物理学II 第11回 電磁誘導 磁束 一様な磁場が生じている空間中で,面積Sの面を考える。 この面上における磁束密度ベクトルが,この面と垂直である場合, = BS をこの面を貫く磁束という。 ただし B = |B| 磁束密度と面が垂直でない場合には, 面の法線 B 面 磁束密度の面に対して垂直な方向の成分と面積の積をとる = BS cos 磁束の単位: T · m2 = Wb 磁荷の単位と同じ 一般の場合の磁束 一様とは限らない磁束密度の場合には = S B · dS によって磁束が求まる。 面積要素ベクトルとよばれるベクトル。 その方向は曲面の法線方向。 電磁誘導 J. ヘンリー (1797-1878) M. ファラデー (1791-1867) ある閉回路を貫く磁束が時間変化する場合,この閉回路に電流(誘導電 流)が流れる。この現象を電磁誘導といい,誘導電流を流すために生じる 電圧(起電力)を誘導起電力という。 ファラデーの電磁誘導の法則 回路に生じる起電力Vは回路の内側を貫く磁束に対して右回り(右ネジの関係) を正として, d V = dt となる。 こちら向きに電流を流そうと 要するに,磁束の変化を妨げる向きに起電力が生じる。 する方向を正にする 例 無限に長い電流I 電流によって生じる磁束密度は 図のような向きで,大きさは µ0 I B= 2 x ⊗B 回路の左端の座標がxであると きに,この回路を貫く磁束は x+ = Bdx dy = x 正方形の回路 0 x µ0 I x+ = log 2 x x µ0 I dx 2 x 例 回路が一定速度で右向きに動 いていたとする。 無限に長い電流I 時刻t=0にx=Xにあった。 時刻tにおける左端の位置は x(t) = X + vt よって, ⊗B 正方形の回路 0 x v µ0 I X + + vt (t) = log 2 X + vt 回路に生じる起電力は V = d µ0 I 2 v = dt 2 (X + vt)(X + + vt) x 例 無限に長い電流I 図の向きに誘導電流が流れる 時刻t=0にx=Xにあった。 回路の抵抗をRとすると, V µ0 I 2 v I = = R 2 R(X + vt)(X + + vt) という誘導電流が流れる。 I ⊗B v 正方形の回路 0 x x 例 無限に長い電流I 時刻t=0にx=Xにあった。 I ⊗B v ところで,電流から遠ざかるほど 磁束密度は小さくなるから,この 回路の右端と左端にかかる力 は図のようになる。 回路は全体として左向きの力 を磁場から受けることになる。 正方形の回路 0 x x 発電 電磁誘導という現象を利用することで発電が可能になる 四国電力のサイトより このようなしくみによって,力学的仕事を電気エネルギーに変換できる 電磁気学のまとめ 電磁気学のエッセンス 電荷の流れが電流 電荷 電荷が電場を作る 電場 電荷は電場から 力を受ける 電流 電流は磁場を作る 磁場 電流は磁場から 力を受ける 電磁気学の基本法則 電磁気学の基本法則は,マクスウェル方程式という4本の方程式に集約される ·E = 電荷が電場を作る 0 単独の「磁荷」は存在しない ·B =0 B µ0 0 E = µ0 j t B E+ =0 t 電流や電場の時間変動が磁場を作る 磁場の時間変動が電場を生じる これらと,電荷に対する運動方程式が電磁気学の基本法則 d2 r m 2 = q E + qv dt B 電磁波 マクスウェル方程式を,ある境界条件の下で解くと電場や磁場が 波として空間を伝わっていく解が得られる。 http://www.ap.eng.osaka-u.ac.jp より http://rikanet2.jst.go.jp/contents/cp0490c/contents/phy02-01.html 電磁波 https://www.youtube.com/watch?v=4CtnUETLIFs 電磁波 https://www.youtube.com/watch?v=4CtnUETLIFs 電磁波の発見 https://www.youtube.com/watch?v=9gDFll6Ge7g 電磁波の発見 https://www.youtube.com/watch?v=9gDFll6Ge7g http://www.hp.phys.titech.ac.jp/yatsu より
© Copyright 2024 ExpyDoc