平成26年度事業報告 - 日本船舶機関士協会

平成26年度事業報告
Ⅰ.組織と財政の現状
1.正会員の推移
平成 26 年度の入会者は 42 名(準会員 1 名を除く)、退会者は 74 名で、差し引き 32
名の減少となり、平成 25 年度末 1,114 名であったものが平成 26 年度末で 1,082 名(外
国人会員1名及び準会員 8 名を除く)となった。
2.正会員の会費納入状況
正会員会費収入については、平成 26 年度対象者数の内訳は、満 65 歳未満会費 18,000
円(941 名)、満 65 歳以上満 70 歳未満会費 12,000 円(40 名)、終身会費 50,000 円
納入者(5 名)、満 70 歳以上会費不要(128 名)となり、したがって、平成 26 年度の
会費納入額は、17,858 千円となった。予算対比では 480 千円の増収となり、前年度実
績対比では、778 千円の減収となった。年間予算の 38%となる。
3.賛助会員の現状
平成26年度も引き続き、各船社、団体へ賛助会員の新規加入や賛助会費の口数の増
加要請を積極的に推進して来たが、先行き不透明な状況もあり、3法人が入会、1法人
が退会、平成26年度末で賛助会員数は合計97法人となった。その結果賛助会費として、
前年度比60千円の減収となり、5,320千円となった。
4.基本財産の現状及び利息収入
基本財産の総額は平成26年度末現在60,000千円であり、その利息は766千円となった。
一般社団法人移行に伴い、利子所得として一律20%(うち所得税15%、住民税5%)課
税され、源泉分離課税方式に従って、金融機関で天引きされた結果である。
5.補助金等の収入
平成26年度は一般社団法人日本船主協会からの受託事業「舶用潤滑油の管理教本(日
本語版)
」の制作及び「故障調査表の収集」の受託金として3,000千円を受領した。
国際船員労務協会からの受託事業「故障事例集の DVD 及び教本(英語版)
」(2 年間で
実施)制作の受託金として、15,200 千円を受領した。
(一財)日本海事協会との共同研究事業(平成 25 年 10 月 1 日からの 2 年間実施)
で委託料として、平成 26 年度は 1,728 千円を受領した。
この結果、平成26年度の受託金、助成金及び補助金等の収入は合計19,928千円とな
った。
Ⅱ.事業運営の概要
1. 関係団体との協力及び委員会等への参画
従来どおり、当協会から下記の委員会等に委員、理事、評議員、監事として参画し、
積極的に船舶機関士の立場から、助言、意見を反映しながら、船舶の安全運航及び自
然環境保護に寄与する運営を展開した。
・一般財団法人海技振興センターの「HTW 調査検討委員会」(STCW から名称変更)に昨年
度に引き続き参画
・公益財団法人海技資格協力センターの「教材検討委員会」及び「同機関分科会」に
昨年度に引き続き当協会から委員として参画し、海技免状更新講習・失効再交付講
習用テキスト「海技と知識」の改訂に協力
・公益財団法人日本殉職船員顕彰会の理事、評議員及び催事専門委員会及び実行委員
会に昨年度に引き続き当協会から委員として参画、戦没・殉職船員追悼式に協力
・一般財団法人日本海事協会の「海技委員会」に当協会から委員として参画
・公益財団法人海難審判・船舶事故調査協会の評議員として参画
・公益財団法人海技教育財団の評議員として参画
・公益財団法人日本海事広報協会の監事として参画
・一般財団法人日本海洋レジャー安全・振興協会の理事として参画
・公益財団法人船員雇用促進センターからの要請により、海技に関する有識者に委嘱
・一般財団法人日本船舶技術研究協会からの要請により委員会やWGに参画
2.舶用機関技術等に関する調査研究事業
1)
「舶用潤滑油の管理の教本(日本語版)」の制作
平成 26 年度は一般社団法人日本船主協会の受託事業として「舶用潤滑油の管理の
教本(日本語版)」を制作し、200 冊を納入した。
2)
「故障事例集の DVD 及び教本(英語版)」の制作
平成 26 年度は国際船員労務協会からの受託事業として、2 年間で制作している。2
月末には、DVD 制作中の進捗状況を中間報告した。
なお、国際船員労務協会と教育教材の作成販売に関する確認書を結んだことにより、一
定の条件を前提に、一定期間が過ぎた成果物の販売が可能になったので、販売用の原本
手直し作業を開始した。
3. 故障情報の活用に関する調査研究事業
平成 26 年度一般社団法人日本船主協会からの受託事業として、
「故障情報活用に関する調査研
究事業」を下記のとおり実施した。平成 27 年 2 月末に「故障情報データベース」DVD1 枚、報
告書 1 部及び「故障調査表によるデータ分析」報告書 CD200 枚を納入した。
① 故障調査委員会における「故障調査表」の収集取り纏め
前年度と同様に日本船主協会(協力会社)から日本船主協会加盟船社 101 社に要請した。
非加盟船社へは関係会社 11 社、関係団体1社に、11 月末を締切りにして7月中に故障調査
表を送付した。その結果、平成 26 年度は 383 件の故障情報を収集できた。
②故障調査表及び技術誌「マリンエンジニア」故障事例のデータベース化
平成 26 年度は、技術誌「マリンエンジニア」掲載件数 23 件の情報収集を加え、計 406 件
の故障情報を整理、展開した結果、340 件を加え、データベース総数は 6,013 件となった。
③本年度は約3年毎に実施している「故障調査表によるデータ分析」調査を行い、報告書を作成し
た。
④故障調査委員会では、データベースのソフト Access では、新規 OS での対応や Access の普及
度合いの低下を考慮して、Excel 型式で報告するように変更した。また、データベースのソフトを
Access から Excel へ変更することについても検討を行っている。
⑤ 入力作業の関係から故障調査表の収集時期を 1 か月程度前倒しすることとした。
4.技術誌「マリンエンジニア」の発行
平成26年度も毎月発行した。内容は故障事例(年間23件)、技術資料を主軸とし、IMOの
動向、海事法規等を掲載し、情報の共有化を図った。技術誌の編集、発行は、広報委員の
モニターシステムを活用しながら、広報委員会が中心になり行ったが、「マリンエンジニア」
の原稿執筆は、理事、各委員会委員及び世話人等に依頼した。
会員要望のインターフェイスの軽量化を目的に、広報委員会で機能や内容などの全体
的な検討を行って改訂したホームページは、1 月末から 3 月末まで現行ホームページと並
行掲載し、4 月に切り換えた。各位のご意見を頂き改良を重ね有効活用を図っていく。
5. 技術講演会の開催
京浜地区では、平成 26 年 11 月 18 日(火)に海事センタービル 201/202 会議室に
て、演題を「省エネに関する船社取組」として、講師に株式会社商船三井常務執行役員
井上 孝昭 氏を迎え、参加者 56 名と盛況であった。
阪神地区では、平成 27 年 1 月 21 日(水)に海洋会神戸支部会議室にて、演題及び
講師を下記として、
① 演題「中速ディーゼルエンジンにおける環境規制への対応」として、講師にヤンマ
ー株式会社 特機エンジン事業本部開発部先行開発部グループリーダー濱岡 俊次
氏
② 演題「舶用ガスエンジンについて」として、講師にヤンマー株式会社 特機エンジ
ン事業本部開発部第二開発部 設計第二グループグループリーダー西田 和生 氏
実施し、参加者 41 名と盛況であった。
講演内容は技術誌「マリンエンジニア」に、及び動画をホームページに掲載した。
6.省エネ支援事業
平成 26 年度も、昨年同様、船舶管理(SEEMP)を加味した収益事業として継続し、
受注時のみの費用発生とし、常時収支バランスさせることにした。技術誌「マリンエ
ンジニア」にて、事業の宣伝を実施したが、環境は厳しく、今年度は依頼がなかった。
*省エネ診断実務研修講座(個人向け及び会社向け)
*省エネルギーと船舶管理に係るコンサルタント業務
*内航船舶のエネルギー診断事業
7.(一財)日本海事協会の受託事業「船体運動を考慮した機関・船体情報統合型船載モ
ニタリングシステムの開発事業」
共同研究参加者(6 社)で、平成 25 年 10 月 1 日から平成 27 年 9 月 30 日までの 2 年
間継続している。
当協会は事務局として窓口業務及び機関関連事項のサポート業務を実施している。
平成 26 年度は 10 月末までに共同研究の中間報告を提出、一般財団法人日本海事
協会から委託料として、1,728 千円を受領した。また、データ採取内容や取り込み画
面を検討し実験向け準備をし、実船実験を開始した。
8.機関長・士の労務問題に関する調査研究事業
平成 26 年 12 月 2 日労働委員会を開催し、議題を「第 75 回全日本海員組合全国定
期大会の結果報告」とし、昨年に引き続きテーマを「船舶機関士を取り巻く労働問
題について」とした意見交換会を実施し、この内容を技術誌「マリンエンジニア」
2月号に掲載した。
また、技術誌「マリンエンジニア」に掲載する労働問題の執筆を持ち回りで労働
委員が担当した。
9.船舶機関士の育成、広報活動
昨年度、船舶機関士向けに実施したアンケート調査結果を踏まえ、現場船舶機関
士からの働きかけが重要との認識から、就学生に対する以下の新規広報活動を実施
した。
・三級海技士(機関)受験コースを有する水産高校 13 校への「マリンエンジニア」
寄贈
・
(一財)全日本海員福祉センター及び全日本海員組合 J-CREW への後援
・東京海洋大及び神戸大海事科学部の行事への協賛
・全日本海員組合「海員」2014 年 6 月号に当協会の紹介記事掲載
・
(独)航海訓練所の練習船青雲丸の機関実習生向けに平井会長の講和実施
・新規入会会員向けに「船舶管理 基礎編 CD-R(日本語版)
」寄贈
Ⅲ.会議の開催等
事業報告の附属明細書をご参照。