IE07 効果的な HTML5 利用 要旨 1. HTML5 とは W3C(World Wide Web Consortium)の HTML5 仕様書によると、「HTML によって適切に処理 されてない主な領域は、ウェブアプリケーションと呼ばれる曖昧な問題である。この仕様 は、過去数年間で提起された問題に対処するために HTML 仕様を更新しつつ、同時にこれを 修 正 し よ う と 試 み る 。」( HTML5 日 本 語 訳 ( 2014/11/30 )、「 HTML5 日 本 語 訳 」、 http://momdo.github.io/html5/Overview.html、(原著者)Ian Hickson、Robin Berjon、 Steve Faulkner、Travis Leithead、Erika Doyle Navara、Edward O'Connor、 (翻訳者)momdo、 2015/2/5 閲覧)と定義されている。 2. HTML5 で出来るようになったこと (ア)HTML がスッキリ書けるようになった 文書構造に明確な意味を持たせることで、長かった記述がスッキリ書け、検索エン ジンが Web ページの内容を正確に把握できるようになった。 (イ)今まで難しかった事が簡単に出来る タグで動画や音声の埋め込みが可能になり、今まで実現が困難だった高度な機能を 容易に実現できる API が追加されている。 3. HTML5 は Web アプリケーション開発に向く HTML4 以前は文書など静的コンテンツの作成が目的だった。 HTML5 は高度な機能の実現性が高く、W3C の仕様書からも Web アプリケーション開発のた めに作られたと読み解ける。そして、以前より高度な機能を容易に実装できるという特徴 と HTML5 対応ブラウザがプリセットされているスマートフォンが普及している現状を踏ま えると、将来的に HTML5 が Web アプリケーション開発の手段として普遍的になるだろうと 考えられる。 4. 研究の狙い 前述の通り HTML5 は Web アプリケーション開発の手段としての特徴を持つが本当に開発 に向いているのだろうか。当研究グループでは CSS3 や JavaScript などを含む広義の HTML5 で Web アプリケーションを開発し、HTML5 開発未経験のプログラマがどれだけ実装の容易性 の恩恵を受けるかに注目して HTML5 の Web アプリケーション開発としての有効性を評価し たいと思う。 5. 開発する Web アプリケーションについて コミュニケーションツールの活用が広まっている現状と、各種 API の特徴を踏まえて考 査した結果、 「会議アプリケーション」を作成する。本アプリでは、2014 年 10 月段階で公 2014 Beacon Users' Group IE07 効果的な HTML5 利用 要旨 開されている HTML5 用 API を活用し、 会議資料の即時配布やチャットコミュニケーション、 板書感覚で記入できるメモなどの機能を実装する。 6. 開発してみた結果 開発者目線では以下のメリットを実感した。 ・低時間かつコード量が少ない為、開発が容易である ・初心者で深い知識がなくても作成が可能である ・マルチプラットフォームである また、作成した Web アプリケーションを実際に使用してみた結果、以下の意見を得られ た。 ・情報共有がリアルタイムでできる ・マルチデバイスに対応している ・便利な機能が使用できる しかし、以下の考慮すべき点もあった。 ・Web アプリケーション開発には HTML5 以外の知識も必要である ・HTML5 未対応のブラウザによる制限がある ・条件によって動作が遅い場合もあり、快適な使用感を得られないこともある 7. HTML5 の効果とは Web アプリケーション開発から得られた、HTML5 の効果は以下の通りである。 ・HTML5 初心者でも開発可能 ・開発作業時間の短縮 ・高度な機能を容易に実装 よって、HTML5 は Web アプリケーション開発において有効である。 8. 進化する HTML5 最後に、HTML5 のみでゲームが作成された事例もあり、HTML5 は様々な Web アプリケーシ ョンを作成できる可能性を秘めている。 また HTML5 の仕様は最終確定したが、今後、HTML5.1 のリリースが予定されている。HTML5 は進化を続けており、本研究で実装した機能よりも更なる高度な機能を簡単に実現できる 未来が予想される。 2014 Beacon Users' Group
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