HUMANMEDIA Inc. 第 2 章 コンテンツ産業の波及効果 日本のメディアコンテンツ産業の国内市場への波及効果 21. メディアコンテンツ産業の波及効果 日本の国内総生産の 1/7 を占める、コンテンツ関連産業の規模 メディアコンテンツは人間の創造・記録が生み出した実体のない情報である。このメディアコンテンツ 産業は次の 5 分野の産業に深く関って、波及的な市場を形成している。 ・ライブコンテンツ市場:生身の人間による音楽やスポーツ、演芸・演劇等の興行の市場 ・メディアハード市場:映像・音楽・ゲーム専用機器・PC・携帯電話等汎用機器の市場 ・キャラクター市場:マンガやアニメ、ゲームから生まれた実体のないキャラクターを活用するキャ ラクター商品、テーマパーク、パチンコ等の市場 ・広告市場:商品・サービスの広告の市場(多くはメディアの売り上げとなりコンテンツ市場に算入 されている) ・コミュニケーション市場:固定電話、インターネット、携帯電話による通話、接続料、データ通信 料金や、郵便等のコミュニケーションの市場 ・以上5分野の市場の総計がコンテンツ産業の関連市場であるといえ、[図表 21]のとおり日本の国 内総生産の 1/7 の規模の約 67 兆円となる。 ・日本の 2000 年代前半の衣食住に関る産業統計と比較すると、メディアコンテンツ市場だけでも衣類 の小売市場約 11 兆円(2005 年)を超え、コンテンツ関連市場は公共事業を含めた土木・建設の投資 額約 50 兆円を上回り、外食も加えた食品産業約 85 兆円に迫る規模になる。 コンテンツ関連5分野の産業の関係 ・もともとメディアコンテンツ産業は、ライブで行なわれていたコンテンツの興行を、マスメディアに 置き換えたものといえる。 ・マスメディアを通じてコンテンツを再生するためにはメディア機器が必要となり、メディアハード産 業が成立した。 ・メディアはあらゆる産業の広告媒体として利用され、広告コンテンツもコンテンツの重要な要素。 ・マンガ・アニメ・ゲームなどのキャラクターを広告に利用したり、商品化するキャラクタービジネスが 生まれ、日本では特に盛んである。 ・現在では、デジタル化、ネットワーク化が進み、コミュニケーション市場とメディアコンテンツ市場 の垣根が見えなくなっている。本来、 「1:多」のコミュニケーションであるマスメディアと、 「1:1」 のコミュニケーションは、同じメディア技術によって生まれた。現在のデジタル化、ネットワーク化 は、コミュニケーションとメディアコンテンツの市場を一体化させつつある。 22
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