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エレミヤ書
2015年 4 期
名古屋、岐阜、犬山、瀬戸、四日市
第1課 預言者としてのエレミヤの召し
平田和宣
10月3日
はじめに
エレミヤ書を学ぶに当たり時代背景を確認します。彼が預言者として活躍したのは南王国ユダで
した。期間は紀元前 626/627 年からの約 40 年間。イスラエルは南北分裂時代に入り約 300 年が経過
しており、北王国イスラエルは既に約 100 年前に滅亡。南王国ユダも未曾有の背教の時代を迎え、
信仰・政治・生活が乱れ滅亡が迫っていました。その時代の王は宗教改革者として有名な善王ヨシ
ヤに始まりましたが、その後ヨアハズ(エホアハズ)、ヨヤキム(エホヤキム)、ヨヤキン(エホヤ
キン、エコニヤ)
、ゼデキヤと悪王が 4 代続き、バビロンの襲撃を受け滅亡。そのような時代に悔い
改めの促しと滅びの宣告をするために預言者として召されたのがエレミヤでした。
日曜日
預言者たち
預言者の働きは、未来に起きることを予告すること、と取られがちですが、それは働きの一部。
神の御言葉、神の御心を伝えるべき人に伝える。読んで字のごとく「言(ことば)」を神から預かる
働きです。反対に、自分自身の考えを神の言葉として人に伝えるのは、偽預言者です。エレミヤの
時代は理由なく人々を安心させようとする偽預言者が、人々を悔い改めから引き離していました。
月曜日
エレミヤの家庭背景
エレミヤの出身地アナトトが列王記上 2:26 に。イスラエルの統一王国時代にソロモンが王位を
継承した際、謀反に加担した罪で祭司アビアタルが祭司職から解雇され、帰郷させられた先がアナ
トトでした。そこは寒村(寂しい貧しい村)なので、幾つもの家系の祭司が住んでいるとは考えに
くいとのことから、エレミヤはアビアタルの子孫ではとの考え方があるようです。いずれにしても
アナトトの人々も預言者エレミヤに敵意を表わすようになっていきます。悲しいことです。しかし、
幼少の頃から受けた祭司職のための訓練は、エレミヤにとって信仰を養う有益な経験となりました。
火曜日
預言者としてのエレミヤの召し
「神は若いエレミヤをご覧になって、彼が信頼にこたえ、大きな反対に遭っても正義のために立
つ者であることを認められた。彼は幼少時代に忠実であった」(『国と指導者・下』29 頁)。「エレミ
ヤは生まれつき臆病で尻込みする性質だった…彼の心は罪が引き起こした荒廃状態を眺めて、激し
く痛んだ。…しかし、忠実な預言者エレミヤは、日ごとに耐える力が与えられた」(同上、41 頁)。
水曜日
気乗りしない預言者たち
全ての預言者ではないにしても、エレミヤだけでなくモーセやイザヤも、働きに神から召された
時、尻込みしています。そう言えば、エレン・G・ホワイトもそうでした。なぜ尻込みしたのか。働
きの重大さ・困難さをある程度理解し、それに見合った力有る自分ではないと感じたからです。し
かし神はその有り様を良しとし、彼らを選ばれた。自分ではダメだから神にとことん頼る。彼らは
そのような人達でした。背水の陣の心境で神の約束にすがり続け、そして役割を果たし、神の御栄
光を表す人生を送っていきました。私達もそれぞれの人生で、彼らのようでありたいですね。
木曜日
アーモンドの枝
エレミヤは預言者として、聖霊の力によって、忠実に権威をもって、語るべき言葉を語るべき相手に
語る必要がありました。結果は神に委ねて、です。しかし「神に立ち返れ!」と涙しつつ働いたにもか
かわらず、残念ながらユダ王国は滅亡。働きは失敗だったのでしょうか。しかし神がエレミヤに求めて
おられたのは、敵意をあらわにしてくるユダの民に、忠実に神の御心、神の言葉を伝え続けることでし
た。結果は神に委ねるべきもの。悪戯にエレミヤの働きが失敗だなどと言うことは決してできません。