誘導起電力の公式 (自己誘導) (1) 誘導起電力の公式 (自己誘導) コイルに電流を流し、その電流量を変化させると磁束が発生する そうすると、自己誘導によりその磁束を打ち消す向きに逆起電力が発生する その起電力を求める公式は次のようになります 公式 自己インダクタンスが L のコイルに電流を流し t 秒間で電流が I [A]変化したとき、コイルに発生する誘導起電力 e を 求める公式 ΔI e L Δt e[V]:コイルに発生する自己誘導起電力 図1 L[H]:自己インダクタンス ΔI[A]:変化した電流の量 Δt[秒]:電流が変化するのに要した時間 L の左にあるマイナス記号は、計算するときには、無視してください (*1) (2) 自己インダクタンス 自己インダクタンスとは コイルの形、大きさ、形状、などによって決まる個々のコイル固有の定数です 簡単に言うと、コイルごとの固有の値 です 自己インダクタンスの記号は L、単位は[H]ヘンリーです 試験問題では[mH]ミリヘンリーがよく出てきます では、例題を使って公式の使い方を説明します 例題 コイルに流れる電流が 1 秒間に 20A から 30A に増加した この時、コイルに発生する誘導起電力を求めよ コイルの自己インダクタンスは 10[H]とする 解説 電流が 20A から 30A に増加したということは、電流の変化した値は 10 A です よって ΔI=10 になります 公式 e L e 10 ΔI に L=10、ΔI=10、Δt=1 を代入します Δt 10 100 1 答 100 [V] 注釈 (*1) L の頭にマイナス記号がついている理由は 自己誘導起電力が、もとの電流の増減とは逆になることをあらわしています もとの電流が増加しているときは電流を減らす方向に自己誘導起電力が発生し もとの電流が減少しているときは電流を増やす方向に自己誘導起電力が発生します
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