付 1. 上空からの情報収集ミッションユニット ミッションユニット長 :北海道大学 小野里雅彦 ミッションユニットメンバー:北海道大学:小竹内裕昭,林潤一,梅本純,増田寿信 東北大学:田所 諭, NPO国際レスキューシステム研究機構:武村史朗 海技大学校:前田 潔 千葉大学:野波健蔵,酒井 悟,羽沢健作,于振宇,小松順磨, Demian Carlos Celestino,鈴木 江口智昭,神山 智,中澤大輔,小出義朗,唐 亮, 望 ヒロボー株式会社:千葉良三 (独)理化学研究所:川端邦明,羽田靖史,嘉悦早人, 東京大学:淺間 一,福田一郎 東京工業大学:倉林大輔 電気通信大学:松野文俊,福島宏明,斉藤亮 静岡大学:三浦憲二郎、山下 淳、金子 透,田中 友, 原田知明,西山 康行 京都大学:中西弘明、坂東麻衣 大阪産業大学大学院工学研究科:井上紘一 ヤマハ発動機(株):佐藤 彰 上空からの情報収集ミッションユニット(以下,上空 MU と略す)は,平成16年度の 上空からの情報収集タスクフォースの開発目標と組織形態とを継承する形で,平成17年 度以降の研究開発を実施していく. 地震などにより破壊され混乱している地上や地下の空間と比べ,はじめから被害を受け る対象が存在しない地上に広がる空間−上空−を,災害の軽減化に以下に有効に利用でき るか,ということが本上空MUに課せられた課題であり,平成17年度にはそれに対する 具体的なイメージを提示することが目的となる. それは,平成16年度までの研究開発の成果に基づいて, 無人ヘリコプタをベースとしたエアロロボットが,地震発生後からどういった災害情 報をどのように収集していくることができるのか. 混乱する地上に分散して存在する各種の信号(被災者の声,携帯電話の救助要請信号, データタグの発信する通信データなど)を,空中からどのように適切に収集すること ができるのか. 空中を災害に関する情報の収集・中継・配信に対して,どのようにして有効に利用す ることができるのか. 上記のことがらが総合的にどのように大規模大震災の軽減化に有効なのか といった問いに対するわかりやすい回答を示すことにある. 537 上空MUの平成17年度以降の研究開発の基本的な方針は,平成16年度までに開発さ れてきた個々の上空で活動するロボット−エアロロボット−のより高い完成度を目指すと ともに,それが具体的な災害状況に置かれたときに,どういったサービスをだれに提供で きるのか,ということをイメージできるデモンストレーションへとつなげていくことを目 指す.また,上空MUで研究開発されている個別のエアロロボット群を単独に使用するだ けではなく,相互に連携させて運用することで相乗的な効果を期待できることを示したい と考えている.具体的には災害発生後(フェーズーI)に活動した無人ヘリコプタベースの エアロロボットの収集してきた災害情報を GIS に基づく災害情報データベースに格納し, それに基づいて小型飛行船やケーブルロボットによる要救助者の探索を行う(フェーズ-II) などである.こうした各特徴を有したエアロロボットを相互に連携させるための情報基盤 と状況に応じた運用法とを検討し,開発していくことが平成17年度以降の重要な開発課 題となっている. また,上空MUの重要な役割として,地上で活動する他のレスキューロボットの活動支 援を行うことが上げられる.これは上空からの鳥瞰的な視点からの映像やプロファイルデ ータの提供,操作者とロボットの間の通信の中継,地上で活動するレスキューロボットの 救助地点への空からの搬送など,地上でのレスキュー活動を上空から支援することを考え, 他のMUと連携を進める. 最後に,上空MUにおいて,もっとも大きな課題となっているのが,運用に伴う安全性 に関することがらである.上空で活動するエアロロボットは万が一の事態の際に地上に被 害を与えることが予想される.たとえば,墜落や部品等の予期せぬ落下,建築物や鉄塔, 電線などとの衝突,制御不能による迷走など,さまざまな事態が考えられる.こうした事 態の発生を抑えるために機能や信頼性を向上させることがもちろん,こうした事態が発生 した場合に,大きな被害を与えることのないような計画立案とリカバー方法の用意が必要 である.それについても各エアロロボットの開発に並行して検討を行っていく. 図 5-1-1 上空ミッションユニットの今後の研究開発課題の関連図 538
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