ARCADIS Orbic 3D Generation2

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ARCADIS Orbic 3D Generation2
術中の 3D 撮影により
正確性、安全性の向上をめざす
医療法人三慶会 指扇病院は、古くは指扇村と呼ばれていた現在のさいたま市
西区に、1982 年に開設されました。同院は開設以来、入院や手術を必要とする
いわゆる2 次救急を主体に、地域に密着した医療に取り組んできました。2011 年
の新築移設に伴い、急性期病棟の増床、回復期リハビリテーション病棟の新設、
診療科の増科などを実現。地域へのさらなる貢献をめざして、良質で心のかよう
医療法人 三慶会
指扇病院
所在地:埼玉県さいたま市西区宝来 1295-1
病床数:226 床
主なご導入装置:
ARCADIS Orbic 3D Generation2
医療の提供に尽力されています。同院では、このたび、患者さんにとって快適で
がとても大きなものでした。
脊椎症例においてアキシャル方向で画像が確認
できることはもとより、脛骨高原骨折で関節面の
トが非常に大きい
整復が 3 次元的に把握できるメリッ
ですね。これらは、今までの透視のみを用いた手術
では把握することが困難でした。また、舟状骨
骨折や、踵骨骨折なども透視の正面側面のみ
では把握するのが難しい症例ですが、3D 撮影が
できるようになり、より正確で、かつ安全に手術が
できるようになりました。
一般的な外科用イメージと比べて、操作性に違い
C アーム ARCADIS Orbic 3D
日下部 先生
(以下 ARCADIS Orbic 3D)を導入され
ました。指扇病院 日下部 伸三 副院長に、装置導入の経緯や使用経験についてお
話をうかがいました。
MAGNETOM Symphony
SIREMOBIL Compact L
CT でも金属が入ればアーチファクトは発生します。
それよりも、手術中に 3D 画像を撮影できるメリット
を感じたことはありますか。
SOMATOM DeƉnition AS
Ysio
画質はまったく問題ありません。ちなみに、据置型の
安心できる医療環境の整備の一環として、3D 撮影に対応したハイエンドモバイル
Generation2
ARCADIS Orbic 3D を最初にご覧になったのは
導入までの経緯、決定の理由をお聞かせください。
いつでしたか。
日下部 先生
日下部 先生
2014 年の日本整形外科学会学術
透 視 装 置としてもフル活 用して
しますが、まったく問題ありません。透視の画質も
できます。位置決めをしてフットスイッチを踏むだけ
今まで使用していた装置よりきれいなので、手術も
なので手間が増えたとは感じません。それよりも、 ことができますし、3D 画像も撮影できます。当院で
楽になったと感じています。
3D 撮影することで得られる臨床上のメリットのほうが
は、透視装置としての使用がメインなので、透視
大きいです。当院では放射線技師が操作をして
が必要な手術には欠かせません。どこの病院にも
いますが、2、3 回使えば慣れてしまうと言っていま
必要な装置のひとつだと思います。手術に必要
3D 撮影自体は慣れれば 3 分もあれば十分撮影
人工股関節全置換で使用している
総会のブースで展示されている装置を見たのが、 外科用イメージによる 3D 撮影なので X 線量が
最初の出会いでした。外科用イメージでありながら
少なく、かつ据置型の CTと比較するとプロジェク
ション数が少ないこともあり金属が入った場合の
左から佐藤 看護師、春日 看護師、鈴木 看護師、日下部 副院長、早川 技師、橘田 看護師、五十嵐 看護師
います。少し本体のサイズが大きいような気は
施設があるかどうか、担当者にたずねてみると、
CT のような画像が撮影できると聞き、さまざまな用途
XP
装置ですので、使用しないときは部屋の外に出す
した。操作画面もシンプルで簡単です。実際、すぐ
不可欠な装置であり、移動が可能で、さらに 3D
に画像を確認することができています。
撮影機能までも備えていますので、大変重宝して
います。
術中に3D 撮影を行うことについて、どのようにお考え
に使える有用な装置だと感じました。シーメンスの
描出能が劣る、そのため金属が多く術野に入って
ですか。
製品担当者から話を聞いたところ、臨床で使われて
しまう人工股関節全置換では使用したことがない、
日下部 先生
いる主な用途は、脊椎症例、外傷や骨折がメイン
とのことでした。
と考えていましたが、据置型だと設置した部屋から
ようになる、ということに尽きると思います。これ
とのことでした。
お話をおうかがいした先生
日下部 伸三 副院長
実際に症例で使用された感想をお聞かせください。
もともと手術室に CTを設置したい
日下部 先生
より正確で安全な手術ができる
しかし私は、術後にどうしても脱臼してしまう症例
動かせなくなります。CTを使わない手術の際には
までは、透視装置を用いて多方向から画像を確認
がある人工股関節全置換症例においては、多少
不要になってしまうという、スペースの問題がありま
することで手術を行っており、アキシャル方向の
のアーチファクトがあったとしてもそれなりの画像
CT は高額な装置ですので、使用頻度の
した。また、
描出はどうしてもできませんでした。3 次元的に病変
が得られれば、手術中に画像を確認することは大き
観点からも手術室への設置は難しいと考えていま
を把握したくとも、医師の技術に依存するしかなかっ
した。しかし、ARCADIS Orbic 3D はモバイル型の
たのです。しかし、この装置を使えば術中に 3 次元
なメリットがあるだろうと思いました。カップの向き
がどちらを向いているのかさえ確認できれば有用
性は十分にあります。実際にどのくらいの画質で
的な病変の把握が容易にできますので、手術の
脛骨高原骨折症例
正確性と安全性が向上すると思います。当院では
年間 450 例程度外科用イメージを用いる手術を
撮影できるのか見せてほしいと依頼しました。後日、
実際の人工関節を3D 撮影し、画質を確認しまし
行っていますが、その半数以上で 3D 撮影が有効
たが、その時点で臨床に充分耐えられるレベルと
になるのではないかと感じています。
判断し導入に至りました。
最後に、今後の病院のあり方についてお聞かせ
実際にどのような症例で使用されているのかお聞かせ
ください。
ください。
日下部 先生
日下部 先生
当初は人工股関節全置換の場合
に、カップの向きを確認するために使用することを
する病院です。当院は大学病院ではありませんが、
念頭に導入したつもりでしたが、現在では「手術
最先端の医療設備を備え、地域で信頼される医療
室で術中に CTが撮れる」というくらいの感覚で使用
法人をめざして努力していきたいと考えています。
(2015 年 5 月 29 日取材)
しています。金属が入っている症例においても、
日下部 伸三 副院長
人工股関節全置換症例
Siemens Future vol.29
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Siemens Future Vol.29
指扇病院は医療法人三慶会の
なかで、2 次救急を中心とした急性期医療に対応
からの抜き刷り
■ シーメンス・フューチャー 第 29 号 2015 年 9 月発行
■ 発行元 シーメンス・ジャパン株式会社
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