
得意先名
主な取引先
得意先住所
株主構成・資本関係
産業分類
:
:
業績情報
組織情報
売上高
事業構成
利益額(利益率)
組織体制
株価
組織責任者
窓口担当者
担当営業
履歴情報
企業グループ情報
最初の取引のきっかけ
:
財務情報
資本金
与信額
:
請求情報
入金銀行・入金口座
請求締日
請求先
入金予定日
:
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SFAで管理を行う
:
取引実績情報
売上実績
今までの取引履歴と
その評価・対応
:
利益実績(利益率)
内部情報
債権残高
業界での立ち位置
:
取引中の競合先
客先ニーズ・課題
キーパーソン(決裁の
権限、決裁ルート)
ワレット・シェア
最新ニュース
:
案件情報
案件情報
案件名称
案件詳細
担当部署・責任者
窓口部署・担当者
予算額
商談進捗
予定納期
引合経路
確度
特記事項
競合他社
課題
:
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3.なぜ、SFAが期待した成果を上げれられないのか
CIO-Partners Consulting Service for Management Innovation
 SFAは、予め標準的な得意先情報・案件情報データベースを準備して、さらにユーザーのニーズを取り入れた運用の為カ
スタマイズも行い、ユーザーに導入されている。
 しかしながら、期待された成果を上げているといった話はなかなか聞かない。
【SFAに対する期待・効果】
 営業プロセスの可視化を行い、営業
の行動管理と案件の進捗を把握す
る。
→ 案件毎のプロセスの状態を「見え
る化」し営業プロセスごとに適切
に対策を取る。
→ 営業報告入力を一度入力する
ことで、有効な管理資料が作成
され、営業会議等で活用する。
【SFAの現状】
 日報を通じて、商談の進捗は管理
しているが、大枠で定義しているため、
プロセス管理までは至っていない。
 商談の進捗及び確度の入力は担
当者任せで、客観的な状況把握は
営業日報を精読しなければ把握で
 日報の報告ツールとして全員が使用
ものが、システムに置き換わっただけ
→ 誰でも必要な時に必要な得意
先情報・案件情報が利用可能と
なる。また、担当者の交代時の
煩雑な引き継ぎも不要となる。
 営業プロセスの明確化・詳細化がさ
れていない。
 営業プロセスと紐づいた商談の進捗
管理ができていない。
きない。
しているが、今までは紙の運用だった
 得意先情報の共有化と有効活用
【課題】
という会社が多い。
 テキスト情報が主体の作業報告の
ため、日報以外に、会議資料等を
別に作成している。
 仕組みは出来ているが、個人利用
にとどまっている。得意先登録も営業
に任されているため最新の状態は保
 得意先情報・案件情報の入力・管
理ルールが不明確。
障されず、内容は陳腐化しているも
のが多い。
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4-1.営業プロセスの明確化・詳細化がされていない。
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 営業シナリオ(商談の進捗)と、営業プロセスを混同しているケースが多い。
 商談の進捗と営業プロセスを明確に分けて、管理・運用することが重要です。
営業シナリオ(商談の進捗)
引合
例)物品販売の例
引合経路確認
案件の
見積作成
客先
詳細確認
提出
検討中
キーマンの見極め
営 客先情報収集
営 キーマンへのアポ 営
業
業
業
ロ
ロ
プ 案件データ登録
セ
アポ取り
ス
受注
営
営
業
業
プ
プ
ロ
ロ
ロ
セ 予算化有無確認
セ
セ
セ
ス
ス
ス
ス
プ キーマンとの面談 プ
窓口担当者訪問
予算額の確認
:
:
:
:
:
ポイント1
 検討した基本モデル【営業プロセス】を使って、「いつ」「誰に」「何を」報告するのかを明確にする。
 組織としての営業のやり方を整理し、今までの「臨機応変なその場対応」から「目的を持った計画的活動」に、「結果重
視の管理」から「プロセス重視のマネジメント」に変わることが求められている。
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4-2.営業プロセスと紐づいた商談の進捗管理ができていない。
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 営業プロセスと紐づいた商談の進捗管理ができていない。
 また、同時並行に行われる複数の営業プロセスの管理ができない。
As Is)
商談進捗
【プルダウンメニュー】
引合の概要確認済
案件の詳細確認済
進捗状況は営業マンが判断して入
力する事が多い
見積書提出済
客先検討中
受注確定
失注
To Be)
引合経路
引合
営業プロセス
商談進捗
確認
案件の
キーマンの
詳細確認
見極め
引合の概要
確認済
ポイント2
☑
☑
客先情報
収集
xx部長
☑
案件データ
登録
キーマン
へのアポ
☑
☑
担当者
アポ取り
キーマン
との面談
☑
☑
窓口担当
者訪問
予算化
有無確認
□
☑
xx担当
予算額の
確認
□
・・
・・
商談の進捗は営業プロセスを確実に行ったか否かで
システムで自動的に判定する
 SFAへの入力手段を統一し、営業プロセスは独立した管理項目として入力を行う。
 商談の進捗プロセス毎の営業プロセスの実施をもってシステムで自動設定する。
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4-3.テキスト情報が主体の作業報告。
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 営業のプロセス定義がない為、具体的な作業報告は、営業日報として案件情報にテキスト情報を入力して報告を行う結果になっている。
また商談進捗及び確度の入力は担当者任せで、客観的な状況把握は営業日報を精読しなければ把握できない。
 会議資料を日々の報告とは別に作成しているため、1案件で様々な資料を複数作成している。
営業日報
日付
15/07/08
訪問先
担当
15/07/08 ○田×男
○田×男
活動結果
PC買替
☑
得意先
12345 △工業
☑
営業本部 佐藤部長
☑
案件名称
△工業
窓口担当の総務部鈴木氏訪問し、名刺交換
PC買替
を実施。責任者の営業本部佐藤部長を紹介
責任者
してもらい、7/14に訪問予定。
予算額
今回の案件の経緯は・・・
チェック
□
:
□
特記事項
営業プロセス
引合
経路
☑
情報
収集
☑
データ
登録
☑
得意先情報
ポイント3
案件情報
 案件情報の報告入力はできるだけ項目を選択して入力できるようにする。
 SFAに蓄積された得意先情報・案件情報を元に社内の会議(営業会議・受注見通しの検討会
議など)を運営する。
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管理資料
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4-4.得意先情報・案件情報の入力・管理ルールが不明確
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 得意先情報・案件情報入力が営業担当者任せになっており、最新の情報が登録されているかどうか定かではない。
また入力業務自体が営業担当者の業務負担増に繋がっている。
得意先
公開情報
営業マンしか知らない情報は営業マンが入力
公開情報は、営業事務メンバーで入力
得意先情報・
案件情報は
SFAで実施
案件情報
得意先
内部情報
ホームページ情報
TDB,TSRからの
企業情報
ポイント4
 得意先情報・案件情報は可能な限りSFAを使って保管する。
 得意先情報のうち、得意先の「基本情報」、「財務情報」等は、更新時期を定め営業事務メンバーで実施し、営業担
当者の業務負荷軽減を図る。(市販情報を購入することも有効)
 得意先情報・案件情報の入力は報告入力と連動し、テキスト入力ではなく項目の選択を基本とする。
 受注だけでなく失注案件についても、失注理由等まで記載して案件情報を終了させる。
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5.SFAと会計システムとの得意先情報・案件情報の連携
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 会計システムとSFA間の得意先情報・案件情報のデータ連携は難しい。
この為、受注後取引開始に先立って得意先情報を基幹系システムに再登録するケースが多い。
 得意先情報のコード体系は、会社としての管理体系を定め、導入前よりこれに沿ったコード整備を進めていく事が必要。
問題点
会計システム
SFA
データの管理メッシュが異なる
既存取引先が基本
契約情報、請求回収情報が基本
見込取引先等、まだ取引を行っていない
得意先も含む様々な情報
コードの管理体系が異なる
法人格単位での設定
産業分類単位での設定
拠点(ターゲット)単位で設定
物理的なコード長が異なる
既存システムの変更は難しい
パッケージ仕様であり変更は難しい
組織・法人格・企業グループの関連付け
方法が異なる
関連付けを行って管理
得意先・請求先・入金先等を使い分けて
運用しているケースもある
関連付けできない場合が多い
データ登録時の注意点
重複登録を防止するためのチェック機能
申請による登録・承認プロセスが必要
追加情報(請求回収条件)等の追加
登録が必要
CSVによるデータ移行が可能と謳ってい
るが、データの加工が前提条件。
ポイント5
 会計システムとSFAでは、コード体系・管理項目も異なるため、導入前から得意先データの取り扱いについては基本
ルールを定めておく。
1. 会計システムとSFAでは、得意先情報の内容も目的も異なる。さらに管理項目としてはSFAの方が多い。
このため、得意先情報・案件情報管理はSFAで行うことが合理的。
2. コード体系が異なる場合が多いので、会計システムとSFA間でのデータの関連付け方法は事前に策定する。
 データ連携が必要な場合は、会計システム側で何をする(目的)ために、どのようなデータが必要かを検討し、データ
連携の仕様を決める。
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7.最後に…
(第2部の総括)
CIO-Partners Consulting Service for Management Innovation
まず「業務ありき」で考える!!
 基本となる営業モデルを明確にしないまま、SFAやCRMを導入しても効果は殆ど得られません。
 また、日々の営業活動の「道標」になり得ない、単なるマイルストン(商談の進捗)だけを規定しても、
何ら効果はありません。
 先ずは、業務ありきで「基本モデル」を定義する事が、営業改革には避けては通れません。
「仏」を作って終わりではない。むしろ…
仏に魂を入れる作業が重要!!
 仏(=基本モデル)を作っても、それだけでは営業改革は進みません。
 むしろ、仏となる基本モデルをベースに、ICT整備や教育プログラム、社内制度の見直しを通じて、三位一体の改
革を進め、営業の循環サイクルを円滑に運営できる環境を整える事が重要です。
 その上で、基本モデルの理解者・賛同者を増やす意識改革こそ、営業改革の要諦です。
最後に、多くの会社に当てはまる点ですが…
自分の会社を「特別視」しない!
 正しく「案ずるより産むが易し」です。私たちが聞く事の多くは「…でも、それは他所でも普通にある事」です。
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SFA・CRM導入をご検討中の企業様
SFA・CRMを導入したものの効果が上がらずお悩みの企業様
CIO-Partners Consulting Service for Management Innovation
ICTソリューション導入に合せた業務面の見直しや社内ルールの整備は…
是非、当社にご相談ください
ご清聴、ありがとうございました。
Management Innovation by ICT Solution
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CIOパートナーズ株式会社
〒550-0014
大阪市西区北堀江 1-19-8
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06-6599-8661
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