第 27 回は、「検査の放射線量」 について考えてみたいと思います。 放射性物質は、人体に影響を与える危険性があり、健診で受ける検査の放射線被ばく線量を気にされてい る方も多いかと思います。しかしどの検査でもメリット・デメリットがあります。放射線被ばくをむやみに恐れる のではなく、正しく理解したうえで行動することが大切です。 放射線の被ばく線量を示す単位として、Sv(シーベルト)が使われています。Sv は放射線が「人」に当たった 時にどれくらいの影響があるかを表します。 15 各 1 回撮影された場合の目安(実行線量) 100 14 放射線を浴び過ぎると DNA や細胞内の分子が損傷 13 するなど、健康被害に繋がりますが、その量は 100 12 mSv(ミリシーベルト)といわれており、それ以下であ ※性別、体格によって増減します 11 腹部 CT 検査 約 10mSv 胸部 CT 検査 7.8mSv 胃部レントゲン検査 約 3mSv 10 10 9 れば人体に影響は現れないと言われています。 「医療 被ばく」や「自然放射線被ばく」で障害が出ることは 8 まずありません。 57 6 2.4mSv 1 人当たりの自然放射線量(年間) 5 14 放射線は宇宙が誕生した時から存在していて、普通に生活 乳腺マンモグラフィ検査 0.2mSv 3 などから、自然と放射線を受けています。 胸部レントゲン検査 0.06mSv 1 骨密度検査 0.01mSv しているだけでも、私たちは宇宙から、大地から、食べ物 2 0 mSv 0.19mSv 東京-ニューヨーク間飛行機(往復) よって当健診センターでの様々な検査で浴びる放射線量 よって当健診センターでの様々な検査で浴びる放射線量は、例えば人間ドックを受診した場合、胸のレントゲン、 ①例えば人間ドックを受診した場合、 胃部レントゲン、骨密度検査⇒計 5.05mSv 胸部レントゲン検査、胃部レントゲン検査、骨密度測定検査⇒合計 約 3.07mSv 人間ドックにオプション項目(マンモグラフィー検査、胸部CT検査)を追加した場合 ②人間ドックにオプション項目(乳腺マンモグラフィ検査、胸部CT検査)を追加した場合、 放射線量は上記 3 項目 5.05mSv、マンモグラフィー3mSv、胸部 CT 2mSv⇒計 10.05mSv となります。 上記 3 項目検査(①)+乳腺マンモグラフィ検査、胸部 CT 検査⇒合計 約 11.07mSv このように、人間ドックでの検査において被ばくする放射線量は、健康に影響を及ぼす可能性のある量に至らな いと考えられます。また、放射線を使用した検査は病気の早期発見や病気の状態を知るために必要な場合もあり ます。無害であると言い切ることはできませんが、適切に使用すればメリットにもなり得ます。正しい知識を持 って安心して検査を受けていただければと思います。 放射線物質は時間の経過とともに減少する性質があります。光を浴びるのと同じで、放射性物質が身体に残る ことはありません。放射線物質は時間の経過とともに減少する性質があります。体内に入った放射性物質は代 謝や排泄などの生物学的な仕組みにより体外に排泄され、減少していきます。 参考資料:放射線医学総合研究所HP 等 中日病院 健診センター
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