総合文化研究部門 研究課題 代表(所属・職位) 課題別研究部 研究期間 2015.4.1~2018.3.31(3 年) 株式市場に関する国際比較調査~投資家心理からのアプローチ~ 亀坂 安紀子(経営学部・教授) 《2015 年度研究計画》 【研究目的】 株式市場は投資家の様々な心理要因に大きく影響されている。にもかかわらず、株価変動の要因などについ ては、いまだ十分に明らかにされていない。昨年ノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー教授(Yale 大 学)は、本年大阪大学を定年退官された筒井義郎教授(現在、甲南大学特任教授)とともに、日米比較可能な調 査データを 20 年以上にわたって自ら収集し、投資家心理の解明を進めてきた。本プロジェクトの目的は、日 本におけるこの調査を筒井義郎教授から引き継ぐとともに、調査対象者を拡大し、いまだ十分に解明されてい ない株価の決定メカニズムをロバート・シラー教授とともに明らかにすることである。 これまで日本の調査は、ファンドマネジャーなどの専門家のみを対象として実施されてきたが、今後は対象 者を個人投資家へも拡大する準備を現在進めている。今後、個人投資家のデータ分析を進めて、Yale 大学の ロバート・シラー教授、ウィリアム・ゲーツマン教授とともに、学会などで結果を公表したい。すでに、ゲー ツマン教授は米国データのみで論文を執筆しており、日本のデータが収集できれば、共同論文の執筆を進めた いとの具体的な提案も頂いている。また、亀坂の下にはすでに、海外の大きなコンファレンス主催者などから、 日本データの分析結果に関して、招待報告の打診もきている。このため、国内外の学会などでのデータ分析結 果の公表や、論文の公表も行いたい。 【本学への貢献度】 米国トップレベルの大学かつ著名なシラー教授との国際連携プロジェクトであり、本学の公式ホームページ 上でも成果をタイムリーに公表できることなどから、研究期間中のはじめから、本学に貢献できると確信する。 【共同研究計画及び方法】 1)データ構築グループ シラー教授の指導の下に日米データの比較可能性を重視して、データ収集を行う。具体的には日本国内の 機関投資家向けに半年毎(2 月、8 月)に調査票を送付する郵送調査を実施。従前までは筒井義郎教授が日 本調査を担当していたが、2014 年 8 月調査からは亀坂が引きついで実施している。2014 年 8 月は 375 件 の調査票送付済み。本調査の信頼度拡大のためには、より多くの回答者の確保が必要であるため、新規調 査協力先の獲得について高橋教授、亀坂で今後継続的に検討する。また、過去データ及び調査票を筒井義 郎教授から亀坂が引き継ぎ、過去データについて連続性を重視して整理し、新データと合わせて分析を進 める。なお、米国調査の実質的な運営は、現在は Will Goetzmann 教授(Yale 大学、主な受賞:Winner of the Graham and Dodd Award for best paper in the Financial Analysts Journal in 2009; Society for Financial Studies Award for best paper in the Review of Financial Studies, 2007)が中心となって行っている。 2014 年 12 月には、Will Goetzmann 教授と亀坂が詳細な打ち合わせを実施済み。 2)調査票・報告書検討会 本調査の調査票送付前および調査結果の公表前にメンバーで検討を行う。 3)国際ワークショップ担当グループ リーダーの小林教授は東京の4大学で共同で開催している東京ファイナンス研究会主催者として、本プロ ジェクトの関連研究を進めている海外の研究者の日本での報告や本調査報告のサポートをする。亀坂はそ の事務局を従前より担当。 研究代表者 亀坂 安紀子 (経営学部・教授) データ構築グループ リーダー:亀坂安紀子 (経営学部・教授) ・筒井義郎 (甲南大学・経済学部・教授) ・高橋文郎 (国際マネジメント研究科・教授) 調査票・報告書検討グループ リーダー:芹田敏夫 (経済学部・教授) ・島田淳二 (経済学部・教授) ・亀坂安紀子 国際ワークショップ担当グループ リーダー:小林孝雄 (国際マネジメント研究科・教授) ・亀坂安紀子 【研究期間終了後の成果公表の展望】 本調査の集計データおよび結果の概要を説明する報告書は、青山学院大学の亀坂のホームページ上で一般公 開する(HP 作成済み)。調査票発送から 2 ヶ月を目処にタイムリーに Web 上で日本語で公開するとともに、シ ラー教授サイドでも Yale 大学の HP で日本の結果を順次公開する予定である。この結果の公表は、研究期間 終了後も続ける予定であり、日本のみならず海外の研究者、実務家にも広く引用される可能性がある。また、 海外の研究者との共同研究を進め、調査結果の一部は、国内外の学会、コンファレンス、専門雑誌などで公表 したい。日本調査の前任者の筒井教授から、過去の調査データを引継ぎ、その分析結果も学会などで公表する 予定である。なお、米国では現在、本プロジェクトで申請するものと同様の半年おきの調査のほか、月次調査 も実施されており、できれば本資金で可能な範囲で月次調査も実施したい。 《研究分担者》 代表 亀坂 安紀子 研究分担者・兼担 髙橋 文郎 小林 孝雄 島田 淳二 芹田 敏夫 研究分担者・客員研究員 筒井 義郎
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