2015/11/17 顧問先様へ 11 月も半ばを過ぎ今年も残り少なくなりました

2015/11/17
顧問先様へ
11 月も半ばを過ぎ今年も残り少なくなりました。今年の年末調整事務についてですが、各種控除額や税額
等の計算の上での変更点はございませんので、昨年と同じ要領で年末調整事務を進めていただけたらと思いま
す。ただし平成 28 年分に向けて大きく変わったところが 2 点あります。
○変更点その1
平成 27 年中に通知される個人と法人のマイナンバー制度が平成 28 年分から本格的に始まるため、その準
備資料として年末に従業員に記入してもらう「平成 28 年分扶養控除等申告書」には大きな変更がありました。
税務署から送られてきた年末調整資料の中の扶養控除等申告書を見てもらうと、事業者欄、本人欄、控除対象
配偶者欄、控除対象扶養親族等の欄にマイナンバーを記載する欄が新設されています。以前は名前の記入と押
印のみでよかったですが、今回の扶養控除等申告書から会社は自社のマイナンバーを記入、従業員及びその配
偶者、扶養親族についても以下の情報を確認の上、扶養控除等申告書に記入をしていただくことになります。
(※次頁ひな型参照)
① マイナンバー通知書の確認
② 身分証明書等の確認
①についてはマイナンバーの番号が正しいのかどうかを確認するために必要な作業です。今年の年末調整のタ
イミングでは個人番号カードは取得できませんので、通知カードによりマイナンバーを確認していただくこと
になります。
②については本人や扶養親族等がその住所に実在するかどうかの身元確認となり、具体的には運転免許証や住
民票の写しなどにより確認することになるでしょう。
また扶養控除等申告書などの提出を受けない乙欄の適用で給与を支払っている人がいる場合ですが、平成
28 年分から作成する源泉徴収票や給与支払報告書の提出時にはマイナンバーの記載が必要になりますので、
何らかの形でマイナンバーの提出をしてもらわなければなりません。
○変更点その2
平成 27 年分の税制改正により、給与等又は公的年金等の源泉徴収及び給与等の年末調整において、非居住
者である親族(以下「国外居住親族」といいます)に係る扶養控除、配偶者控除等の適用を受ける居住者は、
その国外居住親族に係る以下の書類を源泉徴収義務者である会社に提出又は提示しなければいけないことに
なりました。
1.親族関係書類
2.送金関係書類
親族関係書類とは、次の①又は②のいずれかの書類で、国外居住親族が居住者の親族であることを証明する
書類です。
2015/11/17
①
戸籍の附表の写しその他の国又は地方公共団体が発行した書類及び国外居住親族の旅券(パスポート)
の写し
②
外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類
(戸籍謄本、出生証明書、婚姻証明書など)
送金関係書類とは、居住者がその年において国外居住親族の生活費又は教育費に充てるための支払を必要の
都度、各人に行ったことを明らかにするものをいい、例として以下の③又は④の書類をいいます。
③
金融機関の書類又はその写しで、その金融機関が行う為替取引により居住者から国外居住親族に支払を
したことを明らかにする書類(海外送金依頼書の控えなど) ④
いわゆるクレジットカード発行会社の書
類又はその写しで、国外居住親族がそのクレジットカード発行会社が交付したカードを提示してその国外居
住親族が商品等を購入したこと等により、その商品等の購入等の代金に相当する額の金銭をその居住者から
受領した、又は受領することとなることを明らかにする書類(クレジットカードの利用明細書など)
国外居住親族が複数いる場合には、送金関係書類は扶養控除等を適用する国外居住親族の各人ごとに必要と
なります。
送金関係書類については、扶養控除等を適用する年に送金等を行ったすべての書類を提出又は提示する必要
があります。
2015/11/17
年末調整の準備資料
10 月頃から生命保険の控除証明書や住宅ローン借入金年末残高証明書などが送られてきていると思います。また
税務署からは扶養控除等申告書や法定調書合計表等が入った年末調整関係の書類が送付されているでしょう。
年末調整を行うために各種の書類が必要となりますので、下記書類の準備をお願いいたします
1.平成 28 年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
→ この申告書には平成 28 年分の扶養控除対象の氏名マイナンバー等の記載及びをお願いします
また各扶養者に所得がある場合には平成 28 年中の所得の見積額についても記載していただきます
2.平成 27 年分 給与所得者の保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書
→ 社会保険料、生命保険料、地震保険料、小規模共済等掛金など所得控除となるものの控除額を確認します。また
配偶者の給与収入が 103 万円以上 141 万円未満である場合には配偶者特別控除が受けられますので、その配
偶者の所得金額についても確認を行います
3.給与所得に対する平成 27 年分所得税源泉徴収簿
→ 1年間の給与・賞与の金額と各種控除による年末調整を行ない、年税額の計算をします
.. .. .. ..................
上記の「1」の平成 28 年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書については、現在給料を受給しているすべての
人について作成していただくようお願いします。また年内に住所や扶養親族数に変更があった場合には、その異動年
月日と異動の理由をお知らせください。「2」と「3」については、下記の証明書類をお預かりすることにより当事務所で
計算を行います。また 12 月末までに支払う給与(賞与)等の金額を早めにお知らせいただくようお願いいたします。
ご準備しておいていただく証明書類
* 平成 27 年中に支払った国民健康保険料、介護保険料、国民年金保険料の金額がわかる資料
* 生命保険料・介護保険料・個人年金保険料の控除証明書(生命保険会社から送付されます)
* 地震保険料・旧長期損害保険料の控除証明書(損害保険会社から送付されます)
* 小規模企業共済掛金や心身障害者扶養共済制度の掛金の支払証明書
* 税務署から送付されている平成 27 年分住宅借入金等特別控除証明書と金融機関が発行する住宅借入金の年末
残高等証明書 ※ただし住宅ローン控除のある人のみ
* 中途入社の方で年末調整を行う人がいる場合は前職の会社の源泉徴収票
また次の方については年末調整を行うことができません
・ 本年中の主たる給与の総額が 2,000 万円を越える人
・ 年末調整を行なう日の前日までに扶養控除等申告書を提出していない人
・ 2 ヵ所以上から給与の支払を受けている人で、他の給与の支払者に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を
提出している人
・ 給与所得の源泉徴収税額表(日額表)の丙欄を適用している人
なお医療費控除、寄付金控除、初年度分の住宅ローン控除については年末調整でなく確定申告で計算を行いますの
で、対象の方がいる場合には当事務所までお知らせください。
小松原税理士事務所