建設技術審査証明事業(土木系材料・製品・技術、道路保全技術) 概要書 荷重調整が容易に行えるフロボンドアンカー スーパーフロテックアンカー 建技審証第 0424号 平成 27 年 3 月 一般財団法人 土木研究センター ( PWRC ) 技術の概要 「スーパーフロテックアンカー」は、米国 Florida Wire and Cable Company 社から技術導入したフロボンド (付着型 ECF ストランド)を引張り材として用い、専用の付属部品と組み合わせたグラウンドアンカー(地盤工学 会基準)システムである。このフロボンドは、JIS で規定された PC 鋼より線に耐食性の極めて優れたエポキシ樹 脂をピンホールがない十分な塗膜厚(0.4 ∼ 1.2mm)で被覆し、さらにグラウトとの付着性向上のためエポキシ 樹脂被覆表面にグリット(けい砂などの不活性粒子)を埋め込んだ土木学会で規定された引張り材である。 「スーパーフロテックアンカー」の構造図例 フロボンドの形状 「スーパーフロテックアンカー」のユニット ユニット 呼び径 ストランド 断面積 本数 mm2 極限 引張り力 Tus kN 降伏 引張り力 Tys kN 許容 引張り力 0.6Tus kN SFL- 1 1 138.7 261 222 156.6 SFL- 2 2 277.4 522 444 313.2 SFL- 3 3 416.1 783 666 469.8 SFL- 4 4 554.8 1,044 888 626.4 SFL- 5 5 693.5 1,305 1,110 783.0 6 832.2 1,566 1,332 939.6 7 970.9 1,827 1,554 1096.2 SFL- 8 8 1109.6 2,088 1,776 1252.8 SFL- 9 9 1248.3 2,349 1,998 1409.4 SFL-10 10 1387.0 2,610 2,220 1566.0 SFL-11 11 1525.7 2,871 2,442 1722.6 SFL-12 12 1664.4 3,132 2,664 1879.2 1S12.7 1 98.7 183 156 109.8 2 197.4 366 312 219.6 3 296.1 549 468 329.4 4 394.8 732 624 439.2 SFL- 6 SFL- 7 2S12.7 3S12.7 4S12.7 15.2 12.7 削孔径 (参考) φ 90 φ115 φ135 φ165 φ 90 φ115 荷重調整が容易に行えるフロボンドアンカー スーパーフロテックアンカー 技術の特長 ①荷重調整が容易な頭部構造 頭部構造は、下表のとおり標準タイプ、簡易調整タイプ、荷重調整タイプの 3 種類があり、再緊張(リフト オフ試験時の残存引張り力の測定など)や荷重調整(アンカー補修・補強時の再緊張・緊張力緩和など)が容 易に行え、使用用途に応じて選択できる。 ②優れた耐久性 耐食性、付着性に優れたフロボンドを引張り材に使用しているのみならず、頭部および頭部背面部、自由長 部とアンカー体境界部は水密性に優れた構造である。 ③高い施工性 シンプルな構造のため、現場組立と工場組立のどちらも対応可能で、現場組立においても確実かつ品質の高 いテンドンの加工が行え、現場での長さ変更に対応できる。 「スーパーフロテックアンカー」の頭部構造の特徴 タイプ 特 長 再緊張 荷重調整 実 績 標準タイプ 多くの実績がある ○ ○ ◎ (SFL-2 ∼ SFL-12) 再緊張が容易で経済性に優れる ◎ ○ ○ 荷重調整タイプ ±100mm※の荷重調整が可能 ○ ◎ △ 簡易調整タイプ ※調整量は、アンカー長や定着荷重などの状況に応じて変更可能。 簡易調整タイプ頭部 施工事例(斜面安定工への適用例) 荷重調整タイプ頭部 荷重調整が容易に行えるフロボンドアンカー スーパーフロテックアンカー 審査証明の結果 「スーパーフロテックアンカー」はグラウンドアンカーとして、以下に示す性能を有することが確認された。 (1)構造特性 工場組立製品の評価試験、現場施工試験などの構造特性に関する試験によれば、施工時においてテンドン の組立、挿入、緊張、定着および頭部処理などが容易に行える。また、簡易調整タイプは再緊張が容易に行え、 荷重調整タイプは荷重調整が容易に行える。 (2)アンカーの強度特性 フロボンドの引張り試験、テンドンの引張り試験、グラウトとの付着試験などのアンカーの強度特性に関 する試験によれば、フロボンドおよびテンドンは、JIS および土木学会で定められた規格荷重、地盤工学会で 定められたグラウトとの許容付着応力度を満足している。 (3)エポキシ塗膜の強度特性 耐衝撃性試験、曲げ試験などのエポキシ塗膜の強度特性に関する試験によれば、フロボンドのエポキシ塗 膜は、施工時の損傷、緊張時のグラウトとの擦れ、ストランド降伏後の伸び、角度定着および曲げやねじれ に対して剥離、欠損などが生じない十分な強度特性を有している。 (4)リラクセーション特性 リラクセーション試験によれば、フロボンドのリラクセーション特性は、土木学会で規定された規格を満 足している。 (5)耐久性 耐薬品性試験、塩水噴霧試験、地中・大気中曝露試験などの耐久性に関する試験によれば、フロボンドは 耐薬品性に優れ、テンドンの極限引張り力の 60% の緊張状態においても十分な耐久性を有している。 (6)水密性 防 キャップの水密性試験、頭部背面部の水密性試験、自由長部とアンカー体境界部の水密性試験、 NEXCO 試験方法に基づく水密性試験などの水密性に関する試験によれば、頭部および頭部背面部、自由長部 とアンカー体境界部は、十分な水密性を有している。 審査証明の範囲 アンカーの材料特性および構造の範囲とし、地盤のクリープ変形など地盤性状に関する特性は除く。 審査証明有効期限 平成 27 年 3 月 1 日∼平成 32 年 2 月 29 日 技術保有会社/お問合せ先 技術保有会社 住友電工スチールワイヤー株式会社、日特建設株式会社、日本基礎技術株式会社、 ライト工業株式会社、三信建設工業株式会社、ケミカルグラウト株式会社、東興ジオテック株式会社、 イビデングリーンテック株式会社、株式会社エスイー お問い合せ先 株式会社エスイー 営業統轄本部 環境防災事業部 〒163−1343 東京都新宿区西新宿6−5−1 新宿アイランドタワー TEL: (03)3340−5510 FAX: (03)3340−5546 http://www.flotech-anchor.com 本概要書は、一般財団法人土木研究センター(PWRC)が行った「建設技術審査証明(土木系材料・製品・技術、道路保全技術)」の結果を、広く関係各位に紹介する目的で作成したものであります。 一般財団法人 土木研究センター(PWRC)企画・審査部 TEL03-3835-3609 http://www.pwrc.or.jp/shinsa.html
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