7MW 浮体式洋上風力発電船(ふくしま新風)の見学会参加報告 2015 年

7MW 浮体式洋上風力発電船(ふくしま新風)の見学会参加報告
2015 年 6 月 22 日に福島県いわき市小名浜港において、
「浮体式洋上ウィンドファーム実
証研究事業(第 2 期事業)7MW 風車浮体見学会」が開催され、JWEA 関係者から 6 名が参加
しました。当日は、梅雨期にも拘わらず晴天に恵まれ、お披露目には最高の撮影日和とな
りました。見学会では、最初に石原会長から第 2 期事業の概要、続いて三菱重工、清水建
設、新日鉄住金等の各担当者から洋上風車、浮体構造、敷設工事等について説明を受けま
した。見学会で見聞した一端をご紹介します。
“ふくしま新風”は、浮体式では世界初・世界最大の油圧ドライブ風車、実機搭載翼で
は最長のブレード、鋼製風車タワーでは世界最大級のタワー基部直径を有し、風車の組立
には世界に 2 台しかないオランダ製の大型クレーン(ブーム・ジブ長 150m,最大定格総吊荷
重 913ton)が使われました。浮体形式も自己安定型の 3 コラム型セミサブで、量産に適し
た廉価な形状・構造等の特徴を有しています。
(1) 風車の仕様・要目(三菱重工業製)
定格出力:7.0MW、ドライブトレイン:油圧ドライブ、ブレード:81.7m 長(強度部材に
炭素繊維を採用)、ロータ径:167m、ハブ高さ:105m(海面からロータ中心まで)、最高
到達高さ:189m:ロータ・ナセル重量:約 600ton、タワー重量:約 1100ton、タワー
基部直径:9.7m
(2) 浮体の要目(三菱重工業製)
浮体形式:3 コラム型セミサブ、長さ(L 字型の一辺):106m、深さ:32m(内,喫水
17m)、設計水深:120m、係留用鎖重さ 300kg/m
(3) 係留系の要目(三菱重工業製)
多点係留システム:カテナリー係留(8 本)、係留ライン呼び径:φ132mm
(4) 今後の予定
7MW 浮体式洋上風力発電船は、清水建設、新日鉄住金・古河電気工業により 6 月末から
曳航作業及び設置工事が開始され、9 月半ばに設置工事完了・各種試験調整及び試運転
開始、12 月半ばから本格的な実証運転が開始される計画となっています。また、5MW ダ
ンウィンド型洋上風力発電設備(ふくしま浜風:風力発電機,日立製作所製、浮体,ジャ
パンマリンユナイテッド製)の設置に向けて、7 月下旬にはアンカー、チェーンの敷設が
始まる予定です。
一般社団法人日本風力エネルギー学会
事務局長
中尾
徹
7MW 浮体式洋上風力発電船“ふくしま新風”とオランダ製の大型クレーン(右側)
7MW 浮体式洋上風力発電船の浮体部のスケール