医薬品インタビューフォーム

2015 年 8 月 (改 訂 第 7 版 )
日 本 標 準 商 品 分 類 番 号 874420
医薬品インタビューフォーム
日 本 病 院 薬 剤 師 会 のIF記 載 要 領 2013 に準 拠 して作 成
剤
形
糖 衣 錠
製 剤 の 規 制 区 分
劇 薬 、処 方 箋 医 薬 品 (注 意 -医 師 等 の処 方 箋 により使 用 すること)
規
量
リマチル錠 50mg :1 錠 中 ブシラミン 50mg 含 有
リマチル錠 100mg:1 錠 中 ブシラミン 100mg 含 有
名
和 名 :ブシラミン (JAN)
洋 名 :Bucillamine (JAN)
一
格
・
般
含
製造販売承認年月日
薬価基準収載・発売年月日
製造販売承認年月日:2002 年 5 月 24 日(販売名変更による)
薬価基準収載年月日:2003 年 7 月 4 日(販売名変更による)
発 売 年 月 日:(リマチル錠 50mg ) 1992 年 8 月 27 日
(リマチル錠 100mg) 1987 年 9 月 3 日
開 発 ・製 造 販 売 (輸 入 )・
提 携 ・販 売 会 社 名
製 造 販 売 元 :参 天 製 薬 株 式 会 社
販
売 :あゆみ製 薬 株 式 会 社
医薬情報担当者の連絡先
問 い 合 わ せ 窓 口
あゆみ製 薬 株 式 会 社
学 術 情 報 に関 するお問 い合 わせ先
TEL:0120-137-413
<受 付 時 間 >9:00~17:30 (土 ・日 ・祝 日 ・当 社 休 日 を除 く)
医 療 関 係 者 向 けホームページ
http://www.ayumi-pharma.com/med
本 IFは 2015 年 8 月 改 訂 の添 付 文 書 の記 載 に基 づき作 成 した。
最 新 の添 付 文 書 情 報 は、医 薬 品 医 療 機 器 情 報 提 供 ホームページ http://www.pmda.go.jp にてご確 認 ください。
29901
A-15AYM
IF利 用 の手 引 きの概 要 -日 本 病 院薬 剤 師会 -
1.医 薬 品 インタビューフォーム作 成 の経 緯
医 療 用 医 薬 品 の基 本 的 な要 約 情 報 として医 療 用 医 薬 品 添 付 文 書 (以 下 、添 付 文 書 と
略 す)がある。医 療 現 場 で医 師 ・薬 剤 師 等 の医 療 従 事 者 が日 常 業 務 に必 要 な医 薬 品 の
適 正 使 用 情 報 を活 用 する際 には、添 付 文 書 に記 載 された情 報 を裏 付 ける更 に詳 細 な情
報 が必 要 な場 合がある。
医 療 現 場 では、当 該 医 薬 品 について製 薬 企 業 の医 薬 情 報 担 当 者 等 に情 報 の追 加 請
求 や質 疑 をして情 報 を補 完 して対 処 してきている。この際 に必 要 な情 報 を網 羅 的 に入 手
するための情 報 リストとしてインタビューフォームが誕 生 した。
昭 和 63 年 に日 本病 院薬 剤 師 会 (以下 、日 病 薬と略 す)学 術 第 2小 委員会 が「医 薬 品
インタビューフォーム」(以 下 、IFと略 す)の位 置 付け並 びに IF 記 載 様式 を策 定 した。その
後 、医 療 従 事 者 向 け並 びに患 者 向 け医 薬 品 情 報 ニーズの変 化 を受 けて、平 成 10 年 9
月 に日 病薬 学 術第 3小 委員 会 においてIF記 載要領 の改 訂が行 われた。
更 に 10 年 が経過 し、医薬 品 情 報の創 り手 である製 薬 企 業 、使 い手 である医 療 現 場の
薬 剤 師 、双 方 にとって薬事 ・医 療 環 境 は大 きく変化 したことを受 けて、平 成 20 年 9 月 に日
病 薬 医 薬情 報 委員 会 においてIF記 載要 領 2008 が策 定 された。
IF記 載 要領 2008では、IFを紙 媒 体 の冊子 として提供 する方 式 から、PDF等の電 磁 的 デ
ータとして提 供 すること(e-IF)が原 則 となった。この変 更 にあわせて、添 付 文書 において
「効 能 ・効 果 の追加 」、「警告 ・禁 忌 ・重 要 な基 本 的注 意 の改訂 」などの改 訂があった場 合
に、改 訂 の根 拠 データを追 加 した最 新 版のe-IFが提 供 されることとなった。
最 新 版 のe-IFは、(独 )医 薬 品 医 療機 器 総合 機 構の医 薬 品情 報 提供 ホームページ
(http://www.info.pmda.go.jp/)から一 括 して入 手可 能 となっている。日 本 病院 薬 剤 師会
では、e-IFを掲 載 する医 薬 品 情 報提 供 ホームページが公 的 サイトであることに配 慮 して、
薬 価 基 準収 載 にあわせてe-IFの情 報 を検 討 する組織 を設 置 して、個 々のIFが添 付 文書
を補 完 する適 正 使 用情 報として適 切 か審 査 ・検 討することとした。
2008 年 より年 4 回のインタビューフォーム検 討 会 を開 催 した中 で指 摘 してきた事 項 を再
評 価 し、製 薬 企 業 にとっても、医 師 ・薬 剤 師 等 にとっても、効 率 の良 い情 報 源 とすることを
考 えた。そこで今 般 、IF 記 載 要 領の一 部改 訂 を行 い IF 記 載 要領 2013 として公 表 する運
びとなった。
2.IFとは
IFは「添 付 文 書 等 の情 報 を補 完 し、薬 剤 師 等 の医療 従 事 者 にとって日 常 業 務 に必 要
な、医 薬 品 の品 質 管 理のための情 報 、処 方 設 計 のための情 報 、調 剤 のための情 報 、医 薬
品 の適 正 使 用 のための情 報 、薬 学 的 な患 者 ケアのための情 報 等 が集 約 された総 合 的 な
個 別 の医 薬 品 解 説 書 として、日 病 薬 が記 載 要 領 を策 定 し、薬 剤 師 等 のために当 該 医 薬
品 の製 薬企 業 に作 成 及び提 供 を依 頼 している学 術 資 料 」と位 置付 けられる。
ただし、薬 事 法 ・製 薬 企 業 機 密 等 に関 わるもの、製 薬 企 業 の製 剤 努 力 を無 効 にするも
の及 び薬 剤 師 自 らが評 価 ・判 断 ・提 供 すべき事 項 等 はIFの記 載 事 項 とはならない。言 い
換 えると、製 薬 企 業 から提 供 されたIFは、薬 剤 師 自 らが評 価 ・判 断 ・臨 床 適 応 するととも
に、必 要 な補 完 をするものという認 識 を持 つことを前 提 としている。
[IFの様 式 ]
① 規 格 は A4 判 、横 書 きとし、原 則 として 9 ポイント以 上 の字 体 (図表 は除 く)で記 載 し、一
色 刷 りとする。ただし、添 付 文 書 で赤 枠 ・赤 字 を用 いた場 合 には、電 子 媒 体 ではこれに
従 うものとする。
②IF記 載 要 領に基 づき作 成 し、各 項 目名 はゴシック体 で記 載 する。
③表 紙 の記 載 は統 一 し、表 紙 に続 けて日 病 薬 作 成 の「IF利 用 の手 引 きの概 要 」の全 文
を記 載 するものとし、2 頁 にまとめる。
[IFの作 成 ]
①IFは原 則 として製 剤 の投 与 経 路別 (内 用 剤 、注射 剤 、外 用 剤 )に作成 される。
②IFに記 載 する項目 及 び配 列 は日 病 薬が策 定 したIF記 載 要領 に準拠 する。
③添 付 文 書の内 容 を補完 するとのIFの主旨 に沿って必 要 な情 報 が記 載 される。
④製 薬 企 業 の機 密 等 に関 するもの、製 薬 企 業 の製 剤 努 力 を無 効 にするもの及 び薬 剤 師
をはじめ医 療 従 事 者自 らが評 価 ・判 断 ・提供 すべき事 項 については記 載 されない。
⑤「医 薬 品 インタビューフォーム記 載 要領 2013」(以 下 、「IF記 載 要 領 2013」と略 す)によ
り作 成 されたIFは、電 子 媒 体 での提 供 を基 本 とし、必 要 に応 じて薬 剤 師 が電 子 媒 体
(PDF)から印 刷 して使 用する。企 業 での製 本 は必須 ではない。
[IFの発 行 ]
① 「IF記 載 要 領 2013」は、平 成 25 年 10 月 以 降 に承認 された新 医 薬品 から適 用 となる。
② 上 記 以 外の医 薬品 については、「IF記 載 要 領 2013」による作 成 ・提 供 は強制 されるも
のではない。
③ 使 用 上 の注 意 の改 訂 、再 審 査 結 果 又 は再 評 価 結 果 (臨 床 再 評 価 )が公 表 された時
点 並 びに適 応 症 の拡 大 等 がなされ、記 載 すべき内 容 が大 きく変 わった場 合 にはIFが
改 訂 される。
3.IFの利 用 にあたって
「IF 記 載 要 領 2013」においては、PDF ファイルによる電 子 媒 体 での提 供 を基本 としてい
る。情 報 を利 用 する薬剤師 は、電 子 媒体 から印 刷 して利 用 することが原 則 である。
電 子 媒 体 のIFについては、医 薬 品 医 療 機 器 総 合 機 構 の医 薬 品 医 療 機 器 情 報 提 供 ホ
ームページに掲 載 場所 が設 定 されている。
製 薬 企 業 は「医 薬 品 インタビューフォーム作 成 の手 引 き」に従 って作 成 ・提 供 するが、
IFの原 点 を踏 まえ、医 療 現 場 に不 足 している情 報 やIF作 成 時 に記 載 し難 い情 報 等 につ
いては製 薬 企 業の MR 等 へのインタビューにより薬 剤 師 等 自 らが内容 を充 実させ、IFの利
用 性 を高 める必 要 がある。また、随 時 改 訂 される使 用 上 の注 意 等 に関 する事 項 に関 して
は、IFが改 訂 されるまでの間 は、当 該 医 薬 品 の製 薬 企 業 が提 供 する添 付 文 書 やお知 ら
せ文 書 等 、あるいは医 薬品 医 療 機器 情 報 配信 サービス等 により薬 剤 師 等自 らが整 備 する
とともに、IFの使 用 にあたっては、最 新 の添 付 文 書 を医 薬 品 医 療 機 器 情 報 提 供 ホームペ
ージで確 認 する。
なお、適 正 使 用 や安 全 性 の確 保 の点 から記 載 されている「臨 床 成 績 」や「主 な外 国 で
の発 売 状 況 」に関 する項 目 等 は承 認 事 項 に関 わることがあり、その取 扱 いには十 分 留 意
すべきである。
4.利 用 に際 しての留 意点
IFを薬 剤 師 等 の日 常 業 務 において欠 かすことができない医 薬 品 情 報 源 として活 用 して
頂 きたい。しかし、薬 事 法 や医 療 用 医 薬 品 プロモーションコード等 による規 制 により、製 薬
企 業 が医 薬 品情 報 として提 供 できる範 囲 には自 ずと限 界 がある。IFは日 病薬 の記 載 要領
を受 けて、当 該 医 薬 品 の製 薬 企 業 が作 成 ・提 供 するものであることから、記 載 ・表 現 には
制 約 を受 けざるを得 ないことを認 識 しておかなければならない。
また製 薬 企 業 は、IFがあくまでも添 付 文 書 を補 完 する情 報 資 材 であり、今 後 インターネ
ットでの公 開 等 も踏 まえ、薬 事 法 上 の広 告 規 制 に抵 触 しないよう留 意 し作 成 されていること
を理 解 して情 報 を活 用 する必 要 がある。
(2013 年 4 月 改 訂 )
目
Ⅰ.概要に関する項目
1.開 発 の経 緯 -------------------------------------1
2.製 品 の治 療 学 的 ・製 剤 学 的 特 性 -------------1
次
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
1.薬 理 学 的 に関 連 ある化 合 物 又 は
化 合 物 群 ------------------------------------- 13
2.薬 理 作 用 -------------------------------------- 13
Ⅱ.名称に関する項目
1.販 売 名 ------------------------------------------2
Ⅶ.薬物動態に関する項目
2.一 般 名 ----------------------------------------- 2
1.血 中 濃 度 の推 移 ・測 定 法 -------------------- 15
3.構 造 式 又 は示 性 式 ----------------------------- 2
2.薬 物 速 度 論 的 パラメータ --------------------- 16
4.分 子 式 及 び分 子 量 ----------------------------- 2
3.吸 収 ------------------------------------------- 16
5.化 学 名 (命 名 法 ) ------------------------------- 2
4.分 布 ------------------------------------------- 17
6.慣 用 名 、別 名 、略 号 、記 号 番 号 --------------- 2
5.代 謝 ------------------------------------------- 18
7.CAS 登 録 番 号 ---------------------------------- 2
6.排 泄 ------------------------------------------- 19
7.トランスポーターに関 する情 報 --------------- 19
Ⅲ.有効成分に関する項目
8.透 析 等 による除 去 率 ------------------------- 19
1.物 理 化 学 的 性 質 ------------------------------- 3
2.有 効 成 分 の各 種 条 件 下 における安 定 性 ----- 3
Ⅷ . 安 全 性 (使 用 上 の 注 意 等 )に 関 す る 項 目
3.有 効 成 分 の確 認 試 験 法 ----------------------- 3
1.警 告 内 容 とその理 由 ------------------------- 20
4.有 効 成 分 の定 量 法 ----------------------------- 3
2.禁 忌 内 容 とその理 由
(原 則 禁 忌 を含 む) --------------------------- 20
Ⅳ.製剤に関する項目
1.剤 形 --------------------------------------------- 4
2.製 剤 の組 成 ------------------------------------- 4
3.効 能 ・効 果 に関 連 する使 用 上 の注 意 と
その理 由 -------------------------------------- 21
4.用 法 ・用 量 に関 連 する使 用 上 の注 意 と
3.懸 濁 剤 、乳 剤 の分 散 性 に対 する注 意 -------- 4
その理 由 -------------------------------------- 21
4.製 剤 の各 種 条 件 下 における安 定 性 ---------- 5
5.慎 重 投 与 内 容 とその理 由 -------------------- 21
5.調 製 法 及 び溶 解 後 の安 定 性 ------------------ 5
6.重 要 な基 本 的 注 意 とその理 由 及 び
6.他 剤 との配 合 変 化 (物 理 化 学 的 変 化 ) ------- 5
処 置 方 法 -------------------------------------- 21
7.溶 出 性 ------------------------------------------ 5
7.相 互 作 用 -------------------------------------- 23
8.生 物 学 的 試 験 法 ------------------------------- 5
8.副 作 用 ---------------------------------------- 23
9.製 剤 中 の有 効 成 分 の確 認 試 験 法 ------------ 6
9.高 齢 者 への投 与 ------------------------------ 32
10.製 剤 中 の有 効 成 分 の定 量 法 ------------------ 6
10.妊 婦 、産 婦 、授 乳 婦 等 への投 与 ------------ 32
11.力 価 --------------------------------------------- 6
11.小 児 等 への投 与 ------------------------------ 32
12.混 入 する可 能 性 のある夾 雑 物 ----------------- 6
12.臨 床 検 査 結 果 に及 ぼす影 響 ---------------- 32
13.注 意 が必 要 な容 器 ・外 観 が特 殊 な容 器
13.過 量 投 与 -------------------------------------- 33
に関 する情 報 ---------------------------------- 6
14.適 用 上 の注 意 -------------------------------- 33
14.その他 ------------------------------------------- 6
15.その他 の注 意 --------------------------------- 33
16.その他 ----------------------------------------- 33
Ⅴ.治療に関する項目
1.効 能 又 は効 果 ---------------------------------- 7
Ⅸ.非臨床試験に関する項目
2.用 法 及 び用 量 ---------------------------------- 7
1.薬 理 試 験 -------------------------------------- 34
3.臨 床 成 績 ---------------------------------------- 7
2.毒 性 試 験 -------------------------------------- 34
Ⅹ.管理的事項に関する項目
1.規 制 区 分 -------------------------------------- 37
2.有 効 期 間 又 は使 用 期 限 --------------------- 37
3.貯 法 ・保 存 条 件 ------------------------------- 37
4.薬 剤 取 扱 い上 の注 意 点 --------------------- 37
5.承 認 条 件 等 ----------------------------------- 37
6.包 装 ------------------------------------------- 37
7.容 器 の材 質 ----------------------------------- 37
8.同 一 成 分 ・同 効 薬 ---------------------------- 37
9.国 際 誕 生 年 月 日 ----------------------------- 37
10.製 造 販 売 承 認 年 月 日 及 び承 認 番 号 ------- 38
11.薬 価 基 準 収 載 年 月 日 ------------------------ 38
12.効 能 ・効 果 追 加 、用 法 ・用 量 変 更 追 加 等
の年 月 日 及 びその内 容 ---------------------- 38
13.再 審 査 結 果 、再 評 価 結 果 公 表 年 月 日
及 びその内 容 --------------------------------- 38
14.再 審 査 期 間 ----------------------------------- 38
15.投 薬 期 間 制 限 医 薬 品 に関 する情 報 -------- 38
16.各 種 コード ------------------------------------ 38
17.保 険 給 付 上 の注 意 --------------------------- 38
ⅩⅠ.文献
1.引 用 文 献 -------------------------------------- 39
2.その他 の参 考 文 献 --------------------------- 40
ⅩⅡ.参考資料
1.主 な外 国 での発 売 状 況 ---------------------- 41
2.海 外 における臨 床 支 援 情 報 ----------------- 41
ⅩⅢ.備考
1.その他 の関 連 資 料 --------------------------- 42
Ⅰ.概要に関する項目
1.開発の経緯
参 天 製 薬 株 式 会 社 では 1950 年 代 より SH 化 合 物 の研 究 を手 がけ、1960 年
に代 謝 改 善 解 毒 剤 チオプロニンを開 発 。そして 1975 年 にチオプロニンより強
い S-S 結 合 解 離 作 用 を有 するブシラミンを合 成 した。ブシラミンはシステイン
の誘 導 体 であり、分 子 内 に2個 の SH 基 を有 する。前 臨 床 試 験 では急 性 及 び
亜 急 性 の炎 症 モデルに対 してほとんど影 響 を及 ぼさなかったが、関 節 リウマ
チ(RA)の疾 患 モデルであるラットアジュバント関 節 炎 に対 しては治 療 効 果 を
示 した。 また、免 疫 調 節 作 用 も有 しているので、抗 リウマチ剤 としての可 能
性 が示 唆 された。臨 床 試 験 でも、活 動 性 RA の早 期 により効 果 が認 められ、
赤 沈 、 腫 脹 等 の 活 動 性 の 指 標 を 改 善 す る 効 果 が 優 れ てい た 。 そ の 結 果 、
1987 年 リマチル(ブシラミン 100mg 錠 )が承 認 され発 売 に至 った。発 売 当 初
は1日 投 与 量 300mg が中 心 であったが、副 作 用 を軽 減 させる目 的 で低 用 量
維 持 療 法 が一 般 的 となり、1992 年 にリマチル 50(ブシラミン 50mg 錠 )の承 認
を得 て発 売 となった。 1995 年 には再 審 査 結 果 (内 容 :効 能 ・効 果 、用 法 ・用
量 等 、承 認 内 容 に変 更 なし)が通 知 された。
なお、リマチル、リマチル 50 は「医 療 事 故 を防 止 するための医 薬 品 の表 示 事
項 及 び販 売 名 の取 り扱 いについて(平 成 12 年 9 月 19 日 付 医 薬 発 第 935
号 )」に基 づき、2002 年 に販 売 名 をリマチル錠 100mg、リマチル錠 50mg に変
更 した。
その後 、2015 年 8 月 に、参 天 製 薬 からあゆみ製 薬 へ販 売 権 を移 譲 した。
2.製品の治療学的・製剤学的
特性
1)赤 沈 、腫 脹 など RA の活 動 性 の指 標 を改 善 する効 果 が優 れている。
2)特 に活 動 性 RA の早 期 に効 果 がある。
3)RA でみられる免 疫 パラメータの異 常 を改 善 する。
4)副 作 用 発 現 率 は 23.9%(1,666 例 /6,970 例 )である。(再 審 査 終 了 時 )
重 大 な副 作 用 として再 生 不 良 性 貧 血 、赤 芽 球 癆 、汎 血 球 減 少 、無 顆 粒
球 症 、血 小 板 減 少 、過 敏 性 血 管 炎 、間 質 性 肺 炎 、好 酸 球 性 肺 炎 、肺 線
維 症 、胸 膜 炎 、急 性 腎 不 全 、ネフローゼ症 候 群 (膜 性 腎 症 等 )、肝 機 能
障 害 、黄 疸 、皮 膚 粘 膜 眼 症 候 群 (St evens-Johnson 症 候 群 )、中 毒 性
表 皮 壊 死 症 (Lyel l 症 候 群 )、天 疱 瘡 様 症 状 、紅 皮 症 型 薬 疹 、重 症 筋
無 力 症 、筋 力 低 下 、多 発 性 筋 炎 、ショック、アナフィラキシー様 症 状 があ
らわれることがある。
(Ⅷ -8 .副 作 用 の項 参 照 )
-1-
Ⅱ.名称に関する項目
1.販売名
(1)和 名
®
®
リマチル 錠 50mg 及 びリマチル 錠 100mg
(2)洋 名
®
®
Rimatil tablets 50mg 及 び Rimatil tablets 100mg
(3)名 称 の 由 来
リウマチの治 療 を連 想 させる商 標 となるように命 名 した。
2.一般名
(1)和 名 ( 命 名 法 )
ブシラミン(JAN)
(2)洋 名 ( 命 名 法 )
Bucillamine(JAN, INN)
(3)ス テ ム
不明
3.構造式又は示性式
4.分子式及び分子量
分 子 式 :C 7 H 1 3 NO 3 S 2
分 子 量 :223.31
5.化学名(命名法)
(2R)-2-(2-Methyl-2-sulfanylpropanoylamino)-3-sulfanylpropanoic acid
(IUPAC)
6.慣用名、別名、略号、
記号番号
7.CAS登録番号
略 号 :Bc, Bu, BUC
治 験 番 号 :DE019, SA96
65002-17-7
-2-
Ⅲ. 有効成分に関する項目
1.物理化学的性質
(1)外 観 ・ 性 状
白 色 の結 晶 又 は結 晶 性 の粉 末 である。
(2)溶 解 性
溶 媒
メタノール
エタノール(95)
水
本品 1g を溶解するのに
要する溶媒量(mL)
2.1
3.0
75.8
日局の溶解性表現
溶けやすい
溶けやすい
溶けにくい
水 に対 する溶 解 性 は、酸 性 側 では小 さく、中 性 及 びアルカリ性 側 におい
て増 大 する。
(3)吸 湿 性
37℃、相 対 湿 度 50~91%の範 囲 で 7 日 間 保 存 したが、吸 湿 性 は認 めら
れなかった。
(4)融 点 ( 分 解 点 ) 、 沸 点 、 凝 固 点
融 点 :136~140℃
(5)酸 塩 基 解 離 定 数
pKa 1 :2.91(カルボキシル基 )
pKa 2 :8.15(スルフヒドリル基 )
pKa 3 :9.80(スルフヒドリル基 )
(6)分 配 係 数
水-オクタノール系
水 相 の pH
1.2
2.5
4.0
5.5
7.0
分配係数
10.1
7.53
0.80
0.13
0.09
(7)そ の 他 の 主 な 示 性 値
20
旋 光 度 [α] D :+33.0~+36.5°
(乾 燥 後 、2g、エタノール(95)、50mL、100mm)
2.有効成分の各種条件下に
おける安定性
長期保存試験
苛酷試験
保存条件
室温
40℃、75%RH
700 lx、白 色 蛍 光 灯 、
25℃、75%RH
保存期間
36 ヵ月
6 ヵ月
保存形態
褐 色 透 明 ガラス瓶 密 栓
シャーレ開 放
結果
変 化 なし
変 化 なし
60 万 lx・hr
シャーレ開 放
変 化 なし
3.有効成分の確認試験法
日 局 「ブシラミン」による
4.有効成分の定量法
日 局 「ブシラミン」による
-3-
Ⅳ.製剤に関する項目
1. 剤 形
(1)剤 形 の 区 別 、 外 観 及 び 性 状
販売名
表
リマチル錠 50mg
裏
側面
リマチル錠 100mg
表
裏
側面
外形
直 径 :7.8mm
厚 さ:4.4mm
重 量 :約 190mg
性状
直 径 :9.4mm
厚 さ:5.2mm
重 量 :約 340mg
白 色 、糖 衣 錠
(2)製 剤 の 物 性
該 当 資 料 なし
(3)識 別 コ ー ド
リマチル錠 50mg :(錠 剤 )リマチル50 (シート裏 面 )
リマチル錠 100mg:(錠 剤 )リマチル100 (シート裏 面 )
(4)pH、 浸 透 圧 比 、 粘 度 、 比 重 、 無 菌 の 旨 及 び 安 定 な pH 域 等
該 当 しない
2.製剤の組成
(1)有 効 成 分 ( 活 性 成 分 ) の 含 量
リマチル錠 50mg :1 錠中にブシラミン 50mg を含有する。
リマチル錠 100mg:1 錠中にブシラミン 100mg を含有する。
(2)添 加 物
結 合 剤 :メチルセルロース
賦 形 剤 :D-マンニトール、トウモロコシデンプン
滑 沢 剤 :硬 化 油
崩 壊 剤 :低 置 換 度 ヒドロキシプロピルセルロース
コーティング剤 :ヒプロメロース、ポビドン、
沈 降 炭 酸 カルシウム、精 製 白 糖
光 沢 化 剤 :カルナウバロウ、ヒドロキシプロピルセルロース
(3)そ の 他
該 当 しない
3.懸濁剤、乳剤の分散性に
該 当 しない
対する注意
-4-
4.製剤の各種条件下における
1) 製 剤 の 安 定 性
測 定 項 目 :確 認 試 験 、溶 出 試 験 、含 量
安定性
リマチル錠 50mg
保存条件
保存期間
長期保存試験
25℃、60%RH
36 ヵ月
加速試験
40℃、75%RH
6 ヵ月
保存条件
保存期間
長期保存試験
25℃、60%RH
36 ヵ月
加速試験
40℃、75%RH
6 ヵ月
保存形態
PTP、
アルミピロ包装
PTP、
アルミピロ包装
結果
変化なし
変化なし
リマチル錠 100mg
保存形態
PTP、
アルミピロ包装
PTP、
アルミピロ包装
結果
変化なし
変化なし
2) 無 包 装 状 態 に お け る 安 定 性
測 定 項 目 :確 認 試 験 、溶 出 試 験 、含 量 、硬 度
リマチル錠 50mg
保存条件
40℃、
温度
75%RH
30℃、
湿度
75%RH
25℃、
光
1000 lx
リマチル錠 100mg
保存条件
40℃、
温度
75%RH
30℃、
湿度
75%RH
25℃、
光
1000 lx
保存期間
保存形態
結果
評価注)
3 ヵ月
ガラス瓶
変化なし
◎
シャーレ
開放
シャーレ
開放
硬度 8.8→6.0kg に低下
(1 ヵ月後 5.9kg)
○
変化なし
◎
保存期間
保存形態
結果
評価注)
3 ヵ月
ガラス瓶
変化なし
◎
変化なし
◎
変化なし
◎
3 ヵ月
120 万 lx・hr
3 ヵ月
120 万 lx・hr
シャーレ
開放
シャーレ
開放
注)「錠剤・カプセル剤の無包装状態での安定性情報」安定性評価基準による
◎:変化なし ○:少し変化あり(規格内) △:変化あり(規格外) ●:特定条件で変化なし *:条件あり
5.調製法及び溶解後の安定性
該 当 しない
6.他剤との配合変化
該 当 資 料 なし
(物理化学的変化)
7.溶出性
方 法 :日 局 「ブシラミン錠 」による
結 果 :30 分 間 の溶 出 率 が 80%以 上
8.生物学的試験法
該 当 しない
-5-
9.製剤中の有効成分の
日 局 「ブシラミン錠 」による
確認試験法
10. 製 剤 中 の 有 効 成 分 の 定 量 法
日 局 「ブシラミン錠 」による
11. 力 価
該 当 しない
12. 混 入 す る 可 能 性 の あ る 夾 雑 物
特 になし
13. 注 意 が 必 要 な 容 器 ・ 外 観 が
該 当 しない
特殊な容器に関する情報
14. そ の 他
特 になし
6
Ⅴ. 治療に関する項目
1.効能又は効果
関 節 リウマチ
2.用法及び用量
本 剤 は消 炎 鎮 痛 剤 などで十 分 な効 果 が得 られない場 合 に使 用 すること。通
常 成 人 、1回 ブシラミンとして100mgを1日 3回 (300mg)食 後 に経 口 投 与 する。
なお、患 者 の年 齢 、症 状 、忍 容 性 、本 剤 に対 する反 応 等 に応 じ、また、効 果
の 得 ら れ た 後 に は 1 日 量 100 ~ 300mg の 範 囲 で 投 与 す る 。 1 日 最 大 用 量 は
300mgとする。
3.臨床成績
(1)臨 床 デ ー タ パ ッ ケ ー ジ
該 当 しない
(2)臨 床 効 果
国 内 で実 施 された臨 床 試 験 (比 較 試 験 を含 む)における関 節 リウマチ患
者 に対 する本 剤 の有 効 率 (「中 等 度 改 善 」以 上 )は 46.5%(212/456 例 )
であった(承 認 時 社 内 集 計 )。また、プラセボを対 照 とする二 重 盲 検 比 較
試 験 により本 剤 の有 用 性 が認 められている。
(3)臨 床 薬 理 試 験
第Ⅰ相試験
健 康 成 人 男 性 (5例 ) にブシラミン200mgもしくは400mgを食 後 に単 回 経
口 投 与 した結 果 、臨 床 症 状 、臨 床 検 査 値 に臨 床 的 な異 常 は認 められな
かった 1 ) 。また、健 康 成 人 男 性 (5例 )にブシラミン100mg錠 を1回 1錠 、1日
3 回 (300mg/日 )もしくは1 回 2錠 、1 日 3回 (600mg/日 ) 6日 間 連 続 投 与 し
た結 果 、臨 床 症 状 、一 般 理 学 検 査 、臨 床 検 査 成 績 に臨 床 的 な異 常 は
認 められなかった 2) 。
注 )本 剤 の承 認 されている用 法 ・用 量 は、Ⅴ -2 .用 法 ・ 用 量 の項 のと
おりである。
菅 原 幸 子 他 :臨 床 薬 理 16, 611(1985) 1)
菅 原 幸 子 他 :臨 床 薬 理 16, 621(1985) 2)
(4)探 索 的 試 験
早 期 第 Ⅱ 相 試 験 3)
関 節 リウマチ患 者 (60例 )を対 象 に、ブシラミン150~600mg/日 を原 則 8週
間 以 上 投 与 した結 果 、1日 300mg投 与 が妥 当 な投 与 量 と考 えられた。ま
た、本 剤 は比 較 的 遅 効 性 で投 与 期 間 は8週 間 以 上 が望 ましいと考 えられ
た。
注 )本 剤 の承 認 されている用 法 ・用 量 は、Ⅴ -2 .用 法 ・ 用 量 の項 のと
おりである。
-7-
目 的 :関 節 リウマチ患 者 に対 する有 効 性 、有 効 量 および安 全 性 の検 討
試 験 デザイン
対象
主 な登 録 基 準
試験方法
評価項目
多施設共同非盲検試験
関 節 リウマチ(RA)患 者 (n=60)
1958年 ARA(現 アメリカリウマチ学 会 :ACR)診 断 基 準 によるclassical RA又 はdefinite RAで、発
症 後 6ヵ月 以 上 を経 過 した活 動 性 のRA患 者
1日 投 与 量 150~600mgの範 囲 (患 者 の症 状 に応 じて増 減 )で、ブシラミン錠 を1日 3回 毎 食 後 、原
則 8週 間 以 上 服 用
①有 効 性 (臨 床 評 価 項 目 ※ 、患 者 の印 象 、医 師 の判 定 を総 合 的 に判 断 し判 定 )
②安 全 性
③有 用 性 (有 効 性 および安 全 性 から判 定 )
※:朝 のこわばり持 続 時 間 、握 力 、赤 沈 値 、疼 痛 点 数 、疼 痛 関 節 数 、腫 脹 関 節 数 、ランスバリーの活 動
性指数
最終投与量
合計
症例数
「やや有 効 」
以上
有効率
(%)
有 効 性 と投 与 量 の関 連 性
100
150
300
600
mg/日 mg/日 mg/日 mg/日
計
4
7
47
2
60
1
4
32
0
37
25.0
57.1
68.1
0
61.7
有 効 率 :「やや有 効 」以 上
有 効 性 と投 与 期 間 の関 連 性
有効性
投与期間
合計
症例数
「やや有 効 」
以上
有効率
(%)
結果
2週
4週
6週
8週
12週
16週
20週
21~
48週
計
7
4
2
6
12
11
5
13
60
1
2
2
3
7
7
4
11
37
14.3
50.0
100.0
50.0
58.3
63.6
80.0
84.6
61.7
有 効 率 :「やや有 効 」以 上
安全性
有用性
最 終 1日 投 与 量 は300mgが大 多 数 を占 め、有 効 率 も68.1%と高 かった。また、6週 目 ごろから効 果
発 現 がみられ、比 較 的 遅 効 性 の薬 剤 と考 えられた。
副 作 用 は、発 疹 ・ そう痒 感 、口 内 炎 、胃 腸 障 害 、頭 痛 、好 酸 球 増 加 、顔 のむくみが60例 中 14例
(23.3%)に発 現 した。副 作 用 症 状 の程 度 は軽 度 で、投 与 中 止 によって速 やかに消 失 し、あるいは
投 与 継 続 や減 量 により消 失 するものもあり、重 篤 なものは認 められなかった。
合計
症例数
「有 用 」
以上
「やや有 用 」
以上
60
15
(25.0%)
33
(55.0%)
塩川優一他:炎症 5, 333(1985) 3)
(5)検 証 的 試 験
1)無 作 為 化 並 行 用 量 反 応 試 験
該 当 資 料 なし
-8-
2)比 較 試 験
① プ ラ セ ボ 対 照 試 験 4)
関 節 リウマチ患 者 (239例 )を対 象 に、ブシラミン初 期 投 与 量 300mg/日 、4
週 目 以 降 100~600mg/日 として3 ヵ月 間 投 与 した結 果 、本 剤 の関 節 リウ
マチに対 する有 用 性 が確 認 された。
目 的 :関 節 リウマチ患 者 に対 する有 効 性 、安 全 性 及 び有 用 性 の検 討
試 験 デザイン
対象
主 な登 録 基 準
試験方法
評価項目
Inactive placebo対 照 、多 施 設 共 同 無 作 為 化 二 重 盲 検 群 間 比 較 試 験
関 節 リウマチ(RA)患 者 (n=239)
1958年 ARA(現 アメリカリウマチ学 会 :ACR)診 断 基 準 によるclassical RA又 はdefinite RAで、発
症 後 6ヵ月 以 上 を経 過 した活 動 性 のRA患 者
・0週 ~4週
ブシラミン100mg錠 あるいはプラセボ(ブシラミン5mg錠 ;臭 いによる識 別 不 能 性 を保 持 する目
的 )を、1回 1錠 、1日 3回 食 後 服 用
・4週 以 後 ~12週
患 者 の症 状 に応 じて1~6錠 /日 の範 囲 で増 減
①有 効 性 (臨 床 評 価 項 目 ※ 、患 者 の印 象 、医 師 の判 定 を総 合 的 に判 断 し判 定 )
②安 全 性
③有 用 性 (有 効 性 および安 全 性 から判 定 )
※:朝 のこわばり持 続 時 間 、握 力 、赤 沈 値 、疼 痛 点 数 、疼 痛 関 節 数 、腫 脹 関 節 数 、ランスバリーの活 動
性 指 数 、 class判 定 、X線 写 真 判 定
ブシラミン群
プラセボ群
著明
改善
10
4
有効性
中等度
改善
28
17
最終全般改善度
軽度
不変
改善
33
20
25
42
軽度
悪化
2
9
(小 計 )
U検 定
χ2検 定
(94)
(98)
ブシラミン群 >
プラセボ群 **
ブシラミン群 >
プラセボ群 **
中等度
悪化
1
1
改善率
(%)
40.4
21.4
χ 2 検 定 :「中 等 度 改 善 」と「軽 度 改 善 」の間 で分 割
著明
悪化
0
0
判定
不能
22
14
計
116
112
改 善 率 :「中 等 度 改 善 」以 上
**p<0.01
ブシラミン群の改善率がプラセボ群に比べ有意に高かった。
副作用
なし
結果
安全性
ブシラミン群
プラセボ群
87
99
概括安全度
副 作 用 あり
計
軽度 中等度 高度
15
7
12
121
11
4
4
118
「副 作 用
U検 定
χ2検 定
なし」の率
71.9% ブシラミン群 < ブシラミン群 <
プラセボ群 * プラセボ群 *
83.9%
*p<0.05
ブシラミン群の「副作用なし」の率が有意に劣っていた。副作用は皮疹・そう痒感の発現が多く、重篤な副作
用は認められなかった。
ブシラミン群
プラセボ群
有用性
極 めて
有用
8
4
有用
32
17
有用度
やや
どちらとも やや好 ま
有用
いえない しくない
27
20
10
24
40
16
(小 計 )
U検 定
χ2検 定
(108)
(107)
ブシラミン群 >
プラセボ群 *
ブシラミン群 >
プラセボ群 **
好 ましく
ない
7
6
有用率
(%)
37.0
19.6
χ 2 検 定 :「有 用 」と「やや有 用 」の間 で分 割
全 く好 ま
しくない
4
0
判定
不能
8
5
計
116
112
有 用 率 :「有 用 」以 上
*p<0.05
**p<0.01
ブシラミン群の有用率がプラセボ群に比べ有意に高かった。
塩川優一他:医学のあゆみ 135, 1116(1985) 4)
-9-
② D-ペ ニ シ ラ ミ ン 対 照 試 験 5 )
関 節 リウマチ患 者 (187例 )を対 象 に、D-ペニシラミンを対 照 とした比 較 試
験 を実 施 した結 果 、本 剤 の関 節 リウマチに対 する有 用 性 が確 認 された。
目 的 :関 節 リウマチ患 者 に対 する有 効 性 、安 全 性 及 び有 用 性 の比 較 評 価
試 験 デザイン
対象
主 な登 録 基 準
試験方法
評価項目
D-ペニシラミン(D-Pc)対 照 、封 筒 法 による多 施 設 共 同 無 作 為 化 群 間 比 較 試 験
関 節 リウマチ(RA)患 者 (n=187)
1958年 ARA(現 アメリカリウマチ学 会 :ACR)診 断 基 準 によるclassical RA又 はdefinite RAで、発 症 後
6ヵ月 以 上 を経 過 した活 動 性 のRA患 者
・ブシラミン100mg錠
0週 ~4週 :1回 1錠 、1日 3回 食 後 服 用
4週 以 後 ~16週 :患 者 の症 状 に応 じて1日 1~6錠 の範 囲 で増 減
・D-Pc100mgカプセル
担 当 医 の通 常 の投 与 法
(可 及 的 に) 0週 ~4週 :1日 1カプセル食 間 服 用
4週 以 後 ~16週 :増 量 する場 合 は4週 間 以 上 の間 隔 をおいて1日 1カプセルずつ増
量 、最 高 1日 3ないし4カプセルまで
①有 効 性 (臨 床 評 価 項 目 ※ 、患 者 の印 象 、医 師 の判 定 を総 合 的 に判 断 し判 定 )
②安 全 性
③有 用 性 (有 効 性 および安 全 性 から判 定 )
※:朝 のこわばり持 続 時 間 、握 力 、赤 沈 値 、疼 痛 点 数 、疼 痛 関 節 数 、腫 脹 関 節 数 、ランスバリーの活 動 性 指
数 、 class判 定 、X線 写 真 判 定
ブシラミン群
D-Pc群
著明
改善
12
9
有効性
中等度
改善
29
20
最終全般改善度
軽度
軽度
不変
悪化
改善
20
12
0
25
16
2
(小 計 )
U検 定
χ2検 定
(73)
(73)
ブシラミン群 >
D-Pc群 *
ブシラミン群 >
D-Pc群 +
中等度
悪化
0
1
改善率
(%)
56.2
39.7
χ 2 検 定 :「中 等 度 改 善 」と「軽 度 改 善 」の間 で分 割
著明
悪化
0
0
判定
不能
1
6
計
74
79
改 善 率 :「中 等 度 改 善 」以 上
+p<0.10
*p<0.05
ブシラミン群の改善率が D-Pc 群に比べ、U 検定では有意に高く、χ2 検定では有意傾向を認めた。
結果
安全性
ブシラミン群
D-Pc群
概括安全度
ほぼ 安 全 性
安全で
安全で
安全率
安 全 で に問 題
(小 計 ) U検 定 χ 2 検 定
はない
ある
(%)
がある
ある
(93)
49
30
12
2
84.9
NS
NS
(92)
56
21
12
3
83.7
χ 2 検 定 :「ほぼ安 全 である」と「安 全 性 に問 題 がある」の間 で分 割
判定
不能
計
0
2
93
94
安 全 率 :「ほぼ安 全 である」以 上
NS:not significant
両群の安全率に有意差は認められなかった。副作用はブシラミン群 37.6%(35/93 例)、D-Pc 群 30.9%(29/94
例)発現し、両群とも皮膚粘膜系症状が最も多く、次いで消化器系症状が多かった。
ブシラミン群
D-Pc群
有用性
極 めて
有用
11
8
有用
32
18
やや
有用
13
25
有用度
どちらとも やや好 ま 好 ましく
いえない しくない
ない
14
3
0
19
4
3
(小 計 )
U検 定
χ2検 定
(74)
(77)
ブシラミン群 >
D-Pc群 *
ブシラミン群 >
D-Pc群 **
有用率
(%)
58.1
33.8
χ 2 検 定 :「有 用 」と「やや有 用 」の間 で分 割
全 く好 ま
しくない
1
0
判定
不能
0
2
計
74
79
有 用 率 :「有 用 」以 上
*p<0.05
**p<0.01
ブシラミン群の有用率が D-Pc 群に比べ有意に高かった。
- 10 -
塩川優一他:炎症 6, 409(1986) 5)
3)安 全 性 試 験
長 期 投 与 試 験 6)
関 節 リウマチ患 者 (68例 )を対 象 に、ブシラミンを投 与 して5年 間 の追 跡 調
査 を行 った結 果 、約 20%の患 者 に5年 の長 期 にわたり有 効 であった。また
効 果 判 定 の時 期 は1~2ヵ月 時 点 、長 期 継 続 の判 断 は1年 半 の時 点 でし
うると考 えられた。
目 的 :関 節 リウマチ患 者 に対 する長 期 投 与 成 績 及 び投 与 初 期 における効 果 予 測 の検 討
試 験 デザイン
対象
主 な登 録 基 準
試験方法
評価項目
ブシラミンの長 期 投 与 試 験 (5年 間 の追 跡 調 査 )
関 節 リウマチ(RA)患 者 (n=68)
1958年 ARA(現 アメリカリウマチ学 会 :ACR)診 断 基 準 によるclassical RA又 はdefinite RAの患 者
ブシラミン初 回 投 与 量 (300mg/日 :61例 、200mg/日 :4例 、100mg/日 :3例 )を維 持 し、有 効 性 をみ
ながら漸 減
①5年 投 与 成 績
②投 与 初 期 における効 果 の予 測 (ランスバリーの活 動 性 指 数 、ステロイド量 、ランスバリーの改 善 指 数 、
改 善 度 から評 価 )
投与継続率は 1 年間で 70.6%(48/68 例)、2 年間で 47.1%(32/68 例)、3 年間で 39.7%(27/68 例)、4 年
間で 29.4%(20/68 例)、5 年間で 20.6%(14/68 例)であった。
中止例 54 例の中止理由の内訳は、「効果減弱」が 8 例(11.8%)、「無効」が 12 例(17.6%)、「副作用」が 16
例(23.5%)、「脱落(転院等)」が 18 例(26.5%)であった。
5 年継続例では投与 1 ヵ月目よりランスバリー活動性指数は有意に改善し、この改善は 5 年間持続するとと
もにステロイドの使用量も減少した(下図)。
結果
5 年継続例におけるランスバリー活動性指数と併用ステロイド使用量の推移
継続投与群、効果減弱中止群は無効群に比して投与 1 ヵ月目で開始時の 10%以上、2 ヵ月目で 15%以上
ランスバリー活動性指数が改善した。また、継続投与群は 18 ヵ月目で投与開始時の 45%以上のランスバリ
ー活動性指数の改善を示した。
効果の予測として、投与開始 1 ヵ月でランスバリー活動性指数が 10%以上、2 ヵ月で 15%以上改善してい
なければ無効の可能性が高く、18 ヵ月で 45%以上改善していなければ 5 年間効果は維持できない可能性
が高いと考えられた。
副作用中止例の内訳は蛋白尿(37.5%、6/16 例)、皮疹等の皮膚症状(31.3%、5/16 例)が多く、これらは投
与初期、特に半年以内に多くみられた。
西 村 慶 太 他 :炎 症 13, 293(1993) 6 )
4)患 者 ・ 病 態 別 試 験
該 当 資 料 なし
- 11 -
(6)治 療 的 使 用
1)使 用 成 績 調 査 ・ 特 定 使 用 成 績 調 査 ( 特 別 調 査 ) ・ 製 造 販 売 後 臨 床
試験(市販後臨床試験)
使用成績調査
1987年 6月 30日 ~1993年 6月 29日 の6年 間 の再 審 査 期 間 中 に使 用 成 績
調 査 を実 施 し、収 集 された6,336例 中 1,478例 (23.3%)に副 作 用 が認 め
られた(Ⅷ -8 .副 作 用 の項 参 照 )。
2)承 認 条 件 と し て 実 施 予 定 の 内 容 又 は 実 施 し た 試 験 の 概 要
該 当 しない
- 12 -
Ⅵ. 薬効薬理に関する項目
1.薬理学的に関連ある化合物
又は化合物群
2.薬理作用
ペニシラミン、サラゾスルファピリジン、金 チオリンゴ酸 ナトリウム、オーラノフィ
ン、アクタリット、メトトレキサート、レフルノミド 等
(1)作 用 部 位 ・ 作 用 機 序
免 疫 担 当 細 胞 に対 しては、T細 胞 増 殖 抑 制 作 用 、サプレッサーT細 胞 比
率 の上 昇 、T細 胞 の血 管 内 皮 細 胞 への接 着 抑 制 ならびにB細 胞 の抗 体
産 生 抑 制 作 用 等 が報 告 されている。また、関 節 リウマチの関 節 組 織 破 壊
に中 心 的 役 割 を担 っている滑 膜 細 胞 に対 しては、関 節 リウマチ患 者 由 来
の培 養 細 胞 において、滑 膜 細 胞 増 殖 抑 制 ならびに滑 膜 細 胞 からのIL-1
β、IL-6の産 生 抑 制 作 用 が認 められている。その他 、炎 症 に関 わる作 用
として、マクロファージ遊 走 阻 止 作 用 やコラゲナーゼ活 性 阻 害 作 用 も認
められている。
(2)薬 効 を 裏 付 け る 試 験 成 績
1)疾 患 モ デ ル に 対 す る 作 用
1.ア ジ ュ バ ン ト 関 節 炎 に 対 す る 作 用 7)
関 節 リウマチの実 験 的 疾 患 モデルであるラットのアジュバント関 節 炎 に対
し 、 ア ジ ュ バ ン ト 処 置 20 日 後 よ り ブ シ ラ ミ ン を 経 口 投 与 し た と こ ろ 、
10mg/kg/ 日 以 下 の投 与 量 ( 1 、 5、 10mg/kg/日 ) にお いて用 量 依 存 的 な
治 療 効 果 (足 浮 腫 率 および炎 症 スコアの抑 制 )が認 められた。
2.タ イ プ Ⅱ コ ラ ー ゲ ン 関 節 炎 に 対 す る 作 用 8)
牛 タイプⅡコラーゲンにより惹 起 したラットの関 節 炎 に対 し、処 置 日 よりブ
シ ラミン10mg/kgも しく は100mg/kgを週 5 回 経 口 投 与 したところ、用 量 依
存 的 な予 防 効 果 (足 浮 腫 の抑 制 )が認 められた。
3. MRL/ℓ マ ウ ス 関 節 病 変 に 対 す る 作 用 9)
関 節 リウマチ類 似 の多 発 性 関 節 炎 を自 然 発 症 するMRL/ℓマウスにブシラ
ミン10mg/kgを週 3回 、8週 齢 より20週 齢 まで経 口 投 与 したところ、滑 膜 被
覆 細 胞 の重 層 化 、滑 膜 下 軟 部 組 織 の浮 腫 、結 合 織 増 生 を伴 う軟 骨 破
壊 ならびに空 胞 化 などの軟 骨 変 化 といった関 節 病 変 に対 する有 意 の抑
制 効 果 を示 した。
2)免 疫 担 当 細 胞 に 対 す る 作 用
1.T細 胞 増 殖 抑 制 作 用 ( in vitro ) 1 0)
ブシラミンとその代 謝 物 SA981(分 子 内 ジスルフィド体 )は30~100µg/mL
の濃 度 でマイトジェンにより誘 発 されたヒト末 梢 血 のT細 胞 増 殖 を用 量 依
存 的 に抑 制 した。
2.サ プ レ ッ サ ー T細 胞 比 率 の 上 昇 ( 関 節 リ ウ マ チ 患 者 ) 11 )
関 節 リウマチでは活 動 性 が高 いほどサプレッサーT細 胞 比 率 が低 い傾 向
にある。関 節 リウマチ患 者 11例 に本 剤 300mg/日 を10週 間 投 与 したとき、
疾 患 活 動 性 の低 下 とともにサプレッサーT細 胞 比 率 の有 意 な上 昇 (正 常
化 )が認 められた。
- 13 -
3.T細 胞 の 血 管 内 皮 細 胞 へ の 接 着 抑 制 作 用 ( in vitro ) 12)
ヒト臍 帯 静 脈 由 来 血 管 内 皮 細 胞 (EC)をブシラミンで前 処 理 すると、T細
胞 のECへの接 着 はブシラミン5µg/mL以 上 の濃 度 で用 量 依 存 的 に有 意
に抑 制 された。また、rIFN-γ(遺 伝 子 組 換 えインターフェロン-γ)で処 理 さ
れたECに対 しても、ブシラミンは同 様 のT細 胞 接 着 抑 制 作 用 を示 した。
4.B細 胞 の 抗 体 産 生 抑 制 作 用 ( in vitro ) 13)
健 康 成 人 末 梢 血 から分 離 したB細 胞 をCowan I株 黄 色 ブドウ球 菌 +IL-2
等 で刺 激 し誘 導 されるIgM産 生 に対 するブシラミン等 の抑 制 作 用 を検 討
した。その結 果 、ブシラミンは0.3~100µg/mLの濃 度 で用 量 依 存 的 にB細
胞 によるIgM産 生 を抑 制 し、代 謝 物 SA981(分 子 内 ジスルフィド体 )の抑
制 作 用 はブシラミンよりも顕 著 であった。
3)滑 膜 細 胞 に 対 す る 作 用 ( in vitro )
関 節 リウマチ患 者 の滑 膜 組 織 より分 離 培 養 した滑 膜 細 胞 において、ブシ
ラ ミ ン は 10 -6 ~ 10 - 4 M の 濃 度 で 滑 膜 細 胞 増 殖 な ら び に 滑 膜 細 胞 か ら の
IL-1β、IL-6産 生 を用 量 依 存 的 に抑 制 した 1 4) 。
関 節 リウマチ患 者 由 来 の滑 膜 細 胞 において、ブシラミンとその代 謝 物
SA981(分 子 内 ジスルフィド体 )は10 - 3 ~10 - 1 µg/mLの濃 度 で滑 膜 細 胞 か
らのIL-6、IL-8産 生 を用 量 依 存 的 に抑 制 した 1 5) 。
4)炎 症 等 に 対 す る 作 用
ステロイド剤 および非 ステロイド性 抗 炎 症 剤 と異 なり、ブシラミンは実 験 的
急 性 および亜 急 性 炎 症 モデル(ラット、マウス)に対 してほとんど影 響 を与
えなかった 7) 。一 方 、in vitroにおいてコラゲナーゼおよび骨 由 来 アルカリ
フォスファターゼ活 性 阻 害 作 用 7 ) ならびにマクロファージ遊 走 阻 止 作 用 1 6)
を示 した。
5)各 型 ア レ ル ギ ー 反 応 に 対 す る 作 用 16, 17)
型
実 験 系 (動 物 種 )
Ⅰ PCA反 応 (ラット)
Ⅱ RCA反 応 (ラット)
RPA反 応 (ラット)
Ⅲ
ヒツジ赤 血 球 誘 発 active Arthus反 応 (マウス)
Ⅳ ニワトリ卵 白 リゾチーム誘 発 DTH反 応 (マウス)
作用
抑制
抑制
抑制
抑制
抑制
PCA:passive cutaneous anaphylaxis
RCA:reversed cutaneous anaphylaxis
RPA:reversed passive Arthus
DTH:delayed-type hypersensitivity
(3)作 用 発 現 時 間 ・ 持 続 時 間
プラセボを対 照 とした二 重 盲 検 群 間 比 較 試 験 で、改 善 度 についての医
師 判 定 において投 与 8週 目 より両 群 間 に有 意 差 が認 められている 4) 。
- 14 -
Ⅶ. 薬物動態に関する項目
1.血中濃度の推移・測定法
(1)治 療 上 有 効 な 血 中 濃 度
該 当 資 料 なし
(2)最 高 血 中 濃 度 到 達 時 間
1)
1 時 間 (Ⅶ -1 -(3)臨 床 試 験 で 確 認 さ れ た 血 中 濃 度 の項 参 照 )
(3)臨 床 試 験 で 確 認 さ れ た 血 中 濃 度
1)健 康 成 人 に お け る 単 回 投 与 時 の 血 中 濃 度 1)
健 康 成 人 男 性 (n=5)にブシラミン200mgもしくは400mgを食 後 に単 回 経
口 投 与 したときの平 均 血 中 濃 度 の推 移 は下 図 に示 すとおりであり、最 高
値 はいずれも投 与 1時 間 後 にみられ、それぞれ313.6ng/mL、471.2ng/mL
で あ っ た。 また 、平 均 血 中 濃 度 曲 線 か ら算 出 し た AUC は200mg投 与 時
0.75hr・µg/mL、400mg投 与 時 1.60hr・µg/mL、生 物 学 的 半 減 期 (T 1 / 2 )は
それぞれ1.03hr、1.17hrであった。
注 )本 剤 の通 常 1回 投 与 量 は100 mgである。
2)健 康 成 人 に お け る 反 復 投 与 時 の 血 中 濃 度 2)
健 康 成 人 男 性 ( n=5 ) に ブ シラ ミ ン 100mg 錠 を 1 回 1 錠 、1日 3 回 ( 300mg/
日 )もしくは1回 2錠 、1日 3回 (600mg/日 )6日 間 連 続 投 与 したときの血 中
濃 度 推 移 パターンはいずれも単 回 投 与 の場 合 と同 様 の傾 向 を示 し、投
与 2~6日 目 の第 1回 服 薬 直 前 の血 中 にはブシラミンが検 出 されなかった
ことより血 中 への蓄 積 性 はないと考 えられた。
(4)中 毒 域
該 当 資 料 なし
(5)食 事 ・ 併 用 薬 の 影 響
食 事 の影 響
<参 考 :ラット>
非 絶 食 条 件 下 のラットに
35
S-ブシラミン 50mg/kg を経 口 投 与 したところ、
血 中 濃 度 は絶 食 条 件 下 と同 様 に投 与 後 40 分 で最 高 濃 度 (10.1µg/mL)
に達 したが、その濃 度 は絶 食 条 件 下 (19.7µg/mL)の約 50%であった。ま
た、投 与 後 4~8 時 間 に血 中 濃 度 の再 上 昇 が顕 著 に認 められた 1 8) ことか
ら、ブシラミンの消 化 管 吸 収 は食 事 の影 響 を受 ける可 能 性 が示 唆 され
る。
注 )本 剤 は消 化 器 系 の副 作 用 が考 えられることから、食 後 投 与 で臨 床
試 験 を実 施 し、有 用 性 が認 められている。
- 15 -
併用薬の影響
Ⅷ -15.そ の 他 の 注 意 の項 参 照
(6)母 集 団 (ポ ピ ュ レ ー シ ョ ン )解 析 に よ り 判 明 し た 薬 物 動 態 変 動 要 因
該 当 資 料 なし
2.薬物速度論的パラメータ
(1)解 析 方 法
該 当 資 料 なし
(2)吸 収 速 度 定 数
該 当 資 料 なし
(3)バ イ オ ア ベ イ ラ ビ リ テ ィ
該 当 資 料 なし
(4)消 失 速 度 定 数
該 当 資 料 なし
(5)ク リ ア ラ ン ス
該 当 資 料 なし
(6)分 布 容 積
該 当 資 料 なし
(7)血 漿 蛋 白 結 合 率
<参 考 :ラット>
ラットに 3 5 S-ブシラミン50mg/kgを経 口 投 与 したときの血 漿 蛋 白 結 合 率 を
経 時 的 に検 討 したところ、投 与 後 4時 間 までの全 結 合 率 (限 外 ろ過 法 )は
61~69%とほとんど一 定 で、24時 間 後 では74%であった。一 方 、ジスルフ
ィド結 合 による共 有 性 の結 合 率 (メタノール抽 出 法 )は時 間 経 過 と共 に増
加 する傾 向 を示 した(4時 間 後 で55%)が、24ならびに72時 間 後 には検 出
されなかったことより血 漿 蛋 白 との結 合 は可 逆 的 であると考 えられた 1 9) 。
<参 考 :in vitro>
in vitroでヒト血 漿 蛋 白 との結 合 性 を検 討 したところ、臨 床 用 量 における
ブシ ラ ミン血 中 濃 度 範 囲 (0.05~ 0.5µg/mL) で蛋 白 結 合 率 に濃 度 依 存
性 はほとんど認 められず、ブシラミン濃 度 0.3µg/mLでの30分 後 の蛋 白 結
合 率 は限 外 ろ過 法 で70.8%、メタノール抽 出 法 で22.7%であった 20) 。
3.吸収
吸 収 部 位 :消 化 管 、吸 収 率 :良 好 、腸 肝 循 環 :あり
<参 考 :ラット>
ラット(n=5)に 3 5 S-ブシラミン50mg/kgを経 口 投 与 したとき、速 やかに消 化
管 か ら 吸 収 さ れ 、 30 ~ 40 分 後 に 最 高 血 中 濃 度 に 達 し た 。 こ の と き の
AUC 0 -9 6 は134.4µg・hr/mLであり、 3 5 S-ブシラミン50mg/kgを静 脈 内 投 与 し
た( n=5 )ときの AUC 0-9 6 :133.5µg・hr/mLと比 較 す ると消 化 管 か らの吸 収
は良 好 であ った。また、経 口 投 与 後 24時 間 までに投 与 量 の 26.1% が胆
汁 中 に排 泄 され、投 与 後 18時 間 までに投 与 量 の1.8 %が腸 肝 循 環 した
19)
。
- 16 -
4.分布
<参 考 :ラット>
ラットに 3 5 S-ブシラミン50mg/kgを経 口 投 与 したところ、放 射 能 は速 やかに全
身 の組 織 ・器 官 に分 布 し、0.5 ~1時 間 では消 化 管 、肝 、腎 および血 液 に比
較 的 高 濃 度 に検 出 された。その後 放 射 能 は、血 液 と同 様 にほとんどの組 織 ・
器 官 から速 やかに消 失 したが、血 管 壁 、皮 膚 、関 節 等 の結 合 織 に富 む組 織
からの消 失 は比 較 的 緩 慢 であった。なお、全 時 間 を通 じ中 枢 神 経 系 への移
行 はわずかであった 1 9) 。
(1)血 液 - 脳 関 門 通 過 性
<参 考 :ラット>
ラットに
35
S-ブシラミンを経 口 投 与 したときの脳 内 への移 行 はわずかであ
ったことより、ブシラミンは血 液 -脳 関 門 を通 過 しがたいと考 えられた
19)
。
(2)血 液 - 胎 盤 関 門 通 過 性
<参 考 :ラット>
妊 娠 後 期 のラットに 35 S-ブシラミンを経 口 投 与 したところ、投 与 後 0.5なら
びに24 時 間 における胎 児 1匹 当 たりの移 行 量 は、それぞれ母 ラットへ投
与 したうちの0.015%と0.017%であった 19 ) 。
(3)乳 汁 へ の 移 行 性
<参 考 :ラット>
母 ラットに 35 S-ブシラミン50mg/kgを経 口 投 与 したとき乳 汁 中 濃 度 は投 与 7
時 間 後 に最 高 濃 度 (17.2µg/mL)に達 し、その後 指 数 関 数 的 に減 少 した。
投 与 24時 間 後 の乳 汁 中 濃 度 は血 中 濃 度 の9.3倍 、96時 間 後 では2.3倍
であった。また、 35 S-ブシラミンを経 口 投 与 した母 ラットから授 乳 させた乳
児 ラットの体 内 からも放 射 能 が検 出 された 19 ) 。
(4)髄 液 へ の 移 行 性
該 当 資 料 なし
(5)そ の 他 の 組 織 へ の 移 行 性
関 節 液 中 へ の 移 行 1 5)
関 節 リ ウマ チ患 者 12 例 に ブシ ラミン100mgを 経 口 投 与 し、2時 間 後 の関
節 液 中 ならびに血 清 中 のブシラミンと代 謝 物 濃 度 を測 定 した結 果 、代 謝
物 SA981(分 子 内 ジスルフィド体 )は血 清 中 より関 節 液 中 で濃 度 が高 く、
ブシラミンと他 の代 謝 物 (モノメチル体 SA679、ジメチル体 SA672)は血 清
中 の 方 が 高 濃 度 で あ った( Ⅶ - 5 -(4)代 謝 物 の 活 性 の 有 無 及 び 比 率
の項 、図 参 照 )。
- 17 -
5.代謝
(1)代 謝 部 位 及 び 代 謝 経 路
ブシラミンの推 定 代 謝 経 路 は下 図 に示 すように、ブシラミンのアシル部 分
のスルフヒドリル基 がS-メチルトランスフェラーゼによりメチル化 されてモノメ
チル体 SA679が生 じ、次 いでシステイン部 分 のスルフヒドリル基 がメチル
化 されてジメチル体 SA672 が生 じる経 路 と、ブシラミンのスルフヒドリル基
が酸 化 されて分 子 内 ジスルフィド体 SA981が生 成 する経 路 があると考 えら
れている 1 9, 21) 。
ブシラミンの推 定 代 謝 経 路
(2)代 謝 に 関 与 す る 酵 素 ( CYP450 等 ) の 分 子 種
該 当 資 料 なし
(3)初 回 通 過 効 果 の 有 無 及 び そ の 割 合
該 当 資 料 なし
(4)代 謝 物 の 活 性 の 有 無 及 び 比 率
代謝物の活性の有無
<参 考 :in vitro>
関 節 リウマチ患 者 由 来 の滑 膜 細 胞 において、ブシラミンとその代 謝 物
SA981(分 子 内 ジスル フィ ド体 ) 、SA679(モ ノメ チル 体 )、SA672( ジメチ ル
体 )のIL-6、IL-8産 生 に及 ぼす影 響 をin vitroで検 討 した。ブシラミンとそ
の代 謝 物 はIL-6産 生 を用 量 依 存 的 に抑 制 し、SA981の効 果 はいずれの
濃 度 (10 - 3 ~10 - 1 µg/mL) におい てもよ り強 力 であ った。 IL-8 産 生 抑 制 効
果 についても用 量 依 存 性 が認 められ、ブシラミンとSA981の効 果 はより強
い傾 向 にあった 15 ) 。
代謝物の比率
健 康 成 人 にブシラミンを単 回 経 口 投 与 したとき、モノメチル体 SA679は未
変 化 体 (ブシラミン)に比 しやや遅 れて血 中 に出 現 し、未 変 化 体 と類 似 の
血 中 濃 度 推 移 を示 した 1 ) 。また、関 節 リウマチ患 者 に本 剤 を投 与 したとき、
2時 間 後 の血 清 中 濃 度 はSA679が最 も高 く、次 いでSA981、未 変 化 体 の
順 であり、SA672はこれらに比 べて有 意 に低 かった(下 図 ) 1 5) 。
- 18 -
(5)活 性 代 謝 物 の 速 度 論 的 パ ラ メ ー タ
該 当 資 料 なし
6.排泄
(1)排 泄 部 位 及 び 経 路
Ⅶ -6 -(2)排 泄 率 の項 参 照
(2)排 泄 率
健 康 成 人 男 性 (n=5)にブシラミン200mgもしくは400mgを食 後 に単 回 経
口 投 与 したとき、尿 中 排 泄 は速 やかであり、投 与 4時 間 後 までに24時 間
累 積 排 泄 量 の約 80%が排 泄 され、投 与 24時 間 後 までの未 変 化 体 ならび
に代 謝 物 の尿 中 累 積 排 泄 率 は200mg投 与 時 42%、400mg投 与 時 39%
であった 1) 。
<参 考 :ラット>
ラットに 3 5 S-ブシラミン50mg/kgを経 口 投 与 したとき、投 与 後 6時 間 で尿 中
か ら 64.8 % ( 雌 ) 、 48.3 % ( 雄 ) が 排 泄 さ れ 、 24 時 間 後 ま で に は 尿 中 へ
75.4 % ( 雌 ) 、 64.5 % ( 雄 ) 、 糞 中 へ 13.6 % ( 雌 ) 、 21.2 % ( 雄 ) 、 合 計 89.0 %
(雌 )、85.7%(雄 )が排 泄 された。以 降 もわずかながら排 泄 は持 続 し、投 与
後 7日 までに尿 中 へ78.3%(雌 )、68.7%(雄 )、糞 中 へ15.9%(雌 )、22.4%
(雄 )、合 計 94.2%(雌 )、91.1%(雄 )が排 泄 された。尿 中 代 謝 物 の分 析 で
未 変 化 体 の 他 、 SA679 、 SA672 、 SA981 が 検 出 さ れ た が 、 未 変 化 体 と
SA679の排 泄 が多 かった 19) 。
(3)排 泄 速 度
該 当 資 料 なし
7.トランスポーターに関する
該 当 資 料 なし
情報
8.透析等による除去率
該 当 資 料 なし
- 19 -
Ⅷ. 安全性(使用上の注意等)に関する項目
1.警告内容とその理由
該 当 しない(特 に設 定 されていない)
2.禁忌内容とその理由
〔禁忌(次の患者には投与しないこと)〕
(原則禁忌を含む)
1)血 液 障 害 のある患 者 及 び骨 髄 機 能 が低 下 している患 者
[骨 髄 機 能 低 下 による重 篤 な血 液 障 害 の報 告 がある]
2)腎 障 害 のある患 者
[ネフローゼ症 候 群 等 の重 篤 な腎 障 害 を起 こすおそれがある]
3)本 剤 の成 分 に対 し過 敏 症 の既 往 歴 のある患 者
<解 説 >
1)本 剤 の副 作 用 として、汎 血 球 減 少 、無 顆 粒 球 症 等 の重 篤 な血 液 障 害 が
報 告 されている。これらの症 例 の中 には骨 髄 穿 刺 像 から骨 髄 機 能 低 下 を
示 す症 例 もみられる。
従 って、血 液 障 害 や骨 髄 機 能 の低 下 している患 者 に本 剤 を投 与 すると血
液 障 害 が増 悪 するおそれがあるので、これらの患 者 には投 与 しないこと。
〔 血 液 障 害 の あ る 患 者 は 承 認 時 よ り 記 載 、 1995年 3月「 汎 血 球 減 少 」
の副作用追加に伴い、骨髄機能が低下している患者を追加〕
2)本 剤 の副 作 用 として、急 性 腎 不 全 、ネフローゼ症 候 群 (膜 性 腎 症 等 )等 の
重 篤 な腎 障 害 が報 告 されている。
従 って、腎 障 害 のある患 者 に本 剤 を投 与 すると腎 障 害 が増 悪 するおそれ
があるので、これらの患 者 には投 与 しないこと。
〔承認時より記載〕
3)本 剤 の副 作 用 としてショック、アナフィラキシー様 症 状 等 が報 告 されている
ため、本 剤 の成 分 による過 敏 症 の既 往 歴 のある患 者 には投 与 しないこと。
〔 2008年 7月 厚 生 労 働 省 医 薬 食 品 局 安 全 対 策 課 事 務 連 絡
( H20.7.4付 ) に よ り 改 訂 〕
〔 原 則 禁 忌( 次 の 患 者 に は 投 与 し な い こ と を 原 則 と す る が 、特 に 必 要
とする場合には慎重に投与すること)〕
1)手 術 直 後 の患 者 [重 篤 な副 作 用 を起 こすおそれがある]
2)全 身 状 態 の悪 化 している患 者 [重 篤 な副 作 用 を起 こすおそれがある]
<解 説 >
1) 手 術 後 の患 者 は、免 疫 機 能 が低 下 していることが多 く、本 剤 を投 与 するこ
とにより重 篤 な副 作 用 を起 こすおそれがあること、また、本 剤 と類 似 の構 造
及 び作 用 機 序 を示 すペニシラミンにも記 載 があることから記 載 した。
〔承認時より記載〕
2) 全 身 状 態 の悪 化 している患 者 は、免 疫 機 能 が低 下 していることが多 く、本
剤 を投 与 することにより重 篤 な副 作 用 を起 こすおそれがあること、また、本
剤 と類 似 の構 造 及 び作 用 機 序 を示 すペニシラミンにも記 載 があることから
記 載 した。
〔承認時より記載〕
- 20 -
3.効能・効果に関連する
該 当 しない(特 に設 定 されていない)
使用上の注意とその理由
4 .用 法 ・ 用 量 に 関 連 す る 使 用 上
該 当 しない(特 に設 定 されていない)
の注意とその理由
5.慎重投与内容とその理由
慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
1)血 液 障 害 の既 往 のある患 者 [骨 髄 機 能 低 下 による重 篤 な血 液 障 害 を起 こ
すおそれがある]
2)腎 障 害 の既 往 のある患 者 [ネフローゼ症 候 群 等 の重 篤 な腎 障 害 を起 こす
おそれがある]
3)肝 障 害 のある患 者 [肝 機 能 検 査 値 の上 昇 等 を起 こすおそれがある]
<解 説 >
1)本 剤 の副 作 用 として、汎 血 球 減 少 、無 顆 粒 球 症 等 の重 篤 な血 液 障 害 が
報 告 されている。
従 って、血 液 障 害 の既 往 のある患 者 に本 剤 を投 与 すると血 液 障 害 が再 発
するおそれがあることから記 載 した。
〔承認時より記載〕
2)本 剤 の副 作 用 として、急 性 腎 不 全 、ネフローゼ症 候 群 (膜 性 腎 症 等 )等 の
重 篤 な腎 障 害 が報 告 されている。
従 って、腎 障 害 の既 往 のある患 者 に本 剤 を投 与 すると腎 障 害 が再 発 する
おそれがあることから記 載 した。
〔承認時より記載〕
3)本 剤 の副 作 用 と して、黄 疸 、 AST(GOT) ・ ALT(GPT) ・ ALP 上 昇 等 の肝 機
能 障 害 が報 告 されている。
従 って、肝 障 害 のある患 者 に本 剤 を投 与 すると肝 機 能 検 査 値 が上 昇 する
おそれがあることから記 載 した。
〔承認時より記載〕
6 .重 要 な 基 本 的 注 意 と そ の 理 由
及び処置方法
重要な基本的注意
1)本 剤 の投 与 に際 しては、関 節 リウマチの治 療 法 に十 分 精 通 し、患 者 の病
態 並 びに副 作 用 の出 現 に注 意 しながら使 用 すること。
2)本 剤 の投 与 開 始 に先 立 ち、主 な副 作 用 、用 法 ・用 量 等 の留 意 点 を患 者 に
説 明 し、特 に咽 頭 痛 、発 熱 、紫 斑 、呼 吸 困 難 、乾 性 咳 嗽 等 の症 状 がみら
れた場 合 には速 やかに主 治 医 に連 絡 するよう指 示 すること。
3)本 剤 は遅 効 性 であるので、本 剤 の効 果 が得 られるまでは、従 来 より投 与 し
ている消 炎 鎮 痛 剤 等 は継 続 して併 用 することが望 ましい。ただし、本 剤 を6
ヵ月 間 継 続 投 与 しても効 果 があらわれない場 合 には投 与 を中 止 すること。
4)本 剤 投 与 前 には必 ず血 液 、腎 機 能 、肝 機 能 等 の検 査 を実 施 すること。投
与 中 は臨 床 症 状 を十 分 に観 察 するとともに、毎 月 1回 血 液 及 び尿 検 査 等
の臨 床 検 査 を行 うこと。
なお、臨 床 検 査 のうち白 血 球 数 、血 小 板 数 及 び尿 蛋 白 の検 査 値 が下 記 の
いずれかの値 を示 したときは、投 与 を中 止 し、適 切 な処 置 を行 うこと。
白 血 球 数 ・・・・・3,000/mm 3 未 満
血 小 板 数 ・・・・・100,000/mm 3 未 満
尿 蛋 白 ・・・・・・・持 続 的 又 は増 加 傾 向 を示 す場 合
- 21 -
<解 説 >
1)関 節 リウマチ患 者 は一 人 一 人 がかなり異 なる症 状 、経 過 を示 す。そのため
各 症 例 により本 剤 の適 切 な用 法 ・用 量 が異 なることが多 く、また、重 篤 な副
作 用 も報 告 されていることから、用 法 ・用 量 を考 慮 するなど、関 節 リウマチ
の治 療 上 、本 剤 が適 正 に使 用 されるよう医 師 の注 意 を促 すために記 載 し
た。
〔承認時より記載〕
2)副 作 用 を早 期 に発 見 するために患 者 に説 明 すべき事 項 を記 載 した。血 液
障 害 の初 期 症 状 として風 邪 様 症 状 (咽 頭 痛 、発 熱 等 )や紫 斑 等 の出 血 傾
向 が、また、肺 障 害 の初 期 症 状 として呼 吸 困 難 、乾 性 咳 嗽 等 がみられる。
これらの症 状 に十 分 注 意 (特 に投 与 開 始 1~3ヵ月 )し、症 状 が見 られた場
合 は医 師 又 は薬 剤 師 に知 らせるよう患 者 に指 導 すること。
〔 承 認 時 よ り 記 載 、「間 質 性 肺 炎 」、「肺 線 維 症 」の 副 作 用 追 加 に 基 づ き
1995年 3月 呼 吸 困 難 、 乾 性 咳 嗽 の 症 状 追 加 〕
3) 本 剤 はラットアジュバント関 節 炎 やリウマトイド因 子 (RF)陽 性 のMRL/ℓマウ
ス関 節 病 変 に対 しては炎 症 を抑 制 することが認 められている 7 , 9) が、カラゲ
ニン、ブラジキニン、デキストランなどを用 いたラット後 肢 足 蹠 部 の急 性 炎
症 やマスタード法 を用 いた亜 急 性 炎 症 については、ステロイドや非 ステロイ
ド 性 消 炎 鎮 痛 剤 の よ う な 抗 炎 症 作 用 は 示 さ ず 、 酢 酸 stretching 法 及 び
Haffner法 のいずれの方 法 においても鎮 痛 作 用 を示 さなかった 7) 。
また、臨 床 試 験 ではプラセボとの二 重 盲 検 試 験 において、臨 床 評 価 項 目
の医 師 判 定 で投 与 8週 目 より改 善 度 に有 意 差 が認 められている 4) 。
以 上 のように本 剤 は消 炎 鎮 痛 剤 のような抗 炎 症 作 用 を示 さず、他 の
DMARDと同 様 に効 果 発 現 まで時 間 を要 することから記 載 した。
従 って 、効 果 発 現 までの期 間 は患 者 の QOLを考 慮 し、非 ステロ イド性 消
炎 鎮 痛 剤 やステロイド内 服 剤 等 を併 用 することが望 ましいとされている。ま
た、最 低 3 ヵ月 は継 続 投 与 し、6 ヵ月 を経 過 しても自 覚 症 状 や炎 症 マーカ
ーの改 善 がみられなければ投 与 を中 止 すること 2 2)
〔承認時より記載〕
4)本 剤 の副 作 用 として、血 液 障 害 、腎 障 害 、肝 機 能 障 害 が報 告 されているこ
と、また、本 剤 は長 期 投 与 を必 要 とする薬 剤 であることから記 載 した。特 に
血 液 障 害 、腎 障 害 は重 篤 化 する可 能 性 があり、早 期 発 見 ・治 療 が重 要 で
あることから検 査 間 隔 、検 査 値 を具 体 的 に記 載 した。
〔 承 認 時 よ り 記 載 、 検 査 間 隔 ・ 検 査 値 は 1995年 3月 追 加 〕
<参 考 >必 要 な検 査
投与中
投与開始前
~6 ヵ月
●血液学的検査
(白血球分画を含む血液像)
●尿検査
●腎機能検査
●肝機能検査
●胸部 X 線検査
- 22 -
必ず実施
6 ヵ月以降
月1回
必ず実施
月1回
3 ヵ月に 1 回
必ず実施
6~12 ヵ月ごとに 1 回
7.相互作用
(1)併 用 禁 忌 とその理 由
該 当 しない(特 に設 定 されていない)
(2)併 用 注 意 とその理 由
該 当 しない(特 に設 定 されていない)
8.副作用
(1)副 作 用 の 概 要
承 認 時 迄 の調 査 及 び使 用 成 績 調 査 の総 症 例 6,970例 中 、副 作 用 が認 められた
のは1,666例 (23.9%)であった。主 な副 作 用 は皮 疹 ・そう痒 感 852件 (12.2 %)、
蛋 白 尿 288件 (4.1%)、口 内 炎 ・口 内 異 常 感 118件 (1.7%)、肝 機 能 異 常 113件
(1.6%)、腎 機 能 異 常 71件 (1.0%)等 であった。(再 審 査 終 了 時 )
(2)重 大 な 副 作 用 と 初 期 症 状
重大な副作用
(1)再 生 不 良 性 貧 血 (頻 度 不 明 )、 赤 芽 球 癆 (頻 度 不 明 )、 汎 血 球 減 少 (頻 度
不 明 )、 無 顆 粒 球 症
23)
(頻 度 不 明 )、 血 小 板 減 少 (0.04%):再 生 不 良 性 貧
血 、赤 芽 球 癆 、汎 血 球 減 少 、無 顆 粒 球 症 、血 小 板 減 少 があらわれることがあ
るので、投 与 中 は毎 月 1 回 血 液 検 査 を実 施 し(「重 要 な基 本 的 注 意 」の項 参
照 )、異 常 が認 められた場 合 には直 ちに投 与 を中 止 し、適 切 な処 置 を行 うこと。
なお、投 与 前 は必 ず血 液 検 査 を実 施 し、血 液 障 害 のある患 者 や骨 髄 機 能 の
低 下 している患 者 には投 与 しないこと(「禁 忌 」の項 参 照 )。
(2)過 敏 性 血 管 炎 (頻 度 不 明 ):過 敏 性 血 管 炎 があらわれることがあるので、異 常
が認 められた場 合 には直 ちに投 与 を中 止 し、適 切 な処 置 を行 うこと。
(3)間 質 性 肺 炎 (0.03%)、好 酸 球 性 肺 炎 (頻 度 不 明 )、肺 線 維 症
24)
(0.03%)、
胸 膜 炎 (頻 度 不 明 ):間 質 性 肺 炎 、好 酸 球 性 肺 炎 、肺 線 維 症 、胸 膜 炎 (胸 水
貯 留 )があらわれることがあるので、呼 吸 困 難 、咳 嗽 等 の呼 吸 器 症 状 並 びに
発 熱 等 がみられた場 合 には投 与 を中 止 し、速 やかに胸 部 X 線 等 の検 査 を実
施 し、適 切 な処 置 を行 うこと。
(4)急 性 腎 不 全 (頻 度 不 明 )、 ネ フ ロ ー ゼ 症 候 群 ( 膜 性 腎 症 等 ) 25) (0.1%):
急 性 腎 不 全 、ネフローゼ症 候 群 (膜 性 腎 症 等 )があらわれることがあるので、
投 与 中 は毎 月 1 回 尿 検 査 等 を実 施 し(「重 要 な基 本 的 注 意 」の項 参 照 )、異
常 が認 められた場 合 には直 ちに投 与 を中 止 し、適 切 な処 置 を行 うこと。
(5)肝 機 能 障 害 (1.6%)、 黄 疸 (頻 度 不 明 ):AST(GOT)、ALT(GPT)、ALP、ビリ
ルビンの上 昇 等 を伴 う肝 機 能 障 害 、黄 疸 があらわれることがあるので、投 与 中
は定 期 的 に肝 機 能 検 査 を実 施 し、異 常 が認 められた場 合 には投 与 を中 止 し、
適 切 な処 置 を行 うこと。
(6)皮 膚 粘 膜 眼 症 候 群 ( Stevens-Johnson 症 候 群 ) (頻 度 不 明 )、 中 毒 性 表
皮 壊 死 症 ( Lyell 症 候 群 ) (頻 度 不 明 )、 天 疱 瘡 様 症 状
26)
(頻 度 不 明 )、
紅 皮 症 型 薬 疹 (0.01%):皮 膚 粘 膜 眼 症 候 群 (Stevens-Johnson 症 候 群 )、中
毒 性 表 皮 壊 死 症 (Lyell 症 候 群 )、天 疱 瘡 様 症 状 、紅 皮 症 型 薬 疹 があらわれ
ることがあるので、異 常 が認 められた場 合 には直 ちに投 与 を中 止 し、適 切 な
処 置 を行 うこと。
(7)重 症 筋 無 力 症
27)
、筋 力 低 下 、多 発 性 筋 炎
28)
(いずれも頻 度 不 明 ):重 症 筋
無 力 症 、筋 力 低 下 、多 発 性 筋 炎 があらわれることがあるので、異 常 が認 めら
れた場 合 には直 ちに投 与 を中 止 し、適 切 な処 置 を行 うこと。
- 23 -
(8)シ ョ ッ ク 、ア ナ フ ィ ラ キ シ ー 様 症 状 (いずれも頻 度 不 明 ):ショック、アナフ
ィラキシー様 症 状 があらわれることがあるので、観 察 を十 分 に行 い、紅 斑 、発
心 、嘔 吐 、呼 吸 困 難 、血 圧 低 下 の症 状 があらわれた場 合 には投 与 を中 止 し、
適 切 な処 置 を行 うこと。
<解 説 >
(1)医 師 からの自 発 報 告 に基 づいて記 載 した。
報 告 件 数 ・・・・・再 生 不 良 性 貧 血 :
承 認 時 迄 の調 査 及 び使 用 成 績 調 査 0件 、自 発 報 告
12件 <症例概要はⅩⅢ項参照>
赤芽球癆:
承 認 時 迄 の調 査 及 び使 用 成 績 調 査 0件 、自 発 報
告 5件
汎血球減少:
承 認 時 迄 の調 査 及 び使 用 成 績 調 査 0件 、自 発 報 告
36件
無顆粒球症:
承 認 時 迄 の調 査 及 び使 用 成 績 調 査 0件 、自 発 報 告
50件
血小板減少:
承 認 時 迄 の調 査 及 び使 用 成 績 調 査 3件 (0.04%)、
自 発 報 告 47件
(2014年 3月 末 現 在 )
〔再 生 不 良 性 貧 血 、 赤 芽 球 癆 、 血 小 板 減 少 : 2002年 1月 厚 生 労 働 省 医
薬 局 安 全 対 策 課 事 務 連 絡 ( H14.1.9付 ) に よ り 改 訂 、
汎 血 球 減 少 : 1995年 3月 、 無 顆 粒 球 症 1993年 8月 追 加 改 訂 〕
(汎 血 球 減 少 の文 献 )
本 間 二 郎 他 :診 断 と治 療 84増 ,94(1996) 【53309】
(無 顆 粒 球 症 の文 献 )
吉 本 栄 治 他 :診 断 と治 療 87,326(1999) 【53321】
根 岸 雅 夫 他 :リウマチ34, 651(1994) 【53117】
(血 小 板 減 少 の文 献 )
日 比 野 宣 幸 他 :中 部 リウマチ26,131(1995) 【53426】
(2)医 師 からの自 発 報 告 に基 づいて記 載 した。
報 告 件 数 ・・・・・過 敏 性 血 管 炎 :承 認 時 迄 の調 査 及 び使 用 成 績 調 査 0件 、
自 発 報 告 10件 (2014年 3月 末 現 在 )
〔 1995年 3月 追 加 改 訂 〕
(3)承 認 時 迄 の調 査 及 び使 用 成 績 調 査 における副 作 用 発 現 状 況 、医 師 からの
自 発 報 告 に基 づいて記 載 した。
報 告 件 数 ・・・・・間 質 性 肺 炎 :承 認 時 迄 の調 査 及 び使 用 成 績 調 査 2件
(0.03%)、自 発 報 告 276件 <症 例 概 要 はⅩⅢ項 参
照
- 24 -
好 酸 球 性 肺 炎 :承 認 時 迄 の調 査 及 び使 用 成 績 調 査 0件 、
自 発 報 告 3件 <症 例 概 要 はⅩⅢ項 参 照 >
肺 線 維 症 :承 認 時 迄 の調 査 及 び使 用 成 績 調 査 2件
(0.03%)、自 発 報 告 7件
胸 膜 炎 :承 認 時 迄 の調 査 及 び使 用 成 績 調 査 0件 、自 発
報 告 9件 <症 例 概 要 はⅩⅢ項 参 照 >
(2014年 3月 末 現 在 )
〔間質性肺炎、肺線維症:1990 年 3 月薬安第 27 号(H2.3.14 付)により改訂、
好酸球性肺炎:2002 年 1 月厚生労働省医薬局安全対策課事務連絡
(H14.1.9 付)により改訂、胸膜炎:2005 年 8 月厚生労働省医薬局
安全対策課事務連絡(H17.8.24 付)により改訂〕
(間 質 性 肺 炎 の文 献 )
上 田 章 他 :九 州 リウマチ 10,161(1991) 【53392】
福 田 孝 昭 他 :診 断 と治 療 87,1761(1999) 【53372】
(肺 線 維 症 の文 献 )
猪 熊 茂 子 他 :リウマチ36, 34(1996) 【53213】
(4)承 認 時 迄 の調 査 及 び使 用 成 績 調 査 における副 作 用 発 現 状 況 、医 師 からの
自 発 報 告 に基 づいて記 載 した。
報 告 件 数 ・・・・・急 性 腎 不 全 (腎 不 全 を含 む):
承 認 時 迄 の調 査 及 び使 用 成 績 調 査 0 件 、自 発 報 告
19 件 <症 例 概 要 はⅩⅢ項 参 照 >
ネフローゼ症 候 群 (膜 性 糸 球 体 腎 炎 を含 む):
承 認 時 迄 の調 査 及 び使 用 成 績 調 査 8 件 (0.1%)、自
発 報 告 398 件
(2014 年 3 月 末 現 在 )
〔 急 性 腎 不 全 : 1997 年 11 月 医 薬 安 第 42 号 ( H10.11.17 付 ) に
より改訂、ネフローゼ症候群:承認時より記載〕
(ネフローゼ症 候 群 の文 献 )
頼 岡 徳 在 他 :腎 と透 析 28,529(1990) 【53270】
(蛋 白 尿 ・ネフローゼ症 候 群 の文 献 )
永 金 知 臣 他 :日 本 臨 床 免 疫 学 会 会 誌 13,346(1990) 【53167】
(蛋 白 尿 ・膜 性 腎 症 の文 献 )
菊 池 正 俊 他 :リウマチ 33,215(1993) 【53254】
(膜 性 腎 症 の文 献 )
佐 藤 英 智 他 :診 断 と治 療 86,1226(1998) 【53292】
(5)承 認 時 迄 の調 査 及 び使 用 成 績 調 査 における副 作 用 発 現 状 況 、医 師 からの
自 発 報 告 に基 づいて記 載 した。
報 告 件 数 ・・・・・肝 機 能 障 害 、肝 機 能 検 査 値 異 常 :
承 認 時 迄 の調 査 及 び使 用 成 績 調 査 113 件 (1.6%)、
自 発 報 告 160 件 <症 例 概 要 はⅩⅢ項 参 照 >
(2014 年 3 月 末 現 在 )
〔 2002 年 1 月 厚 生 労 働 省 医 薬 局 安 全 対 策 課 事 務 連 絡
- 25 -
( H14.1.9 付 ) に よ り 改 訂 〕
(肝 機 能 障 害 の文 献 )
村 上 佳 恵 他 :日 本 臨 床 免 疫 学 会 会 誌 14,49(1991) 【53258】
松 永 伸 一 他 :診 断 と治 療 87,878(1999) 【53335】
(6)承認時迄の調査及び使用成績調査における副作用発現状況、医師からの自発報
告に基づいて記載した。
報告件数・・・・・皮膚粘膜眼症候群:承認時迄の調査及び使用成績調査 0 件、
自発報告 26 件
中毒性表皮壊死症:承認時迄の調査及び使用成績調査 0 件、
自発報告 9 件
天疱瘡様症状:承認時迄の調査及び使用成績調査 0 件、自発
報告 50 件
紅皮症型薬疹:承認時迄の調査及び使用成績調査 1 件(0.01%)、
自発報告 10 件<症 例 概 要 はⅩⅢ項 参 照 >
(2014 年 3 月末現在)
〔皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症:1995 年 3 月追加改訂、天疱瘡様症
状:1991 年 3 月薬安第 27 号(H3.3.13 付)、紅皮症型薬疹:2001 年 1 月厚
生労働省医薬局安全対策課事務連絡(H13.1.12 付)により改訂〕
(皮 膚 粘 膜 眼 症 候 群 の文 献 )
中 村 英 樹 他 :診 断 と治 療 86,1086(1998) 【53288】
山根裕美子他:J.Environ.Dermatol.Cutan.Allergol.2,112(2008) 【60803】
(中 毒 性 表 皮 壊 死 症 の文 献 )
勝 見 祥 子 他 :皮 膚 40,29(1998) 【53285】
(天 疱 瘡 様 症 状 の文 献 )
天 崎 吉 晴 他 :リウマチ 31,528(1991) 【53255】
(7)医 師 からの自 発 報 告 に基 づいて記 載 した。
報告件数・・・・・重 症 筋 無 力 症 :承 認 時 迄 の調 査 及 び使 用 成 績 調 査 0 件 、
自 発 報 告 15 件
筋 力 低 下 :承 認 時 迄 の調 査 及 び使 用 成 績 調 査 0 件 、
自 発 報 告 10 件
多 発 性 筋 炎 :承 認 時 迄 の調 査 及 び使 用 成 績 調 査 0 件 、
自 発 報 告 12 件 <症 例 概 要 はⅩⅢ項 参 照 >
(2014 年 3 月 末 現 在 )
〔 重 症 筋 無 力 症 、 筋 力 低 下 : 1995 年 3 月 、 多 発 性 筋 炎 :
1995 年 11 月 追 加 改 訂 〕
(重 症 筋 無 力 症 の文 献 )
J. Fujiyama., et al.:Jpn. J. Med., 30,101(1991) 【53256】
西 成 田 真 他 :診 断 と治 療 84 増 ,82(1996) 【53409】
(多 発 性 筋 炎 の文 献 )
安 藤 公 二 他 :中 部 リウマチ 26,80(1995) 【53257】
- 26 -
(8)医 師 からの自 発 報 告 に基 づいて記 載 した。
報 告 件 数 ・・・・・
ショック、アナフィラキシー様 症 状 (血 圧 低 下 を含 む):
承 認 時 迄 の調 査 及 び使 用 成 績 調 査 0 件 、自 発 報 告 4 件 <症 例 概 要
はⅩⅢ項 参 照 >(2014 年 3 月 末 現 在 )
〔 2008 年 7 月 厚 生 労 働 省 医 薬 食 品 局 安 全 対 策 課 事 務 連 絡
( H20.7.4 付 ) に よ り 改 訂 〕
(3)そ の 他 の 副 作 用
その他の副作用
副 作 用 が認 められた場 合 には投 与 を中 止 するなど適 切 な処 置 を行 うこと。
頻度
種類
血液
頻度不明
5%以 上
0.1~5%未 満
0.1%未 満
-
-
血小板減少
腎臓
-
-
過敏症
-
皮 疹 、そう
痒感
消化器
-
-
肝臓
黄疸
-
貧血
蛋 白 尿 、血
尿 、腎 機 能 異
常
蕁 麻 疹 、発
熱 、口 内 炎 、
舌 炎 、好 酸 球
増加
食 欲 不 振 、悪
心 ・嘔 吐 、下
痢 、胃 痛 、口
渇
AST(GOT) ・
ALT(GPT) ・
ALP上 昇 等 の
肝機能障害
-
光線過敏症
便秘
-
2 9)
精神神経系
-
-
その他
乳 房 肥
大、女性
化乳房
-
頭 痛 、めまい
脱 毛 、味 覚 異
常 3 0) 、 手 指 末
端 の し び れ
感 、倦 怠 感 、
浮腫
眠気
黄色爪症候
群 31) 、眼 痛
<解 説 >
承 認 時 迄 の調 査 及 び使 用 成 績 調 査 における副 作 用 発 現 状 況 及 び医 師 か
らの自 発 報 告 等 に基 づいて記 載 した。発 現 頻 度 は承 認 時 迄 の調 査 及 び使
用 成 績 調 査 に基 づいている。
血液
総 症 例 6,970 例 中 に 認 めら れ た 副 作 用 発 現 件 数 は 下 記 の 通 り で あ っ た
(P.30 参 照 )。
貧 血 (ヘモグロビン減 少 、赤 血 球 減 少 を含 む):11 件 (0.2%)
〔承認時より記載〕
血 小 板 減 少 :3 件 (0.04%)
〔 1994 年 5 月 薬 安 第 31 号 ( H6.5.10) に よ り 改 訂 〕
- 27 -
腎臓
総 症 例 6,970 例 中 に認 められた副 作 用 発 現 件 数 は下 記 の通 りであった
(P.30 参 照 )。
蛋 白 尿 :288 件 (4.1%)
〔承認時より記載〕
血 尿 : 46 件 ( 0.7%)
〔 2002 年 1 月 追 加 改 訂 〕
腎 機 能 異 常 :71 件 (1.0%)
〔承認時より記載〕
過敏症
総 症 例 6,970 例 中 に 認 め ら れ た 副 作 用 発 現 件 数 は 下 記 の 通 り で あ っ た
(P.30 参 照 )。
皮 疹 (発 疹 ・湿 疹 ・薬 疹 、紅 斑 を含 む):575 件 (8.2%)
〔承認時より記載〕
そう痒 感 :277 件 (4.0%)
〔承認時より記載〕
蕁 麻 疹 :19 件 (0.3%)
〔 1990 年 11 月 追 加 改 訂 〕
発 熱 (悪 寒 ・熱 感 を含 む):15 件 (0.2%)
口 内 炎 :111 件 (1.6%)
〔承認時より記載〕
〔承認時より記載〕
舌 炎 :20 件 (0.3%)
〔 1990 年 11 月 追 加 改 訂 〕
好 酸 球 増 加 :22 件 (0.3%)
〔承認時より記載〕
光 線 過 敏 症 :1 件 (0.01%)
〔 2008 年 7 月 追 加 改 訂 〕
消化器
総 症 例 6,970 例 中 に 認 め ら れ た 副 作 用 発 現 件 数 は 下 記 の 通 り で あ っ た
(P.30 参 照 )。
食 欲 不 振 (食 欲 減 退 を含 む):17 件 (0.2%)
〔承認時より記載〕
悪 心 、嘔 吐 :35 件 (0.5%)
〔承認時より記載〕
下 痢 (軟 便 を含 む):21 件 (0.3%)
〔承認時より記載〕
胃 痛 (腹 痛 ・胃 炎 を含 む):58 件 (0.8%)
〔承認時より記載〕
口 渇 :14 件 (0.2%)
便 秘 :5 件 (0.07%)
〔 1995 年 3 月 追 加 改 訂 〕
〔承認時より記載〕
肝臓
総 症 例 6,970 例 中 に認 められた副 作 用 発 現 件 数 は下 記 の通 りであった
(P.30 参 照 )。
黄 疸 :2 件 (0.03%)
肝 機 能 障 害 (肝 機 能 検 査 値 異 常 を含 む):113 件 (1.6%)
〔 い ず れ も 承 認 時 よ り 記 載 、 1990 年 11 月 及 び
1999 年 5 月 表 現 変 更 〕
精神神経系
総 症 例 6,970 例 中 に認 められた副 作 用 発 現 件 数 は下 記 の通 りであった
(P.30 参 照 )。
頭 痛 :9 件 (0.1%)
めまい:11 件 (0.2%)
眠 気 :2 件 (0.03%)
〔承認時より記載〕
〔 1990 年 11 月 追 加 改 訂 〕
〔承認時より記載〕
その他
総 症 例 6,970 例 中 に認 められた副 作 用 発 現 件 数 は下 記 の通 りであった
(P.30 参 照 )。
- 28 -
乳 房 肥 大 :0 件 (自 発 報 告 6 件 、2014 年 3 月 末 現 在 )
〔 2006 年 2 月 追 加 改 訂 〕
女 性 化 乳 房 :0 件 (自 発 報 告 3 件 、2014 年 3 月 末 現 在 )
〔 2006 年 2 月 追 加 改 訂 〕
脱 毛 :17 件 (0.2%)
〔承認時より記載〕
味 覚 異 常 (味 覚 消 失 を含 む):60 件 (0.9%)
〔承認時より記載〕
手 指 末 端 のしびれ感 (口 ・舌 のしびれ感 を含 む):7 件 (0.1%)
〔承認時より記載〕
倦 怠 感 :7 件 (0.1%)
浮 腫 :36 件 (0.5%)
〔承認時より記載〕
〔 2002 年 1 月 追 加 改 訂 〕
黄 色 爪 症 候 群 :3 件 (0.04%)(自 発 報 告 152 件 、2014 年 3 月 末 現 在 、なお
発 現 頻 度 は承 認 時 迄 の調 査 及 び使 用 成 績 調 査 の爪 の障 害 3 件 (0.04%)
で算 出 )
〔 1990 年 3 月 薬 安 第 27 号 ( H2.3.14) に よ り 改 訂 〕
眼 痛 :1 件 (0.01%)
(脱 毛 の文 献 )
俣 野 憲 一 :診 断 と治 療 86,1084(1998) 【53289】
(味 覚 異 常 の文 献 )
内 田 詔 爾 他 :関 東 リウマチ 21,62(1989) 【53259】
(黄 色 爪 症 候 群 の文 献 )
菊 池 りか他 :皮 膚 病 診 療 12,73(1990) 【53260】
吉 野 博 子 他 :臨 床 皮 膚 科 49,509(1995) 【53388】
田 中 宏 幸 他 :リウマチ科 35,309(2006) 【59038】
中 込 大 樹 他 :皮 膚 病 診 療 35,787(2013) 【64063】
- 29 -
〔承認時より記載〕
(4)項 目 別 副 作 用 発 現 頻 度 及 び 臨 床 検 査 値 異 常 一 覧
〔 1999 年 1 月 改 訂 〕
時 期
調
査
症
承認時迄の調査(%)
例
数
副作用発現症例数
副 作 用 発 現 件 数
使用成績調査(%)
計 (%)
634
6336
6970
188(29.7)
1478(23.3)
1666(23.9)
244
1856
2100
副 作 用 の種 類 別 発 現 件 数
副 作 用 の種 類
皮膚障害(例数)
承認時迄
の調 査 (%)
使用成績
調 査 (%)
副 作 用 の種 類 別 発 現 件 数
副 作 用 の種 類
計 (%)
116(18.3)
761(12.0)
877(12.6) 肝 障 害 (例数)
86(13.6)
26(4.1)
0
3(0.5)
477(7.5)
251(4.0)
19(0.3)
14(0.2)
563(8.1)
277(4.0)
19(0.3)
17(0.2)
紅斑
1(0.2)
11(0.2)
12(0.2)
発赤
皮膚炎
爪 の障 害
紅皮症型薬疹
光線過敏症
その他 の皮 膚 障 害
0
3(0.5)
0
0
0
0
発 疹 ・湿 疹 ・皮 疹 ・薬 疹
そう痒 感
蕁麻疹
脱毛
腎 障 害 (例数)
蛋白尿
腎機能異常
血尿
ネフローゼ症 候 群
その他 の腎 障 害
胃 腸 障 害 (例数)
19(3.0)
9(0.1)
4(0.06)
3(0.05)
1(0.02)
1(0.02)
5(0.08)
368(5.8)
血 液 障 害 (例数)
12(1.9)
使用成績
調 査 (%)
計 (%)
121(1.9)
133(1.9)
12(1.9)
0
0
0
72(1.1)
29(0.5)
25(0.4)
2(0.03)
84(1.2)
29(0.4)
25(0.4)
2(0.03)
6(0.9)
57(0.9)
63(0.9)
好酸球増加
白血球減少
貧血
血小板減少
顆粒球減少
免 疫 グロブリン減 少
2(0.3)
1(0.2)
2(0.3)
0
1(0.2)
0
20(0.3)
16(0.3)
9(0.1)
3(0.05)
2(0.03)
3(0.05)
22(0.3)
17(0.2)
11(0.2)
3(0.04)
3(0.04)
3(0.04)
387(5.6)
好中球減少
0
2(0.03)
2(0.03)
その他 の血 液 障 害
0
8(0.1)
8(0.1)
0
8(0.1)
8(0.1)
0
0
0
2(0.03)
2(0.03)
1(0.02)
2(0.03)
2(0.03)
1(0.01)
9(0.1)
7(0.1)
3(0.04)
1(0.01)
1(0.01)
5(0.07)
15(2.4)
273(4.3)
288(4.1)
2(0.3)
69(1.1)
71(1.0)
2(0.3)
1(0.2)
0
44(0.7)
7(0.1)
3(0.05)
46(0.7)
8(0.1)
3(0.04)
45(7.0)
272(4.3)
口内炎
18(2.8)
93(1.5)
胃 痛 ・腹 痛 ・胃 炎
胃不快感
悪心
下 痢 ・軟 便
舌炎
口渇
胃腸障害
口 唇 炎 ・口 角 炎
口内異常感
胸 やけ
嘔吐
便秘
12(1.9)
2(0.3)
5(0.8)
7(1.1)
0
0
3(0.5)
1(0.2)
0
3(0.5)
1(0.2)
2(0.3)
46(0.7)
32(0.5)
25(0.4)
14(0.2)
20(0.3)
14(0.2)
11(0.2)
8(0.1)
7(0.1)
4(0.06)
4(0.06)
3(0.05)
58(0.8)
34(0.5)
30(0.4)
21(0.3)
20(0.3)
14(0.2)
14(0.2)
9(0.1)
7(0.1)
7(0.1)
5(0.07)
5(0.07)
0
0
1(0.2)
1(0.2)
1(0.2)
5(0.08)
4(0.06)
3(0.05)
1(0.02)
3(0.05)
5(0.07)
4(0.06)
4(0.06)
2(0.03)
4(0.06)
口 ・舌 のしびれ感
腹部膨満
胃潰瘍
十二指腸潰瘍
その他 の胃 腸 障 害
肝機能障害
肝機能検査値異常
ALP上 昇
黄疸
承認時迄
の調 査 (%)
317(4.5)
111(1.6)
呼 吸 器 障 害 (例数)
間質性肺炎
肺線維症
咳嗽
その他 の呼 吸 器 障 害
その他 (例数)
味 覚 異 常 ・消 失
浮腫
食 欲 不 振 ・減 退
発 熱 ・悪 寒 ・熱 感
めまい
頭痛
倦怠感
腫脹
眠気
しびれ感
眼痛
その他
再審査期間
- 30 -
0
27(4.3)
3(0.5)
8(1.3)
3(0.5)
3(0.5)
0
2(0.3)
1(0.2)
2(0.3)
1(0.2)
1(0.2)
1(0.2)
5(0.8)
3(0.05)
150(2.4)
3(0.04)
177(2.5)
57(0.9)
28(0.4)
14(0.2)
12(0.2)
11(0.2)
7(0.1)
6(0.09)
3(0.05)
1(0.02)
1(0.02)
0
29(0.5)
1987年 6月 30日 ~1993年 6月 29日
60(0.9)
36(0.5)
17(0.2)
15(0.2)
11(0.2)
9(0.1)
7(0.1)
5(0.07)
2(0.03)
2(0.03)
1(0.01)
34(0.5)
(5)基礎疾患、合併症、重症度及び手術の有無等背景別の副作用発現頻度
リマチル錠 100mg(使 用 成 績 調 査 社 内 集 計 6,074例 中 )
要因
評価対象例数
背景因子
副作用発現
例数
率 (%)
件数
1,001
5,070
3
202
1,251
1
20.18
24.67
33.33
241
1,587
1
4,663
1,409
2
1,159
295
0
24.86
20.94
0.00
1,462
367
0
関 節 リウマチ
6,074
1,454
23.94
1,829
無
有
不明
4,173
1,899
2
984
469
1
23.58
24.70
50.00
1,231
596
2
併用薬
無
有
124
5,950
18
1,436
14.52
24.13
19
1,810
一日平均投与量
~100mg
~200mg
~300mg
300mg超
不明
1,463
2,821
1,750
7
33
308
712
419
1
14
21.05
25.24
23.94
14.29
42.42
374
913
521
1
20
6,074
1,454
23.94
1,829
性別
男
女
不明
年齢
65歳 未 満
65歳 以 上
不明
診断名
合併症
合 計
(使 用 成 績 調 査 期 間 :1987年 6月 30日 ~1993年 6月 29日 )
リマチル錠 50mg(使 用 成 績 調 査 社 内 集 計 262例 中 )
要因
評価対象例数
背景因子
副作用発現
例数
率 (%)
件数
46
216
5
19
10.87
8.80
7
20
190
72
18
6
9.47
8.33
20
7
関 節 リウマチ
262
24
9.16
27
無
有
160
102
8
16
5.00
15.69
10
17
併用薬
無
有
6
256
1
23
16.67
8.98
1
26
一日平均投与量
~100mg
~200mg
~300mg
300mg超
184
76
2
0
19
5
0
0
10.33
6.58
0.00
0.00
19
8
0
0
262
24
9.16
27
性別
男
女
年齢
65歳 未 満
65歳 以 上
診断名
合併症
合 計
(使 用 成 績 調 査 期 間 :1992年 3月 27日 ~1993年 6月 29日 )
- 31 -
(6)薬 物 ア レ ル ギ ー に 対 す る 注 意 及 び 試 験 法
〔禁忌(次の患者には投与しないこと)〕
本 剤 の成 分 に対 し過 敏 症 の既 往 歴 のある患 者
<解 説 >
本 剤 の副 作 用 としてショック、アナフィラキシー様 症 状 等 が報 告 されているた
め、本 剤 の成 分 による過 敏 症 の既 往 歴 のある患 者 には投 与 しないこと。
〔 2008年 7月 厚 生 労 働 省 医 薬 食 品 局 安 全 対 策 課 事 務 連 絡
( H20.7.4付 ) に よ り 改 訂 〕
9.高齢者への投与
該 当 しない(特 に設 定 されていない)
10. 妊 婦 、 産 婦 、 授 乳 婦 等 へ の
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
投与
1)妊 婦 又 は妊 娠 している可 能 性 のある婦 人 には治 療 上 の有 益 性 が危 険 性
を上 回 ると判 断 される場 合 にのみ投 与 すること。[妊 娠 中 の投 与 に関 する
安 全 性 は確 立 していない]
2)授 乳 中 の婦 人 には投 与 しないこと。やむを得 ず投 与 する場 合 は授 乳 を中
止 させること。[授 乳 婦 に投 与 した場 合 の乳 児 に対 する安 全 性 は確 立 して
いない]
<解 説 >
1)妊 産 婦 への使 用 経 験 が少 なく、安 全 性 が確 立 されていないことから記 載 し
た。なお、動 物 実 験 において、妊 娠 前 及 び妊 娠 初 期 投 与 試 験 (マウス)で
は、240mg/kgまでの用 量 で親 動 物 の生 殖 能 力 に影 響 はなく、また胎 児 の
初 期 発 生 にも障 害 を及 ぼさなかった 3 2) 。また、胎 児 器 官 形 成 期 投 与 試 験
( マウス )では、480mg/kgまでの用 量 で催 奇 形 性 は認 められなか ったが 、
120mg/kg以 上 の群 で胎 児 の発 育 遅 延 が、480mg/kgで妊 娠 母 獣 の体 重
増 加 抑 制 、胎 児 致 死 作 用 及 び出 生 児 の成 長 発 育 遅 延 が認 められた 33 ) 。
〔承認時より記載〕
2)授 乳 中 の婦 人 への使 用 経 験 がないことから記 載 した。
〔承認時より記載〕
11. 小 児 等 へ の 投 与
小児等への投与
小 児 に対 する安 全 性 は確 立 していない(使 用 経 験 が少 ない)。
<解 説 >
小 児 への使 用 経 験 が少 なく、安 全 性 が確 立 されていないことから記 載 した。
〔承認時より記載〕
12. 臨 床 検 査 結 果 に 及 ぼ す 影 響
臨床検査結果に及ぼす影響
ニトロプルシド反 応 の原 理 により尿 中 ケトン体 反 応 が偽 陽 性 を呈 することがあ
る。
- 32 -
<解 説 >
尿 検 査 試 験 紙 のケトン体 測 定 の原 理 は、ニトロプルシドナトリウムとケトン体 と
の呈 色 反 応 を応 用 したものである。ニトロプルシドはイオウイオンとも呈 色 反
応 を示 し、これはイオウイオンがニトロプルシドイオン[Fe(CN)5NO] 2- と反 応 し
て赤 紫 色 のチオニトロプルシドイオン[Fe(CN)5NOS] 4- を生 成 するためと考 え
られている。ブシラミンはSH基 を有 するため、本 剤 投 与 中 に尿 中 ケトン体 の
検 査 を行 うと、ニトロプルシド反 応 の原 理 により測 定 結 果 が偽 陽 性 を呈 するこ
とがあることから、注 意 喚 起 のために記 載 した。
〔 1997年 11月 追 加 改 訂 〕
13. 過 量 投 与
該 当 資 料 なし
14. 適 用 上 の 注 意
適用上の注意
薬 剤 交 付 時 :PTP包 装 の薬 剤 はPTPシートから取 り出 して服 用 するよう指 導
すること。(PTPシートの誤 飲 により、硬 い鋭 角 部 が食 道 粘 膜 へ刺 入 し、更 に
は穿 孔 をおこして縦 隔 洞 炎 等 の重 篤 な合 併 症 を併 発 することが報 告 されて
いる。)
<解 説 >
PTP包 装 の薬 剤 共 通 の注 意 事 項 である。
PTPシートの誤 飲 により重 篤 な合 併 症 の併 発 が報 告 されているので、PTPシ
ートから取 り出 して服 用 するよう患 者 に指 導 すること。
〔 1997年 2月 日 薬 連 発 第 304号 ( H8.4.18付 ) に よ り 改 訂 〕
15. そ の 他 の 注 意
その他の注意
in vitroにおいて金 注 射 剤 の添 加 により蛋 白 結 合 率 が増 加 したとの報 告 があ
るので、金 注 射 剤 との併 用 により副 作 用 の増 強 あるいは効 果 の減 弱 のおそ
れがある。
<解 説 >
in vitroにおいてブシラミンに金 注 射 剤 を添 加 すると蛋 白 結 合 率 が増 加 した
との報 告 に基 づいて承 認 時 に相 互 作 用 欄 に記 載 したが、使 用 成 績 調 査 及
び文 献 報 告 において金 注 射 剤 との併 用 による副 作 用 の増 強 あるいは効 果 の
減 弱 が認 められなかったことにより、その他 の注 意 の項 へ移 行 した。
〔 承 認 時 よ り 記 載 、 1999年 1月 厚 生 省 医 薬 安 全 局 安 全 対 策 課
事 務 連 絡 ( H11.1.27付 ) に よ り 改 訂 〕
16. そ の 他
- 33 -
Ⅸ. 非臨床試験に関する項目
1.薬理試験
(1)薬 効 薬 理 試 験 ( 「 Ⅵ . 薬 効 薬 理 に 関 す る 項 目 」 参 照 )
(2)副 次 的 薬 理 試 験
該 当 資 料 なし
(3)安 全 性 薬 理 試 験
34)
1)中 枢 神 経 系 に 対 す る 作 用
マウスへの経 口 投 与 (10~500mg/kg)で自 発 運 動 、抗 けいれん作 用 、睡
眠 時 間 に対 し影 響 しなかった。
2)骨 格 筋 、 末 梢 神 経 系 に 対 す る 作 用
マウスへの経 口 投 与 (10~500mg/kg)で骨 格 筋 弛 緩 作 用 に影 響 せず、
モルモットへの点 眼 投 与 ( 0.3~3.0 %液 )で局 所 麻 酔 作 用 は示 さなかっ
た。
3)呼 吸 ・ 心 血 管 系 に 対 す る 作 用
ウサギへの静 脈 内 投 与 (1~100mg/kg)で呼 吸 、心 拍 数 には影 響 しなか
ったが、血 圧 は30mg/kg以 上 で軽 度 に低 下 した。3×10 - 3 Mまでの濃 度 で
モルモット摘 出 心 房 の収 縮 力 、拍 動 数 に影 響 しなかった。3×10 - 3 Mまで
の濃 度 でウサギ摘 出 大 動 脈 のノルアドレナリン収 縮 反 応 に影 響 しなかっ
た。
4)平 滑 筋 に 対 す る 作 用
3×10 - 3 Mまでの濃 度 でウサギ摘 出 回 腸 の自 発 運 動 に影 響 せず、モルモ
ット摘 出 回 腸 のアセチルコリン、ヒスタミン等 に対 する収 縮 反 応 にも影 響 し
なかった。また、3×10 - 3 Mまでの濃 度 でモルモット摘 出 気 管 のヒスタミン収
縮 反 応 に影 響 せず、マウスへの経 口 投 与 (10~500mg/kg)で消 化 管 運
動 にも影 響 しなかった。
5)腺 分 泌 に 対 す る 作 用
300mg/kgをマウスに皮 下 投 与 すると唾 液 分 泌 が有 意 に亢 進 した。ラット
に十 二 指 腸 内 投 与 すると、200mg/kg以 上 で胃 液 分 泌 と酸 性 度 が減 少 し
た。ラットへの静 脈 内 投 与 (1~25mg/kg)で胆 汁 分 泌 に影 響 しなかった。
(4)そ の 他 の 薬 理 試 験
該 当 資 料 なし
2.毒性試験
(1)単 回 投 与 毒 性 試 験 35)
LD50(mg/kg)
動物種
マウス
ラット
性
経 口
皮 下
腹腔内
雄
4,118
1,546
1,348
雌
3,892
1,250
1,501
雄
4,074
2,165
1,375
雌
2,961
2,009
1,053
- 34 -
(2)反 復 投 与 毒 性 試 験
36- 39)
ブシラミンをラット(125~1,000mg/kg) 及 びイヌ(25~200mg/kg)に3ヵ月
間 経 口 投 与 し た 。 ラ ッ ト で は 125mg/kg で 毒 性 の 発 現 は 認 め ら れ ず 、
250mg/kg以 上 では、肝 臓 の軽 度 脂 肪 化 、500mg/kg以 上 ではさらに軽 度
貧 血 、体 重 増 加 抑 制 、骨 髄 細 胞 数 の増 加 等 の変 化 があり、イヌでは
200mg/kgまで毒 性 の発 現 は認 められなかったので、最 大 無 影 響 量 はラ
ットで125mg/kg、イヌで200mg/kgと推 定 された。
ブシラミンをラット(7.8~500mg/kg)及 びイヌ(20~250mg/kg)に12ヵ月 間
経 口 投 与 し た 。 ラ ッ ト で は 31.2mg/kg 以 下 で は 毒 性 が 認 め ら れ ず 、
125mg/kg以 上 で体 重 増 加 抑 制 、肝 臓 の軽 度 脂 肪 化 等 、500mg/kgでは
さらに精 巣 間 細 胞 腫 の発 現 率 増 加 、軽 度 貧 血 等 の変 化 があり、イヌでは
100mg/kgま で 毒 性 の 発 現 は認 め ら れ ず 、250mg/kgの 投 与 で一 時 的 な
摂 餌 量 と摂 水 量 の減 少 傾 向 及 び軽 度 貧 血 を認 めたので、最 大 無 影 響
量 はラットで31.2mg/kg、イヌで100mg/kgと推 定 された。
(3)生 殖 発 生 毒 性 試 験
1)妊 娠 前 及 び 妊 娠 初 期 投 与 試 験 3 2)
マウスの妊 娠 前 及 び妊 娠 初 期 にブシラミン30、120及 び240mg/kgを経 口
投 与 したところ、親 動 物 の生 殖 能 力 に影 響 はなく、また胎 児 の初 期 発 生
にも障 害 を及 ぼさなかった。本 試 験 における最 大 無 影 響 量 は、母 獣 では
120mg/kg、胎 児 では240mg/kgと考 えられた。
2)胎 児 器 官 形 成 期 投 与 試 験
マウスの胎 児 器 官 形 成 期 にブシラミン30、120及 び480mg/kgを経 口 投 与
したところ、いずれの投 与 量 においても催 奇 形 性 を認 めなかったが、
480mg/kgで 妊 娠 母 獣 の 体 重 増 加 抑 制 、胎 児 致 死 作 用 及 び 出 生 児 の
成 長 発 育 遅 延 を、120mg/kg以 上 で胎 児 の発 育 遅 延 を認 めた。本 試 験
に おける最 大 無 影 響 量 は、母 獣 では120mg/kg、胎 児 では30mg/kg、 出
生 児 では120mg/kgと考 えられた 3 3) 。
また、ウサギの胎 児 器 官 形 成 期 にブシラミン33.3、100及 び300mg/kgを経
口 投 与 したところ、いずれの投 与 量 においても催 奇 形 性 を認 めなかった
が、妊 娠 母 獣 では100mg/kg以 上 で摂 餌 量 の減 少 を、また300mg/kgで母
獣 の体 重 減 少 及 び死 亡 例 の増 加 及 び胎 児 致 死 作 用 を認 めた。本 試 験
に お け る 最 大 無 影 響 量 は 、母 獣 で は33.3mg/kg、 胎 児 では 100mg/kgと
考 えられた 40) 。
3)周 産 期 及 び 授 乳 期 投 与 試 験 41)
マウスの周 産 期 及 び授 乳 期 にブシラミン7.5、30、120及 び480mg/kgを経
口 投 与 したところ、分 娩 母 獣 では120mg/kg以 上 で軽 度 の体 重 減 少 及 び
死 亡 例 を、出 生 児 では480mg/kgで生 存 率 及 び離 乳 率 の有 意 な低 下 、
体 重 の有 意 な抑 制 、外 表 発 育 及 び機 能 発 達 の遅 延 を認 めた。本 試 験
におけ る最 大 無 影 響 量 は、母 獣 では30mg/kg、出 生 児 では120mg/kgと
考 えられた。
- 35 -
(4)そ の 他 の 特 殊 毒 性
1)抗 原 性 42)
能 動 性 全 身 アナフィラキシー(ASA)反 応 (マウス、モルモット、ウサギ)、受
身 皮 膚 アナフィラキシー(PCA)反 応 (マウス、モルモット、ウサギ)、受 身 ヒ
ツジ赤 血 球 凝 集 (HA)反 応 (ウサギ)においてブシラミンに抗 原 性 は認 め
られなかった。なお、モルモットで遅 延 型 皮 膚 反 応 の認 められる場 合 があ
ったが、ウサギでは認 められず、またアジュバント非 共 存 下 (単 独 感 作 )で
はモルモットでも認 められなかった。
2)変 異 原 性 43)
ブシラミンは微 生 物 における復 帰 変 異 誘 発 性 やチャイニーズ・ハムスター
培 養 細 胞 における染 色 体 異 常 誘 発 性 を全 く示 さなかった。
- 36 -
Ⅹ.管理的事項に関する項目
1.規制区分
製
剤 :劇 薬 、処 方 箋 医 薬 品 (注 意 -医 師 等 の処 方 箋 により使 用 すること)
有 効 成 分 :劇 薬
2.有効期間又は使用期限
使 用 期 限 :3 年 (安 定 性 試 験 結 果 に基 づく)
3.貯法・保存条件
高 温 ・高 湿 を避 けて保 管 のこと
4.薬剤取扱い上の注意点
(1)薬 局 で の 取 扱 い 上 の 留 意 点 に つ い て
特 になし
(2)薬 剤 交 付 時 の 取 扱 い に つ い て ( 患 者 等 に 留 意 す べ き 必 須 事 項 等 )
Ⅷ -14.適 用 上 の 注 意 の項 参 照
・患 者 向 医 薬 品 ガイド:有 り
・くすりのしおり:有 り
・服 薬 指 導 箋 :有 り
(3)調 剤 時 の 留 意 点 に つ い て
特 になし
5.承認条件等
該 当 しない
6.包装
リマチル錠 50mg :(PTP)100錠 、500錠
リマチル錠 100mg:(PTP)100錠 、500錠 、1000錠 、(バラ)500錠
7.容器の材質
〔PTP 包 装 〕
PTP
:ポリプロピレン、アルミニウム
ピ ロ 包 装:セロハン、ポリエチレン、アルミニウム
箱
:紙
〔バラ包 装 〕
ボ ト ル:ポリエチレン
キ ャ ッ プ:ポリエチレン
乾 燥 剤 容 器 (キャップ裏 ):ポリエチレン
詰
め 物:ポリウレタン
ラ ベ ル:紙
箱
8.同一成分・同効薬
:紙
同 一 成 分 薬 :なし
同 効 薬 :ペニシラミン、サラゾスルファピリジン、金 チオリンゴ酸 ナトリウム、オー
ラノフィン、アクタリット、メトトレキサート、レフルノミド 等
9.国際誕生年月日
1987 年 6 月 30 日
- 37 -
10. 製 造 販 売 承 認 年 月 日 及 び
承認番号
11. 薬 価 基 準 収 載 年 月 日
12.効 能 ・ 効 果 追 加 、用 法 ・ 用 量
販売名
リマチル錠 50mg
(旧 販 売 名 )リマチル50
リマチル錠 100mg
(旧 販 売 名 )リマチル
製造承認年月日
2002年 5月 24日
1992年 3月 27日
2002年 5月 24日
1987年 6月 30日
リマチル錠 50mg
(旧 販 売 名 )リマチル50
リマチル錠 100mg
(旧 販 売 名 )リマチル
2003年 7月 4日
1992年 5月 29日
2003年 7月 4日
1987年 8月 28日
承認番号
21400AMZ00492000
(04AM)第 0791号
21400AMZ00491000
(62AM)第 1005号
該 当 しない
変更追加等の年月日及び
その内容
13. 再 審 査 結 果 、 再 評 価 結 果
公表年月日及びその内容
1995年 3月 9日 (再 審 査 結 果 通 知 薬 発 第 201号 )
薬 事 法 第 14条 第 2項 各 号 のいずれにも該 当 しない(効 能 ・効 果 、用 法 ・用 量
等 、承 認 内 容 に変 更 はない)
14. 再 審 査 期 間
1987 年 6 月 30 日 ~1993 年 6 月 29 日 (終 了 )
15. 投 薬 期 間 制 限 医 薬 品 に 関 す る
本 剤 は投 薬 期 間 に関 する制 限 は定 められていない。
情報
16. 各 種 コ ー ド
リマチル錠 50mg
包装
HOT 番 号
100 錠 PTP
1094305020101
500 錠 PTP
1094305020102
厚生労働省薬価基
準 収 載 医 薬 品 コード
レセプト電 算
コード
4420002F2059
620000180
厚生労働省薬価基
準 収 載 医 薬 品 コード
レセプト電 算
コード
4420002F1117
620000181
リマチル錠 100mg
17. 保 険 給 付 上 の 注 意
包装
HOT 番 号
100 錠 PTP
1094213020101
500 錠 PTP
1094213020102
1000 錠 PTP
1094213020103
500 錠 バラ
1094213020201
特 になし
38
ⅩⅠ.文献
1.引用文献
1) 菅 原 幸 子 他 :臨 床 薬 理 16, 611(1985)【53078】
2) 菅 原 幸 子 他 :臨 床 薬 理 16, 621(1985)【53135】
3) 塩 川 優 一 他 :炎 症 5, 333(1985)【53136】
4) 塩 川 優 一 他 :医 学 のあゆみ135, 1116(1985)【53072】
5) 塩 川 優 一 他 :炎 症 6, 409(1986)【53143】
6) 西 村 慶 太 他 :炎 症 13, 293(1993)【53192】
7) 藤 村 一 他 :日 本 薬 理 学 雑 誌 76, 117(1980)【53066】
8) Hayashi M. et al.:J. Rheumatol. 18, 691(1991)【53103】
9) 安 倍 千 之 :リウマチ25, 440(1985)【53069】
10) Hashimoto K. et al.:J. Rheumatol. 20, 953(1993)【53204】
11) Goto M. et al.:Int. J. Immunopharmacol. 11, 327(1989)【53070】
12) Eguchi K. et al.:J. Rheumatol. 19, 1045(1992)【53185】
13) Hirohata S. et al.:Clin. Immunol. Immunopathol. 66, 43(1993)【53188】
14) Aono H. et al.:J. Rheumatol. 23, 65(1996)【53212】
15) Matsuno H. et al.:Int. J. Immunopharmacol. 20, 295(1998)【53311】
16) Nakata K. et al.:Jpn. J. Pharmacol. 37, 85(1985)【53076】
17) 小 谷 敬 子 他 :炎 症 17, 87(1997)【50393】
18) 森 川 演 夫 他 :医 薬 品 研 究 16, 808(1985)【53134】
19) 鬼 頭 寛 和 他 :医 薬 品 研 究 16, 793(1985)【53091】
20) N-(2-Mercapto-2-methylpropionyl)-L-cysteine(SA96)のヒト臨 床 用 量 に
おける血 中 濃 度 範 囲 でのたん白 結 合 性 と併 用 薬 との相 互 作 用 , 社 内
資 料 【53228】
21) 堀 内 正 人 他 :薬 学 雑 誌 105, 665(1985)【53092】
22) 高 杉 潔 :治 療 73, 574(1991)【53115】
23) 根 岸 雅 夫 他 :リウマチ34, 651(1994)【53117】
24) 猪 熊 茂 子 他 :リウマチ36, 34(1996)【53213】
25) 菊 池 正 俊 他 :リウマチ33, 215(1993)【53254】
26) 天 崎 吉 晴 他 :リウマチ31, 528(1991)【53255】
27) Fujiyama J. et al:Jpn. J. Med. 30, 101(1991)【53256】
28) 安 藤 公 二 他 :中 部 リウマチ26, 80(1995)【53257】
29) 村 上 佳 恵 他 :日 本 臨 床 免 疫 学 会 会 誌 14, 49(1991)【53258】
30) 内 田 詔 爾 他 :関 東 リウマチ21, 63(1989)【53259】
31) 菊 池 りか他 :皮 膚 病 診 療 12, 73(1990)【53260】
32) 山 本 義 為 他 :医 薬 品 研 究 16, 611(1985)【53086】
33) 山 本 義 為 他 :医 薬 品 研 究 16, 626(1985)【53087】
34) Iso T. et al.:応 用 薬 理 25, 123(1983)【53093】
35) N-(2-Mercapto-2-methylpropionyl)-L-cysteine(SA96) お よ び そ の 分 解
物 の急 性 毒 性 試 験 , 社 内 資 料 【53080】
36) 高 瀬 謙 二 他 :医 薬 品 研 究 16, 895(1985)【53081】
37) 鬼 頭 寛 和 他 :応 用 薬 理 29, 429(1985)【53082】
38) 鬼 頭 寛 和 他 :医 薬 品 研 究 16, 919(1985)【53083】
- 39 -
39) 鬼 頭 寛 和 他 :医 薬 品 研 究 16, 960(1985)【53084】
40) 山 本 義 為 他 :医 薬 品 研 究 16, 654(1985)【53088】
41) 山 本 義 為 他 :医 薬 品 研 究 16, 665(1985)【53089】
42) 須 田 浩 他 :医 薬 品 研 究 16, 991(1985)【53085】
43) 森 河 康 一 他 :医 薬 品 研 究 16, 784(1985)【53090】
2.その他の参考文献
第十六改正日本薬局方解説書
第十六改正日本薬局方第一追補解説書
- 40 -
ⅩⅡ.参考資料
1.主な外国での発売状況
国 名
販売名
会社名
発売年
剤 形 ・含 量
効 能 ・効 果
用 法 ・用 量
韓国
Rimatil
鐘根堂
1992年
100mg錠
関 節 リウマチ
本 剤 は消 炎 鎮 痛 剤 などで十 分 な効 果 が得 られない場 合
に使 用 すること。
通 常 成 人 、1回 ブシラミンとして100mgを1日 3回 (300mg)
食 後 に経 口 投 与 する。 なお、患 者 の年 齢 、症 状 、忍 容
性 、本 剤 に対 する反 応 等 に応 じ、また、効 果 の得 られた後
には1日 量 100~300mgの範 囲 で投 与 する。 1日 最 大 用
量 は300mgとする。
(2011 年 2 月 現 在 )
2.海外における臨床支援情報
該 当 資 料 なし
- 41 -
ⅩⅢ.備考
1.その他の関連資料
◎ 重 大 な副 作 用 の症例の概要
【再生不良性貧血】
患者
使用理由
No. 性・
年齢
(合併症)
女・ 関節リウマチ
1
70 代
(狭心症、
高脂血症、
骨粗鬆症)
副作用
1 日投与量
投与期間
200mg
903 日間
経過及び処置
再生不良性貧血、ネフローゼ症候群
投与開始日:関節リウマチに対し、本剤 200mg を投与。
投与 903 日目:汎血球減少症、血清総蛋白および血清アルブミンの
(投与中止日)低値、尿蛋白を認め入院。骨髄は低形成で巨核球はほとんど
認めなかった。
中止 2 日後:メチルプレドニゾロン 1000mg/日、メテノロン 15mg/日投与開
始。
中止 4 日後:メチルプレドニゾロン 1000mg/日投与中止。
中止 5 日後:プレドニゾロン 40mg/日投与開始。
中止 27 日後:プレドニゾロン 30mg/日、メテノロンからダナゾール 400mg/
日へ変更。
中止 41 日後:ダナゾールからシクロスポリン 150mg/日へ変更。
中止 67 日後:尿蛋白および血小板減少の遷延を認めた。
中止 68 日後:退院。
中止 110 日後:腎生検を行い、膜性腎症と診断。
中止 273 日後:血液データの正常化および尿蛋白陰性。
臨床検査値
4
3
赤 血 球 数 (10 /mm )
ヘモグロビン量 (g/dL)
ヘマトクリット値 (%)
白 血 球 数 (/mm3)
好 中 球 (%)
好 酸 球 (%)
好 塩 基 球 (%)
リンパ球 (%)
単 球 (%)
血 小 板 数 (104/mm3)
投与903日目
(投与中止日)
282
9.6
29.7
1880
37
6
0
52
4
1.2
中止26日後
中止40日後
中止67日後
中止147日後
中止273日後
302
10.4
32.5
2750
63
2
0
33
2
1.2
336
11.6
36.3
3990
62
0
0
31
7
1.3
301
10.3
32.0
4010
49
1
0
45
6
1.1
331
10.3
32.4
5700
57
0
0
37
6
24.5
392
11.3
35.1
4480
50
0
0
47
3
26.4
投与903日目(投与中止日)の骨髄穿刺結果:NCC 7.0万、MgK 6.3、M/E 0.98。
lymphoid cellを25%認め、myeloid抑制。赤芽球系は相対的に保たれているが絶対数として抑制。Aplastic Anemia likely
併用薬:ジルチアゼム塩酸塩、シンバスタチン、活性型ビタミン D3
- 42 -
【間質性肺炎】
No.
1
患者
性・
使用理由
年齢
(合併症)
女・ 関節リウマチ
50 代
副作用
1 日投与量
投与期間
300mg/日
83 日間
経過及び処置
間質性肺炎
投与 81 日目:労作時呼吸困難出現するも仕事可能。
投与 83 日目:労作時呼吸困難が強くなり近医受診。胸写で間質性肺炎を
指摘され、当科紹介
入院後:メチルプレドニゾロン 1.0g/日、ウリナスタチン 20 万単位/日を 3 日間
点滴静注。
治療 3 日後:胸写の改善がみられたため、プレドニゾロン 50mg/日(内服)に
変更。
治療 7 日後以降:約 2 週間毎にプレドニゾロンの減量を行う。
投与中止 36 日後:退院。プレドニゾロン 15mg/日に変更。胸写上、陰影は
消失。
臨床検査値
CRP
LDH(IU/L)
KL-6(U/mL)
P-ANCA(E unit)
2
投 与 83日 目
治 療 7日 後
17.89
1658
2553
<10
1.97
719
―
―
投 与 中 止 25日
後
2.84
513
―
―
併用薬:ロキソプロフェンナトリウム、セトラキサート塩酸塩
女・ 関節リウマチ
200mg/日
間質性肺炎
70 代
投与 86 日目:咳、息切れ出現。胸部 X 線にて間質性肺炎を認め入院。プレ
154日 間
ドニゾロンを 5mg より 20mg に増量。
投与 102 日目:軽快し退院。以後外来通院。
投与 133 日目:再び咳、息切れあり。間質性肺炎の増悪を認め入院。ステロ
イドパルス療法(メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリ
ウム 500mg/日×3 日)を施行。
投与 149 日目:一時呼吸苦は改善していたが、再び増悪。
投与 155 日目:本剤投与中止。感染症の合併を考えイミペネム・シラスタチン
ナトリウム投与開始。比較的落ち着いていた。
投与中止 3 日後:呼吸状態急激に悪化。肺機能検査の結果、O210L/分投与下
で Po2:34.2、Pco2:33.2、SaO2:70.0%。挿管したところで突
然呼吸停止、心停止をきたす。
併 用 薬 :プレドニゾロン、ロキソプロフェンナトリウム、ジクロフェナクナトリウム、シメチジン、ミソプロストール
43
【好 酸 球 性 肺 炎 】
No.
1
患者
性・
使用理由
年齢
(合併症)
女・ 関節リウマチ
50 代
(なし)
副作用
1 日投与量
投与期間
150mg
約 4 ヵ月間
経過及び処置
好酸球性肺炎
投与開始日:関節リウマチに対し、本剤 150mg、ロキソプロフェンナトリウム
180mg を投与。
投与約 3 ヵ月目:39℃台の発熱及び四肢、体幹に皮疹が発現。
投与約 4 ヵ月目:当院受診。血中好酸球分画の著高。胸部 X 線上、微
(投与中止日) 細粒状影が散在。本剤、ロキソプロフェンナトリウムの投与中
止。低酸素血症があり、酸素投与開始。
中止 7 日後:気管支鏡検査にて、洗浄液中の好酸球が 18%と増加。
中止 9 日後:発熱、皮疹は徐々に軽快。
中止 18 日後:皮膚貼布試験にて、本剤は陽性、ロキソプロフェンナトリウムは
陰性。本剤による好酸球性肺炎と診断。
中止 24 日後 :退院。
臨床検査値
白 血 球 数
(/mm3)
好 中 球 (%)
好 酸 球 (%)
好 塩 基 球 (%)
リンパ球 (%)
単 球 (%)
併用薬: ロキソプロフェンナトリウム
44
投与約4ヵ月目
(中止日)
4600
42.5
37.0
3.5
12.0
5.0
中止7日後
中止15日後
中止24日後
5500
4800
4100
38.0
27.0
0.5
25.0
9.5
52.0
16.5
0.5
20.5
10.5
58.0
12.1
0.6
20.8
8.5
【間 質 性 肺 炎 、胸 膜 炎 】
No.
1
患者
性・
使用理由
年齢
(合併症)
女・ 関節リウマチ
40 代
(髄膜腫、
三叉神経痛)
副作用
1 日投与量
投与期間
200mg
189 日間
経過及び処置
胸膜炎、間質性肺炎
投与開始日:関節リウマチに対し、本剤 200mg およびメトトレキサート 4mg/
週、プレドニゾロン 5mg/日、テプレノン、複合ビタミン B 剤投与
開始。
投与 124 日目:左胸膜炎、肺炎にて他施設(処方施設)呼吸器科へ入院。
処置としてセファゾリンナトリウム 2g/日の投与。
投与 139 日目:症状持続。
投与148日目:乾性咳嗽にて他施設(処方施設)再入院。右肺野の浸潤影、
発熱(37.5℃)、CTにて右肺野S2、S8に斑状影、胸水を認
めた。ミノサイクリン塩酸塩200mgを投与。その後、メロペネ
ム水和物1g、ミカファンギンナトリウム150mgを投与。X線に
よる陰影、咳嗽、胸痛が続くため、対症療法としてジクロフェ
ナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウムを投与。
投与177日目:当施設入院。胸痛およびX線にて同様の所見を認めた。
PaO275 torrと軽度の低酸素血症、AaDo2 25torrと開大を
認めた。
投与184日目:経気管支肺生検を施行。結果、右肺野B2でリンパ球優位の
間質性肺炎と判明。
投与189日目:本剤およびメトトレキサート投与中止。
(投与中止日)
中止14日後:休薬のみで経過をみていたが胸痛、レントゲン上の改善が思
ったほど進まず、プレドニゾロン30mg/日を投与開始。以
後、1週間ごとに減量。
中止25日後 :胸痛症状改善にて退院。
中止42日後 :胸部レントゲン上も陰影軽快。
臨床検査値
赤血球数
(10 4 /mm 3 )
ヘモグロビン量 (g/dL)
ヘマトクリット値 (%)
白血球数
( /mm 3 )
血小板数
(10 4 /mm 3 )
総 ビリルビン
(mg/dL)
AST
(IU/L)
ALT
(IU/L)
LDH
(IU)
γ -GTP
(mU/mL)
血清総蛋白
(g/dL)
BUN
(mg/dL)
血 清 クレアチニン
(mg/dL)
CRP
投 与 71日 目
435
12.2
37.2
6600
18.6
-
25
23
-
-
-
10.3
0.5
0.13
投 与 124日 目 投 与 150日 目
422
376
11.8
10.9
38.1
33.7
11000
8800
21.7
22.5
0.3
0.4
26
19
26
15
267
292
29
-
6.7
-
13.5
13.1
0.6
0.6
8.29
17.60
投 与 182日 目
397
11.4
35.7
6510
34.8
0.3
29
40
214
69
6.0
7.6
0.5
5.5
中 止 7日 後
428
11.9
37.9
7460
32.3
-
23
30
209
-
6.5
8.9
0.6
1.8
併用薬:メトトレキサート、ロキソプロフェンナトリウム、カルバマゼピン、テプレノン、プレドニゾロン、複合ビタミン B 剤
45
【急 性 腎 不 全 】
No.
1
性・
年齢
女・
60 代
患者
使用理由
(合併症)
関節リウマチ
副作用
1 日投与量
投与期間
200mg
255 日間
経過及び処置
本剤投与開始時既に蛋白尿(2+)を認める。投与開始 255 日で嘔気出現。
直ちに本剤中止。血液検査にて、急性腎不全を指摘され、血液維持透析に
て治療。
発現後 98 日で軽快。
臨床検査値
尿蛋白
BUN(mg/dL)
クレアチニン(mg/dL)
2
発 現 後 3日
3+
52.2
5.2
発 現 後 93日
2+
11.8
0.9
併用薬:テガフール・ウラシル、アシクロビル、ラニチジン塩酸塩、ケトプロフェン坐薬、プレドニゾロン
女・ 関節リウマチ
投与開始後約 1 年 2 ヵ月で蛋白尿(2+)出現し、発現後 2 年 4 ヵ月で腎機
300mg
約 3 年 7 ヵ月間 能異常にて本剤中止し、食事療法を実施。発現後 3 年 2 ヵ月現在、未回復。
60 代
臨床検査値
発現時
尿蛋白
BUN(mg/dL)
ク レ ア チ ニ ン
(mg/dL)
コレステロール(mg/dL)
3
併用薬:ミゾリビン、プレドニゾロン
女・ 関節リウマチ
300mg
40 代
約 7 年 1 ヵ月
間
2+
発現後
2年 4ヵ月
(投 与 中 止 )
3+
30
1.6
発現後
2年 11ヵ月
発現後
3年 1ヵ月
発現後
3年 2ヵ月
3+
36
2.6
3+
62.9
4.04
140
3+
25.4
2.6
投 与 開 始 6年 3ヵ月 頃 に、尿 潜 血 (+)、蛋 白 尿 (3+)及 び軽 度 腎 機 能
障 害 を認 める。
数 ヵ 月 後 に 浮 腫 、 全 身 倦 怠 感 、 微 熱 ( 37 ~ 38 ℃ ) 出 現 し 利 尿 剤 投
与 。その後 、漢 方 薬 (八 味 地 黄 丸 )の頓 服 を追 加 、NSAIDsの大 量 投
与 を行 い、軽 快 。その1ヵ月 後 再 び浮 腫 出 現 し、増 強 すると共 に尿 量
の低 下 を認 める。また嘔 気 、嘔 吐 、吐 血 のため緊 急 受 診 。本 剤 中 止 、
入 院 のうえ輸 血 、血 液 透 析 施 行 。発現から約11ヵ月後にアミロイド心によ
る心不全のため死亡。
臨床検査値
発現時
尿蛋白
BUN(mg/dL)
ク レ ア チ ニ ン
(mg/dL)
3+
27.0
1.5
発現後
10ヵ月
(投 与 中 止 ・透 析 施
行)
2+
115.6
10.7
併 用 薬 :アセメタシン、インドメタシンファルネシル、デキサメタゾンパルミチン酸 エステル、
ミゾリビン
46
発現後
11ヵ月
26
6.2
【肝 機 能 障 害 】
No.
1
患者
性・
使用理由
年齢
(合併症)
男・ 関節リウマチ
70 代
(なし)
副作用
1 日投与量
投与期間
200mg
38 日間
経過及び処置
薬剤性肝障害
投与開始日 :関節リウマチに対し、プレドニゾロンに本剤 200mg を追加投
与。
投与 38 日目:そう痒感出現のため、他院受診。肝機能障害(検査値
(投与中止日)異常)が認められ、全ての薬剤の投与中止。当施設へ紹介さ
れ、入院。
中止 3 日後 :プレドニゾロン 5mg/日を再開し、ウルソデオキシコール酸
600mg/日を投与。
中止 28 日後:軽快。
[DLST] :本剤陽性。
臨床検査値
投与14日前
AST(GOT) (IU/L)
ALT(GPT) (IU/L)
ALP (IU/L)
γ-GTP (mU/mL)
総ビリルビン(mg/dL)
2
投与38日目
(投与中止日)
433
902
1292
1122
3.0
16
13
153
17
0.4
中止1日後
中止6日後
中止22日後
290
715
2103
2138
3.7
110
288
1608
1669
1.9
41
71
902
563
0.7
併用薬:プレドニゾロン、デキサメタゾンパルミチン酸エステル
女・ 関節リウマチ
薬剤性肝障害、皮疹
200mg
70 代 (糖尿病、
29 日間
投与開始日:関節リウマチに対し、本剤 200mg を投与。
骨粗鬆症)
投与 11 日目:前胸部に皮疹出現。
投与 16 日目:肝機能検査にて AST(GOT)、ALT(GPT)、ALP、γ-GTP の
上昇を認める。全身倦怠感の出現。皮疹は持続。
投与 29 日目:肝機能検査値はさらに上昇。皮疹、全身倦怠感の増悪。
投与 30 日目:入院。全薬剤投与中止。DLST の実施を行い、結果は
(投与中止日)本剤陽性。
中止 12 日後:強力ネオミノファーゲンシー20mL/日の静注開始。
中止 15 日後:強力ネオミノファーゲンシー20mL/日の静注終了。
中止 16 日後:メコバラミン、メナテトレノン投与再開。
中止 17 日後:グリベンクラミドからナテグリニドに変更して投与開始。
中止 20 日後:カルシトリオール投与再開。
中止 30 日後:軽快。
中止 33 日後:退院。
臨床検査値
AST(GOT) (IU/L)
投与25日前
66
投与16日目
117
投与29日目
670
中止15日後
78
中止30日後
83
中止48日後
66
ALT(GPT) (IU/L)
ALP (IU/L)
γ-GTP (mU/mL)
41
165
16
85
251
27
482
352
80
102
271
63
71
236
40
51
217
33
併用薬:グリベンクラミド、メコバラミン、メナテトレノン、フェルビナク、カルシトリオール
47
【紅皮症型薬疹】
No.
1
2
3
患者
性・
使用理由
年齢
(合併症)
女・ 関節リウマチ
30 代 (シェーグレン症
候群)
(遠位型尿細
管性アシドーシ
ス)
(骨軟化症)
副作用
1 日投与量
投与期間
経過及び処置
200mg/日
16 日間
紅皮症型皮疹
投与 17 日目、全身に粟粒疹発現。粟粒疹融合し、紅皮症へ。全ての薬剤
投与中止。
投与中止 6 日後、プレドニゾロン 15mg/日内服再開。
投与中止 17 日後、皮疹一時消退。
投与中止 21 日後、発熱とともに皮疹再発。プレドニゾロンをメチルプレドニ
ゾロンに変更し、L-アスパラギン酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、アズレン
スルホン酸ナトリウム水和物・L-グルタミンを再開。肝機能障害も合併し、強
力ネオミノファーゲンシー1100mL を点滴静注。
投与中止 48 日後、皮疹消退。
併用薬:プレドニゾロン、L-アスパラギン酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、エトドラク、トロキシピド
女・ 関節リウマチ
300mg/日
紅皮症
60 代
81 日間
投与 65 日目、下腹部に紅斑出現し、徐々に拡大。近医にてベタメタゾン・d
-クロルフェニラミンマレイン酸塩、デキサメタゾンプロピオン酸エステルクリ
ームにて加療するも軽快しない。
投与 82 日目、本剤投与中止。
投与中止 4 日後、四肢、下腹部、下背部に不整形の紅斑の多発隔合を認
め、紅皮症状態であった。ステロイド外用剤、抗アレルギー剤による治療開
始。
投与中止 9 日後、皮疹の消退傾向が遅いためプレドニゾロン内服開始。
投与中止 16 日後、プレドニゾロン中止しても皮疹の再燃を認めていない。
皮疹消退後再投与テストを行ったところ皮疹の再燃を認めた。
併用薬:ロキソプロフェンナトリウム、トコフェロールニコチン酸エステル、テプレノン
女・ 強 皮 症
150mg/日
紅皮症
40 代 (肺 線 維 症 )
22日 間
投 与 44日 目 頃 、全 身 に紅 皮 症 様 の皮 膚 所 見 発 現 。発 熱 を伴 い、そ
300mg/日
う痒 感 もあった。
27 日 間
投 与 49 日 目 、 白 血 球 数 12,700/mm 3 、 好 酸 球 23.5 % と 上 昇 を 認 め
る。全 ての薬 剤 の投 与 中 止 。
投 与 中 止 5日 後 、入 院 。白 血 球 数 10,500/mm 3 、好 酸 球 0%、皮 膚 所
見 もやや改 善 。ステロイドパルス療 法 (メチルプレドニゾロン1000mg/
日 ×3日 間 )を実 施 。
投 与 中 止 8 日 後 、プレドニゾロン 30mg/日 開 始 。
投 与 中 止 13 日 後 、紅 皮 症 所 見 ほぼ消 失 。
投 与 中 止 15 日 後 、回 復 。
併 用 薬 :ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム、テプレノン
48
【多発性筋炎】
No.
1
患者
性・
使用理由
年齢
(合併症)
男・ 関節リウマチ
50 代 (シェーグレン症
候群)
副作用
1 日投与量
投与期間
200mg
701 日間
経過及び処置
多発性筋炎
投与開始 630 日目頃、発熱(36.7℃)、筋力低下、体重減少出現。本剤中
止、プレドニゾロン 60mg/日×4 週間(以後漸減)投与にて、発現後 161 日
で回復。
筋生検にて筋内鞘・血管周囲への単核球浸潤を認めた。
臨床検査値
CPK(IU/L)
GOT(KU)
GPT(KU)
ESR(mm/h)
CRP(mg/dL)
発 現 後 45日
826
79
72
26
2.6
発 現 後 72日
1587
126
95
発 現 後 134日
323
39
112
発 現 後 144日
43
19
44
併用薬:ジクロフェナクナトリウム
2
女・ 関節リウマチ
50 代
300mg
1453 日 間
多発性筋炎
投 与 開 始 1454 日 目 、 頭 痛 、発 熱 ( 37 ℃ 台 ) 、 脱 力 感 出 現 。 本 剤 中
止 、ステロイド投 与 (漸 減 )にて、発 現 後 143日 で軽 快 。筋 電 図 にて筋
原 性 パターンの異 常 あり。
臨床検査値
発 現 後 12日
CPK(IU/L)
GOT(KU)
GPT(KU)
ESR(mm/h)
CRP(mg/dL)
144
140
65
4.1
発 現 後 51日
1042
114
94
74
8.3
発 現 後 87日
663
発 現 後 108日
161
23
32
発 現 後 129日
116
17
19
併 用 薬 :ジクロフェナクナトリウム
3
女 ・ 関節リウマチ
50代 ( 慢 性 甲 状
腺炎)
200mg
14日 間
多発性筋炎
投 与 開 始 15日 目 、発 熱 、上 肢 筋 力 低 下 出 現 。本 剤 中 止 、プレドニゾ
ロン40mg/日 投 与 にて、発 現 後 32日 で軽 快 。
筋 生 検 にて一 部 の筋 線 維 束 の融 解 壊 死 あり。
臨床検査値
CPK(IU/L)
GOT(KU)
GPT(KU)
CRP(mg/dL)
発 現 後 3日
1455
7120
138
発 現 後 17日
1696
69
59
0.65
発 現 後 31日
276
49
152
併 用 薬 :ジクロフェナクナトリウム、アズレンスルホン酸 ナトリウム水 和 物 ・L-グルタミン
49
発 現 後 38日
122
29
110
【アナフィラキシーショック】
No.
1
患者
性・
使用理由
年齢
(合併症)
女・ 関節リウマチ
60 代
(なし)
副作用
1 日投与量
投与期間
経過及び処置
アナフィラキシーショック
投与開始日:A 病院にて関節リウマチの診断により、本剤 200mg、ジクロフェナク
ナトリウム 75mg 投与開始。
投与 12 日目:本剤投与中止。
(投与中止日)
中止 1 日後:当施設受診。ロキソプロフェンナトリウム、テプレノン投与開始。
中止 8 日後:再診時、本剤 100mg を処方。20 時頃、本剤 100mg、ロキソ (再投
与開始日) プロフェンナトリウム 60mg を服用後、入浴。
21 時頃、入浴中全身に皮疹が発現。当施設夜間救急外来を受
診。
眼瞼・口唇の浮腫、全身の紅斑、血圧低下(80/52mmHg)、頻脈、
低酸素血症(sat.91%)、発熱を認めた。酸素、補液投与開始
し、当施設入院。薬物アレルギー、アナフィラキシーショックと診
断。アドレナリンの皮下注、ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナト
リウム 250mg 点滴静注、ヒドロコルチゾンリン酸エステルナトリウム
500mg 静注するも部分的改善しか見られず、欠尿、意識障害
(I-1)、40 度の発熱も認めた。
中止 9 日後:夜よりメチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム 1g 点滴静注
によるステロイドパルス療法を開始(3 日間施行)。
中止 10 日後:意識障害、発熱の持続、項部硬直を認めた。DIC の所見の他に
末梢血で破砕赤血球を多数認め、TTP 様病態の関与、重症感
染症の合併も否定できないため、抗生剤、γ-グロブリン製剤、
新鮮凍結血漿、ヘパリンの投与開始。
中止 11 日後:意識障害は改善傾向にあり、発熱も 37 度台と改善。
中止 14 日後:意識レベルの正常化。DIC 所見の改善および皮疹の消失。
中止 16 日後:酸素投与中止。
中止 20 日後:回復。
[DLST 検査結果]:本剤陰性
200mg
12 日間
100mg
1 日間
臨床検査値
赤 血 球 数 (104/mm3)
ヘモグロビン量(g/dL)
ヘマトクリット値 (%)
白 血 球 数 /mm3)
投 与 中 止 1日 後 投 与 中 止 9日 後 投 与 中 止 10日 後
386
360
336
11.3
10.4
9.6
34.0
32.1
28.9
7200
26900
25800
投 与 中 止 14日 後 投 与 中 止 20日 後
356
350
10.2
10.0
30.7
30.9
4300
6300
血 小 板 数 (104/mm3)
29.9
総 ビリルビン (mg/dL)
0.3
0.3
―
―
―
AST (IU/L)
31
138
123
86
32
ALT (IU/L)
7.6
10.6
4.8
34.2
14
29
41
51
29
LDH (IU)
γ -GTP (mU/mL)
血 清 総 蛋 白 (g/dL)
BUN (mg/dL)
血清クレアチニン (mg/dL)
382
36
6.7
9.3
0.46
1464
52
4.7
18.1
0.86
1734
―
4.8
25.6
0.81
―
96
―
11.1
0.35
383
―
5.5
8.1
0.35
CRP(mg/dL)
4.7
4.7
17.7
1.6
1.1
IgE (mg/dL)
―
260
―
―
―
Dダイマー
―
141.8
―
28.6
―
併用薬:ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム、テプレノン