松之木愛香

松之木
愛香(MD アンダーソンがんセンター)
2009 年 7 月より、米国テキサス州ヒュ
ーストンにある The University of Texas
M.D. Anderson Cancer Center, Department
of Cancer Biology での基礎研究留学の機
会 を 得 ま し た 。 M.D. Anderson Cancer
Center は、全米1、2 位のがん専門病院
として日本でもその名を知られている
ことと思いますが、私の所属する
Cancer Biology を始めとした基礎研究施
設の一部は、本院のあるメインキャン
パスから車で 10 分程度のサウスキャン
パスに所在しています。
私は、外科医として乳癌診療に携わった経験から、癌の基礎研究の知識・経験を
得たいと考え、若手研究者インターナショナル・トレーニングプログラムに応募
しました。今回、Cancer Biology の Dr. Fidler の研究室に所属し、マウスの乳癌転
移モデルを用いた研究を行うことになりました。ラボには様々な年齢、国籍のス
タッフ、ポスドク、テクニシャン合わせて 14 名が在籍しています。ラボ以外に
も動物実験施設や病理部門のスタッフのサポートがいつでも得られる恵まれた環
境に囲まれ、研究に専念させていただいています。
Cancer Biology 全体では、週に一度、各研究
室のスタッフ、ポスドク、大学院生が現在
進行中の研究内容を発表し、フレンドリー
ながら活発な討論が行われます。外部から
のゲストの講演や、M.D. Anderson の他の部
門の臨床・研究成果の発表も頻繁に行われ
ています。実験の一方で最新の臨床の知識
に触れることができるのは、M.D. Anderson
ならではと言えますが、基礎研究と臨床、
両者のバランスをとることの難しさを感じ
ています。今後アメリカの医療制度は大き
な変革期を迎えることになりそうですが、現代医療の抱える問題を日本から離れ
て見ることも良い経験になるのではと感じています。
最後になりましたが、このような機会に恵まれたことに深く感謝しています。来
年度も引き続き多くのことを吸収したいと思います。
実験の様子