(WASBE)主催の国際大会に昭和音楽大学が招待され

WASBE2015 conference レポート
昭和音大ウインド・シンフォニー
アメリカ公演で大成功
2 年に 1 度行われる世界吹奏楽協会(WASBE=World Association for Symphonic Bands and Ensembles)の国際会議がカリフォルニア州のサンノゼで行われました。
今年は本学の昭和ウインド・シンフォニーが日本代表として招待を受け、世界から集まった 17 のバンドと肩を並べて演奏する機会をいただきました。またカンファ
レンス演奏会だけでなく、地元地域との音楽交流を目的として、サンノゼ近くのサラトガ高校にてウィスコンシン大学ミルウォーキー校ウインド・アンサンブルとの合同
コンサートも行いました。このプロジェクトには大学からの支援金に加え、同伶会(卒業生組織)からも支援金を頂き実現する事が出来ました。
カンファレンスコンサート(カリフォルニアシアター)
ウィスコンシン大学とのジョイントコンサート(サラトガ高校マカフィーセンター)
ホームステイで現地の家族と交流
またサラトガ高校には現地の練習拠点としてだけでなく、高校で音楽を勉強している生徒の家庭に
ホームステイをさせていただきました。現地での暖かい協力と交流により学生の緊張もほどけ、素敵な
環境で演奏にのぞめたことは大きな力になりました。
学生からの声:
「ホームステイは本当にいい経験をさせてもらいました。ホストファミリーの方たちは英語をほとんど話
せない私に対して決して怒らず、優しく接して下さいました。生活していくうちに私が英語で会話できるよう
になってきたら笑顔で喜んでくれたり、私が話そうと思った時に英語が出てこなくて辞書とかで調べている
時にずっと待ってくれたり、本当に優しいホストファミリーに出会えて嬉しかったです。最初は緊張して全く
喋れなかったのに、最後は家族のように接してくれたので本当に別れが辛くて泣くのを堪えるのに必死で
した。そこまで大切にしてくれたことに感謝しています。またお会いしたいです。」
「初日のホームステイはあまり話せず、お互いにもどかしい思いをしましたが 2 日目の夜、娘さん達の
お友達も含め皆でご飯を食べに行ったり映画館で映画を見たり shopping していくうちに、ジェスチャーや
表情、簡単な単語だけでも会話ができることが分かり、たくさんコミュニケーションを取ることが出来ました。
どうにかして相手に伝えようとすることが大事で、そうすることで相手も理解しようとしてくれる。お互いの
違う言語、文化を受け入れ、歩み寄ることが大切だと学びました。たった 3 日間のうちに、英語がある程度
聞き取れる
ようになり、何を相手が言っているのか聞き取れるようになった時はとても楽しく、嬉しかったです。ホームス
テイ先の家族はとても温かく、たくさんおもてなしをしてくれました。映画の世界でしか見たことがないような
事を今回のホームステイで体験することができました。」
聴衆の盛り上がりが最高、学生にも自信が
カンファレンスコンサートプログラム
今回、演奏会を通して得た大きな収穫は、日本にはない観客の素直な反応に触れられたことではないでしょうか。良い演奏に出会ったときはその感情を長時間に
及ぶ拍手やスタンディングで表現し伝えようとする、ほとんどが初対面にも関わらず演奏会終了後も舞台袖まで直接会いに来て声をかけてくれる、などはこれまで経
験したことのない反応でした。そのことを受けてでしょうか、最初の演奏会であるサラトガ高校での合同コンサートが終わり、翌日の練習での音が前日までと格段に違
って聴こえました。
学生からの声:
「今までに経験した演奏会の中で一番忘れられない演奏会になりました。生まれて初めて頂いたスタンディングオベーションとたくさんの歓声はもちろんですが、ホ
ームステイ先の方が立ち上がって拍手してくれたり演奏を絶賛してくれたり、終演後見ず知らずの方に素晴らしかったと言って頂けたこと一つ一つがとても嬉しかった
です。一曲目からお客さんが盛り上がってくださったことに感激して、ずっと必死に涙を堪えながら演奏していました。その後も全ての曲の一人一人のソロがどれも素
晴らしく、この演奏会は私だけでなくみんなにとってとても意味のある演奏会になるだろうなと感じながら演奏していました。アメリカに来てよかったと心から感じた演奏
会でした。スタンディングオベーションの光景は一生忘れません。」
「日本人の私たちらしさを存分に出せたステージになったのではないかと思う。日本を出てみて、やはりその国ならではの音楽性があるなということを感じ、アメリカ
人の演奏から新たな気づきを得られた一方で、自分たちの演奏で大事にしていきたいと思える部分にも沢山気づけた。そのことを実感してステージを迎えることがで
き、あのような大きなステージで演奏させていただけたことに感謝している。また、もっと外に出て、様々な国の音楽に触れたいとも思った。」
「演奏に集中して挑め、力を出し切った達成感があり自信に繋がりました。そのこともあり、あの様な熱いスタンディングオベーションを受け、素直に感動し、涙が出
そうでした。あの様な体験は初めてでした。」
「日本の曲の素晴らしさ、日本の吹奏楽文化の素晴らしさを伝えられた演奏会になったのではないかなと思います。演奏会終了後に様々な方々からお褒めの言葉
をいただいたり、長い拍手をいただいたり、スタンディングオベーションをしていただいたりと音楽は言葉の壁を超える素晴らしいコミュニケーションツールだと実感しま
した。」
ウィスコンシン大学の学生との交流
サラトガ高校の生徒との交流
本当に濃いアメリカとの出会いでした
1週間という短い旅程の中での演奏会でしたので、異なる環境、言語、コミュニケーション、楽器コンディション、体調管理など心配も多かったですが、指導者、学生、
スタッフも含め一丸となって乗り切ることができました。
この演奏旅行に参加した学生が見せた誇らしげな表情は、今後の昭和ウインド・シンフォニーの発展を確信させるものでしたし、各国の方々と共有した素晴らしい
時間は、私たちにとって大変貴重な経験となりました。この様な経験が出来たのも、ひとえに保護者の方のご理解と、指導に関わって頂いた先生方、そして現地にて
手厚くサポートしていただいたサラトガ高校の皆様あってのことだと思います。改めてありがとうございました。
サンノゼ空港での集合写真
昭和音楽大学 引率スタッフより