64ビット化でパワーアップした Vectorworks 2015、 P300とP500どちらを

Lenovoがお勧めするWindows.
Lenovoがお勧めするWindows.
ThinkStation P300/P500の最適構成は?
はベーシックなスペックで揃えるという構成もできるだろう。
以上のことから、Vectorworks2015では、
まずはメモリー容量を上げる
なお、ThinkStation P300はVectorworksの開発元であるNemetschek
ことが良好なパフォーマンスを得る近道といえるだろう。CPUや本体のラ
Vectorworks, Inc.の認証を取得している。快適に動作するスペックの選
ンクを上げるよりもThinkStation P300でメモリー容量を多めに構成し、
択はもちろんのこと、その上で動作が確認された機種を選ぶという安心
グラフィックボードは処理に合わせて最適なものを搭載することが基本
感も選定ポイントとして検討していただければと思う。
的なスペックの選び方となる。
協力:エーアンドエー株式会社
その上でベース構成としては、ThinkStation P300にグラフィックボー
ドを搭載、4コアCPU、8GBメモリー。次にワンランクアップの構成とし
ThinkStation完全検証
64ビット化でパワーアップした
Vectorworks 2015、
P300とP500どちらを選ぶ?
てThinkStation P300に16GBメモリー、
グラフィックはNVIDIA Quadro
K2200程度がおすすめとなる。
最新3D CADソフトでは次々と64ビットOSへの対応化が進んでいる。
さらにレンダリング重視のハイスペック構成には、6コア以上のCPUが
その中でも店舗設計をはじめとするインテリアデザインや舞台設
あるインテル® Xeon® プロセッサー E5-1600 v3を搭載するThinkStation
計の分野に人気の一方、3D CADを初めて習う教育現場でも多く
P500も検討したい。32GB以上のメモリー、
グラフィックボードもNVIDIA
の支持を得ているVectorworksが最新版でWindows 64ビットOS
Quadro K4200以上も搭載可能となり、選択できるスペックの幅が広が
への対応を果たし、
よりパフォーマンスをアップさせた。今回は最新
る。複数のマシンがある環境では、すべてをハイスペックにする必要も
ないのでレンダリングを重視したワークステーションを1台設定し、あと
版となるVectorworks 2015の能力を十分に引き出すことのできる
ThinkStation P300 Tower/SFF
ThinkStation P500
ThinkStationのスペックについて、
日本国内の販売元、
エーアンドエー
(A&A)株式会社 マーケティング本部 ソリューション商品販促部 次
エーアンドエー株式会社
Vectorworks 2015の製品群
長の福原弘之氏にお話を伺った。
〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台2-3-15
エーアンドエー株式会社は 1984年設立以来、
「よいものは使おう!無いものは創ろう!」をモットーに、主に建築デザイナー
Vectorworksとは?
クチップなどでも動作していたが、2014年版からはQuadro等のグラ
まず、最初にVectorworksについて説明しておくと登場は28年前のア
フィックボードが必須となったこと。現在はグラフィックボードなしでの
歩を固めている。
URL:http://www.aanda.co.jp/
メリカで、
日本にはその数年後、1989年から導入されているソフトウェア
動作は推奨していないという。そして、いよいよVectorworks 2015では、
だ。当時はMiniCADという名前だったが、のちにVectorworksと名前が変
64ビット化を完成させている。
向けのソフトウエア開発をてがけ、その中でも2D/3D-CAD Vectorworksは、デザイナーのための CADとして業界標準の地
ThinkStation完全検証では、
レノボのワークステーション「ThinkStation」について、実機での検証やプロフェッショナルの方へのインタビューを行い、
わり、現在まで続いている。
インテリア、舞台デザ
Vectorworks2015では64ビット化、
大きなデータを円滑に展開
イン、プロダクトデザ
新バージョンが出るたびに進化を進めていったVectorworksだが、今
インなどの 幅 広 い 設
回登場した 2015 ではいよいよ64ビット化を実現した。A&Aの福原氏は
計分野に多く使われ、
これまで32ビットOSで制約を受けていたメモリーの使用環境について
舞台デザインの分野
向上されたことが特徴と指摘しており、
「日々、設計分野でのデザインは
では、照明計画や、舞
進化しており、
より独創性豊かなデザインが求められています。そのデザ
台の装飾デザインな
イナーのみなさんにとって、作業性の向上や、効率化につながる機能拡
どにも利 用されてい
張については大変喜ばれるものと思います。」
と話された。
る。また 、昨 今 で は 、
全体の安定性や、作業性の向上なども上げられるが、64ビット化の恩
現在は、意匠、店舗、
その魅力を深く掘り下げてご紹介します。ThinkStationポータル http://www.lenovojp.com/thinkstation でご覧いただけます。
Vectorworks 2015と今回製品を解説していただいた
A&Aの福原氏
Vectorworksが得意とする3Dモデリングの機能を活かし、3Dプリンタな
恵を最も受けたのは3Dレンダリングで、
ソフトウェアが利用できるメモ
どとの連携によるものづくりにも注目されている。
リー(RAM)が大きくなったことで、大きく複雑なデータを安定してレンダ
一方で大学や専門学校の授業で使われることも多く、ある調査では
リングできるようになったという。
CADの講義を本格的に行っている学校で最も多く使われているソフトと
代表的なものとしては、複雑な建物内部を歩き回るような視点で展開
している。CADの入門者が触れることの多いソフトということでもあり、
する
「ウォークスルー」
という機能があるが、
これまではメモリーオーバー
Vectorworksの潜在的利用者はかなり多い。
フローを起こして止まってしまうような複雑なデータ
Vectorworksは海外でつくられ日本でローカライズを行い販売されて
も取り扱いができるようになった。
いるソフトウェアではあるが、日本の建築市場向けには、利便性に優れ
た専用プラグインソフトをエーアンドエー社が開発している。その代表
的なものには、産学共同の研究開発による熱環境や、群衆の行動などを
シミュレーションできるものや、日本の建築設計支援を目的とした日影
計算が行えるプラグインがある。
インテル® Xeon® プロセッサー E5 ファミリー搭載
Microsoft、Windows、Windowsロゴ は、米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登錄商標または 標です。Intel、インテル、Intel ロゴ、Intel Inside、Intel
Inside ロゴ、Intel Atom、Intel Atom Inside、Intel Core、Core Inside、Intel vPro、vPro Inside、Celeron、Celeron Inside、Itanium、Itanium Inside、Pentium、Pentium Inside、
Xeon、Xeon Inside、Ultrabook は、
アメリカ合 国および/またはその他の国における Intel Corporation の 標です。 広告内容は、2015年2月2日時点の情報です。
Lenovo、
レノボ、
レノボロゴ、ThinkPad、ThinkCentre、ThinkVision、ThinkVantage、Rescue and RecoveryはLenovoの商標。
〒101-0021 東京都千代田区外神田四丁目14番1号
秋葉原UDX
こういった機能を持っているVectorworksだが、2014年のバージョン
から大きく変わったことがある。
これまではプロセッサー内蔵グラフィッ
Vectorworks 2015の特徴について説明するA&Aの福原氏
インテル® Xeon®
プロセッサー
E5 ファミリー搭載
Lenovoがお勧めするWindows.
インテル® Xeon® プロセッサー
E5 ファミリー搭載
メモリーやCPUの動作周波数を重視したい
具体的には、A&Aの福原氏のよる測定結果の表を見てほしいが、例え
ばCPU依存度の高い「仕上レンダリング」の速度はCPU、メモリー、の順
に速度が変化していることがわかる。
ウォークスルーで再現可能な建物内部。
タス
テストデータの概要
データ容量:129MB
光源点数:8個
画面表示倍率240%
クマネージャーで使用しているメモリー量を
参考までに表示しているが、
ウォークスルー
を開始すると使用率が増えている。4GBを
超えて利用できるのも64ビット版ならでは。
Courtesy of Stephan Mönninghoff,
extragroup GmbH
また設計対象の内部を輪切りにして、建物なら配管の位置関係まで理
ThinkStation P300とThinkStation P500とでは搭載できるCPUが異な
解しやすくなる「クリップキューブ」
という機能も従来からあったものだ
り、上位となるThinkStation P500のほうがより高性能なCPUを搭載でき
が、複雑に作り込みすぎると表示が追いつかなくなる問題が、
グラフィッ
る。ただし、今は高性能だからと言って必ずしも動作周波数が上なわけ
クボードの処理能力アップと64ビット化でメモリーに展開できる領域が
ではなく、コア数が多くなるマルチコアに向いたソフトウェアと、動作周
広がったことで解消された。
波数がパフォーマンスを稼いでいるソフトウェアでその傾向が異なって
テストマシン構成
型番
CPU
装メモリーを追い越してしまい、実装メモリーで不足する分は仮想メモ
カットした断面を表示するクリップキューブ機能がスムースに利用できるのも、グラ
フィックボードと大容量メモリーを扱える64ビット版の恩恵だ
分に発揮できなく恐れがある。
P300
P500
インテル® Xeon®
プロッサー E3-1241 v3
インテル® Xeon®
プロッサー E3-1241 v3
インテル® Xeon®
プロッサー E5-1650 v3
動作クロック
3.5GHz
3.5GHz
3.5GHz
3.9GHz
3.9GHz
3.8GHz
メモリー
グラフィックボード
4
4
6
8MB
8MB
15MB
16GB
8GB
8GB
NVIDIA® Quadro® K620
NVIDIA® Quadro® K620
NVIDIA® Quadro® K620
仕上レンダリング
Renderworks編
(メモリー/CPU依存)
Low3
ブースト時の最大クロック
キャッシュ
リーに頼ることになってしまう。仮想メモリーはHDDなどストレージとメ
モリーの間で頻繁なデータの移動が発生するため、パフォーマンスを十
Low2
P300
コア数
くる。次に今回の64ビット化でさらに重要度を増すメモリー容量だが、
扱う容量が大きくなることにより、データが必要とするメモリー容量が実
Low1
ThinkStation
14:15:00
16:35:02
12:05:12
アートレンダリング(筆/水彩)
6:15:00
6:24:23
6:04:17
陰線消去レンダリング(3Dハッチングモデル)
0:00:38
0:00:42
0:00:52
そのため、64ビット化の恩恵を受けるためには、特にメモリーを多め
にするなどスペックを高くすることが快適な作業環境を整えることが重
そればかりではない。
メモリーに展開できるデータが多くなり処理に余
要。
スペックは高めに構成することが望ましい。
CPUをインテル® Xeon® プロッサー E5-1650 v3とすることで最大のパ
チングモデル)」についても同様で、メモリー増量の効果が良くでてい
裕ができたためブラッシュアップされた機能も多い。たとえばアングル切
一 方 で グ ラフィックボ ード の 選 択 も 重 要 だ が 、処 理 に よって
フォーマンスを得ているが、それよりも8GB→16GBの増量による速度変
る。面白い傾向が出ており、
メモリー量やCPUの動作クロックへの依存度
り替え時にアニメーション表示が可能になった。
アングルが切り替わる瞬
R e n d e r w o r k sレンダリング のようにC P U へ 依 存 度 が 高 い 処 理と、
化に注目してほしい。CPUや本体のクラスを上げることよりも低コストで
が高いせいか、メモリーが多ければインテル® Xeon® プロセッサー E3-
間、従来はパっと一瞬で切り替わるため、
どのアングルからどのアングル
OpenGLレンダリングのようにグラフィックボードへ依存度が高い処理
良好な結果を得ることになっている。
1241 v3でも高速という結果が出ている。
へ変化したのかがわかりにくく、その際に視点を失うこともあった。
ところ
がある。
「アートレンダリング(筆/水彩)」や「陰線消去レンダリング(3Dハッ
が新バージョンではアングルの切り替えの途中経過がアニメーションで
OpenGLレンダリングは3Dオブジェクトの回転や、建物の中を歩き回
わかるようになり、切り替えた場合にどのアングルなのか直感的にわかり
るような動きを伴うレンダリングを得意とするため高速なグラフィック
やすくなった。
ボードを使用することで、
レンダリングの応答性が向上し、滑らかな画面
このほか全体的なことだが、大容量メモリーを駆使できるようになった
表示が出来る。
また、1GB以上のV-RAM、影などの拡張機能を使用するた
ため、全体的なパフォーマンスに余裕が生まれている。
グラフィックボー
めにOpenGL 2.1に対応したボードを選択してほしい。
テストデータの概要
データ容量:181MB
光源点数: 31個
ドに処理を任せない演算処理についても高速化が図られている。
© 2014 Nemetschek Vectorworks, Inc.
All rights reserved.
最適スペック選びは、
やはり利用形態を整理してから
では、最新のVectorworks 2015に最適なThinkStationはどのモデル
テストマシン構成
で、
どのようなスペックが好ましいのだろうか。動作環境に入っているグ
ThinkStation
ラフィックボードやマルチコアCPU、大きめのメモリー容量などなどハイ
最近のソフトウェアの利用と共通するところであるが、パソコンのス
CPU
P300
インテル® Xeon®
プロッサー E3-1241 v3
インテル® Xeon®
プロッサー E3-1241 v3
動作クロック
3.5GHz
3.5GHz
ブースト時の最大クロック
3.9GHz
3.9GHz
ペック選びは使うソフトウェアの特性や利用形態をまず整理した上で、
コア数
利用形態に合わせたスペック強化が必要だ。利用形態に合わせて変化
キャッシュ
するところはまず、CPUの最大動作周波数を重視するか、コア数を重要
メモリー
視するかを決め、
あとは動作に見合ったメモリー容量、必要なだけのスト
グラフィックボード
レージ容量、そしてグラフィックボードとなる。
Vectorworks 2015とThinkStation P300/P500
Vectorworks編(グラフィックボード依存)
High2
P300
型番
スペックであればそれで良いかというと必ずしもそうではない。
Low2
スケッチレンダリング(試案)
4
4
8MB
8MB
8GB
8GB
NVIDIA® Quadro® K620
NVIDIA® Quadro® K2200
0:03:47
0:03:43