I M P R E S S I O N Run and Fun! 2015年モデルの「REGAL 3200」。バウライダータイプの大型ランナバウトだ。走りに定評のあるリーガルボー トの中でも抜群に高い走行性能が自慢。 しかもバウライダーながら個室ヘッドを持つ特別な一艇。夏の海にぴっ たり、魅力いっぱいのボートにアメリカ・フロリダにて試乗した。 photo: text: Takayuki Kijima Kai Yukawa, Regal Boats special thanks: REGAL Japan hhttp://regalboats.jp REGAL 3200 58 59 「爽快な走行性能、圧倒的な加速感!」夏を彩る REGAL BOATS 一味違うボーティングを約束してくれるアメリカン・ランナバウト 爆発的な加速から一気にトップスピードへと至る、爽快で楽し い走行フィーリングが特徴的な「リーガル 3200」 。日本ではなかな かお目にかかる機会の少ないバウライダータイプ(オープンバウ) の大型ランナバウトだ。その加速感はまるでレーシングボートのよ う。それでいて低重心なために非常に安定した走りを見せる。エ ンジンバリエーションにもよるがトップスピードは軽く40kt オー バーをマークする。 このモデルが最初にお披露目されたのは、2012 年秋のこと。 2013 年のブランニューモデルとしてマーケットに投入された。今 回紹介するのは 2015 年のイヤーモデル(2014 年秋発表) 、市場の フィードバックを受けブラッシュアップされたモデルだ。 デッキレイアウトはオーソドックスなセンターウォークスルーの バウライダー。右舷にドライバーズシート、左舷にゲストシートが 配置されたデュアルコンソール形状だ。秀逸なのはランナバウト ながら個室ヘッドを備えていること。左舷のコンソール部分を開く と完全な個室のヘッドが現れる。更衣室としても使え、女性ゲスト を乗せることを考えると非常に利便性が高い。 後部のシートアレンジも面白い。デュアル・ウルトララウンジ (Dual UltraLounge) と呼ばれる後部シートは、フルフラットのサン ベッドから通常の前向きシートポジションまで全部で 6 つのポジ ションにアレンジ可能だ。 その他、外 観 上の特 徴となっているのが、パワータワー (PowerTower) と呼ばれる前傾したレーダーアーチ。シーレイサン ダンサーのスポーツスポイラーを彷彿させるが、このパワータワー はボタンひとつで倒すことができる。ボードラックなどを取り付けて も使い勝手が良く、サンシェードもセット可能だ。その他にも細かな アイディアが多数詰まっており、さすがリーガルという感じだ。 リーガルボートを製造するリーガルマリンインダストリー社 (Regal Marine Industries, Inc.) はアメリカの数あるボートビルダー の中では珍しく、資本的に独立した会社である。アメリカのボート 60 61 広々としたセンターウォークスルーのデッキレイアウト。左舷のコンソールを開くと個室ヘッドが現れる。真夏の海遊びのための快適装備を満載した、 実にリーガルらしいバウライダー。 に好印象だ。まるでレーシングボートのような加速感を得られ、操 デュアル・ウルトララウンジと呼ば れる後部シートは、前向き・後ろ向き シート、サンベッドポジションなど全 部で 6 つのポジションにアレンジ可 能だ。テーブルも装着可能でピクニ ビルダーの多くは離合集散が激しく、大規模なマリンコングロマ ミリー企業である。 縦性も抜群。走らせていて実に楽しい。加えて安定感もあるため、 リットに集約される傾向が続いている。コングロマリットは資金的 現在のリーガルボートは 19ft ∼ 53ft のレンジに、バウライダー、 ゲストを乗せていても不安感は少ない。このあたりの走りの味付 な面でのメリットはあるが、大規模な景気後退(たとえば 2008 年 カディ、デッキボート、エクスプレスクルーザー、スポーツクーペの けはさすがリーガルならではという感じだ。従来のリーガルボー のリーマン・ショック)の影響を受けやすく、名門ブランドが失わ 5 つのラインがある。バウライダーシリーズは最も種類が多く、8 サ トにも数多く試乗したが、個人的にはキャビンタイプのものよりも れる例は枚挙に暇がない。 イズ 14 モデルがラインアップ。その中の最大クラスが今回試乗し 「3200」のようなランナバウトタイプに、リーガルの真髄を感じる。 そんな時流の中で独自の道を歩むのがリーガル社で、現在も創 た「3200」である。リーガルのバウライダーは低重心で高い走行 エンジンバリエーションも豊富に用意されている。いずれも2 基 「リーガル 3200」は、デッキアレンジの多彩さや走りの楽しさだ 業一家であるクックファミリーが経営を続けている。同社の創業 性能が特徴的だが、この「3200」も例外ではない。 掛けで、ガソリン仕様はマークルーザーとボルボからチョイスでき けでなく、さまざまな遊びに対応する使い勝手の良さも魅力だ。た は 1969 年。ポール&キャロル・クック夫婦がリーガルボート社を 「3200」については 2012 年の発表時にも試乗した経験がある 300 ∼ 380 馬力×2 基。ディーゼル仕様はボルボのみで 220 馬力 とえば海水浴のベースとしても、水上スキーやウェイクボードなど 立ち上げた。現在の社長はポールの息子のデュアン・クック氏。 が、このボートのファーストインプレッションはとても良かった。今 ×2 基。ジョイスティックでのコントロールが可能なバリエーション のトウイングスポーツ用のボートとしても、ポテンシャルは高い。夏 ポールの孫に当たる世代の多くも同社のスタッフとなっているファ 回のモデルも同様で、さらにブラッシュアップされた感じで非常 もある。 の海でこそ輝いてくれる一艇だ。 P.B. ック気分にも Good。 SPECIFICATIONS . . . . . . . . . . . . . . . . . . . REGAL 3200 全長 9.75m 3.14m 喫水 0.89m 重量 4,445kg 燃料タンク 568L 清水タンク 114L エンジン 2 × MERCRUISER 350MAG MPI Bravo3 Catalyst 最高出力 2 × 300 HP 問い合わせ先 リーガル ジャパン 全幅 左舷コンソールの中は 完 全 な 個 室 ヘ ッ ド。 女 性ゲストを呼ぶには、な くてはならない装備だ。 62 TEL: 079-322-8800 http://regalboats.jp 63
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