附小だより12月号(pdfファイル

12 月号
神戸大学附属小学校
2015_11_30
「ステージ」に向き合いながら
副校長 梅本 宜嗣
11 月 21 日(土),単元「仲間とともに『願い』をこめたステージをつくりあげよう」の鑑賞日を行ないました。多
数のご来校とご鑑賞,ありがとうございました。今年は,保護者も子どもたちも同時に鑑賞する形態で実施しました。
願いをこめて演じる様を一時に味わい,思いを表出し受け取るその空間を共有していけたらとのことでした。皆様方
には趣旨をご理解いただき,スムーズな会場運営を行なうことができました。心より感謝申し上げます。
10 月末から,鑑賞日というゴールを見据えて,子ども達の取組は活性化していきました。高学年のある男の子にそ
の様子を聞くと,このような答えが返ってきました。
「僕は,音響のプロジェクトをしている。BGM とか歌とか決め
ていくんやけど,なかなか大変やねん。みんないろいろ言うし,それぞれ聞いてたらそれもそうやなあって思うし。」
プロジェクトのまとめ役として活動する彼の苦労とともに,彼の内に育まれている責任感に心を打たれました。そし
て,それが“やりがい”として結実するようにと願いました。
それぞれがしっかりと考えをもち,それを出し合って一つのものを創り上げることは,素晴らしいことですが,容
易ではない場面も多々出てきます。子ども達の日頃の様子を見ていても,見通しは大きい局面で共有することはさほ
ど難しくはありませんが,細部へと進行していくにつれ,当然ながら各々のこだわりもあるため,専有された願いが
相容れなくなることも起こります。これは,私たちの家庭や社会一般でも,さほど大差のないことです。
「ステージ」で演じられた一つ一つの演目は,こういったことを一定程度解決し,共有をはかった成果です。冒頭
の彼が言うように,話し合い,一つにまとめるのは大変で,であるからこそ,相手の思いを理解し,折り合いをつけ
共同して活動することは,大変価値があるといえます。解決の方途があること,そして,自分の周囲の仲間へ,解決
へと共に歩むパートナーとしての信頼を寄せるからこそ,ゴールへとつないでいける活動であるのでしょう。子ども
たちそれぞれが,今回の活動を通して,手ごたえを感じているところであると思います。
幼稚園とともに取り組む研究開発では,
「初等教育要領」の開発を目指しています。そこでは,
「グローバルキャリ
ア人」として生きる子どもたちに育むべき 3 つの資質・能力をあげています。
「ステージ」における一連の取組で,
子どもたちには,その内の「社会的資質・能力」が育まれてきていると考えます。様々なかかわり合いの中で自分を
見つめ,したいことやすべきことを自分で決め,よりよい生き方をめざそうとする「自分の生き方」や,人とかかわ
ることを通して,他者の思いや考えに気付き,よりよい関係をつくろうとする「人とのつながり」にあたる資質・能
力です。幼稚園と小学校の 9 年間一貫して育みたい資質・能力であると考えています。
子ども達の日々の生活や学習は,問題解決の連続です。自分の力で,時には友達と力や知恵を寄せて,子どもたち
は解決へと進みます。地球規模で持続可能な社会を形成する主体者である「グローバルキャリア人」として歩むこと
はまさに,問題への当事者感を共有し,解決を先送りすることなく向き合う営みの連続であると考えます。本校で実
施した,有能感,共感性,学習動機に関する心理尺度を利用した調査でも,学業に関する自信とともに,人間関係に
関する自信,領域に特化しない全体的な自己信頼感が高まっていることが明らかにされています。
「ステージ」にとど
まらず,様々な場面でこのような子ども達の営みを支援していることによるものでもあると思います。
「小道具プロジェクトで,郵便のバッグや小包を作りました。材料がなかなか集まらなくて困ったけど,最後には
できました。1 人の力は小さいけれど小道具の 6 人の力は強いと思いました。」2 年生の子どもから語られました。今
回のテーマは「協力」です。協力して課題を解決したエピソードとして,最後にご紹介しました。
仲間とともに『願い』をこめたステージをつくりあげよう
日 曜
12 月の行事予定
3年生の心に残る淡路島
オープニング
「なかま星」をすくった2年1組
(3年生)
キセキの森
(1年生)
(2年1組)
1
火 入学選考準備(14時下校)
2
水 入学選考 検査Ⅰ 自宅学習日
3
木 入学選考 検査Ⅱ 自宅学習日
4
金
5
土 合格発表 第1回新1年生保護者会
6
日
7
月 委員会⑦
8
火
9
水
10 木
11 金 参観デー
12 土 参観デー、学級懇談会④、弁当日
13 日
14 月
新しい町に(*^_^*)
宝石とうなん事件
(5年1組)
(2年2組)
15 火 オープンタイム(3年)
16 水
17 木
18 金 6年生休業日
19 土 中等教育学校連絡進学適性検査(6年)
20 日
21 月
22 火 冬休み前の会、給食終了
23 水 天皇誕生日
リバティー王国 未来編
協力Happiness 大作戦
(4年生)
(5年2組)
24 木 冬季休業日
25 金
26 土
27 日
28 月
29 火
30 水
31 木
12年後のキミは今…(6年生)
1月の主な行事予定
7日(木) 冬休み明けの会、給食開始
8日(金) 発育測定5・6年
12日(火) 6年生休業日(~15日)
発育測定3・4年
13日(水) 発育測定1・2年
18日(月) 委員会⑧、防災訓練・震災講話
21日(木) 書き初め展(~22日)
プロジェクトのみんなも頑張りました!
メディアスペースの貸出システムの変更について
10 月 26 日(月)よりメディアスペースの貸出システムを一部変更しておりま
す。これまでは,児童の情報をメディアスペースで一括管理しておりました。
しかし,貸出の際に誤入力が多く,正しく図書を管理することに難しさがあり
ました。そこで,本校においても公共図書館と同様に貸出カードによる貸出を
開始いたしました。そこで,全校児童に貸出カードを配布しております。貸出
カードを紛失した場合は再発行を行うために 100 円を徴収させていただきま
す。学校では,子どもたちが自分で責任を持ってカードの管理ができるように
声かけをしております。ご家庭におかれましても,持ち物の管理について今一
度お話していただき,ご協力いただけると幸いです。どうぞよろしくお願いい
たします。
お待たせしました。6年生の宿泊活動の様子をお知らせします。
第6学年 「東北から日本の魅力と課題を見つめよう」<東北地方:宿泊活動
三内丸山遺跡では、縄文
ワラッセで
時代の人々の暮らしや
東北の人に ねぶた
工夫を知ることができ
のお囃子の太鼓を
ました。例えば、わざと
教えてもらいなが
柱を焼くことによって、
ら話をしている時、
強い柱を作っていまし
あたたかいと思い
た。
ました。
宮沢賢治童話村。一冊でも
広大な自然、小岩井
本を読んでいたら宮沢賢治
農場で育った牛の
の世界観を楽しめると思い
濃厚な牛乳で作っ
ます。真っ暗な部屋や大き
たソフトクリーム
なアリ・・・など、私は銀
がおいしかったで
河鉄道の夜の列車に乗り、
す。
賢治の世界を楽しみまし
た。
仮設住宅を訪問して、
津波の被害で今しんど
ニュースを見た
い思いをしている人び
り、聞いたりする
とが、仲間と助け合い
よりも、それ以上
ながら楽しく暮らして
に恐ろしさを感
いる姿が魅力的だと思
じました。課題は
いました。
「大丈夫だ」とい
う人間の甘い心
わんこそばを食べる時、3
だとわかりまし
×5 の 15 杯分が御盆に入っ
た。被災した防災
ていて、お椀が空になると
対策庁所をその
どんどん入れてくれまし
まま置いている
た。その 15 杯を食べ終わ
のは災害で実際
った時、
(入れてくれる人
に起こったこと
が新しい御盆を取りに行
を風化させずに
く間)少し休めるのでほっ
伝えていくため
としました。入れてくれる
だそうです。
人が鬼に見えました。(笑)
宿泊活動後は
①募金活動
②誘致活動
(東北地方への旅行者を増やす)
③広報活動
(防災・復興等の
学習したことを外に広げる)
の3つのグループに分かれて
学習を広げ、深めています。
10月12日〜16日>