第四号 10月9日発行

北海道稚内養護学校
学校便り
平成 27 年 10 月 9 日発行
第4号
発行者 松浦 孝寿
『はるばる来たぜ稚内』
事務長 中 濵 尊 文
早いもので、4月の赴任から半年が経ちました。気が付けば、短かった夏もあっという間に通り過ぎてしまい、これか
ら厳しい冬がやって来るのかなと考えると、身が引き締まる思いです。
私は、学校に勤務する前は青函連絡船(旧国鉄)に乗務していました。函館~青森間を3時間50分で航行し、1日2往
復半(5航海)を昼夜を問わず三交代で乗務していました。連絡船はイギリス海軍の伝統に影響を受け、士官(高級船員)
と部員(一般船員)の待遇の違いは大きくて、誰もが士官に憧れ、目標としていました。士官もふたつの階級に別れていて、
船長、機関長、一等航海士、一等機関士、通信長、事務長の6名はサロンと呼ばれ、その他の士官(二航、三航、二機、三
機、主席事務掛、船舶事務掛)はメスルームと呼ばれていました。私がいた頃は驚くような待遇の差はありませんでしたが、
その昔は、サロンには専属の給仕係が配置されていたと言います。食事の内容も階級によって違っていたそうです。
連絡船の社会は指揮命令系統を維持するためとはいえ、待遇に格差があったり平等な社会とは言えないものでしたが、一
つ事が起きたときの団結力は素晴らしいものがありました。時化で安全航行が危ういとき、転落者漂流者の発見、捜索、救
助など、一丸となって物事に対応します。それは何故なのか。階級の差は有っても乗組員は全員運命共同体だからなのです。
「板子一枚下は地獄」という言葉があります。いざという時に、それぞれが自分勝手な行動を取ったり、自分だけでも助か
ろうと考えたりしたら船は確実に沈みます。自分が助かるためには、みんなが助かる方法、船を護る方法を目指し一致団結
をするのです。「仕事せん長」「言うこと聞かん長」普段は船長や機関長の悪口を酒の肴にして飲んだくれていた乗組員で
したが、本当に素晴らしい仲間だったと今でも思っています。
さて、特別支援学校初体験の私にとっては、毎日の生活が発見と学びの連続です。地域との関わりや繋がりを大切にして
いること。保護者との対話を大切にし情報を共有すること。あらゆることが学びのきっかけになりうること。発見、何かを
見つけることが学びの第一歩なのかもしれません。
稚内養護学校という舞台で地域の皆さん、保護者の皆さん、学校の職員、そして生徒のみんなといったキャストが心を一
つにして、一致団結し、未来を見つけ出す、作り出すことができればと思います。
どうぞみなさん今後ともよろしくお願いします。
中学部 社会体験学習
9月1日(火)~3日(木)中学部の社会体験学習を行い、1日目に株式会社明治での工場見学、2・3日目に各実習先
での体験学習という日程で行いました。
1日目は、明治の工場でバター、脱脂粉乳の製造や働く人々の姿などを見学しました。普段何気なく学校から目にする工
場ですが、知らないことが多く、とても勉強になりました。また、見た事のない大きな機械をたくさん見て興味津々でした。
2・3日目は、中央水産、ノース工房、第一木馬館、はまなす学園、ふれあい公園でお世話になりました。それぞれの
実習先では、その場所で働く人達と同じ仕事を体験しました。学校での作業学習で学んだことを活かし、自分に与えられた
役割を一生懸命取り組み、無事に終えることができました。
体験学習後の報告会では、自分の活動を振り返り、
『働くことは大変だと思った』
、
『頑張ったあとのご飯
はとてもおいしかった』
、
『仕事を覚えて楽しくすることができた』など様々な感想がありました。生徒達
にとっては短い期間でしたが、 “働く”という貴重な体験をすることができたとてもいい機会になりまし
た。まだまだ先のこと…と考えてしまいますが、今から生徒自身ができそうなこと、やってみたいことを
見つけていけるように支援していきたいと思いました。学校生活にこの社会体験学習を活かしてもらえた
ら嬉しいです。
(文責:市川 奈津美)
思い出たくさん見学旅行
9月 1 日(火)から4日(金)まで、高等部3年生は東京都・千葉県へ見学旅行に行ってきまし
た。夏休みが明けると、皆「楽しみですね見学旅行!」と、気持ちはすでに見学旅行に向かっていま
した。事前学習にも集中して取り組み、高3学級の旅行中の約束「挨拶をする」「時間を守る」「自
分の物を管理する」「団体行動をする」の4つを意識しながら学校生活を送ってくれたので、担任と
しては、楽しい見学旅行にできるよう頑張ろうと思いました。
初日は、飛行機に初めて乗る生徒が大半だったので、皆緊張した面持ちでした。しかし、無事東京に着くと緊張も解け、
お台場では、動く等身大ガンダムを見て「すごい!」と大歓声を上げ、喜んでいました。
2日目はディズニーランドに着いた途端大雨…。しかし、高3メンバーに天気は味方してくれ、すぐに雨もあがり良い
天気の中、乗りたかったアトラクションをほぼ制覇することができました。他にも、ミッキーと一緒に写真を撮ったり、サ
インをもらったり、とてもいい思い出になりました。
3日目は疲れが少し見えるかな?と心配しましたが、スカイツリーでは 350mの展望台で大盛り上がり!さすがの高さ
に皆びっくりしていました。ガラス床では怖いと言いながらも勇気を出して立ち、9名で記念撮影もできました。浅草では
おみくじで9名中4名が「凶」を引き、唯一引き直しをしなかった担任だけが、その後お賽銭の投げ方を説明しているとき
に、誤ってボールペンをお賽銭箱に投げ入れるという珍事が起きました…。
担任としてはドジばかりな見学旅行でしたが、生徒の皆さんがとても楽しかったと言ってくれ、怪
我無く見学旅行を終えることができ、安心しています。見学旅行が終わっても旅行中の4つの約束を
意識して行動してくれているので、この経験を大切に今後の学習に活かしていきたいと思います。
(文責:田中郁江)
修学旅行の思い出
9月 10 日(木)から 11 日(金)の2日間、小学部5・6年生は
旭川へ修学旅行に行ってきました。心配していた台風の影響もなく、2
日間とも天候に恵まれました。たくさんの保護者の方や先生方に見送られ、
朝7時の電車で出発しました。いつもより早く起きたはずなのに、期待で目は冴え、元気いっぱい。旭川駅に着くと、早速
新しくできたイオンモールで買い物をしました。昼食はイオンモール内のビュッフェ。ファウンテンチョコレートやソフト
クリームを自分で作り、楽しい経験ができました。午後はジャンボタクシーで旭山動物園へ。入るなりチンパンジーの鳴き
声が聞こえ、返事をするように鳴き真似合戦をしました。キリンや白クマはとても大きく、興味津々で見ていました。ふれ
あい広場では、モルモットをなでることができました。膝に乗ったふわふわのモルモットを、優しい手つきでそっとなでる
様子が印象的でした。
ホテルに着いてからは、
男子部屋の中で自由にくつろいでいました。
露天風呂に交代で入っていると、
旧職員が遊びに来てくれるというサプライズが!久々の再会にちょっぴり照れている様子でした。
2日目はバスに乗り、旭川市科学館サイパルへ行きました。夏休み特別展の、実物大の恐竜模型にびっくり!ちょっとだ
け怖がっていましたが、それも最初だけ。慣れると恐竜のあごをレバーを引いて動かしてみたり、化石を組み立てたりと、
未知の生物を勇ましく研究していました。その後は通常展へ行き、それぞれ興味のあるものを体験してきました。斜めの部
屋に入ったり、ロボットを操作してサッカー対決をしたり・・・。本物の宇宙飛行士の訓練のように、ぐるぐる宙を回った子
もいました。買い物公園でお昼を食べたあとは、屋内遊戯場もりもりパークで身
体を動かして遊びました。木のパズルや電車の模型で遊ぶ子もいました。帰り
の電車は行きと違い、疲れて寝てしまう子も多くいました。南稚内駅に着くと
保護者の方々と先生方が出迎えてくれました。たくさんの人に支えられ、怪我
や事故もなく無事に終えることができました。
心も体もたくさん使って、いろいろな体験ができた修学旅行でした。旅行が
終わってからも、思い出話は教室で続いています。普段の生活と少し違う場所
での経験を、今後の学校生活でも活かしていきたいと思います。
(文責:小林 奈津美)
11 月の行事予定
1日
2日
6日
9日
18日
19日
学芸会
振替休業日
校内・地域教職員研修会
教育実習~27 日まで
全校集会
全体外出(寄宿舎)