平成23年度特定課題研究費実績報告書 研究代表者 研究分担者 所属 電子情報工学コース 職 教授 氏名 所属 職 氏名 所属 職 氏名 所属 職 氏名 大川 典男 (和文)通信用受信回路の低消費電力化の研究 研究課題名 研究種目 (英文)A study for reduction of the power consumption of high-speed transmission receivers 重点課題研究 研究実績の概要 本研究課題を遂行するため、今年度は以下の項目について検討を進め、成果としてまとめた。 (1)通常の抵抗負荷に対して、モノリシックIC化を図る時に小型化、高集積化が期待できるFET 負荷(電流源負荷、ダイオード接続負荷)を用いたソース接地増幅回路について、APIを用いた性 能評価の詳細検討を行い、FETを電流源負荷として用いた場合、抵抗負荷の場合よりもAPIを5倍大 きくできることを明らかにした。ただし、電流源負荷のAPI最大値での帯域減少は抵抗負荷の場合 よりも大きいため、抵抗負荷と同等の帯域を確保するという前提条件において電流源負荷のAPI最 大値を求めたところ、抵抗負荷の1.2倍のAPI値を得ることができ、電流源負荷の優位性を明らか にした。 (2)FETを電流源負荷としたソース接地増幅回路において、電圧-電流形の帰還をかけた場合の 性能評価の基本検討を行った。無帰還時に利得を10dB確保する条件において、帰還ループに帰還 抵抗Rfのみを挿入した場合は、基準となる無帰還時のソース接地増幅回路のAPIを上回ることはで きなかった。帰還ループにRf+Lf(帰還インダクタンス)を挿入した場合は、1.1倍のAPI値を得る ことができたが、帯域増加(2.8倍)が、帰還による利得低下(0.39倍)を上回ったためであるこ とを明らかにした。 (3)汎用回路シミュレータであるPSPICEにおいて、短ゲート長MOSFETを表現するデバイスモデ ル(BSIM3)の適用性を検討した結果、DC解析によるFETの静特性(Id-Vds特性)については適用可 能であるが、AC解析による周波数応答特性については、適用できないことを明らかにした。 研究発表(論文、著書、講演等) (1)大川、本田、中川、“論理回路シミュレーション、試作による擬似ランダム信号発生器の基本 検討、” 東京都立産業技術高等専門学校研究紀要 第6号、2012. (2)大川、東出、船橋、“FETを負荷として用いた帰還増幅回路の性能評価、” 電子情報通信学会 2012年総合大会、C-12-62、2012. (3)大川、船橋、東出、針谷、“FETを負荷として用いたソース接地増幅回路の性能評価、”電子 情報通信学会2011年ソサエティ大会、C-12-1、2011 その他(教育活動・OPCへの貢献、特許等) 電子情報通信学会東京支部学生会研究発表会への発表: (1)鈴木、大川、”短ゲート長MOSFETモデルを用いたソース接地増幅回路の検討、”講演番号 、2012. (2)東出、大川、”電流源負荷によるソース接地及び電圧-電流形帰還増幅回路の性能評価、”講 演番号 、2012. (3)船橋、大川、”電流減負荷を用いた電流-電圧形帰還増幅回路の性能評価、”講演番号 、 2012. (4)本田、大川、”CMOSFETを用いた符号誤り率測定回路の基礎検討、”講演番号 、2012. 模擬授業への展開:テーマ名;シミュレーションによる回路設計入門
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