持続可能な発展における FAO の 14 領域 FAO`s 14 themes in

持続可能な発展における FAO の 14 領域
FAO's 14 themes in sustainable development
●食料安全保障との権利 20150318
●栄養
●貧困の撲滅 20150504
●回復力
●社会的保護
●気候変動 20150330
●エネルギー 20150503
●漁業、養殖、海洋、海 20150511
●森林と山岳 20150517
●土地と土壌
●持続可能な農業 20150329
●就業権(Tenure rights)
●生態系、生物学的多様性、遺伝
●水
20150426
土地と土壌
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Land and soils
土地と土壌は、持続可能な農業の発展、基本的な生態系の機能および食料
安全保障のための基礎をなすものである。それらは、地球上の生命を支え
る鍵である。
土壌は、再生可能なものではなく、その損失は人間の寿命の範囲内で回復
できず、最も見落とされている天然資源である。
土壌劣化は、様々な社会、経済および統治の起動力に起因する持続不可能
な土地利用と管理慣行および極端な気候によって引き起こされる現実の増
大しつつある脅威である。
土壌劣化の現在の速度は、将来の世代がその必要性を満たす能力を脅かし
ている。この傾向は、持続可能な管理に向けた努力を通して逆転すること
ができる。
土壌がリスクに曝されているので、持続可能な農業、食糧安全保障、生態
系サービスの提供が損なわれている。
概要
土壌は、土地資源の中心的要素であり、農業の発展と生態系の持続可能性の
基盤である。土壌は、食料、飼料、燃料および繊維の生産ならびに多くの重要
な生態系サービスの基礎である。土壌は、複雑で、動的な生物システムであり、
その適合性は場所によって異なる。
生産性の高い土壌の地域は限られ、作物、林業および牧草地・放牧地のため、
食料とエネルギーの生産、原材料の抽出およびその他の人口増の要求を満たす
ために激化する競合する利用の圧力下に置かれている。
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● 土壌は、地球の生物多様性の少なくとも四分の一を維持しており、した
がって地上の生物多様性と同等以上の注意が必要とされている。
● 機能的な土壌は、きれいな水の供給および洪水や旱魃に対する回復力に
おいて重要な役割を果たしている。
● 植物や動物の生命は、土壌の処理を通した栄養素の循環に主として依存
している。効率的な土壌は、陸上最大の炭素の貯留庫であり、気候変動
緩和に貢献できる可能性がある。
● 土壌は、建設と原材料の供給源ともなっている。土壌は、統合された生
産システムを構築し、食料、水およびエネルギーの結びつきと取組む手
助けをする役割を持っている。
● 土壌は、気候変動により影響を受けるとともに、気候変動に影響する可
能性がある。土壌資源の持続可能な管理は、(i) 炭素の隔離および温室
効果ガスの排出量削減を通した気候変動の緩和、ならびに (ii) 砂漠化の
過程の緩和に効果的に貢献する。
● 土壌は、その生産力だけでなく、生態系サービスの維持に対する貢献を
も認識し、評価される必要がある。
鍵となる課題
世界の農業用土壌の持続可能な管理と持続可能な生産強化は、世界の食料安
全保障にとって不可欠となっている。世界人口の現在の人口動態の傾向(2050
年までに 90 億を超える)は、食料、飼料、繊維の需要を 60%増加させると推定
させる。アフリカと南アメリカの一部を除いて、農業地域拡張の余地はほとん
どない。さらに利用可能な土地の大半は農業に適しておらず、生産に供する生
態学的、社会的、経済的コストが非常に高くなる。それに加えて、土地の 25%
は著しく劣化しており、さらに 44%が侵食、塩類、圧縮および土壌の化学的汚
染により軽度から中等度の劣化を示している。
新しい発展課題の相当上部に置かない限り、これら二つの目的は満足に達成
できない。土壌と貧困の間にはよく認識された関連性があり、それは社会経済
的および統治の問題としばしば関連している。
土地の劣化と土壌の喪失は、実際の拡大する脅威をもたらし、次のことを含
む一連のプロセスを含んでいる;風、水および耕作による侵食、圧縮、密閉、
栄養不均衡、土壌有機物の喪失、酸性化、塩類化および汚染。これらのプロセ
スは、様々な社会的、経済的および統治の原動力に起因する持続不可能な土地
の管理慣行によって引き起こされる。土壌に対する障害の結果は、生活、生態
系機能、食料安全保障および人間の福利に影響する。土地と土壌の劣化の現在
の速度は、我々が持続可能な管理のための新しい取組み方を採用しない限り、
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将来の世代が基本的な必要性を満たす能力を確実に侵害するだろう。
何をすべきか?
土地および土壌の持続可能な利用と管理は、持続可能な発展の様々な分野に
関連している。土地の劣化と土壌養分の喪失を止め、持続可能な土地と土壌の
管理システムのための枠組みを確立する緊急の必要性がある。
土地と土壌の持続可能な管理を促進することは健全な土壌に貢献でき、した
がって、飢餓と食料不足を根絶し、生態系を安定させるために役立つ。
土壌に関する政府間技術委員会は、以下の活動を勧告している。
● 少量でより多く生産するため、適切な技術、持続可能で包括的な政治、
効果的な学外教育計画および健全な教育システムを提供する必要があ
る。
● 土壌の保護と再利用および持続可能な土地管理プロジェクトは、生態系
サービスを作り出す活動に対し経済的価値を提供する現在誕生しつつ
ある市場に含めなければならない。政府は、土壌を保全し、それに対応
して投資を行うための必要性が増加していることを認識しなければな
らない。
● 気候変動への適応と緩和、ならびに変化する気象パターンと異常気象に
対する弾力性のための管理慣行を促進する。とりわけ、泥炭地域および
永久凍土層地域における有機炭素が豊かな土壌の保護と管理はとくに
問題となる。
● ヒトの健康と幸福のために確立された閾値超える汚染物質の蓄積を制限
し、汚染された土壌を最終的に修復するために、政府による強力な規制
と効果的な制御を実施しなければならない。
● 生物資源の適応化、土壌の肥沃度の増加、水利用の効率化、資材の持続
可能な利用の確保および農業副産物のリサイクルを通して、持続可能な
土壌管理の慣行下にある地域を増やし、劣化した土壌の修復を高め、
「持
続可能な生産強化」を推進する。
● 土地と天然資源の持続可能な使用に関する意思決定を助けるための全国
的な土壌情報システムの開発を支援するとともに、保有権の安定と利用
者の権利を含む障害の克服を通して持続可能な土壌管理へ投資、知識と
金融サービスの利用を増やす。
● 持続可能な土壌管理に関する能力開発と教育プログラムの実施を強化す
る。
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