電子化した処方箋の標準化様式の整備と 運用に関する研究 平成 26

厚生労働科学研究費補助金
(地域医療基盤開発推進研究事業)
電子化した処方箋の標準化様式の整備と
運用に関する研究
平成 26 年度 総括・分担研究報告書
研究代表者
大江 和彦
平成 27(2015)年 3 月
目
次
Ⅰ. 総括研究報告書
電子化した処方箋の標準化様式の整備と運用に関する研究・・・・・・ 1
大江 和彦
別添資料1
別添資料2
・・・・・・ 9
・・・・・・22
Ⅱ. 分担研究報告書
電子化した処方箋の標準化様式の整備と運用に関する研究・・・・・・38
大原 信
処方せん情報記述の標準化の検討
田中 勝弥
・・・・・・・・・・・・・・・・42
電子化した処方箋の標準化様式の整備と運用に関する研究・・・・・・52
土屋 文人
<資料>
電子的処方指示・調剤実施情報提供書 CDA 記述仕様(案)
Ⅲ. 研究成果の刊行に関する一覧表
Ⅳ. 研究成果の刊行物・別刷
厚生労働科学研究費補助金(地域医療基盤開発推進研究事業)
総括研究報告書
電子化した処方箋の標準化様式の整備と運用に関する研究
研究代表者 大江和彦 東京大学医学部附属病院企画情報運営部 教授
研究要旨
【目的】処方せんの電子化に向けて、医療機関および調剤薬局、さらには患者の間で送
受される情報の標準化は必須の課題である。本研究では、これまでの処方せんの電子化
に向けた実証事業の結果から指摘された従来の標準的記述規格に対し改良を行い、処方
情報・調剤情報の電子的な標準記述規格を提案する。また不足している標準用法の拡張、
注射への対応、不均等投与と投与日指定などスケジュール用法への対応方法を策定する
ことが目標である。【方法】1)処方箋の電子記述様式、メッセージ交換方式等の標準
化、2)現行の医薬品標準コードをベースとして一般名表記及び一般名による記載を考
慮したコードセットの検討、3)
「処方オーダリングシステム用標準用法マスタ」を注
射用法やスケジュール用法等への拡張開発により実施した。
【結果】処方せんの電子化
運用に向けて必要となる、処方情報・調剤情報の電子的な標準記述規格を提案した。全
体構造の再構成により、処方内容部分、調剤内容部分のそれぞれの電子署名後の検証操
作が従来に比べて技術的に簡素化された。また、これまでの処方せん電子化実証事業で
は記述制約のために対象外とした、不均等処方や一日量表記も取扱いが可能となり、本
規格の適用可能な対象が拡充された。さらに検証ソフトウエアにより可視的にオーダシ
ステムの処方オーダデータと変換後の「電子処方せん情報記述規格」データとの比較検
証を行う環境が試作された。また、変則的な一般名処方の導入や処方箋における医薬品
名の記載について、2年ごとにルールの変更が行われていることに鑑み、これらの経済
的理由によるルールの変更に左右されない処方箋記載の在り方について検討を行い基
礎的な検討結果を得た。さらに注射に対応するための標準用法の拡張案、および長く検
討事項であった1日内の不均等服薬とスケジュール服薬についても用法コード記述方
法の方針が策定できた。2年目はこれらの実装にむけて必要となるより詳細な取り決め
の策定、厚労省標準認定にむけたプロセスを実施する。
田中勝弥 東京大学医学部附属病院企画
研究分担者 情報運営部 講師
大原 信 筑波大学附属病院医療情報部 土屋文人 国際医療福祉大学薬学部特任
教授
教授
1
方・調剤情報記述仕様を、分割処方、分割調
研究協力者 剤、標準化された一般医薬品、標準化され
星本弘之 筑波大学附属病院医療情報部
た用法記述方式に対応した仕様に拡張する。
病院講師
仕様の拡張にあたって、これまでの国内実
池田和之 奈良県立医科大学附属病院薬
証実験の関係者および日本 HL7 協会の専門
剤部
メンバーにヒアリングをして実装時の問題
日本医療福祉情報システム工業会各社メ
をあらかじめ洗い出しておく。
ンバー
策定した拡張仕様案をベースに、すでに普
及が始まっている SS-MIX2 ストレージ内の
A.
HL7 Ver2.5 系メッセージおよび保健医療情
研究目的
厚生労働省医療情報ネットワーク基盤検
報システム工業会 JAHIS の CSV 二次元バー
討会報告書に記されているように電子化処
コードデータからの変換ソフトウエアを試
方箋運用の効果を最大化するためには、現
作し、処方情報が正確に記述し伝送可能な
状の医療機関の処方オーダシステムと調剤
ことを確認する。
薬局の双方が電子的に処方情報をコンピュ
ータ処理できる形で送受信できることが必
(2)現行の医薬品標準コードをベースと
要でそのための具体的な標準化仕様と運用
して一般名表記及び一般名による記載を考
ガイドラインが必須である。
慮したコードセットの検討
処方箋の電子化の有用な実現のために必
土屋らを中心として、厚生労働省標準であ
須の(1)処方箋の電子記述様式、メッセ
る HOT コード体系による一般名コードセ
ージ交換方式等の標準化、
(2)現行の医薬
ットを整備し、これと厚労省保険局が発番
品標準コードをベースとして一般名表記及
する一般名医薬品コードとの相互運用性を
び一般名による記載を考慮したコードセッ
確保できるよう運用ガイドラインを策定す
トの運用整備、(3)「処方オーダリングシ
る。
ステム用標準用法マスタ」を注射用法やス
1年目は
ケジュール用法等への拡張するための開発、
電子処方箋において課題となる以下の3点
(4)前記 3 項の成果を医療情報システム
について検討を行った。
に普及させるための運用ガイドラインの作
1)後発品使用推進のための施策としての
成、を本研究で実施し、処方箋の電子を実
一般名処方について 現するための課題を解決する。
2)本来の一般名処方が導入された場合が
医薬品コード等に及ぼす影響について B.
3)従来とは異なる用法の医薬品における
研究方法
処方記載方法に関する課題について (1)処方箋の電子記述様式、メッセージ
交換方式等の標準化
大江および田中が、平成 19 年度から策定
してきた国際標準 HL7-CDA に準拠した処
2
本研究では個人識別情報を扱わないため、
(3)
「処方オーダリングシステム用標準用
特別な配慮は必要ない。
法マスタ」を注射用法やスケジュール用法
等への拡張開発
C.
大江らが JAHIS と共同で策定してきた現
研究結果
在の学会標準「処方オーダリングシステム
以下に、従来の実証事業で採用した電子
用標準用法マスタ」を、大原らとともに既
的な処方情報・調剤情報記述規格に対し指
存のオーダシステムで登録されている注射
摘された問題点と、各問題点に関する本研
用法、ルート等の用法情報および、
究での対応内容を記述する。
隔日投与や曜日指定投与などのパターンを
複数病院のシステムから抽出してパターン
(1)処方箋の電子記述様式、メッセージ
を分析し、多様な用法が表現できるよう用
交換方式等の標準化
法コードを拡張する。これには、既存シス
テムのデータ分析は大原、大江らが行い、
従来の国際標準 HL7-CDA に準拠した処方・
その分析結果にもとづいて用法コードを拡
調剤情報記述規格では処方情報を記述した
張する方法については JAHIS と共同で行う。
文書と調剤情報を記述した文書の一対で参
具体的には大原らを中心に、① 標準用法
照しないと処方情報電子署名の検証や、調
マスタを使用している施設及び、独自用法
剤変更内容が追跡できなかった。これに対
マスタで運用している施設について、病院
し、新たに全体構造を定義した。詳細は田
情報システムより使用している用法マスタ
中らの分担報告書に述べるが、概略を以下
を抽出し、それらを比較する調査研究を行
に引用する。
う。② ①の結果を受けて、標準用法マス
全体文書をルート要素:EPD とする文書
タに不足していると考えられる用法を標準
として定義し、処方情報は、EPD/Prescripti
用法マスタに追加すべき用法として抽出し、
on, 調剤情報は、EPD/Dispensing, として記
追加マスタ(案)として提案する。③ 現
述する。
処方時の電子署名は、EPD/Prescription に
在、内服薬と外用薬に限定している標準用
法マスタを在宅医療に向かい、注射薬まで、
対し施すこととし、調剤時は、入手した処
拡張する為の調査を行った。調査は、分担
方情報文書に EPD/Dispensing を追記して、
研究員と研究協力者により、日本病院薬剤
薬剤師が全体文書に署名する。このとき、
師会と協同で行う。④ ③の結果を受けて、
電子署名タイムスタンプの形式は、RFC327
標準用法マスタに追加すべき、注射薬用法
5 に規定される形式の中で、Enveloped Sig
マスタ(案)およびそのコード(案)を策
nature を使用することとする。なお、処方
定する。
情報作成時の電子署名形式は、XAdES-T と
する。また、調剤情報作成時の電子署名形
式は、XAdES-X-L を用いることとする。
本構造変更により、処方発行情報の検証、
(倫理面への配慮)
調剤実施情報の検証がタイムスタンプの有
3
効期限内で可能となる。今回の変更により
リウマトレックスのように、服用日につ
対応可能となった記述は以下の通りである。
いて、曜日や日が指定される場合がある。
①処方せん番号の記述
HL7 CDA R2 の記法では、有効期限の開始
②処方指示情報の記述
日と終了日を記載し服用期間を表現する制
③調剤実施情報の記述
約があるが、現状では服用日の指定は、計
④薬剤情報記述の改善
算により求める以外に方法がない。本研究
i) 一般名処方表記
では、後述するように 8 ケタの服用日指定
ii) 一日量表記
を行う「隔日、曜日、日付指定補助コード」
iii) 調剤時変更
を検討し策定した。
iV) その他
次に、策定した電子処方せん情報記述規格
・先発品調剤理由
・服用順序(数)
にもとづいた電子処方せんデータを電子カ
ルテ・オーダシステムで入力される処方オ
次に記述規格の検証を行うため
ーダデータから適正に生成できるソフトエ
不均等処方、分割処方、隔日処方などの
アの試作を行い諸課題を可視的に検討でき
各特徴的な処方など従来の実証事業では対
るようにするため、SS—MIX2ストレージ上
応ができておらず、電子化実証の対象外と
のデータを指定して今回の「電子処方せん
してきた各処方事例の記述可否について検
情報記述規格」にもとづくデータに変換す
証を行った。
るソフトウエア「電子処方箋データ生成お
不均等処方は、同一日内の異なる服用タ
よび確認ソフトウエア」を開発した。詳細
イミングで用量が異なる。HL7 CDA R2 準
は添付資料に譲るが、概要は以下の通りで
拠の XML 表現では、一つの服用タイミング
ある。
に対して、一つの用量のみ記載可能である
ため、服用タイミングごとに別々の要素と
して記載すべきである。一日内の服用タイ
ミングの順序を計算によらず認識可能とす
るために、先述の「服用順序」を併記する
ことにより対応が可能であった。
結果は良好で、
「電子処方せん情報記述規格」
分割調剤は、一つの処方に対し、複数の
にもとづくデータでオーダシステムが出力
調剤情報が関連する運用にあたる。医療情
する処方データが格納されうることが検証
報ネットワーク基盤検討会でも分割調剤に
できた。
ついての対応方針が策定され、分割処方・
分割調剤に対しては原則紙媒体運用とする
(2)現行の医薬品標準コードをベースと
方針とされるため、本研究でも検討の対象
して一般名表記及び一般名による記載を考
外とした。
慮したコードセットの検討
4
1)後発品使用推進のための施策としての
一日1回夕食直前 一般名処方について:本来の一般名処方が
一日1回夕食直後、
導入された場合が医薬品コード等に及ぼす
一日 2 回朝食直前と昼食直前、
影響について現在の一般名処方は製剤につ
一日 2 回朝食直前と夕食直前、
いて一般名を含む形で表記したものを記載
一日 2 回昼食直前と夕食直前、
し、製剤量を記載している点で、現行とは
一日 2 回朝食直後と夕食直後、
似て非なるものである。医師は一般名(成
一日3回毎食直後
分名)と成分量を処方箋に記載あるいは製
③④ 調査の結果、注射用法として、基本
剤名を記載し製剤量を記載し、薬剤師が処
区分への注射の追加、注射の種別(皮下、
方内容を患者に合致した形で剤形等を決定
静脈、筋肉内など)、時間的要素、機器の種
するというようにすべきである。 別、実施環境、施行者の区別などの項目が
2)本来の一般名処方が導入された場合が
必要不可欠であることが判明した。 医薬品コード等に及ぼす影響について:今
注射薬用の新たなコード体系を整備する
年度は現在薬価基準に収載されている医薬
のでは無く、現状では内服薬と外用薬用と
品について、処方用医薬品マスタ試作すべ
して整備運用されている標準用法コードを
きとの結論に達した。 注射薬にまで拡張する形で、コード案を策
3)従来とは異なる用法の医薬品における
定する方針を提案、当研究班の班会議で決
処方記載方法に関する課題について:電子
定した。 詳細は以下の通りである。現在、
処方箋は開始されれば永遠に使用される制
使用していない15桁、16桁目を注射薬
度であることから、手書き処方時代とは異
のみ必要な時間的要素。機器、実施環境、
なった、また、保険制度に左右されない、
施行者に割り当てている。これらの案は、
医師法や医師法施行規則に準拠した原理原
医療情報学会の標準策定・維持部会での検
則に基づいて対応を検討すべきである。 討を経て、正式に標準用法マスタに追加さ
れる予定である。
基本用法区分(1桁目)
(3)
「処方オーダリングシステム用標準用
法マスタ」を注射用法やスケジュール用法
基本区分
等への拡張開発
3 注射
4 注入
詳細は大原らの分担報告書に譲るが、そ
用法詳細区分(2桁目)
こから主要部分を引用する。 注射
①②不足する用法マスタとして「直前」
「直
0 静脈注射
後」の概念が不足していることが判明し、
1 中心静脈
以下9種類の用法を標準用法マスタに追加
2 皮下注射
すべき用法として決定した。
3 筋肉内注射
一日1回朝食直後、
4 皮内注射
一日1回昼食直後、
5 動脈注射
5
3 在宅・医療従事者
A
硬膜外注射
4 在宅・自己
B
脳脊髄腔注射
C
骨髄内注射
次に研究班全体で JAHIS メンバーらともに
D
関節腔内注射
不均等投与、投与方法が日により異なる用
E
腱鞘内注射
法(スケジュール用法)の記述コード体系
F
腱鞘周囲注射
について6回にわたる班会議により以下の
G
硝子体内注射
ように提案をとりまとめた。 H
結膜下注射
【基本方針】 I
テノン氏のう内注射
①用法はすでに日本医療情報学会標準とな
J
耳茸内注射
っている標準用法コード16桁を前述のよ
K
咽頭注射
うに一部拡張して用いる。 L
胸腔内注射
②不均等・スケジュール用法は、新たに8
M
痔核注射
N
局所・病巣内注射
桁の補足用法コードを用いる。 すなわち16桁標準用法コードに加えて、
必要時には8桁補足用法コードを追加使用
する。 注入
[補足用法コード案] 0 腹膜透析
1桁目:補足用法区分 1 気管内注入
I:日数間隔指定、W:曜日指定、D:日付
2 涙のう内注入
指定、C:指定期間内回数指定 3 鼓室内注入
区分 I の場合: 4 病巣内注入
2桁目:連続服薬日数(数字 1-9 及び英
字 A-V を使用し1から31を表現) コード15桁目
3桁目:連続休薬日数(同上) 時間的要素・機器
3桁目以降:0(未使用) 1 ワンショット
区分 W の場合: 2 点滴
2〜8桁目:日月火水木金土の順に各曜 3 持続投与
日に服薬ある場合1、ない場合0 4 持続投与(輸液ポンプ使用)
区分 D の場合: 5 精密持続投与(シリンジポンプ使用)
2〜8桁目:第1服用日〜第7服用日を 月内の絶対日付で最大7回まで指定する。 16桁目
未指定桁は0 実施環境・施行者
区分 C の場合: 1 医療機関・医療従事者
2桁目:1ヶ月内指定は M、1週間指定 2 医療機関・自己
は W 6
3桁目:指定期間内の服用回数 技術的に簡素化された。また、これまでの
要検討事項:指定期間内の最大服用回数を
処方せん電子化実証事業では記述制約のた
指定する場合の扱いとして、区分 E などを
めに対象外とした、不均等処方や一日量表
別途用意するか、区分 C において修飾桁を
記も取扱いが可能となり、本規格の適用可
4桁目に用意するか検討する。 能な対象が拡充された。さらに検証ソフト
③1日内の不均等投与は次の通りとする案
ウエアにより可視的にオーダシステムの処
を作成した。 方オーダデータと変換後の「電子処方せん
標準用法に追加して、1文字目 V 情報記述規格」データとの比較検証を行う
+1日内順序番号(1回目、2回目などが
環境が試作された。
わかるための番号)+小数点を含む有効数
また、変則的な一般名処方の導入や処方
字6桁の数値文字列(例:0.25 あるいは 箋における医薬品名の記載について、2年
250 など)とし単位は含めない。 ごとにルールの変更が行われていることに
鑑み、これらの経済的理由によるルールの
D.
変更に左右されない処方箋記載の在り方に
考察
従来の電子的処方情報・調剤情報記述規
ついて検討を行い基礎的な検討結果を得た。
格の見直しにより、全体構造の改変、およ
さらに注射に対応するための標準用法の
び、記述項目の拡充を行った。また、注射
拡張案、および長く検討事項であった1日
に対応するための標準用法の拡張案、およ
内の不均等服薬とスケジュール服薬につい
び長く検討事項であった1日内の不均等服
ても用法コード記述方法の方針が策定でき
薬とスケジュール服薬についても用法コー
た。
ド記述方法の方針が策定できた。
F.
これまでの処方せんの電子化に向けた実
なし
証事業で扱えなかった処方・調剤事例に対
G.
研究発表
し、上記の拡充により、適用範囲が拡大さ
1.
論文発表
れたと考える。ただし、日付、曜日などが
なし
指定される休薬期間を有する処方事例への
2.
規格上の対応と不均等を含めた詳細の詰め、
なし
標準化としての策定は2年目の検討課題で
H.
知的財産権の出願・登録状況
ある。
1.
特許取得
なし
E.
2.
結論
処方せんの電子化運用に向けて必要とな
なし
る、処方情報・調剤情報の電子的な標準記
3.
述規格を提案した。全体構造の再構成によ
なし
り、処方内容部分、調剤内容部分のそれぞ
れの電子署名後の検証操作が従来に比べて
7
健康危険情報
学会発表
実用新案登録
その他
8
別添資料料1 電⼦子処⽅方箋データ⽣生成 および 確認ソフトウエアの開発 概要設計書 第 1.10 版 2015 年年 3 ⽉月 1
9
⽬目次 改訂履履歴 ................................................. エ ラ ー ! ブ ッ ク マ ー ク が 定 義 さ れ て い ま せ ん 。
⽬目次 ....................................................................................................................................... 2
1. 構成 ................................................................................................................................. 3
2. 動作フロー ....................................................................................................................... 4
3. 画⾯面イメージ ................................................................................................................... 5
3.1. メイン画⾯面 ............................................................................................................... 5
3.2. 設定画⾯面 ................................................................................................................... 6
4. データモデル ................................................................................................................... 7
4.1. HL7 V2.5 処⽅方オーダ変換後 XML .......................................................................... 7
5. 設定 ................................................................................................................................. 9
5.1. 絞込条件項⽬目設定..................................................................................................... 9
5.2. 処⽅方オーダ変換設定 ............................................................................................... 10
2
10
1. 構成 11
2. 動作フロー 4
12
3. 画⾯面イメージ 3.1. メイン画⾯面 5
13
3.2. 設定画⾯面 6
14
4. データモデル 4.1. HL7 V2.5 処⽅方オーダ変換後 XML <?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<HL7V2_5 xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" xmlns:xsd="http://www.w3.org/2001/XMLSchema">
<Segment seq="1" id="MSH"
value="MSH|^~¥&|SEND||RECEIVE||20120821161523||RDE^O11^RDE_O11|201208211615230143|P|2.5||||||~I
SO IR87||ISO 2022-1994">
<Field seq="1" value="|">
<Repeat seq="1" value="|">
<Component seq="1" value="|" />
</Repeat>
</Field>
・・・
</Segment>
<Segment
seq="2"
id="PID"
value="PID|||1000000001^^^^PI|| 患 者 ^ 太 郎 ^^^^^L^I~ カ ン ジ ャ ^ タ ロ ウ
^^^^^L^P||19601224|M">
・・・
<Field seq="5" value="患者^太郎^^^^^L^I~カンジャ^タロウ^^^^^L^P">
<Repeat seq="1" value="患者^太郎^^^^^L^I">
<Component seq="1" value="患者" />
7
15
<Component seq="2" value="太郎" />
・・・
<Component seq="7" value="L" />
<Component seq="8" value="I" />
</Repeat>
</Field>
・・・
</Segment>
</HL7V2_5>
8
16
5. 設定 5.1. 絞込条件項⽬目設定 <?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<NarrowDownCond xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" xmlns:xsd="http://www.w3.org/2001/XMLSchema">
<item title="患者名(ASCII)"
xpath="/HL7V2_5/Segment[@value='PID']/Field[@seq='5']/Repeat[Component[@seq='8' and @value='A']]/@value" />
<item title="患者名(カナ)"
xpath="/HL7V2_5/Segment[@value='PID']/Field[@seq='5']/Repeat[Component[@seq='8' and @value='P']]/@value" />
<item title="患者名(漢字)"
xpath="/HL7V2_5/Segment[@value='PID']/Field[@seq='5']/Repeat[Component[@seq='8' and @value='I']]/@value" />
</NarrowDownCond>
9
17
5.2. 処⽅方オーダ変換設定 <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<root>
<Configuration>
<CDAElement path="/ClinicalDocument">
<CDAElement path="/typeId">
<CDAElement path="/root">
<StringValue default="2.16.840.1.113883.1.3" />
</CDAElement>
<CDAElement path="/extension">
<StringValue default="POCD_HD000040" />
</CDAElement>
</CDAElement>
<CDAElement path="/id">
<CDAElement path="/@nullFlavor">
<StringValue default="NI" />
</CDAElement>
</CDAElement>
<CDAElement path="/code">
<CDAElement path="/@code">
<StringValue default="01" />
</CDAElement>
10
18
<CDAElement path="/@codeSystem">
<StringValue default="1.2.192.200250.2.1.2.1" />
</CDAElement>
</CDAElement>
<CDAElement path="/title">
<CDAElement path="/text()">
<StringValue default="処方指示・調剤実施情報提供書" />
</CDAElement>
</CDAElement>
<CDAElement path="/effectiveTime">
<CDAElement path="/@value">
<StringValue>
<XPATH>Segment[@id='ORC'][1]/Field[@seq='9']/@value</XPATH>
</StringValue>
</CDAElement>
</CDAElement>
</CDAElement>
</Configuration>
<ConvertDictionary>
<DictionaryList dicionaryName="drugCodeClassification" default="1">
<param source="レセプト電算コード" destination="2" />
<param source="厚生省コード" destination="3" />
11
19
<param source="YJコード" destination="4" />
<param source="HOT" destination="6" />
</DictionaryList>
<DictionaryList dicionaryName="sex" default="">
<param source="M" destination="1" />
<param source="F" destination="2" />
</DictionaryList>
</ConvertDictionary>
<ConstantList>
<param constantName="ファイル作成組織番号" constantValue="1341234567" />
<param constantName="ファイル作成組織名称" constantValue="東京薬局" />
<param constantName="ファイル作成組織名称カナ" constantValue="トウキョウヤッキョク" />
<param constantName="ファイル作成組織電話番号" constantValue="tel:0338155411" />
<param constantName="ファイル作成組織 FAX 番号" constantValue="fax:0338155411" />
<param constantName="ファイル作成組織郵便番号" constantValue="111-0000" />
<param constantName="ファイル作成組織住所" constantValue="東京都文京区本郷 3 丁目" />
<param constantName="医療機関番号" constantValue="1318814790" />
<param constantName="医療機関名称" constantValue="東京大学医学部附属病院" />
<param constantName="医療機関名称カナ" constantValue="トウキョウダイガクイガクブフゾクビョウイン" />
<param constantName="医療機関電話番号" constantValue="tel:0338155411" />
<param constantName="医療機関 FAX 番号" constantValue="fax:0338155411" />
<param constantName="医療機関郵便番号" constantValue="113-8655" />
12
20
<param constantName="医療機関住所" constantValue="東京都文京区本郷7-3-1" />
</ConstantList>
</root>
13
21
別添資料料2 電⼦子処⽅方箋データ⽣生成 および 確認ソフトウエア 操作マニュアル 第 1.10 版 2015 年年 3 ⽉月 1
22
⽬目次 改訂履履歴 ................................................. エ ラ ー ! ブ ッ ク マ ー ク が 定 義 さ れ て い ま せ ん 。
⽬目次 ....................................................................................................................................... 2
資料料 ........................................................ エ ラ ー ! ブ ッ ク マ ー ク が 定 義 さ れ て い ま せ ん 。
1. インストール ................................................................................................................... 3
1.1.1.配置 ..................................................................................................................... 3
2. 起動と終了了 ....................................................................................................................... 5
2.1. 起動 .......................................................................................................................... 5
2.2. 終了了 .......................................................................................................................... 6
3. 設定 ................................................................................................................................. 7
4. 検索索と絞込 ....................................................................................................................... 9
4.1. 検索索 .......................................................................................................................... 9
4.2. 絞込 ........................................................................................................................ 10
5. 処⽅方オーダの変換と参照 ............................................................................................... 11
5.1. 処⽅方オーダ参照 ...................................................................................................... 11
5.2. 変換 ........................................................................................................................ 12
5.3. 処⽅方箋参照 ............................................................................................................. 13
5.4. 変換済処⽅方箋参照................................................................................................... 15
2
23
1. インストール 1.1.1.配置 DVD メディアを光学ドライブにセットし、Windows エクスプローラから対象のメディア
ドライブを選択、 \02.実⾏行行モジュール\PrescriptionCDA ディレクトリを御使⽤用の PC の任意の場所にコピー
して下さい。 (図ではデスクトップにコピーしています。) 3
24
4
25
2. 起動と終了了 2.1. 起動 コピーした PrescriptionCDA ディレクトリを開き、
「PrescriptionCDA」アプリケーションをダブルクリックして起動します。
起動すると下図の画面が表示され、起動が完了します。
(起動時に設定を促すダイアログが表示された場合、3 . 設 定 の項目を参照して下さい。)
5
26
2.2. 終了了 画面右下部の閉じるボタンを押下し、アプリケーションを終了します。
6
27
3. 設定 画面左上部の設定を選択すると設定画面が表示されます。
各設定項目を入力し、OK ボタンを押下し、設定を保存します。
3.1. SS-‐‑‒MIX2 サーバー設定
URI
… SS-MIX2 サーバーへの IP アドレスを含む URI を
指定します。
ルートディレクトリ
… URI 項目で指定した SS-MIX2 サーバー配下に
存在する標準化ストレージルートディレクトリを
指定します。
患者 ID 桁数
… SS-MIX2 標準化ストレージ運用で使用している
患者 ID の桁数を指定します。
7
28
3.2. 変換設定 HL7V2.5 変換時に空のフィールドを XML に出力するチェックボックス…
SS-MIX2 標準化ストレージに格納された HL7 処方オーダーデータファイルを
本アプリケーションが使用する XML 形式に変換する際、
変換対象となった HL7 データファイル内に存在する値未設定のフィールドの
出力/非出力を指定します。
電子処方箋変換時にオプショナル項目を出力するチェックボックス…
HL7CDA 変換設定に記述された要素または属性の内、
usage 設定が O(オプショナル)で指定された項目を
変換結果 XML に出力/非出力を指定します。
3.3. 動作設定
処方オーダデータファイルを処方箋データファイルに変換する際、変換後の XML ファイル
の出力先ディレクトリを指定します。
8
29
4. 検索索と絞込 4.1. 検索索 検索対象とする患者 ID、診療日範囲を指定し、検索ボタンを押下すると処方オーダデータ
ファイルの検索が実行されます。
3.設 定 で指定した SS-MIX2 標準化ストレージ配下の規定構成の患者 ID、診療日ディレク
トリ配下に検索条件にマッチする処方オーダデータファイルが存在する場合、検索結果リ
ストにファイル名が表示されます。
9
30
4.2. 絞込 検索結果に対して、処方オーダの内容によって絞込を行う場合、絞込条件の値欄に対象と
したい値を入力し、絞込実行ボタンを押下すると入力した絞込条件に一つでもマッチする
処方オーダデータファイルが検索結果リストに表示されます。
(絞込条件の追加に関しては別 紙 絞 込 条 件 の 編 集 方 法 を参照して下さい。)
絞込を解除する場合、絞込解除ボタンを押下することで、検索実行直後の検索結果リスト
の状態に戻ります。
10
31
5. 処⽅方オーダの変換と参照 5.1. 処⽅方オーダ参照 検索索結果から参照表⽰示対象とするファイルを選択し、オーダ参照ボタンを押下すると選択
した処⽅方オーダの内容がブラウザ上に表⽰示されます。 11
32
5.2. 変換 検索索結果から参照表⽰示対象とするファイルを選択し、変換ボタンを押下すると選択した処
⽅方オーダから処⽅方箋データに変換した XML が 3.設 定 で指定した処方箋出力ディレクトリ
に変換元ファイルと同名で出力されます。
(処方箋への変換設定に関しては 別 紙 処 方 箋 の 変 換 設 定 方 法 を参照して下さい) 12
33
5.3. 処⽅方箋参照 検索索結果から参照表⽰示対象とするファイルを選択し、オーダ参照ボタンを押下すると選択
した処⽅方オーダが処⽅方箋に変換され、内容がブラウザ上に表⽰示されます。 (変換後の処方箋データファイルは 5.2 変 換 と同様に指定された出力先に出力されま
す。)
13
34
14
35
5.4. 変換済処⽅方箋参照 過去に変換した処方箋を参照する場合、変換済処方箋参照ボタンを押下し、処方箋データ
ファイルを選択、開くボタンを押下すると内容がブラウザ上に表⽰示されます。 15
36
16
37
Ⅱ.分担研究報告書
厚生労働科学研究費補助金(地域医療基盤開発推進研究事業)
分担研究報告書
電子化した処方箋の標準化様式の整備と運用に関する研究
研究分担者
大原
信
筑波大学附属病院
医療情報部長
研究要旨
電子化した処方箋の標準化様式の整備と運用に関する研究の分担研究として、主に、処方
箋記載の用法の標準化について、日本医療情報学会標準の内服薬の標準用法マスタ(以下
標準用法マスタ)についての調査研究を行った。結果:①標準用法マスタ使用施設と独自
用法マスタ使用施設のマスタを比較し、標準用法マスタはほぼ通常運用として充足してい
るが、一部不足する用法が存在することが判明したため、標準用法マスタに追加すべき用
法(案)を提示した。②内服薬と外用薬に限定していた標準用法マスタを、在宅治療を考
慮し、注射薬まで拡張作業を行い、用法案・コード化案を策定した。
A. 研究目的
電子化した処方箋の標準化様式整備の
ために、記載用法の標準化の検討を行っ
た。
調査は、分担研究員と研究協力者により、
日本病院薬剤師会と協同で行った。
④ ③の結果を受けて、標準用法マスタ
に追加すべき、注射薬用法マスタ(案)
およびそのコード(案)を策定した。
(倫理面への配慮)
調査のための病院情報システムからの
B.研究方法
① 標準用法マスタを使用している施設
及び、独自用法マスタで運用している施
データ抽出には、個人情報は全く含まれ
設について、病院情報システムより使用
ないため、特別な倫理への配慮は必要な
している用法マスタを抽出し、それらを
かった。
比較する調査研究を行った。
②
C.研究結果
① 筑波大学附属病院、神戸大学医学部
①の結果を受けて、標準用法マスタ
に不足していると考えられる用法を標準
附属病院、茨城県立中央病院、国立成育
用法マスタに追加すべき用法として抽出
医療研究センター病院、茨城県立こども
し、追加マスタ(案)として提案する。
病院の病院情報システムの内服薬処方
③
現在、内服薬と外用薬に限定してい
の用法マスタを抽出し、独自でも内容的
る標準用法マスタを在宅医療に向かい、
には同じと考えられる用法を同じ内容
注射薬まで、拡張する為の調査を行った。
として診療情報管理士により判別し比
較検討した。このうち、筑波大学附属病
38
院は標準用法マスタを使用し、不足分を
の項目が必要不可欠であることが判明し
独自マスタ追加にて補う運用を行って
た。なお調査対象は①と同じである。
おり、使用頻度までをデータ抽出した。
注射薬用の新たなコード体系を整備す
また、日本病院薬剤師会の同様の調査結
るのでは無く、現状では内服薬と外用薬
果と照らし合わせた。その結果、内服薬
用として整備運用されている標準用法コ
処方の標準用法マスタは、若干不足する
ードを注射薬にまで拡張する形で、コー
用法は存在するが、概ね医療現場での運
ド案を策定する方針を提案、当研究班の
用に足りるものであると判断できた。ま
班会議で決定した。 詳細は以下の通り
た、神戸大学医学部附属病院においては、
である。現在、使用していない15桁、
内服薬の1回量処方記載法を採用して
16桁目を注射薬のみ必要な時間的要素。
おり、この標準用法マスタが一日量処方
機器、実施環境、施行者に割り当ててい
のみならず、一回量処方にも適応可能で
る。これらの案は、医療情報学会の標準
あること
策定・維持部会での検討を経て、正式に
が認められた。
標準用法マスタに追加される予定である。
②
①の結果を受けて、不足する用法マ
基本用法区分(1桁目)
スタとして「直前」
「直後」の概念が不足
基本区分
していることが判明し、以下9種類の用
3 注射
法を標準用法マスタに追加すべき用法と
4 注入
して決定した。
用法詳細区分(2桁目)
一日1回朝食直後、
注射
一日1回昼食直後、
0 静脈注射
一日1回夕食直前
1 中心静脈
一日1回夕食直後、
2 皮下注射
一日 2 回朝食直前と昼食直前、
3 筋肉内注射
一日 2 回朝食直前と夕食直前、
4 皮内注射
一日 2 回昼食直前と夕食直前、
5 動脈注射
一日 2 回朝食直後と夕食直後、
一日3回毎食直後
A
硬膜外注射
B
脳脊髄腔注射
C
骨髄内注射
D
関節腔内注射
E
腱鞘内注射
基本区分への注射の追加、注射の種別(皮
F
腱鞘周囲注射
下、静脈、筋肉内など)、時間的要素、機
G
硝子体内注射
器の種別、実施環境、施行者の区別など
H
結膜下注射
I
テノン氏のう内注射
これらについては、班会議にて承認を受
け、研究協力者であるJAHISメンバ
によりコード化がなされ、標準用法マス
タに追加される予定である。
③
④
調査の結果、注射用法として、
39
J
耳茸内注射
K
咽頭注射
L
胸腔内注射
M
痔核注射
N
局所・病巣内注射
注入
0 腹膜透析
1 気管内注入
2 涙のう内注入
3 鼓室内注入
4 病巣内注入
コード15桁目
時間的要素・機器
1 ワンショット
2 点滴
3 持続投与
4 持続投与(輸液ポンプ使用)
5 精密持続投与(シリンジポンプ使用)
16桁目
実施環境・施行者
1 医療機関・医療従事者
2 医療機関・自己
3 在宅・医療従事者
4 在宅・自己
D
健康危機情報
分担研究報告書のため記載せず。
E
研究発表
現時点ではなし。
F知的財産権の出願・登録状況
なし
40
41
厚生労働科学研究費補助金(地域医療基盤開発推進研究事業)
分担研究報告書
処方せん情報記述の標準化の検討
研究分担者 田中勝弥
東京大学医学部附属病院
講師
研究要旨
処方せんの電子化に向けて、医療機関および調剤薬局、さらには患者の間で送受される情
報の標準化は必須の課題である。本研究では、これまでの処方せんの電子化に向けた実証
事業の結果から指摘された従来の標準的記述規格に対し改良を行い、処方情報・調剤情報
の電子的な標準記述規格を提案する。
A.
研究目的
題点を解決すべく、電子化運用に必要な交
厚生労働省医療情報ネットワーク基盤検
換メッセージの標準的記述規格を提案する。
討会報告書に記されているように処方箋の
B.
電子化運用に向けて運用の効果を最大化す
研究方法
るためには、現状の医療機関の処方オーダ
本研究では、処方せんに相当する処方指
システムと調剤薬局の双方が電子的に処方
示情報を電子的に記述し、調剤薬局で参照
情報をコンピュータ処理できる形で送受信
するための情報、また、調剤薬局での調剤
できることが必要である。これまでに、
「健
実施情報を電子的に記述し、医療機関や患
康情報活用基盤実証事業」
(平成 20 年度~
者にフィードバックを行うための情報の2
平成 22 年度、浦添市)、「健康情報活用基
つについて電子的記述の標準案を作成する。
盤構築事業(処方情報の電子化及び医薬連
処方情報、調剤情報ともに、HL7 CDA R2
携実証)」(平成 23 年度、高松市)
、「シー
準拠とし、国際的な記法に準じることとす
ムレスな健康情報活用基盤実証事業」
(平成
る。また、これまでの紙媒体としての処方
24 年度、能登)などの実証事業において、
せんの運用、法制等に考慮し、電子的な保
処方情報および調剤情報の電送、情報共有、
管が可能なように全体のメッセージ構造を
患者による情報参照などが行われてきたが、
新たに定義し、処方情報、調剤情報それぞ
医療機関と調剤薬局の間で電送するメッセ
れに電子署名、タイムスタンプ付与可能な
ージの規格は、浦添市の「健康情報活用基
構造を考案する。
盤実証事業」で開発した記述規格が利用さ
要素ごとの記述に関しては、JAHIS 制定
れており、いくつかの電子化運用に対する
済み技術文書である、
「院外処方せん2次元
課題が明らかになっている。本研究は、処
シンボル記録条件規約 Ver.1.1」および「電
方せん情報および調剤実施情報の記述規格
子版お薬手帳データフォーマット仕様書
を改善し、過去の実証事業で指摘された問
42
Ver.1.1」に準拠させ、コード化記述は基本
き、電子署名タイムスタンプの形式は、RF
的にこれらの記述文書に準拠させた。
C3275 に規定される形式の中で、Envelop
ed Signature を使用することとする。なお、
(倫理面への配慮)
処方情報作成時の電子署名形式は、XAdES
本研究では個人識別情報を扱わないため、
-T とする。また、調剤情報作成時の電子署
名形式は、XAdES-X-L を用いることとする。
特別な配慮は必要ない。
本構造変更により、処方発行情報の検証、
C.
研究結果
調剤実施情報の検証がタイムスタンプの有
以下に、従来の実証事業で採用した電子
効期限内で可能となる。文書構造の概要を
的な処方情報・調剤情報記述規格に対し指
表1に示す。
摘された問題点と、各問題点に関する本研
表 1 文書の全体構造
究での対応内容を記述する。
1.
<EPD>
<!-- 処方せん番号 -->
<id extension="123456789012"/>
<!-- 処方指示情報 -->
<Prescription>
<ClinicalDocument>
<!-- 処方指示内容 -->
</ClinicalDocument>
<Signature>
<!-- 署名情報(医師) -->
</Signature>
</Prescription>
<!-- 調剤実施情報 -->
<Dispensing>
<!-- 調剤実施内容 -->
</Dispensing>
<Signature>
<!-- 署名情報(薬剤師) -->
</Signature>
全体構造
従来の記述規格では、section 単位で処方
情報、調剤情報を記載する構造であり、疑
義照会による薬剤変更や用法、用量変更が
発生する場合の処方情報の変更追記ができ
なかった。このため、疑義照会により、処
方内容に変更が発生した場合の修正記載が
行えず、元処方情報は調剤実施情報から参
照できない問題があった。また、処方情報
は処方発行医が電子署名を施すことを想定
しており、従来の記述規格では処方情報を
記述した文書と調剤情報を記述した文書の
一対で参照しないと処方情報電子署名の検
</EPD>
証や、調剤変更内容が追跡できなかった。
これに対し、新たに全体構造を定義した。
2.
全体文書をルート要素:EPD とする文書
処方せん番号の記述
として定義し、処方情報は、EPD/Prescrip
処方せん番号は、電子化運用時には、医
tion, 調剤情報は、EPD/Dispensing, とし
療機関横断的に一意に特定できる必要があ
て記述する。
る。これは、処方発行時から調剤実施完了
までの間、不変の番号であり、ルート文書
処方時の電子署名は、EPD/Prescription
の id 要素として定義する。
に対し施すこととし、調剤時は、入手した
処方情報文書に EPD/Dispensing を追記し
て、薬剤師が全体文書に署名する。このと
43
3.
5.
処方指示情報の記述
従来規格では、処方情報セクションにお
薬剤情報記述の改善
従来規格で未策定であった、以下の項目
いて、処方医、保険・公費情報、備考情報
について記述規格を拡充した。
を混在記述する状態にあった。本研究では、
処方指示情報を「処方指示情報」
「保険・公
①
一般名処方表記
費情報」
「処方備考情報」の3セクションに
従来、医薬品指定の記述しか規定してお
分割記載することとし、ヘッダ部に記述可
らず、一般名処方に対応できていなかった
能な情報は本文セクションではなくヘッダ
ため、記述規格の追加を行った(表4)
。
部に記載すべく見直しを行った。処方情報
(/EPD/Prescription)のセクション構造は
②
一日量表記
HL7 CDA R2 では原則として、substan
表2のとおりとした。
表 2 処方情報のセクション構造
ceAdministration 要素による処方表現での
セクション名
内容
一回量表記が原則であるが、調剤表現とし
処方指示情報
医薬品ごとの処方薬、用法、用
ての supply 要素は、払い出し総数による記
量など
載が原則である。このため、調剤情報から、
当該処方にかかわる保険、公費
一日量、一回量、用法を使用した計算によ
情報
る相互の算出が従来必要であった。処方、
当該処方に対する備考情報
調剤ともに、一日量を併記することにより
保険・公費情報
処方備考情報
このような項目間の算出操作を解消する。
4.
一日量表現は、doseCheckQuantity 要素に
調剤実施情報の記述
より表記することとした。
処方情報と調剤情報が全体構造の見直し
により分離され、調剤情報が独立した要素
③
として記述するため、調剤実施内容は、
supply 要素として記述する記法に変更した。
調剤時変更
実際運用では、疑義照会、後発薬への変
また、調剤実施情報全体は、表3のとおり
更や患者要望などにより、処方情報に指示
とし、新たに、
「調剤実施観察情報」として、
された、医薬品・用法・用量が変更される
調剤薬局で観察された患者の状況を記載、
ことがあり、変更内容が認識可能な電子的
報告が可能な構造とした。
表現が必要である。従来規格では規定され
なかった調剤変更による処方情報項目に対
する変更情報を記述規格に追加した。具体
表 3 調剤情報のセクション構造
セクション名
内容
的には、調剤情報を表す supply 要素に対し、
調剤実施情報
医薬品ごとの処方内容
子要素として entryRelationship/substanc
調剤実施補足
疑義照会、服薬指導などの内容
eAdministration 要素により、薬剤ごとに
変更内容を記述可能とした。
情報
調剤実施観察
調剤実施時の観察情報を記載す
情報
る
44
④
その他
序」を併記することにより対応が可能であ
・先発品調剤理由
るとの結論に至った。
先発品を調剤する理由をテキスト記載す
分割調剤は、一つの処方に対し、複数の
るもの
調剤情報が関連する運用にあたる。医療情
報ネットワーク基盤検討会でも分割調剤に
・服用順序(数)
ついての対応方針が策定され、分割処方・
HL7 CDA では、薬品・用量・用法が1
分割調剤に対しては原則紙媒体運用とする
まとまりで表現されるため、一日内での用
方針とされるため、本研究でも検討の対象
量変化がそのままでは表現できない。これ
外とした。
に対応するため、一日内の服用順序を追加
リウマトレックスのように、服用日につ
し、一日内の用量変更を記載可能とした。
いて、曜日や日が指定される場合がある。
HL7 CDA R2 の記法では、有効期限の開始
6.
記述規格の検証
日と終了日を記載し服用期間を表現する制
不均等処方、分割処方、隔日処方などの
約があるが、現状では服用日の指定は、計
各特徴的な処方に対して、過去の実証事業
算により求める以外に方法がない。本研究
では対応ができておらず、電子化実証の対
班では、8 ケタの服用日指定を行う「隔日、
象外としてきたが、実際の運用ではこれら
曜日、日付指定補助コード」を検討し策定
の電子化運用も必須であり、記述解釈可能
したが、この補助コードをそのまま記述で
かどうか検討を行っておく必要がある。本
きる XML 要素は HL7 CDA R2 には存在し
研究で策定する標準的記述規格において各
ないため、残課題として引き続き検討を行
処方事例の記述可否について検証を行った。
う必要がある。
不均等処方は、同一日内の異なる服用タ
イミングで用量が異なる。HL7 CDA R2
D. 考察
準拠の XML 表現では、一つの服用タイミ
本研究では、従来の電子的処方情報・調
ングに対して、一つの用量のみ記載可能で
剤情報記述規格の見直しにより、全体構造
あるため、服用タイミングごとに別々の要
の改変、および、記述項目の拡充を行った。
素として記載すべきである。たとえば、
「一
全体構造の見直しにより、処方発行時情
日 3 回食後」、という用法は、
「朝食後」
「昼
報と調剤実施時情報が完全に分離され、調
食後」
「夕食後」という 3 回の服用タイミン
剤情報記述内に、処方情報を参照情報とし
グに分離し、それぞれに用量を記載して表
て追記可能な構造とした。このことにより、
現する。この場合、不均等処方であった場
処方発行時の情報は電子署名・タイムスタ
合には、1つの RP が 3 つの substanceAd
ンプ付与された状態で同一文書内に保持さ
ministration 要素で表現される(表5)。一
れ、検証が可能となった。また、薬剤・用
日内の服用タイミングの順序を計算によら
法・用量に対する調剤時変更内容を調剤実
ず認識可能とするために、先述の「服用順
施情報内に処方情報とは独立に併記可能と
45
したことで、同様に調剤時変更に対する検
なし
証が技術的に容易になったと考える。
2.
また、記述項目の拡充により、従来対応
できなかった一般名表記、一日量併記が実
実用新案登録
なし
現可能となった。
3.
これまでの処方せんの電子化に向けた実
証事業で扱えなかった処方・調剤事例に対
なし
し、上記の拡充により、適用範囲が拡大さ
れたと考える。ただし、日付、曜日などが
指定される休薬期間を有する処方事例への
対応は今後の検討課題とした。
E.
結論
本研究では、処方せんの電子化運用に向
けて必要となる、処方情報・調剤情報の電
子的な標準記述規格を提案した。全体構造
の再構成により、処方内容部分、調剤内容
部分のそれぞれの電子署名後の検証操作が
従来に比べて技術的に簡素化された。また、
これまでの処方せん電子化実証事業では記
述制約のために対象外とした、不均等処方
や一日量表記も取扱いが可能となり、本規
格の適用可能な対象が拡充されたと考える。
F.
健康危険情報
なし
G. 研究発表
1.
論文発表
なし
2.
学会発表
なし
H. 知的財産権の出願・登録状況
1.
特許取得
46
その他
表 4 一般名処方の記述サンプル
<component>
<section>
<code code="11" codeSystem="1.2.392.200250.2.1.2.2" displayName="調剤実施情報"/>
<entry>
<substanceAdministration classCode="SBADM" moodCode="RQO">
<!--RP番号-->
<id extension="1" root="1.2.392.200250.2.3.1"/>
<text>レバミピド錠100mg 3錠;1日3回朝夕食後と就寝前;7日分</text>
<!--医科用法-->
<effectiveTime xsi:type="IVL_TS">
<low value="21040911"/>
<high value="20140917"/>
</effectiveTime>
<effectiveTime operator="A" xsi:type="EIVL_TS">
<event code="1013140400000000" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.20" displayName="
1日3回朝夕食後と就寝前"/>
</effectiveTime>
<!--一回量-->
<doseQuantity value="1" unit="{TBL}"/>
<!--薬剤情報(一般名処方)-->
<consumable>
<manufacturedProduct>
<manufacturedMaterial>
<code code="2329021F1ZZZ" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.22" displayName="
レバミピド錠100mg"/>
</manufacturedMaterial>
</manufacturedProduct>
</consumable>
</substanceAdministration>
</entry>
</section>
</component>
47
表 5 不均等処方の記述サンプル
<component>
<section>
<code code="11" codeSystem="1.2.392.200250.2.1.2.2" displayName="調剤実施情報"/>
<entry>
<substanceAdministration classCode="SBADM" moodCode="RQO">
<!--RP番号-->
<id extension="99" root="1.2.392.200250.2.3.1"/>
<!—服用順序-->
<id extension="1" root="1.2.392.200250.2.3.2"/>
<text>プレドニン錠(5mg)4錠;1日1回朝食後;7日分</text>
<!--医科用法-->
<effectiveTime xsi:type="IVL_TS">
<low value="21040911"/>
<high value="20140917"/>
</effectiveTime>
<effectiveTime operator="A" xsi:type="EIVL_TS">
<event code="1011000400000000" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.20" displayName="
1日1回朝食後"/>
</effectiveTime>
<!--一回量-->
< doseQuantity value="4" unit="{TBL}"/>
<!--薬剤情報-->
<consumable>
<manufacturedProduct>
<manufacturedLabeledDrug>
<code code="105271807" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.4" displayName="プレド
ニン錠5mg"/>
</manufacturedLabeledDrug>
</manufacturedProduct>
</consumable>
<entryRelationship typeCode="COMP">
<!--薬剤払い出し情報-->
<supply classCode="SPLY" moodCode="EVN">
<!--RP番号-->
<id extension="1" root="1.2.392.200250.2.3.1"/>
<!--分割調剤の有無、後発役への置き換え-->
<code code="01" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.10"/>
<!--服薬開始日-->
<effectiveTime xsi:type="IVL_TS">
<low value="21040911"/>
</effectiveTime>
<!--調剤用法-->
<effectiveTime xsi:type="EIVL_TS" operator="A">
<event code="1011000400000000" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.20"
displayName="1日1回朝食後"/>
</effectiveTime>
<!--払い出し量-->
48
<quantity value="28" unit="{TBL}"/>
<!--日数-->
<expectedUseTime>
<width value="7" unit="day"/>
</expectedUseTime>
<product>
<manufacturedProduct>
<manufacturedLabeledDrug>
<code code="105271807" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.4" displayName="
プレドニン錠5mg"/>
</manufacturedLabeledDrug>
</manufacturedProduct>
</product>
</supply>
</entryRelationship>
</substanceAdministration>
</entry>
<entry>
<substanceAdministration classCode="SBADM" moodCode="RQO">
<!--RP番号-->
<id extension="99" root="1.2.392.200250.2.3.1"/>
<!—服用順序-->
<id extension="2" root="1.2.392.200250.2.3.2"/>
<text>プレドニン錠(5mg)2錠;1日1回昼食後;7日分</text>
<!--医科用法-->
<effectiveTime xsi:type="IVL_TS">
<low value="21040911"/>
<high value="20140917"/>
</effectiveTime>
<effectiveTime operator="A" xsi:type="EIVL_TS">
<event code="1011004000000000" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.20" displayName="
1日1回昼食後"/>
</effectiveTime>
<!--一回量-->
<doseQuantity value="2" unit="{TBL}"/>
<!--薬剤情報-->
<consumable>
<manufacturedProduct>
<manufacturedLabeledDrug>
<code code="105271807" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.4" displayName="プレド
ニン錠5mg"/>
</manufacturedLabeledDrug>
</manufacturedProduct>
</consumable>
<entryRelationship typeCode="COMP">
<!--薬剤払い出し情報-->
<supply classCode="SPLY" moodCode="EVN">
<!--RP番号-->
<id extension="2" root="1.2.392.200250.2.3.1"/>
<!--分割調剤の有無、後発役への置き換え-->
49
<code code="101" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.10"/>
<!--服薬開始日-->
<effectiveTime xsi:type="IVL_TS">
<low value="21040911"/>
</effectiveTime>
<!--調剤用法-->
<effectiveTime xsi:type="EIVL_TS" operator="A">
<event code="1011004000000000" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.20"
displayName="1日1回昼食後"/>
</effectiveTime>
<!--払い出し量-->
<quantity value="14" unit="{TBL}"/>
<!--日数-->
<expectedUseTime>
<width value="7" unit="day"/>
</expectedUseTime>
<product>
<manufacturedProduct>
<manufacturedLabeledDrug>
<code code="105271807" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.4" displayName="
プレドニン錠5mg"/>
</manufacturedLabeledDrug>
</manufacturedProduct>
</product>
</supply>
</entryRelationship>
</substanceAdministration>
</entry>
<entry>
<substanceAdministration classCode="SBADM" moodCode="RQO">
<!--RP番号-->
<id extension="99" root="1.2.392.200250.2.3.1"/>
<!—服用順序-->
<id extension="3" root="1.2.392.200250.2.3.2"/>
<text>プレドニン錠(5mg)1錠;1日1回夕食後;7日分</text>
<!--医科用法-->
<effectiveTime xsi:type="IVL_TS">
<low value="21040911"/>
<high value="20140917"/>
</effectiveTime>
<effectiveTime operator="A" xsi:type="EIVL_TS">
<event code="1011040000000000" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.20" displayName="
1日1回夕食後"/>
</effectiveTime>
<!--一回量-->
<doseQuantity value="1" unit="{TBL}"/>
<!--薬剤情報-->
<consumable>
<manufacturedProduct>
<manufacturedLabeledDrug>
50
<code code="105271807" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.4" displayName="プレド
ニン錠5mg"/>
</manufacturedLabeledDrug>
</manufacturedProduct>
</consumable>
<entryRelationship typeCode="COMP">
<!--薬剤払い出し情報-->
<supply classCode="SPLY" moodCode="EVN">
<!--RP番号-->
<id extension="3" root="1.2.392.200250.2.3.1"/>
<!--分割調剤の有無、後発役への置き換え-->
<code code=”01" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.10"/>
<!--服薬開始日-->
<effectiveTime xsi:type="IVL_TS">
<low value="21040911"/>
</effectiveTime>
<!--調剤用法-->
<effectiveTime xsi:type="EIVL_TS" operator="A">
<event code="1011040000000000" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.20"
displayName="1日1回夕食後"/>
</effectiveTime>
<!--払い出し量-->
<quantity value="7" unit="{TBL}"/>
<!--日数-->
<expectedUseTime>
<width value="7" unit="day"/>
</expectedUseTime>
<product>
<manufacturedProduct>
<manufacturedLabeledDrug>
<code code="105271807" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.4" displayName="
プレドニン錠5mg"/>
</manufacturedLabeledDrug>
</manufacturedProduct>
</product>
</supply>
</entryRelationship>
</substanceAdministration>
</entry>
</section>
</component>
51
厚生労働科学研究費補助金(地域医療基盤開発研究事業)
分担研究報告書
電子化した処方箋の標準化様式の整備と運用に関する研究
研究分担者 土屋 文人
国際医療福祉大学薬学部特任教授
研究要旨
内服薬処方せん記載の在り方検討会の報告書で示された処方箋記載の標準化に
ついて、その後の後発品使用推進策により、処方箋記載の中で医薬品名の記載方法
について2年毎に変更が行われている。現行のコード体系は製剤名を特定すること
を前提に設計がなされていることから、将来的に本格的に一般名処方(一般名ある
いは成分名を記載して、成分量を記載する)が実施された場合には、現行の前提が
大きく変化することになることから、制度の変更に左右されない処方箋記載につい
て検討し、かつそれに対応した医薬品マスタの在り方について検討を行った。
本格的な一般名処方に対応可能とする処方用医薬品マスタ(仮称)の作成と、そ
れらと現行の汎用医薬品コードのマッピングが必要となるためその作成に向けて、
成分名を中心とした基礎調査を行った。次年度にこの基礎調査結果に基づいて、成
果物を作成する予定である。
研究協力者
池田和之
奈良県立医科大学
附属病院薬剤部
A.研究目的
処方箋の記載に関しては、平成 21 年度に
遅い状況にある。
厚生労働省に「内服薬処方せんの記載方法
このような状況において、処方箋の電子
に関する在り方検討会」が設置され、報告
化は、報告書が求めている内容を実現する
書が出されている。本検討会では、処方せ
ために極めて大きな契機となることは明確
んの記載方法の標準化が図られ、
「在るべき
であること、また、報告書が出された後に、
姿」として提言がなされている。現状から
我が国が後発品使用推進のために、処方箋
在るべき姿への移行に関しては、短期的方
記載方法に従来とは異なる方策がとられた
策と長期的方策が示され、また、移行期に
ことから、これら新たな記載方法の追加が
おける記載方法も示されている。また標準
将来に及ぼす影響等を含め、今後2年以内
化された記載方法の実施時期については特
に開始されると思われる電子処方箋実現ま
に定められておらず、各医療機関のリプレ
でに克服すべき課題について検討を行う。
ースの際等に導入を検討することになって
いることから、全体的に進捗のスピードが
52
B.研究方法
YJコードにせよ製剤名を特定することを前
電子処方箋において課題となる以下の3
提として設計がなされている。しかしなが
点について検討を行った。
ら(1)で検討を行った処方箋の記載のう
(1)後発品使用推進のための施策として
ち一般名(成分名)と原薬量(成分量)を
の一般名処方について
記載する方式を利用しようとした場合には、
医師法施行規則第21条では、処方箋記載
現行の前提が全くことなることから、これ
の項目として、「薬名、分量、用法・用量」
らに対応するためには、新たに本来の一般
等が求められている。検討会当時の保険局
名処方に対応した医薬品マスタを新たに検
の通知では「医薬品名は、原則として薬価
討することも一つの方策と思われる。そこ
基準に記載されている名称を記載すること
で処方用医薬品マスタについて検討を行っ
とするが、一般名による記載でも差し支え
た。
ないこと。」とされていたが、平成22年の
診療報酬改定において「一般名処方」の考
(3)従来とは異なる用法の医薬品におけ
えが導入され、平成24年の改定において、
る処方記載方法に関する課題について
「医薬品名は、一般的名称に剤形及び含量
内服薬・外用薬については標準用法用語
を付加した記載(以下「一般名処方」とい
集が日本薬剤師会、日本病院薬剤師会によ
う。)又は薬価基準に記載されている名称
り作成され、日本医療情報学会によりマス
による記載とすること。なお、可能な限り
タ化が図られている。今年度の本研究班に
一般名処方を考慮することとし、一般名処
より、注射薬を含んだ標準用法マスタの作
方の場合には、会社名(屋号)を付加しな
成のため、標準用法用語集が作成され、現
いこと。」と「一般名処方」を原則とする
在日本薬剤師会・日本病院薬剤師会におい
ように変更が行われている。現段階で行わ
てパブコメが募集されている。
れている「一般名処方」は本来の一般名処
一方、従来とは異なる用法の医薬品が登
方ではなく、経済的理由での変更が頻繁に
場してきており、その中には、処方箋記載
行われている。皆保険制度を維持するため
方法が極めて複雑なものも存在する。その
に経済で左右されることは止むを得ないが、
ような製剤において、製薬企業が記載方法
このように頻繁に変更が行われる方式に合
のルールを確かめることなく、勝手にパン
わせた記載方法は様々な弊害を生じる可能
フレット等で処方の方法について指摘して
性がある。そこで電子処方箋を前提にした
いる場合があるが、限られたベンダーでの
場合に論理的に一貫し、制度変更に惑わさ
み実行可能な場合もあるのが現状である。
れないあるべき記載方法について検討を行
そこで処方箋記載について注意が必要な医
った
薬品を調査し、それらの記載に関する課題
について検討を行った。
(2)本来の一般名処方が導入された場合
が医薬品コード等に及ぼす影響について
C.研究結果
現行の医薬品マスタはHOTコードにせよ、
53
(1)後発品使用推進のための施策として
の一般名処方について
が導入される以前は、医師が製剤を指定し、
オーダリングシステムが普及する以前は、
薬剤師がそのまま調剤することを前提とし
処方せんに一般名(成分名)を記載し、原
て、即ち、処方情報と調剤情報の粒度が一
薬量(成分量)を記載することが広く普及
致していることを前提にただ一つの医薬品
していた。オーダリングシステムにより、
マスタが存在してきた。しかし最近では処
成分を指定するのではなく、製剤を指定す
方情報と調剤情報は内容的には一致してい
ることが当たり前のごとくなったが、この2
ても、表面的には一致していないことが当
0年ほどで薬剤学の発展は同一成分であっ
たり前になってきた。このような状況の下
ても、薬剤学的工夫による製剤が多数開発
では、処方用の医薬品マスタを新たに作成
され、副作用の発生頻度や効果に大きな影
することが、将来的にも安定し、かつメン
響を及ぼしている。ただ、医学教育におい
テナンスが容易な方策であると考える。現
ては薬理学についての講義はなされている
行使用されている一般名マスタは論理的に
が、薬剤学が必須となっているわけではな
無理がある。厚労省標準医薬品マスタであ
い。その意味では、製剤の選択は患者の状
るHOTコードマスタは、本来調剤情報を正
況を考慮しながら、薬剤師が判断を行うこ
確に反映させるために付与されたコードで
とを認めるべきではないかと思われる。と
あり、画像情報やバーコードの基礎となる
なれば、医師は一般名(成分名)と成分量
唯一のコードである。前述のように後発品
を処方箋に記載あるいは製剤名を記載し製
使用推進策の進展により、処方情報と調剤
剤量を記載することができる(現在の一般
情報の粒度が異なることが明確になってき
名処方は製剤について一般名を含む形で表
たことは、処方用医薬品マスタの構築によ
記したものを記載し、製剤量を記載してい
り解決すると思われる。また、一般に普及
る点で、現行とは似て非なるものである)
しているYJコードも製剤の指定を前提に
ような、そのような処方内容を患者に合致
設計され、かつコードの構造に様々なロジ
した形で剤形等を薬剤師が決定することが、
ックを定めているため、一昨年からある領
経済原則で揺れてしまう制度に左右されな
域において使用する文字を使い切ってしま
い処方箋記載方法となると考えられる。そ
ったため、そのロジック体制は破綻し、現
のような記載を行っても、医師法施行規則
在は設計当初のロジックとは異なった形と
に反する点は全くなく、経済的事由による
なっている。YJコードは作成されてから、
処方箋記載の変更も不要になると思われる。
30余年を経ていること、また、その間に
このことは現段階で実施されている一般名
製薬企業の再編や薬価基準の粒度の頻繁な
処方の問題点を解決する唯一の方法である
変更が行われ、当初の設計時とは全く異な
と思われる。
る環境になってしまったことの影響を受け
てしまった結果である。
(2)本来の一般名処方が導入された場合
そこで、今年度は現在薬価基準に収載され
が医薬品コード等に及ぼす影響について
ている医薬品について、処方用医薬品マス
現行で実施されている一般名処方の考え
タ試作の検討を開始した。手始めとして今
54
年度は現行の内服薬と外用薬を構成する成
分の調査を行ったが、次年度には取りあえ
D.考察
ず、処方用医薬品マスタを完成させる予定
電子処方箋が実現する場合に、現行の処
である。
方箋記載方法は、後発品使用推進策が思う
ように進展しないため、2年ごとに処方箋
(3)従来とは異なる用法の医薬品におけ
記載方法、特に医薬品名の記載方法につい
る処方記載方法に関する課題について
て2年毎に変更がなされてきた。昨年の診
検討会報告書が出された以降において、
療報酬改定において、DPC病院において後発
最も複雑な処方箋記載が必要な医薬品はラ
医薬品が係数とすることが新たに導入され
ミクタール錠が挙げられる。また、ビスフ
たことから、今後は処方箋の記載方法で後
ォスフォネート製剤では開発当初の連日服
発品推進を図る方策はそれ程めまぐるしく
用型から、週1回服用、月1回服用という
変更されることはないかもしれないが、電
ように長期間作用型の製剤を出現している。
子処方箋は処方箋記載の標準化を実施する
さらに今後糖尿病用薬でも1週間製剤が発
絶好の機会であることから、従来実施され
売予定となっている。ビスフォスフォネー
てきた経緯を踏まえつつ、電子処方箋実現
ト製剤をはじめとして週1回製剤や月1回
時に利用すべきマスタの在り方について基
製剤は服用日を指定する記載で対応が可能
礎的な検討を行った。
であるが、ラミクタールのように投与方法
電子処方箋は開始されれば永遠に使用さ
が非常に複雑な医薬品のような場合には、
れる制度であることから、手書き処方時代
システムとしての検討が必要となってくる。
とは異なった、また、保険制度に左右され
製薬企業がある医療機関で使用されている
ない、医師法や医師法施行規則に準拠した
システムでの入力方法をあたかも
全国統
原理原則に基づいて対応を検討すべきであ
一の入力方法であるかのごとく参考資料を
ることから、今回は現行制度で問題となっ
作成したため、ベンダーが異なる場合には
ている3点から検討を行った。次年度はそ
却って混乱招いている事態も発生している。
の成果物を完成すべく作業を進める予定で
現行ではこのような特殊な用法の新薬が承
ある。
認された場合には、その時点で処方箋の記
載方法を標準化し、それを各ベンダーでど
E.結論
のような入力方法となるのかを調査し、決
変則的な一般名処方の導入や処方箋にお
定をするような仕組みの構築が必要と思わ
ける医薬品名の記載について、2年ごとに
れる。また、そもそも開発時即ち、治験段
ルールの変更が行われていることに鑑み、
階から標準用法マスタを意識した形での用
これらの経済的理由によるルールの変更に
法を考慮するような仕組みの構築が必要で
左右されない処方箋記載の在り方について
あると考えられる。次年度については、こ
検討を行った。今回の基礎的な検討結果を
の具体的な方法についても検討を行う予定
活用し、次年度には成果物を作成すること
である。
とする。
55
G.知的所有権の取得状況
F.研究発表
1. 特許取得
なし
なし
1. 論文発表
2. 実用新案登録
なし
なし
2. 学会発表
3.その他
なし
なし
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資
料
電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
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電子的処方指示・調剤実施情報提供書 CDA 記述仕様
(案)
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電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
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目次
1.
改訂履歴 ...........................................................................................................................4
2.
この文書の目的 ................................................................................................................5
3.
この文書の位置づけ.........................................................................................................5
4.
参照情報 ...........................................................................................................................5
5.
メッセージ構造の概略 .....................................................................................................5
6.
凡例 ..................................................................................................................................5
7.
文字コード .......................................................................................................................6
8.
データ型について.............................................................................................................6
9.
メッセージ構造 ................................................................................................................7
9.1.
メッセージの基本構造 ..............................................................................................7
9.2.
メッセージ構造の概要 ..............................................................................................7
9.3.
XML サンプル...........................................................................................................7
9.4.
メッセージの運用について.......................................................................................8
9.5.
電子署名・タイムスタンプについて ........................................................................8
9.5.1.
電子署名・タイムスタンプの形式 ........................................................................8
9.5.2.
電子署名 ................................................................................................................9
9.5.3.
タイムスタンプ .....................................................................................................9
10.
処方指示情報 CDA .................................................................................................... 10
10.1.
ヘッダ情報.......................................................................................................... 10
10.2.
ヘッダ情報詳細 .................................................................................................. 10
10.3.
患者情報 ..............................................................................................................11
10.4.
処方指示情報作成者情報.................................................................................... 13
10.5.
処方オーダ番号情報........................................................................................... 15
10.6.
処方実施情報...................................................................................................... 16
10.7.
処方指示情報ボディ部 ....................................................................................... 17
11.
10.7.1.
ボディ部に記載される項目......................................................................... 17
10.7.2.
ボディ部基本構造 ....................................................................................... 17
10.7.3.
処方指示情報セクション ............................................................................ 17
10.7.4.
保険・公費情報セクション......................................................................... 23
10.7.5.
処方備考情報セクション ............................................................................ 28
調剤実施情報 CDA .................................................................................................... 30
11.1.
ヘッダ情報.......................................................................................................... 30
11.2.
ヘッダ情報詳細 .................................................................................................. 30
11.3.
患者情報 ............................................................................................................. 31
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電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
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11.4.
調剤実施情報作成者情報.................................................................................... 33
11.5.
調剤実施情報提出先情報.................................................................................... 34
11.6.
処方オーダ番号情報........................................................................................... 35
11.7.
調剤実施情報...................................................................................................... 36
11.8.
調剤実施情報ボディ部 ....................................................................................... 37
11.8.1.
ボディ部に記載される項目......................................................................... 37
11.8.2.
ボディ部基本構造 ....................................................................................... 38
11.8.3.
調剤実施情報セクション ............................................................................ 38
11.8.4.
調剤実施補足情報セクション ..................................................................... 45
11.8.5.
調剤実施観察情報セクション ..................................................................... 47
12.
各種コード値について............................................................................................... 49
13.
単位について ............................................................................................................. 49
14.
実体参照置換について............................................................................................... 50
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1. 改訂履歴
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2. この文書の目的
この文書は、処方せんの電子化運用を実現するための、医療機関および調剤薬局間での電
子的な処方指示情報・調剤実施情報の連携に使用する電子的メッセージ記述仕様を記載し
たものである。
3. この文書の位置づけ
この文書に記述された内容は、電子的な処方指示情報・調剤実施情報メッセージの実装に
関する仕様に関する解説である。本文書の内容は同時に公開される XML スキーマ、および
サンプル XML ファイルを補完するものであり、内容に食い違いがある場合は XML スキー
マが優先される。
4. 参照情報
下記は、本仕様の作成に当たって参照した他の標準的仕様、資料等の一覧である。
文献目録:

Health Level Seven International.CDA® Release 2,http://www.hl7.org/

保健医療福祉情報システム工業会.院外処方せん2次元シンボル記録条件規約 Ver1.1
(制定 2012 年 4 月),http://www.jahis.jp/

保健医療福祉情報システム工業会.電子版お薬手帳データフォーマット仕様書 Ver1.1
(制定 2013 年 9 月),http://www.jahis.jp/
5. メッセージ構造の概略
処方指示情報および調剤実施情報メッセージはともに、大きく分けてヘッダ部とボディ部
からなる。 ヘッダ部には、患者情報、メッセージ作成者、メッセージ送信先、実施日付、
実施者の各項目を持つ。 ボディ部は、処方情報セクションあるいは調剤実施情報セクショ
ンからなる。 処方情報セクションは、医療機関が発行した処方に含まれる処方指示に関し
て、発行日、処方医、薬剤、用法、用量などの情報を記載する。 調剤実施情報セクション
は、薬剤、および払い出した薬剤の量を薬剤ごとに記載する。いずれの場合も、1 薬剤ごと
に 1entry 記載することが原則である。複数の薬剤が同一の Rp.に記載されている場合は、
それぞれの薬剤を独立して記述する。
6. 凡例
各表中の最後の列に記載されている記号は、以下の意味を持つ。
M: 要素の存在が必須であり、値の記述も必須。
R: 要素の存在は必須ではないが、値がある場合は記述が必須。省略された場合、デフォ
ルト値が存在すればその値が使用される。
O: 要素の存在は必須ではなく、値がある場合でも省略可。省略された場合、デフォルト
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値が存在すればその値が使用される。
1..n:その要素が最小 1 回、最大で n 回出現することを示す。
7. 文字コード
本 CDA では、ファイル記述の文字エンコーディングとして、UTF-8 を使用する。
使用できる文字の種類については、JIS X 0208-1990 に規定される漢字、ひらがな、カタカ
ナ、英数字、特殊記号を含む全角文字と半角の英数字記号とし、半角カタカナは使用禁止
とする。
JISX0208 に含まれない丸付き数字(①)等は用いない。また、ローマ数字は V、X、I を
組み合わせて入力するなど、適宜置き換えるものとする。
8. データ型について
型名
内容
記法
例
備考
CD
コード型
半角英数記号
“001”, “F”, “01A”
コード値とコードテーブルの OID
の組み合わせ
ST
文字列型
半角カナは除く
文字列
文字列の実態参照あり
TS
タイムスタンプ
半角数字
20080513
日付と時間
URL
URL 型
半角英数記号
“tel:0312345678”
tel:など、プレフィックスがつく
UID
ID 型
半角英数記号
0122112
ID 番号と発行組織の OID の組み
合わせ
PQ
物理量型
半角英数
100mg
単位付きの実数
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電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
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9. メッセージ構造
9.1.
メッセージの基本構造
医療機関での処方発行時に作成する処方指示情報、調剤薬局での調剤時に作成する調剤実
施情報はそれぞれ、CDA R2 に準拠した XML 形式で記述する。1回の処方指示ごとに、対
となる1回の調剤実施を行う想定とし、1対の処方指示情報・調剤実施情報を一つの XML
文書として記述する想定とする。全体構造は以下の通りとする。
区分
内容
文書管理情報
文書の管理情報を記載する。
処方指示情報
医療機関で発行された処方内容に関する情報を HL7 CDA R2 準拠の形式で記述する。
調剤実施情報
調剤薬局で実施された調剤内容に関する情報を HL7 CDA R2 準拠の形式で記述する。
9.2.
メッセージ構造の概要
XPath
記法
/EPD/
内容
文書のルート要素
id/
M
@extension
半角英
処方番号
M
@root
半角数
固定:1.2.392.200250.3.3.4
M
処方指示情報
1..1
Prescription/
ClinicalDocument/
Dispensing/
M
調剤実施情報
ClinicalDocument/
9.3.
1..1
0..1
M
XML サンプル
<EPD xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
xsi:noNamespaceSchemaLocation="EPD.xsd">
<!-- 処方せん番号 -->
<id extension="123456789012" root="1.2.392.200250.3.3.4"/>
<!-- 処方指示情報 -->
<Prescription>
<ClinicalDocument>
<!-- 処方指示内容をHL7 CDA R2に準拠した形式で記述する -->
</ClinicalDocument>
</Prescription>
<!-- 調剤実施情報 -->
<Dispensing>
<ClinicalDocument>
<!-- 調剤実施内容をHL7 CDA R2に準拠した形式で記述する -->
</ClinicalDocument>
</ Dispensing >
</EPD>
7 / 50
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東京大学
9.4.
Version 0.99c
2015/04/30
メッセージの運用について
本記述規格により定める処方指示情報、調剤実施情報、およびメッセージ全体に対する運
用上の取り扱いについては以下の流れを想定する。
① 医療機関受診時の処方オーダ発行ごとに、処方指示内容(/EPD/Prescription)を含む
本文書(/EPD)を作成する。ただし、処方指示情報内容は、HL7 CDA R2 に準拠した記
載とする。(/EPD/Prescription/ClinicalDocument)
② 作成した文書の処方指示内容(/EPD/Prescription)に対し、処方発行医師の保有する
電子証明書により電子署名を行う。
③ ②の文書を外部サービスへ送信、保管する。
④ 調剤薬局で、③の文書を受信し、処方指示内容を検証する。
⑤ 調剤実施後、④で受信した文書に対し、調剤実施内容(/EPD/Dispensing)を追記する。
ただし、調剤実施情報内容は、HL7 CDA R2 に準拠した記載とする。
(/EPD/Dispensing/ClinicalDocument)
⑥ 全体文書(/EPD)に対し、薬剤師の保有する電子証明書により電子署名を行う。
⑦ ⑤で作成された文書を外部サービスへ送信、保管する。
9.5.
電子署名・タイムスタンプについて
9.5.1. 電子署名・タイムスタンプの形式
電 子 署 名 タイ ム ス タン プ の 形式 に つ いて は 、 RFC3275 に 規 定 さ れ る 形 式 の中 で 、
Enveloped Signature を使用する。
処方情報作成時の電子署名形式は、XAdES-T とする。また、調剤情報作成時の電子署名形
式は、XAdES-X-L を用いることとする。
8 / 50
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9.5.2. 電子署名
厚生労働省 HPKI 認証局専門家会議の認める HPKI 認証局の発行する署名用公開鍵証明
書を用いる。署名の付与および検証は RFC3275 従う。ただし Enveloped Signature を用
いることとする。HPKI 認証局の発行する署名用公開鍵証明書を用いる場合は Subject
Directory Attributes の HcRole Attribute を検証時に確認すること。
9.5.3. タイムスタンプ
RFC3161 に定義されるタイムスタンププロトコルを用い、TSA(Time Stamp Authority)
からタイムスタンプトークンを取得する。取得したタイムスタンプトークンは署名付与時
に生成する。
タイムスタンプは、
「タイムスタンプビジネスに係る指針―ネットワークの安心な利用と電
子データの安全な長期保存のためにー」
(総務省、編成 16 年 11 月)等で示されている時
刻認証業務の基準に準拠し、財団法人日本データ通信協会が認証した時刻認証業者のもの
を用いるものとし、第 3 者がタイムスタンプを検証できるものとする。
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10. 処方指示情報 CDA
10.1. ヘッダ情報
処方指示情報 CDA のヘッダ部には、文書管理に必要な項目が記載される。項目は以下の通
り。
項目名
内容
HL7CDA 管理情報
HL7CDA で規定された項目(typeId, templateId, id)
文書種別
「処方指示情報」または「調剤実施情報」
文書名
「処方指示情報提供書」または「調剤実施情報提供書」
発行日
文書管理上の発行日
患者情報
患者番号、患者氏名、患者性別、患者生年月日
作成者情報
作成日、処方医師、医療機関番号・名称・郵便番号・住所・電話番号・FAX
番号
処方オーダ番号
処方オーダ番号、処方せん ID
処方実施情報
処方指示を表す実施区分・実施日・実施者所属機関の情報(機関番号・名称・
郵便番号・住所・電話番号・FAX 番号)
10.2. ヘッダ情報詳細
XPath
記法
/ClinicalDocument/
typeId/
半角英数
id/
@nullFlavor
半角英数
code/
内容
CDA のルート要素
M
HL7CDA の必須要素。固定値
M
文書番号(未使用、予約要素)
M
“NI”固定
M
文書コード
M
@code
半角英数
01:処方指示情報
M
@codeSystem
半角数記
文書区分コード表の OID
O
固定: 1.2.392.200250.2.1.2.1
title/
text()
全角
effectiveTime/
@value
半角数
confidentialityCode/
文書名
M
固定:「処方指示情報提供書」
M
文書発行日
M
YYYYMMDD
M
守秘レベルコード。HL7 規定
M
@code
半角英数
固定:“N”
M
@codeSystem
半角数記
固定:2.16.840.1.113883.19.5
M
setId/
処方せん番号
M
versionNumber/
版数
R
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recordTarget/
患者情報
M
author/
処方せん作成者
M
custodian/
HL7CDA で必須の要素。
M
inFulfillmentOf/
処方オーダに関する情報
M
documentationOf/
処方実施情報
M
ヘッダ部 XML サンプル
<ClinicalDocument xmlns="urn:hl7-org:v3"xmlns:voc="urn:hl7-org:v3/voc"
xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" xsi:schemaLocation="urn:hl7-org:v3
CDA.xsd">
<!-********************************************************
CDA Header
********************************************************
-->
<typeId root="2.16.840.1.113883.1.3" extension="POCD_HD000040"/>
<id nullFlavor="NI"/>
<!-- 文書区分コード-->
<code code="01" codeSystem="1.2.392.200250.2.1.2.1"/>
<title>処方指示情報提供書</title>
<!-- 発行日 -->
<effectiveTime value="20071025"/>
<confidentialityCode code="N" codeSystem="2.16.840.1.113883.5.25"/>
<!—処方せん番号-->
<setId extension="1234567890" root="1.2.392.200250.3.3.4"/>
<!— 版数 -->
<versionNumber value="1"/>
<!--患者情報 (詳細は別記)-->
<recordTarget/>
<!--作成者情報 (詳細は別記)-->
<author/>
<!-- custodianは、以下の形式で固定とする -->
<custodian>
<assignedCustodian>
<representedCustodianOrganization>
<id nullFlavor="NI"/>
</representedCustodianOrganization>
</assignedCustodian>
</custodian>
<!--処方指示・ 調剤実施情報 (詳細は別記)-->
<documentationOf/>
<!-- 以下ボディ部(処方指示・調剤内容を記述)-->
<component/>
</ClinicalDocument>
10.3. 患者情報
処方箋を交付された患者に関する情報は、/ClinicalDocument/recordTartet/要素に記述する。
記述すべき内容は患者番号・患者番号発行組織 OID、患者氏名カナ・患者氏名漢字、患者
性別、患者生年月日である。
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XML 詳細
/ClinicalDocument/recordTarget/
M
id/
患者番号を格納
1..2
@extension
半角英数
患者番号を半角数字で記載
R
@root
半角英数記号
共有 ID の場合:
M
1.2.392.200250.3.3.1(固定)
医療機関患者番号の場合:
1.2.392.200250.3.3.1 N
N: “1”+”10 桁保険機関番号”
patient/
name/
患者個人の情報
M
患者氏名(カナ、漢字で繰り返
M
し)
@use
半角英数
氏名区分:SYL=カナ、IDE=
M
漢字
text()
全角文字、半角
例:”佐藤 太郎”
英数
例:”サトウ
M
タロウ”
姓名の間には可能な場合は
全角スペースを挿入
administrativeGenderCode/
患者性別
M
@code
半角英数
性別コード:M=男、F=女
M
@codeSystem
半角数記
性別コード体型の OID
R
固定:2.16.840.1.113883.5.1
birthTime/
@value
半角数字
患者生年月日(YYYYMMDD)
M
例:19600101
M
XML サンプル
<!-- 患者情報 -->
<recordTarget>
<patientRole>
<!-- 患者番号 -->
<id extension="12345678" root="1.2.392.200250.3.3.1.14710123456"/>
<patient>
<name use="SYL">サトウ タロウ</name>
<name use="IDE">佐藤 太郎</name>
<administrativeGenderCode code="F" codeSystem="2.16.840.1.113883.5.1"/>
<birthTime value="19600101"/>
</patient>
</patientRole>
</recordTarget>
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10.4. 処方指示情報作成者情報
処方せん発行医師の情報、医師所属医療機関の情報を記載する。
XML 詳細
/ClinicalDocument/author/
M
time/
@value
半角数字
assignedPerson/
id/
@extension
半角英
作成日(YYYYMMDD)
M
例:20080513
M
作成者
M
処方医 ID
0..2
処方医 ID
M
処方医師を一意に識別する ID
署名者 DN の場合:
イシュア DN、シリアル No を「;(セミコ
ロン)」で結合した値
@root
半角数記
処方医師 ID の OID
M
署名者 DN の場合:
1.2.392.200250.3.3.2 (固定)
医療機関内の利用者 ID の場合:
1.2.392.200250.3.3.2.N
N: “1”+” 10 桁保険機関番号”
name/
@use
半角英
医師氏名
1..2
カナ漢字区分
M
漢字氏名の場合:IDE
カナ氏名の場合:SYL
text()
全角
例:鈴木 次郎
例:スズキ
M
ジロウ
(姓名の間に全角スペースを挿入)
representedOrganization/
id/
医師診療科情報
M
医師所属診療科番号情報
R
@extension
半角英数記
診療科番号
R
@root
半角数記
診療科番号表の OID
R
“1.2.392.200250.3.2.1.N”
N: “1”+”10 桁保険機関番号”
name/
@use
半角英
診療科名称
R
カナ漢字区分:IDE=漢字
R
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text()
全角
asOrganizationPartOf/
Version 0.99c
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例:内科
R
医師所属医療機関情報
M
医療機関番号情報
M
wholeOrganization
id/
@extension
半角英数記
保険機関番号
M
@root
半角数記
保険機関コード表の OID
O
固定:1.2.392.200250.2.2.1
name/
医療機関名称
M
@use
半角英
カナ漢字区分:IDE=漢字
R
text()
全角
例:浦添クリニック
M
医療機関 電話・FAX 番号
1..2
電話番号。半角数字。
M
telecom/
@value
半角数記
電話番号の場合はプレフィックス”tel:”、フ
ァクシミリの場合は同じく”fax:”をつけるこ
と。
addr/
postalCode/
@text()
半角数記
streetAddressLine/
@text()
全角
医療機関郵便番号・住所
M
郵便番号
M
例:901-2501
M
住所
M
例:沖縄県浦添市安波茶1-1-1
M
XML サンプル
<!-- ファイル作成機関情報 -->
<author>
<!--処方箋作成日(交付日)-->
<time value="20100624"/>
<assignedAuthor>
<!--署名者DN-->
<id extension="CN=JAPAN TELECOM CA,O=JAPAN TELECOM CO. LTD.,C=JP;01234a"
root="1.2.392.200250.3.3.2"/>
<!— 利用者ID -->
<id extension="user999 " root="1.2.392.200250.3.3.2.9911234567"/>
<assignedPerson>
<!--処方医師氏名-->
<name use="IDE">テスト 太郎</name>
<name use="SYL">テスト タロウ</name>
</assignedPerson>
<representedOrganization>
<!--処方医師所属診療科番号-->
<id extension="23" root="1.2.392.200250.3.2.1"/>
<!--処方医師所属診療科名称-->
<name use="IDE">産婦人科</name>
<asOrganizationPartOf>
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<wholeOrganization>
<!--医療機関番号-->
<id extension="9911234567" root="1.2.392.200250.2.2.1"/>
<!--医療機関名称-->
<name>テスト病院</name>
<!--電話番号-->
<telecom value="tel:0112345678"/>
<!--FAX番号-->
<telecom value="fax:0112345678"/>
<!--医療機関郵便番号・住所-->
<addr>
<postalCode>100-0004 </postalCode>
<streetAddressLine>東京都千代田区大手町1-2-3</streetAddressLine>
</addr>
</wholeOrganization>
</asOrganizationPartOf>
</representedOrganization>
</assignedAuthor>
</author>
10.5. 処方オーダ番号情報
当該処方に対する処方箋 ID、医療機関内処方オーダ番号を記載する。
XML 詳細
/ClinicalDocument/infulfillmentOf/order/
id/
M
処方箋 ID・処方オーダ番号
M
@extension
半角英数
処方箋 ID・処方オーダ番号
R
@root
半角数記
処方箋 ID の場合:
M
1.2.392.200250.3.3.3(固定)
処方オーダ番号の場合:
1.2.392.200250.3.3.3.N
N: “1”+” 10 桁保険機関番号”
※処方オーダ番号を取得できない場合は、extension 属性は空値とする。
XML サンプル
<!-- 処方オーダ番号 -->
<order>
<!— 処方箋ID -->
<id extension="D2009090101" root="1.2.392.200250.3.3.3"/>
<!-- 処方オーダ番号(医療機関) -->
<id extension="O2009090101" root="1.2.392.200250.3.3.3.4710123456"/>
</order>
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10.6. 処方実施情報
処方の発行に係る情報を記載する。
XML 詳細
/ClinicalDocument/documentationOf/ serviceEvent/
code/
実施区分
M
@code
半角数
01:処方指示
M
@codeSystem
半角英数
実施区分コード表の OID
M
固定:1.2.392.200250.2.2.11
effectiveTime
処方指示有効期限
low
M
開始日
@value
半角数
high
@value
半角数
半角英
YYYYMMDD
M
処方発行医師
M
“PRF”に固定
M
assignedEntity/
M
id/
@nullFlavor
M
終了日
performer/
@typeCode
YYYYMMDD
半角英
representedOrganization/
id/
予約項目
M
“NI”に固定
R
医療機関情報
M
医療機関番号情報
M
@extension
半角英数記
保険機関番号
M
@root
半角数記
保険機関コード表の OID
O
固定:1.2.392.200250.2.2.1
name/
医療機関名称
M
@use
半角英
カナ漢字区分:IDE=漢字
R
text()
全角
例:浦添クリニック
M
XML サンプル
<!-- 実施情報 -->
<documentationOf>
<serviceEvent>
<!-- 実施区分-->
<code code="01" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.11" displayName="処方指示"/>
<!—実施日 -->
<effectiveTime value="20071024"/>
<!-- 実施者 -->
<performer typeCode="PRF">
<assignedEntity>
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<!— 予約項目 -->
<id nullFlavor="NI"/>
<assignedPerson>
<!--処方医師氏名-->
<name use="IDE">テスト 太郎</name>
<name use="SYL">テスト タロウ</name>
</assignedPerson>
<!—処方実施医療機関 -->
<representedOrganization>
<!—医療機関番号-->
<id extension="9911234567" root="1.2.392.200250.2.2.1"/>
<!—医療機関名称 -->
<name use="IDE">浦添薬局</name>
</representedOrganization>
</assignedEntity>
</performer>
</serviceEvent>
</documentationOf>
10.7. 処方指示情報ボディ部
10.7.1. ボディ部に記載される項目
処方指示情報 CDA のボディ部には処方に関する情報が記載される。ボディ部に含まれるセ
クションは以下の通りである。
セクション名
内容
処方指示情報
医薬品ごとの処方薬、用法、用量など
保険・公費情報
当該処方にかかわる保険、公費情報
処方備考情報
当該処方に対する備考情報
10.7.2. ボディ部基本構造
ボディ部は、structuredBody 内に 1 つの component を持つ。各 component 内には 1 つの
section があり、「処方せん情報」に対応する。
<ClinicalDocument>
ヘッダ部・・・
<component>
<structuredBody>
<!-- 処方箋情報 -->
<component>
<section>
・・・
</section>
</component>
</structuredBody>
</component>
</ClinicalDocument>
10.7.3. 処方指示情報セクション
処方指示情報セクションは、セクション区分および医療機関で発行された処方薬に関する
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情報が記載される。調剤実施記載の単位は、処方箋に記載された剤単位となり、処方箋に
記載された剤の数分繰り返される。このセクションには以下の項目が記載される。

セクション区分コード
セクション区分コードは、本セクションの内容を表すコードを記載する。
「処方指示
情報セクション」の場合は「01」を記載する。

処方指示情報
処方指示に含まれる薬剤の情報を記載する。処方指示情報は、内部的に次の要素を
持つ。

処方内容文字列
処方箋に指示された薬剤名、用量、用法、日数を文字列形式で記載する。各要素の
間は全角セミコロン「;」で区切る。 例:「ワーファリン錠0.5mg;0.5 錠;1
日 1 回朝食後;14 日分」

処方指示された薬剤情報
処方箋に記載された薬剤の薬剤コード、コード体系番号の OID、薬剤の名称を記載
する。薬剤コードは HOT9、または、YJ コードを使用する。

用法、用量
用法は標準用法コードを使用する。
XML 詳細
/ClinicalDocument/component/structuredBody/component/section/
code/
@code
M
半角英数
セクション区分コードと OID
M
半角数記
セクション区分コード
M
処方指示情報は”01”固定
@codeSystem
半角数記
セクション区分コード表の OID
M
固定:1.2.392.200250.2.1.2.2
title/
全角
text/
“処方指示情報”(固定)
M
処方内容文字列
M
list/
item/
M
全半角
薬剤ごとに、
1..*
薬剤名;用量;用法
の形式で記載する。
区切り文字は全角コロンとする。
entry/substanceAdministration/
薬剤ごとの処方指示情報
1..*
@classCode
半角英
SBADM (固定)
M
@moodCode
半角英
RQO (固定)
M
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code/
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剤型情報
M
@code
半角数
固定:101
M
@codeSystem
半角数記
固定:1.2.392.200250.3.2.2
M
@displayName
全角
固定:剤型区分
M
value/
M
@xsi:type
半角英
固定:CE
M
@code
半角数
1:内服、2:頓服、3:外用、
M
4:内服滴剤、5:注射、6:医療材料、
9:不明
@codeSystem
半角数記
1.2.392.200250.2.2.17 (固定)
M
@displayName
全半角
@code に準じた文字列
M
RP 番号
M
id/
@extension
半角数
処方指示の RP 番号
M
@root
半角数記
1.2.392.200250.2.3.1 (固定)
M
服薬順序(不均等処方の場合)
0..1
id/
@extension
半角数
処方指示の服薬順序
M
@root
半角数記
1.2.392.200250.2.3.1 (固定)
M
開始・終了日
M
effectiveTime/
@xsi:type
半角英
IVL_TS (固定)
M
low/
半角数
開始日:YYYYMMDD
M
high/
半角数
終了日:YYYYMMDD
M
用法
M
effectiveTime/
@operator
半角英
A (固定)
M
@xsi:type
半角英
EIVL_TS (固定)
M
event/
M
@code
半角英数
用法コード
M
@codeSystem
半角数記
標準用法コードの場合:
M
1.2.392.200250.3.2.4
医療機関内部コードの場合:
1.2.392.200250.3.2.4.N
N: “1”+”10 桁保険機関番号”
@displayName
全半角
doseQuantity/
@code に準じた用法文字列
M
一回量
M
@value
半角数
数量
M
@unit
半角英数
単位
R
19 / 50
電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
東京大学
doseCheckQuantity/
Version 0.99c
2015/04/30
一日量
numerator/
R
M
@xsi:type
半角英
PQ(固定)
M
@value
半角数
数量
M
@unit
半角英数
単位
M
denominator/
M
@xsi:type
半角英
PQ(固定)
M
@value
半角数
1(固定)
M
@unit
半角英数
d(固定)
M
医薬品名
M
薬剤コード
M
consumable/
manufacturedProduct/
manufacturedLabeledDrug/
code/
@code
半角英数記
薬剤コード
R
@codeSystem
半角数記
薬剤コード表の OID。
R
“1.2.392.200250.2.2.4”(HOT9)
、
“1.2.392.200250.2.2.7”(YJ)
のいずれかを指定する。
@displayName
薬剤名文字列
M
consumable/
処方された薬剤の情報
M
manufacturedProduct/
(一般名処方の場合)
全半角英数記
manufacturedMaterial/
code/
一般名コード
M
@code
半角英数記
一般名コード
R
@codeSystem
半角数記
一般名コード表の OID。※未定
R
@displayName
全半角英数記
一般名文字列
M
投与総量(日数指定できない場合)
0..1
entryRelationship
@typecode
半角英
REFER (固定)
M
@ inversionInd
半角英
false (固定)
M
supply
M
@classCode
半角英
“SPLY”固定
M
@moodCode
半角英
INT (固定)
M
投与総量
M
quantity/
@value
半角数
数量
M
@unit
半角英数
単位
R
20 / 50
電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
東京大学
entryRelationship/
@typecode
半角英
Version 0.99c
2015/04/30
薬品補足情報
0..*
COMP (固定)
M
observation/
M
@classCode
半角英
OBS (固定)
M
@moodCode
半角英
RQO (固定)
M
code/
M
@code
半角数
固定:281
M
@codeSystem
半角数記
固定:1.2.392.200250.3.2.2
M
@displayName
全半角
固定:薬品補足情報
M
value/
M
@xsi:type
半角英
固定:CE
M
@code
半角数
薬品補足情報コード
M
@codeSystem
半角数記
1.2.392.200250.3.2.5 (固定)
M
@displayName
全半角
@code に準じた文字列
M
originalText
全半角
自由記載する場合に使用
entryRelationship/
@typecode
半角英
用法補足情報
0..*
COMP (固定)
M
observation/
M
@classCode
半角英
OBS (固定)
M
@moodCode
半角英
RQO (固定)
M
code/
M
@code
半角数
固定:181
M
@codeSystem
半角数記
固定:1.2.392.200250.3.2.2
M
@displayName
全半角
固定:用法補足情報
M
value/
M
@xsi:type
半角英
固定:CE
M
@code
半角数
用法補足情報コード
M
@codeSystem
半角数記
1.2.392.200250.3.2.6 (固定)
M
@displayName
全半角
@code に準じた文字列
M
originalText/
全半角
自由記載する場合に使用
O
XML サンプル
<!--処方指示情報-->
<component>
<section>
<!--セクション区分-->
<code code="10" codeSystem="1.2.392.200250.2.1.2.2" displayName="処方指示情報"/>
21 / 50
電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
東京大学
Version 0.99c
2015/04/30
<title>処方指示情報</title>
<text>
<list>
<item>プレマリン錠0.625mg;1;錠;1日1回 夕食後服用;45日分</item>
</list>
</text>
<!--1つめのRxの記述-->
<entry>
<!--用法の記述-->
<substanceAdministration classCode="SBADM" moodCode="RQO">
<!--RP番号-->
<id extension="1" root="1.2.392.200250.2.3.1"/>
<!-- 剤型区分 -->
<code code="1" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.17" displayName="内服"/>
<text>プレマリン錠0.625mg;1;錠;1日1回 夕食後服用;45日分</text>
<!--医科用法-->
<effectiveTime xsi:type="IVL_TS">
<low value="20100624"/>
<high value="20100808"/>
</effectiveTime>
<effectiveTime operator="A" xsi:type="EIVL_TS">
<event code="Y1010024" codeSystem="1.2.392.200250.3.2.4.19911234567" displayName="
1日1回 夕食後服用"/>
</effectiveTime>
<!--一回量-->
<doseQuantity value="1" unit="{TBL}"/>
<!--一日量-->
<doseCheckQuantity>
<numerator xsi:type="PQ" value="1" unit="{TBL}"/>
<denominator xsi:type="PQ" value="1" unit="d"/>
</doseCheckQuantity>
<!--薬剤情報-->
<consumable>
<manufacturedProduct>
<manufacturedLabeledDrug>
<code code="2479004F1033" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.7" displayName="プレ
マリン錠0.625mg"/>
</manufacturedLabeledDrug>
</manufacturedProduct>
</consumable>
<!--投与総数:日数指示できない場合-->
<entryRelationship typeCode='REFR' inversionInd='false'>
<supply classCode="SPLY" moodCode="INT">
<quantity value="45" unit="{TBL}"/>
</supply>
</entryRelationship>
<!--薬品補足情報-->
<entryRelationship typeCode="COMP">
<observation classCode="OBS" moodCode="RQO">
<code code="281" codeSystem="1.2.392.200250.3.2.2" displayName="薬品補足情報"/>
<value xsi:type="CE" code="99" codeSystem="1.2.392.200250.3.2.5" displayName="後
発品への変更不可">
</value>
</observation>
</entryRelationship>
<!--用法補足情報-->
22 / 50
電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
東京大学
Version 0.99c
2015/04/30
<entryRelationship typeCode="COMP">
<observation classCode="OBS" moodCode="RQO">
<code code="181" codeSystem="1.2.392.200250.3.2.2" displayName="用法補足情報"/>
<value xsi:type="CE" code="4" codeSystem="1.2.392.200250.3.2.6" displayName="粉砕
">
<originalText>粉砕</originalText>
</value>
</observation>
</entryRelationship>
</substanceAdministration>
</entry>
</section>
</component>
10.7.4. 保険・公費情報セクション
当該処方にかかわる保険、公費情報について記載する。
XML 詳細
/ClinicalDocument/component/structuredBody/component/section/
code/
@code
R
半角英数
セクション区分コードと OID
M
半角数記
セクション区分コード
M
保険・公費情報は”11”(固定)
@codeSystem
半角数記
セクション区分コード表の OID
M
固定:1.2.392.200250.2.1.2.2
title/
全半角
“保険・公費情報”(固定)
text/
M
M
list/
M
item/
全半角
保険者番号、被保険者証記号、被保
1..*
険者証番号、公費負担者番号、公費
受給者番号、を項目ごとに記載する。
項目名と項目値の間は全角スペース
を入れる。
entry/
1..*
act/
M
@classCode
半角英
ACT (固定)
M
@moodCode
半角英
EVN (固定)
M
code/
M
@code
半角数
48768-6(固定)
M
@codeSystem
半角数記
2.16.840.1.113883.6.1 (固定)
M
@displayName
半角英記
Payment Sources(固定)
O
23 / 50
電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
東京大学
entryRelationship/
@typecode
半角英
Version 0.99c
2015/04/30
レセプト種別
0..1
COMP (固定)
M
observation/
M
@classCode
半角英
OBS (固定)
M
@moodCode
半角英
EVN (固定)
M
code/
M
@code
半角英数記
Receipt.Category.Name (固定)
M
@codeSystem
半角数記
1.2.392.200119.10.180030 (固定)
M
@codeSystemName
半角英
JMIX (固定)
M
value/
M
@xsi:type
半角英
CE (固定)
M
@code
半角数
JAHIS 2次元シンボル。別表4
M
@codeSystem
半角数記
1.2.392.200250.2.2.12 (固定)
M
@displayName
全半角
JAHIS 2次元シンボル。別表4
M
保険者情報
0..*
COMP(固定)
M
entryRelationship/
@typecode
半角英
act/
M
@classCode
半角英
ACT (固定)
M
@moodCode
半角英
EVN (固定)
M
code/
M
@code
半角数
1:医保 or 公費、2:国保、3:労災、
M
4:自賠、5:公害、6:自費、
7:後期高齢者
@codeSystem
半角数記
1.2.392.200250.2.2.13 (固定)
M
@displayName
全角
@code に準じる名称文字列
O
performer/
M
assignedEntity/
M
id/
M
@extension
半角英数
保険者番号
M
@root
半角数記
1.2.392.200119.6.101 (固定)
M
participant/
@typeCode
M
半角英
COV (固定)
participantRole/
M
id/
@extension
M
1..2
全角英数
被保険者証記号、被保険者証番号
M
24 / 50
電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
東京大学
@root
Version 0.99c
2015/04/30
被保険者証記号の場合:
M
1.2.392.200119.6.204 (固定)
被保険者証番号の場合:
1.2.392.200119.6.205 (固定)
code/
M
@code
半角数
1:被保険者,2:被扶養者
M
@codeSystem
半角数記
1.2.392.200250.2.2.14 (固定)
M
@displayName
全角
@code に準じた名称
O
負担・給付率
0..1
REFR (固定)
M
entryRelationship/
@typecode
半角英
observation/
M
@classCode
半角英
OBS (固定)
M
@moodCode
半角英
DEF (固定)
M
code/
M
@code
半角数
1:患者負担率、2:保険給付率
M
@codeSystem
半角数記
1.2.392.200250.2.2.15 (固定)
M
@codeSystemName
全角
@code に準じた名称
O
value/
M
@xsi:type
半角英
PQ (固定)
M
@value
半角数
患者負担率、保険給付率
M
@unit
半角記
% (固定)
M
職務上の事由
R
REFR (固定)
M
entryRelationship/
@typecode
半角英
observation/
M
@classCode
半角英
OBS (固定)
M
@moodCode
半角英
EVN (固定)
M
code/
@code
M
半角数
1:職務上、2:下船後3ヶ月以内、
M
3:通勤災害
@codeSystem
半角数記
1.2.392.200250.2.2.16 (固定)
M
@displayName
全半角
@code に準じた名称
O
公費情報
R
COMP(固定)
R
entryRelationship/
@typecode
半角英
sequenceNumber/
@value
M
半角数
繰り返し数
M
25 / 50
電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
東京大学
Version 0.99c
2015/04/30
act/
M
@classCode
半角英
ACT (固定)
M
@moodCode
半角英
EVN (固定)
M
code/
M
@code
半角数
1:医保 or 公費、2:国保、3:労災、
M
4:自賠、5:公害、6:自費、
7:後期高齢者
@codeSystem
半角数記
1.2.392.200250.2.2.13 (固定)
M
@displayName
全半角
@code に準じた名称
O
performer/
M
assignedEntity/
M
id/
M
@extension
半角数
公費負担者番号
M
@root
半角数記
1.2.392.200119.6.301 (固定)
M
participant/
@typeCode
M
半角英
COV (固定)
participantRole/
M
M
id/
M
@extension
半角数
公費受給者番号
M
@root
半角数記
1.2.392.200119.6.302 (固定)
M
XML サンプル
<component>
<section>
<code code="11" codeSystem="1.2.392.200250.2.1.2.2" displayName="保険・公費情報"/>
<title>保険・公費情報</title>
<text>
<list>
<item>保険者番号 012345</item>
<item>被保険者証記号 0123</item>
<item>被保険者証番号 1234</item>
<item>公費負担者番号 12123456</item>
<item>公費受給者番号 51123456</item>
</list>
</text>
<entry>
<act classCode="ACT" moodCode="EVN">
<code code="48768-6" codeSystem="2.16.840.1.113883.6.1" displayName="Payment
Sources"/>
<!-- レセプト種別 -->
<entryRelationship typeCode="COMP">
<observation classCode="OBS" moodCode="EVN">
<code code="Receipt.Category.Name" codeSystem="1.2.392.200119.10.180030"
26 / 50
電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
東京大学
Version 0.99c
2015/04/30
codeSystemName="JMIX"/>
<value xsi:type="CE" code="1122" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.12" displayName="
医科・医保単独・本人・入院外"/>
</observation>
</entryRelationship>
<!-- 保険者情報 -->
<entryRelationship typeCode="COMP">
<act classCode="ACT" moodCode="EVN">
<code code="1" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.13" displayName="医保"/>
<performer typeCode="PRF">
<assignedEntity>
<!--保険者番号-->
<id extension="012345" root="1.2.392.200119.6.101"/>
</assignedEntity>
</performer>
<participant typeCode="COV">
<participantRole>
<!--被保険者証記号-->
<id extension="0123" root="1.2.392.200119.6.204"/>
<!--被保険者証番号-->
<id extension="1234" root="1.2.392.200119.6.205"/>
<code code="1" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.14" displayName="被保険者"/>
</participantRole>
</participant>
<entryRelationship typeCode="REFR">
<observation classCode="OBS" moodCode="DEF">
<code code="1" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.15" displayName="患者負担率"/>
<value xsi:type="PQ" value="30" unit="%"/>
</observation>
</entryRelationship>
<entryRelationship typeCode="REFR">
<observation classCode="OBS" moodCode="DEF">
<code code="2" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.15" displayName="保険給付率"/>
<value xsi:type="PQ" value="70" unit="%"/>
</observation>
</entryRelationship>
<entryRelationship typeCode="REFR">
<observation classCode="OBS" moodCode="EVN">
<code code="25" codeSystem="1.2.392.200250.3.2.2" displayName="職務上"/>
<value xsi:type="CE" code="3" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.16"
displayName="通勤災害"/>
</observation>
</entryRelationship>
</act>
</entryRelationship>
<!-- 公費情報 -->
<entryRelationship typeCode="COMP">
<sequenceNumber value="1"/>
<act classCode="ACT" moodCode="EVN">
<code code="1" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.13" displayName="公費併用"/>
<statusCode code="completed"/>
<performer typeCode="PRF">
<assignedEntity>
<!--公費負担者番号-->
<id extension="12123456" root="1.2.392.200119.6.301"/>
</assignedEntity>
27 / 50
電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
東京大学
Version 0.99c
2015/04/30
</performer>
<participant typeCode="COV">
<participantRole>
<!--公費受給者番号-->
<id extension="51123456" root="1.2.392.200119.6.302"/>
</participantRole>
</participant>
</act>
</entryRelationship>
</act>
</entry>
</section>
</component>
10.7.5. 処方備考情報セクション
当該処方に関する備考情報について記述する。
XML 詳細
/ClinicalDocument/component/structuredBody/component/section/
code/
@code
R
半角英数
セクション区分コードと OID
M
半角数記
セクション区分コード
M
保険・公費情報は”101”(固定)
@codeSystem
半角数記
セクション区分コード表の OID
M
固定:1.2.392.200250.2.1.2.2
@root
半角数記
保険機関コード表の OID
M
1.2.392.200250.2.2.1 (固定)
title/
“処方せん備考情報”
(固定)
text/
M
M
list/
M
item/
全半角
備考情報を項目ごとに箇条書き
entry/
1..*
1..*
substanceAdministration/
M
@classCode
半角英
“SBADM”(固定)
M
@moodCode
半角英
“INT”(固定)
M
consumable/
M
manufacturedProduct/
manufacturedLabeledDrug/
@nullFlavor
半角英
entryRelationship/
@typecode
半角英
“NA”(固定)
M
備考情報
1..*
COMP(固定)
M
28 / 50
電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
東京大学
@ inversionInd
半角英
Version 0.99c
2015/04/30
“true”(固定)
M
sequenceNumber/
@value
M
半角数
M
繰り返し数
observation/
M
@classCode
半角英
COND(固定)
M
@moodCode
半角英
EVN(固定)
M
code/
M
@code
半角数
固定:81
M
@codeSystem
半角英数
固定:1.2.392.200250.3.2.2
M
@displayName
全角
固定:備考情報
M
全半角
備考情報自由記載
M
text/
XML サンプル
<component>
<section>
<code code="101" codeSystem="1.2.392.200250.2.1.2.2" displayName="処方せん備考情報"/>
<title>処方せん備考情報</title>
<text>
<list>
<item>備考情報をここに記載する</item>
</list>
</text>
<entry>
<substanceAdministration classCode="SBADM" moodCode="INT">
<consumable>
<manufacturedProduct>
<manufacturedLabeledDrug nullFlavor="NA"/>
</manufacturedProduct>
</consumable>
<entryRelationship typeCode="SUBJ" inversionInd="true">
<sequenceNumber value="1"/>
<observation classCode='COND' moodCode='EVN'>
<code code="81" codeSystem="1.2.392.200250.3.2.2" displayName="備考情報"/>
<text>備考情報を自由記載</text>
</observation>
</entryRelationship>
</substanceAdministration>
</entry>
</section>
</component>
29 / 50
電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
東京大学
Version 0.99c
2015/04/30
11. 調剤実施情報 CDA
11.1. ヘッダ情報
調剤実施情報 CDA のヘッダ部には、文書管理に必要な項目が記載される。項目は以下の通
り。
項目名
内容
HL7CDA 管理情報
HL7CDA で規定された項目(typeId, templateId, id)
文書種別
「調剤実施情報」
文書名
「調剤実施情報提供書」
発行日
文書管理上の発行日
患者情報
患者番号、患者氏名、患者性別、患者生年月日
提供書作成機関
作成日、作成機関番号・名称・郵便番号・住所・電話番号・FAX 番号
提供書提供先
機関番号・名称・郵便番号・住所・電話番号・FAX 番号
処方箋情報
処方オーダ番号、処方せん番号
実施情報
調剤実施を表す実施区分・実施日・実施者所属機関の情報(機関番号・名称・
郵便番号・住所・電話番号・FAX 番号)
11.2. ヘッダ情報詳細
XPath
記法
/ClinicalDocument/
typeId/
半角英数
id/
@nullFlavor
半角英数
code/
内容
CDA のルート要素
M
HL7CDA の必須要素。固定値
M
文書番号(未使用、予約要素)
M
“NI”固定
M
文書コード
M
@code
半角英数
02:調剤実施情報
M
@codeSystem
半角数記
文書区分コード表の OID
M
固定: 1.2.392.200250.2.1.2.1
title/
text()
全角
effectiveTime/
@value
半角数
confidentialityCode/
文書名
M
固定:調剤実施情報提供書
M
文書発行日
M
YYYYMMDD
M
守秘レベルコード。HL7 規定
M
@code
半角英数
固定:“N”
M
@codeSystem
半角数記
固定:2.16.840.1.113883.19.5
M
患者情報
M
recordTarget/
30 / 50
電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
東京大学
Version 0.99c
2015/04/30
author/
提供書作成者
M
custodian/
HL7CDA で必須の要素。
M
informationRecipient/
提供書提出先
M
inFulfillmentOf/
処方せんに関する情報
M
documentationOf/
調剤実施情報
M
ヘッダ部 XML サンプル
<ClinicalDocument xmlns="urn:hl7-org:v3" xmlns:voc="urn:hl7-org:v3/voc"
xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
xsi:schemaLocation="urn:hl7-org:v3 ../xsd/pmarmaCDA.xsd">
<!-********************************************************
CDA Header
********************************************************
-->
<typeId root="2.16.840.1.113883.1.3" extension="POCD_HD000040"/>
<id nullFlavor="NI"/>
<!-- 文書区分コード-->
<code code="01" codeSystem="1.2.392.200250.2.1.2.1"/>
<title>処方指示・調剤実施情報提供書</title>
<!-- 発行日 -->
<effectiveTime value="20071025"/>
<confidentialityCode code="N" codeSystem="2.16.840.1.113883.5.25"/>
<!--患者情報 (詳細は別記)-->
<recordTarget/>
<!--作成機関情報 (詳細は別記)-->
<author/>
<!-- custodianは、以下の形式で固定とする -->
<custodian>
<assignedCustodian>
<representedCustodianOrganization>
<id nullFlavor="NI"/>
</representedCustodianOrganization>
</assignedCustodian>
</custodian>
<!-- 提出先情報 (詳細は別記)-->
<informationRecipient/>
<!--調剤実施情報 (詳細は別記)-->
<documentationOf/>
<!-- 以下ボディ部(調剤内容を記述)-->
<component/>
</ClinicalDocument>
11.3. 患者情報
処方箋を交付された患者に関する情報は、/ClinicalDocument/recordTartet/要素に記述する。
記述すべき内容は患者番号・患者番号発行組織 OID、患者氏名カナ・患者氏名漢字、患者
性別、患者生年月日である。
31 / 50
電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
東京大学
Version 0.99c
2015/04/30
XML 詳細
/ClinicalDocument/recordTarget/
M
id/
患者番号を格納
1..2
@extension
半角英数
患者番号を半角数字で記載
M
@root
半角英数記号
PHR ID の場合:
M
1.2.392.200250.3.3.1(固定)
患者番号の場合:
1.2.392.200250.3.3.1 N
N: “1”+”10 桁保険機関番号”
patient/
name/
患者個人の情報
M
患者氏名(カナ、漢字で繰り返
1..2
し)
@use
半角英数
氏名区分:SYL=カナ、IDE=
M
漢字
text()
全角文字、半角
例:”佐藤 太郎”
英数
例:”サトウ
M
タロウ”
姓名の間には可能な場合は
全角スペースを挿入
administrativeGenderCode/
患者性別
M
@code
半角英数
性別コード:M=男、F=女
M
@codeSystem
半角数記
性別コード体型の OID
M
固定:2.16.840.1.113883.5.1
birthTime/
@value
半角数字
患者生年月日(YYYYMMDD)
M
例:19600101
M
XML サンプル
<!-- 患者情報 -->
<recordTarget>
<patientRole>
<!—PHR ID -->
<id extension="12345" root="1.2.392.200250.3.3.1"/>
<!-- 患者番号 -->
<id extension="12345678" root="1.2.392.200250.3.3.1.14710123456"/>
<patient>
<name use="SYL">サトウ タロウ</name>
<name use="IDE">佐藤 太郎</name>
<administrativeGenderCode code="F" codeSystem="2.16.840.1.113883.5.1"/>
<birthTime value="19600101"/>
</patient>
</patientRole>
</recordTarget>
32 / 50
電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
東京大学
Version 0.99c
2015/04/30
11.4. 調剤実施情報作成者情報
調剤実施情報の作成にかかわる実施日、薬剤師、調剤薬局情報を記述する。
XML 詳細
/ClinicalDocument/author/
M
time
@value
半角数字
assignedAuthor/
id/
@nullFlavor
半角英字
representedOrganization/
id/
@extension
半角英数記
文書作成日(YYYYMMDD)
M
例:20080513
M
ファイル作成者
M
予約項目
M
“NI”に固定
M
ファイル作成組織
M
調剤薬局番号
M
10 桁保険機関番号
M
処方指示:医療機関の番号
調剤実施:調剤薬局の番号
@root
半角数記
保険機関コード表の OID
M
固定:1.2.392.200250.2.2.1
name/
調剤薬局名称
1..2
@use
半角英数
IDE:漢字、SYL:カナ
M
text()
全角文字、半角英
例:”浦添クリニック”
M
数記
例:”浦添薬局”
telecom/
@value
半角英数記
作成機関の電話・FAX 番号
1..2
電話番号。半角数字。電話番号の
M
場合はプレフィックス”tel:”、フ
ァクシミリの場合は同じく”fax:”
をつけること。
addr/
postalCode/
text()
半角数記
作成機関の郵便番号・住所
M
郵便番号
M
例:901-2501
M
streetAddressLine/
text()
M
全角
住所
M
XML サンプル
<!-- ファイル作成機関情報 -->
<author>
33 / 50
電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
東京大学
Version 0.99c
2015/04/30
<!-- 作成日 -->
<time value="20071025"/>
<assignedAuthor>
<!-- idは予約要素 -->
<id nullFlavor="NI"/>
<representedOrganization>
<!-- 作成機関番号 -->
<id extension="4741234567" root="1.2.392.200250.2.2.1"/>
<!-- 作成機関名称 -->
<name use="IDE">浦添クリニック</name>
<name use="SYL">ウラソエクリニック</name>
<!-- 電話番号 -->
<telecom value="tel:0988761234"/>
<!-- FAX番号:ない場合は省略-->
<telecom value="fax: 0988761234"/>
<!-- 作成機関郵便番号・住所 -->
<addr>
<postalCode>901-2501</postalCode>
<streetAddressLine>沖縄県浦添市安波茶1-1-1</streetAddressLine>
</addr>
</representedOrganization>
</assignedAuthor>
</author>
11.5. 調剤実施情報提出先情報
調剤実施の場合は、提出先となる処方箋発行元機関を記載する。
XML 詳細
/ClinicalDocument/informationRecepient/intendedRecipient/
receivedOrganization/
id/
M
提出先組織
M
保険機関コード
M
@extension
半角英数記
10 桁保険機関コード
M
@root
半角数記
保険機関コード表の OID
M
1.2.392.200250.2.2.1 (固定)
name/
医療機関名(全角のみ)
M
@use
半角英数
IDE=漢字、SYL=カナ
R
text()
全角
例:浦添クリニック
M
保険機関電話・FAX 番号
1..2
電話番号。半角数字。電話番号の
M
telecom/
@value
半角英数記
場合はプレフィックス”tel:”、フ
ァクシミリの場合は同じく”fax:”
をつけること。
addr/
保険機関郵便番号・住所
M
34 / 50
電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
東京大学
postalCode/
@text()
半角数記
streetAddressLine/
@text()
全角
Version 0.99c
2015/04/30
郵便番号
M
例:901-2501
M
住所
M
例:沖縄県浦添市安波茶1-1-1
M
XML サンプル
<!-- ファイル提供先情報 -->
<informationRecipient>
<intendedRecipient>
<receivedOrganization>
<!-- 保健機関番号-->
<id extension="4710123456" root="1.2.392.200250.2.2.1"/>
<!-- 提出先名称 -->
<name use="IDE">浦添クリニック</name>
<name use="SYL">ウラソエクリニック</name>
<!-- 電話番号 -->
<telecom value="tel: 0988761234"/>
<!-- FAX番号 -->
<telecom value="fax: 0988761234"/>
<!-- 提出先郵便番号・住所 -->
<addr>
<postalCode>901-2501</postalCode>
<streetAddressLine>沖縄県浦添市安波茶1-1-1</streetAddressLine>
</addr>
</receivedOrganization>
</intendedRecipient>
</informationRecipient>
11.6. 処方オーダ番号情報
当該処方箋に記載された処方せん発行に係るオーダ情報を記載する。
XML 詳細
/ClinicalDocument/infulfillmentOf/order/
id/
M
処方箋 ID・処方オーダ番号
M
@extension
半角英数
処方箋 ID・処方オーダ番号
R
@root
半角数記
処方箋 ID の場合:
M
1.2.392.200250.3.3.3(固定)
処方オーダ番号の場合:
1.2.392.200250.3.3.3.N
N: “1”+” 10 桁保険機関番号”
XML サンプル
<!-- 処方オーダ番号 -->
35 / 50
電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
東京大学
Version 0.99c
2015/04/30
<order>
<!— 処方箋ID (処方ASP) -->
<id extension="D2009090101" root="1.2.392.200250.3.3.3"/>
<!-- 処方オーダ番号(医療機関) -->
<id extension="O2009090101" root="1.2.392.200250.3.3.3.4710123456"/>
</order>
11.7. 調剤実施情報
調剤実施について、調剤日、薬剤師、調剤薬局情報を記載する。
XML 詳細
/ClinicalDocument/documentationOf/serviceEvent/
code/
実施区分コード
M
@code
半角数
02:調剤実施
M
@codeSystem
半角英数
実施区分コード表の OID
M
固定:1.2.392.200250.2.2.11
effectiveTime/
@value
半角数
performer/
@typeCode
半角英
実施日
M
YYYYMMDD
M
実施者
M
“PRF”に固定
M
assignedEntity/
M
id/
@nullFlavor
半角英
representedOrganization/
id/
予約項目
M
“NI”に固定
M
実施機関
M
保険機関番号・OID
M
@extension
半角英数記
10 桁保険機関番号
M
@root
半角数記
保険機関コード表の OID
M
固定:1.2.392.200250.2.2.1
name/
保険機関名称
1..2
@use
半角英
SYL=カナ、IDE=漢字
R
@text()
全角
例:浦添薬局
M
実施機関 電話・FAX 番号
1..2
電話番号。半角数字。
M
telecom/
@value
半角数記
電話番号の場合はプレフィック
ス ”tel:”、フ ァクシミリの場合は同じ
く”fax:”をつけること。
36 / 50
電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
東京大学
addr/
postalCode/
@text()
半角数記
streetAddressLine/
@text()
全角
Version 0.99c
2015/04/30
実施機関郵便番号・住所
M
郵便番号
M
例:901-2501
M
住所
M
例:沖縄県浦添市安波茶1-1-1
M
XML サンプル
<!-- 実施情報 -->
<documentationOf>
<serviceEvent>
<!-- 実施区分-->
<code code="01" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.11" displayName="調剤実施"/>
<!—実施日 -->
<effectiveTime value="20071024"/>
<!-- 実施者 -->
<performer typeCode="PRF">
<assignedEntity>
<id nullFlavor="NI"/>
<!-- 実施者所属機関 -->
<representedOrganization>
<!-- 実施機関番号-->
<id extension="4740123456" root="1.2.392.200250.2.2.1"/>
<!-- 実施機関名称 -->
<name use="IDE">浦添薬局</name>
<name use="SYL">ウラソエヤッキョク</name>
<!-- 電話番号 -->
<telecom value="tel: 0988761234"/>
<!-- FAX番号 -->
<telecom value="fax: 0988761234"/>
<!—実施機関郵便番号・住所 -->
<addr>
<postalCode>901-2501</postalCode>
<streetAddressLine>沖縄県浦添市安波茶1-1-1</streetAddressLine>
</addr>
</representedOrganization>
</assignedEntity>
</performer>
</serviceEvent>
</documentationOf>
11.8. 調剤実施情報ボディ部
11.8.1. ボディ部に記載される項目
調剤実施情報 CDA のボディ部には調剤に関する情報が記載される。ボディ部に含まれるセ
クションは以下の通りである。
37 / 50
電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
東京大学
Version 0.99c
2015/04/30
セクション名
内容
調剤実施情報
医薬品ごとの処方内容
調剤実施補足情報
疑義照会、服薬指導などの内容
調剤実施観察情報
調剤実施時の観察情報を記載する
11.8.2. ボディ部基本構造
ボディ部は、structuredBody 内に 1 つの component を持つ。各 component 内には 1 つの
section があり、「処方せん情報」に対応する。
<ClinicalDocument>
ヘッダ部・・・
<component>
<structuredBody>
<!-- 調剤実施情報 -->
<component>
<section>
・・・
</section>
</component>
<!-- 調剤実施補足情報 -->
<component>
<section>
・・・
</section>
</component>
<!-- 調剤実施観察情報 -->
<component>
<section>
・・・
</section>
</component>
</structuredBody>
</component>
</ClinicalDocument>
11.8.3. 調剤実施情報セクション
調剤実施情報セクションは、セクション区分と実際に調剤薬局で払い出された薬剤に関す
る情報が記載される。調剤実施記載の単位は、処方箋に記載された剤単位となり、処方箋
に記載された剤の数分繰り返される。このセクションには以下の項目が記載される。

セクション区分コード
セクション区分コードは、本セクションの内容を表すコードを記載する。
「調剤実施
情報セクション」の場合は「02」を記載する。

調剤実施情報
処方箋に記載された処方内容と、実際に払い出した薬剤の情報を記載する。調剤実施
情報は、内部的に次の要素を持つ。
38 / 50
電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
東京大学

Version 0.99c
2015/04/30
調剤内容文字列
調剤薬局で払い出した薬剤名、用量、用法、日数を文字列形式で記載する。各要
素の間は全角セミコロン「;」で区切る。 例:「ワーファリン錠0.5mg;0.5
錠;1 日 1 回朝食後;14 日分」

薬剤情報
調剤薬局で払い出した薬剤の薬剤コード、コード体系番号の OID、薬剤の名称を
記載する。薬剤コードは HOT9 または YJ コードを使用する。

払い出し情報
実際に払い出された薬剤の全量、日数、払い出した薬剤の HOT9(または YJ)コー
ド、HOT9(または YJ)コードの OID、薬剤の名称である。
各調剤実施情報セクション内容の項目一覧
項目
内容
調剤内容文字列
調剤内容の各項目を全角セミコロンで区切って記述
払い出し情報
払い出し全量、日数
払い出された薬剤の情報
払い出した薬剤の薬剤コード、コード体系種別、薬剤名称
※薬剤コードは HOT9 または YJ とする。
XML 詳細
/ClinicalDocument/component/structuredBody/component/section/
code/
@code
半角英数
セクション区分コードと OID
M
半角数記
セクション区分コード
M
調剤実施情報は”02”固定
@codeSystem
半角数記
セクション区分コード表の OID
M
固定:1.2.392.200250.2.1.2.2
title/
全半角英数記
“調剤実施情報”(固定)
M
text/
全半角英数記
調剤内容文字列
M
list/
item/
M
全半角英数記
薬剤ごとに、
1..*
薬剤名;用量;用法
の形式で記載する。
区切り文字は全角コロンとする。
39 / 50
電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
東京大学
supply/
Version 0.99c
2015/04/30
払い出し行為情報
M
@classCode
半角英
“SPLY”固定
M
@moodCode
半角英
EVN (固定)
M
RP 番号
M
@extension
調剤時の RP 番号
M
@root
1.2.392.200250.2.3.1 (固定)
M
服用順序(不均等処方の場合)
0..1
id/
id/
@extension
半角数
服用順序
M
@root
半角数記
1.2.392.200250.2.3.1 (固定)
M
払い出し区分コード
M
01:処方箋通り
M
code/
@code
半角数
03:後発薬に変更
@codeSystem
半角英数
実施区分コード表の OID
M
固定:1.2.392.200250.2.2.10
effectiveTime/
服用開始日
M
@xsi:type
半角英
IVL_TS (固定)
M
low
半角数
開始日:YYYYMMDD
M
調剤時用法
R
effectiveTime/
@operator
半角英
A (固定)
M
@xsi:type
半角英
EIVL_TS (固定)
M
event/
M
@code
半角数
用法コード
M
@codeSystem
半角数記
1.2.392.200250.3.2.4
M
@displayName
全半角英数記
@code に準じた用法文字列
M
払い出し総量
M
quantity/
@value
半角数
数量
M
@unit
半角英数
単位
M
払い出し日数
r
expectedUseTime/
※頓服、外用など、日数が明示されて
いない薬剤の場合、nullFlavor 属性を
設定し、子要素は持たない。それ以外
の場合は、nullFlavor 属性は出現せ
ず、子要素の width 要素が出現。
@nullFlavor
Boolean
True 固定
M
※頓服、外用など、日数が明示されて
40 / 50
電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
東京大学
Version 0.99c
2015/04/30
いない薬剤の場合、本属性を記述。下
記の width 要素と同時出現はない。
width/
払い出し日数
R
※内服薬など、払い出し日数が明らか
な場合にのみ使用。上記の nullFlavor
属性と同時に出現することはない。
@value
半角数記
日数
M
@unit
半角英
単位("day”固定)
M
払い出した薬剤の情報
M
薬剤コード
M
product/manufacturedProduct/
manufacturedLabeledDrug/
code/
@code
半角英数記
薬剤コード
M
@codeSystem
半角数記
薬剤コード表の OID
M
1.2.392.200250.2.2.4 (HOT9)
1.2.392.200250.2.2.7 (YJ)
のいずれかの OID を指定する
@displayName
全半角英数記
entryRelationship/
@typecode
半角英
薬剤名文字列
M
薬品補足情報
0..1
COMP (固定)
M
observation/
M
@classCode
半角英
OBS (固定)
M
@moodCode
半角英
EVN (固定)
M
code/
M
@code
半角数
固定:281
M
@codeSystem
半角数記
固定:1.2.392.200250.3.2.2
M
@displayName
全半角英数記
固定:薬品補足情報
M
value/
M
@xsi:type
半角英
固定:CE
M
@code
半角数
薬品補足情報コード
M
1.2.392.200250.3.2.5 (固定)
M
@codeSystem
@displayName
全半角英数記
@code に準じた文字列
M
originalText
全半角英数記
自由記載する場合に使用
R
用法補足情報
0..1
COMP (固定)
M
entryRelationship/
@typecode
observation/
半角英
M
41 / 50
電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
東京大学
Version 0.99c
2015/04/30
@classCode
半角英
OBS (固定)
M
@moodCode
半角英
EVN (固定)
M
code/
M
@code
半角数
固定:181
M
@codeSystem
半角数記
固定:1.2.392.200250.3.2.2
M
@displayName
全半角英数記
固定:用法補足情報
M
value/
M
@xsi:type
半角英
固定:CE
M
@code
半角数
用法補足情報コード
M
@codeSystem
半角数記
1.2.392.200250.3.2.6 (固定)
M
@displayName
全半角英数記
@code に準じた文字列
M
originalText
全半角英数記
自由記載する場合に使用
R
処方指示情報(参照用)
0..1
“REFR”固定
M
entryRelationship/
@typeCode
半角英
substanceAdministration/
M
@classCode
半角英
SBADM (固定)
M
@moodCode
半角英
RQO (固定)
M
処方された薬剤の情報
M
consumable/manufacturedProduct/
manufacturedLabeledDrug/
(医薬品名の場合)
code/
薬剤コード
M
@code
半角英数記
薬剤コード
M
@codeSystem
半角数記
薬剤コード表の OID。
M
“1.2.392.200250.2.2.4”(HOT9)
、
“1.2.392.200250.2.2.7”(YJ)
のいずれかを指定する。
@displayName
全半角英数記
consumable/manufacturedProduct/
manufacturedMaterial/
薬剤名文字列
M
処方された薬剤の情報
M
(一般名処方の場合)
code/
一般名コード
M
@code
半角英数記
一般名コード
M
@codeSystem
半角数記
一般名コード表の OID。※未定
M
@displayName
全半角英数記
一般名文字列
M
必要に応じ元の処方内容を記載。
記法は処方指示情報と同一とする。
entryRelationship/
調剤実施情報(変更がある場合)
0..1
42 / 50
電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
東京大学
@typeCode
半角英
substanceAdministration/
Version 0.99c
2015/04/30
“COMP”固定
M
薬剤ごとの調剤変更情報
1..*
@classCode
半角英
SBADM (固定)
M
@moodCode
半角英
INT (固定)
M
CDA の制約のため記述。内容固定
M
NA(固定)
M
調剤変更理由
0..1
“RSON”固定
M
consumable/
manufacturedProduct/
manufacuturedLabeledDrug/
@nullFlavor
半角英
entryRelationship/
@typeCode
半角英
observation
M
@classCode
半角英
OBS (固定)
M
@moodCode
半角英
EVN (固定)
M
code/
M
@code
半角数
固定:XXX
M
@codeSystem
半角数記
固定:1.2.392.200250.2.2.18
M
@displayName
全半角英数記
固定:調剤変更理由
M
value/
M
@xsi:type
text
全半角英数記
固定:ST
M
調剤変更理由を自由記載
M
※Rp 文字列の記法についての注意
Rp 文字列を記述する際は、XML 規格上必要な実体参照への置換を行うこと。
XML サンプル
<!--調剤情報-->
<component>
<section>
<!--セクション区分-->
<code code="11" codeSystem="1.2.392.200250.2.1.2.2" displayName="調剤実施情報"/>
<title>調剤実施情報セクション</title>
<text>
<list>
<item>プレマリン錠0.625mg;1;錠;1日1回 夕食後服用;45日分</item>
</list>
</text>
<!--1つめのRxの記述-->
<entry>
<!--薬剤払い出し情報-->
<supply classCode="SPLY" moodCode="EVN">
<!--RP番号-->
<id extension="1" root="1.2.392.200250.2.3.1"/>
<!--分割調剤の有無、後発役への置き換え-->
43 / 50
電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
東京大学
Version 0.99c
2015/04/30
<code code="101" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.10"/>
<!--服薬開始日-->
<effectiveTime xsi:type="IVL_TS">
<low value="20100705"/>
</effectiveTime>
<!--払い出し量-->
<quantity value="45" unit="{TBL}"/>
<!--日数-->
<expectedUseTime>
<width value="45" unit="day"/>
</expectedUseTime>
<product>
<manufacturedProduct>
<manufacturedLabeledDrug>
<!--薬剤コード:root属性はHOT9またはYJコード表のOID-->
<code code="2479004F1033" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.7" displayName="プレマリン錠
0.625mg"/>
</manufacturedLabeledDrug>
</manufacturedProduct>
</product>
<!--もとの処方指示情報: 薬剤情報は必須。それ以外は調剤時に変更が発生した情報のみ記載する -->
<entryRelationship typeCode="REFR">
<substanceAdministration classCode="SBADM" moodCode="RQO">
<!--RP番号-->
<id extension="1" root="1.2.392.200250.2.3.1"/>
<!-- 剤型区分 -->
<code code="1" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.17" displayName="内服"/>
<text>プレマリン錠0.625mg;1;錠;1日1回 夕食後服用;45日分</text>
<!--医科用法-->
<effectiveTime xsi:type="IVL_TS">
<low value="20100624"/>
<high value="20100808"/>
</effectiveTime>
<effectiveTime operator="A" xsi:type="EIVL_TS">
<event code="Y1010024" codeSystem="1.2.392.200250.3.2.4.19911234567" displayName="1日
1回 夕食後服用"/>
</effectiveTime>
<!--一回量-->
<doseQuantity value="1" unit="{TBL}"/>
<!--薬剤情報-->
<consumable>
<manufacturedProduct>
<manufacturedLabeledDrug>
<code code="2479004F1033" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.7" displayName="プレマリ
ン錠0.625mg"/>
</manufacturedLabeledDrug>
</manufacturedProduct>
</consumable>
</substanceAdministration>
</entryRelationship>
<!--調剤実施情報: 用法・用量は必須。それ以外は変更が生じた情報のみ。薬剤はsupplyで記載済のた
め省略可(=NI)とする。-->
<entryRelationship typeCode="COMP">
<substanceAdministration classCode="SBADM" moodCode="INT">
<!--RP番号-->
<id extension="1" root="1.2.392.200250.2.3.1"/>
44 / 50
電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
東京大学
Version 0.99c
2015/04/30
<!-- 剤型区分 -->
<code code="1" codeSystem="1.2.392.200250.2.2.17" displayName="内服"/>
<text>プレマリン錠0.625mg;1;錠;1日1回 夕食後服用;45日分</text>
<!--用法・服用期間-->
<effectiveTime xsi:type="IVL_TS">
<low value="20100624"/>
<high value="20100808"/>
</effectiveTime>
<effectiveTime operator="A" xsi:type="EIVL_TS">
<event code="Y1010024" codeSystem="1.2.392.200250.3.2.4.19911234567" displayName="1日
1回 夕食後服用"/>
</effectiveTime>
<!--一回量-->
<doseQuantity value="1" unit="{TBL}"/>
<consumable>
<manufacturedProduct>
<manufacturedLabeledDrug>
<code nullFlavor="NI"/>
</manufacturedLabeledDrug>
</manufacturedProduct>
</consumable>
</substanceAdministration>
</entryRelationship>
</supply>
</entry>
</section>
</component>
11.8.4. 調剤実施補足情報セクション
調剤実施補足情報セクションは、セクション区分と実際に調剤薬局で払い出し時の補足情
報を記載する。

セクション区分コード
セクション区分コードは、本セクションの内容を表すコードを記載する。
「調剤実施補
足情報セクション」の場合は「102」を記載する。

調剤実施補足情報
調剤時の補足情報を記載する。疑義照会、服薬指導に関する情報を、種別コードおよ
び内容を自由記載する。
XML 詳細
/ClinicalDocument/component/structuredBody/component/section/
R
code/
@code
半角英数
セクション区分コードと OID
M
半角数記
セクション区分コード
M
45 / 50
電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
東京大学
Version 0.99c
2015/04/30
調剤実施補足情報は”102”固定
@codeSystem
半角数記
セクション区分コード表の OID
M
固定:1.2.392.200250.2.1.2.2
@displayName
title/
全半角英数記
固定:調剤実施補足情報
M
全半角英数記
“調剤実施補足情報”(固定)
M
調剤補足情報文字列
M
text/
list/
M
item/
全半角英数記
調剤補足情報をテキストで記述する
entry/
1..*
M
supply/
M
@classCode
半角英
“SPLY”固定
M
@moodCode
半角英
EVN (固定)
M
entryRelationship/
1..*
@typecode
半角英
SUBJ (固定)
M
@inversionInd
半角英
true (固定)
M
act/
M
@classCode
半角英
ACT (固定)
M
@moodCode
半角英
EVN (固定)
M
code/
@code
M
半角数
疑義照会の場合:100
M
服薬指導の場合:101
@codeSystem
text/
半角数記
1.2.392.200250.3.2.7 (固定)
M
全半角英数記
疑義照会、服薬指導の情報をテキスト
M
で記載する。
XML サンプル
<component>
<section>
<!--セクション区分-->
<code code="12" codeSystem="1.2.392.200250.2.1.2.2" displayName="調剤実施補足情報"/>
<entry>
<supply classCode="SPLY" moodCode="EVN">
<entryRelationship typeCode="SUBJ" inversionInd="true">
<act classCode="ACT" moodCode="EVN">
<code code="100" codeSystem="1.2.392.200250.3.2.7"/>
<text>疑義照会内容コメント</text>
</act>
</entryRelationship>
<entryRelationship typeCode="SUBJ" inversionInd="true">
<act classCode="ACT" moodCode="EVN">
<code code="101" codeSystem="1.2.392.200250.3.2.7"/>
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電子的処方指示・調剤実施情報提供書記述仕様
東京大学
Version 0.99c
2015/04/30
<text>服薬指導内容コメント</text>
</act>
</entryRelationship>
</supply>
</entry>
</section>
</component>
11.8.5. 調剤実施観察情報セクション
調剤実施観察情報セクションは、セクション区分と実際に調剤薬局で払い出し時に観察さ
れた患者の情報を記載する。

セクション区分コード
セクション区分コードは、本セクションの内容を表すコードを記載する。
「調剤実施観
察情報セクション」の場合は「103」を記載する。

調剤実施観察情報
調剤時の患者に係る観察情報を記載する。アレルギー、既往歴、副作用情報などの種
別コードおよび内容を自由記載する。
XML 詳細
/ClinicalDocument/component/structuredBody/component/section/
R
code/
@code
半角英数
セクション区分コードと OID
M
半角数記
セクション区分コード
M
調剤実施観察情報は”103”固定
@codeSystem
半角数記
セクション区分コード表の OID
M
固定:1.2.392.200250.2.1.2.2
@displayName
title/
全半角英数記
固定:調剤実施観察情報
M
全半角英数記
“調剤実施観察情報”(固定)
M
調剤実施観察情報文字列
M
text/
list/
M
item/
全半角英数記
調剤時観察情報を記述する
entry/
1..*
1..*
observation/
M
@classCode
半角英
“OBS”固定
M
@moodCode
半角英
EVN (固定)
M
code/
@code
M
半角数
アレルギーの場合:100
M
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東京大学
Version 0.99c
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既往歴の場合:101
副作用症状の場合:102
@codeSystem
text/
半角数記
1.2.392.200250.3.2.8 (固定)
M
全半角英数記
アレルギー、既往歴、副作用症状の情
M
報をテキストで記載する。
XML サンプル
<component>
<section>
<!--セクション区分-->
<code code="103" codeSystem="1.2.392.200250.2.1.2.2" displayName="調剤実施観察情
報"/>
<ttitle>調剤実施観察情報</ttitle>
<text>
<list>
<item>アレルギー グレープフルーツ</item>
<item>既往歴 高血圧</item>
</list>
</text>
<entry>
<observation classCode="OBS" moodCode="EVN">
<code code="100" codeSystem="1.2.392.200250.3.2.8" displayName="アレルギー"/>
<text>アレルギーを記載</text>
</observation>
</entry>
<entry>
<observation classCode="OBS" moodCode="EVN">
<code code="101" codeSystem="1.2.392.200250.3.2.8" displayName="既往歴"/>
<text>既往歴を記載</text>
</observation>
</entry>
<entry>
<observation classCode="OBS" moodCode="EVN">
<code code="102" codeSystem="1.2.392.200250.3.2.8" displayName="副作用症状"/>
<text>副作用症状を記載</text>
</observation>
</entry>
</section>
</component>
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東京大学
Version 0.99c
2015/04/30
12. 各種コード値について
Act.code
調剤情報記述 CDA で使用される Act.code は以下の通りである。
ニモニック
意味
SBADM
物質(substance)の対象への投与(Administration)
SPLY
物(薬剤、材料など)の供給(supply)
Act.mood
調剤情報記述 CDA で使用される Act.mood は以下の通りである。
ニモニック
意味
RQO
リクエスト(オーダー:Request of Order)
INT
EVN
実施結果(実際に起きた事象:Event)
classCode/typeCode
調剤情報記述 CDA で使用される classCode/typeCode は以下の通りである。
ニモニック
意味
PRF
実施者(Performer)
COMP
子要素(Component)
13. 単位について
HL7 CDA では、各種単位について、Unified Code for Unit of Measures(UCUM)の使用を
定めている。UCUM は文字の大小を区別しない。以下にその例を挙げる。
日本語での表記
UCUM での表記
日(日数)
DAY
g(グラム)
G
mg(ミリグラム)
MG
錠
{TBL}
Tablet:物理量単位ではないので、{}で囲む
包
{BAG}
Bag:物理量単位ではないので、
{}で囲む
カプセル
{CAP}
capsule:物理量単位ではないので、
{}で囲む
備考
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14. 実体参照置換について
XML ファイル中に格納する際に置換が必要な文字とその定義済み実体
文字・記号
記号名
文字実体参照
&
アンパサンド
&amp;
<
左山かっこ
&lt;
>
右山かっこ
&gt;
“
二十引用符
&quot;
‘
アポストロフィ
&apos;
半角スペース
半角スペース
&nbsp;
以上
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Ⅲ. 研究成果の刊行に関する一覧表
なし
Ⅳ. 研究成果の刊行物・別刷
なし