★ 教室掲示を,お願いします。図書室だより皐月号おススメの本地歴・公民科青木敏隆先生広島県立五日市高等学校図書室平成２７年５月２６日発行VOL, ３ ★1冊の本との出会いが，君の人生の大きな糧となる！ ★ 新『荒神』宮部みゆき著時は，元禄半ば。東北の寒村を一夜にして壊滅させる怪物が襲う。果たして，その怪物の正体とは？ミステリー性を帯びた時代小説。着『火花』図又吉直樹著書案内 ★図書活用状況４図書活用状況４/６～２９… 図書活用状況４６～２９… 3 年５４冊/ 年５４冊文藝春秋主人公の売れない芸人の徳永は，なぜダメなのかと自問する日々の真っ只中にいた…。そんなある日，熱海の花火大会で，先輩芸人である神谷と出会い、「弟子にして下さい」と頼み込んだ。神谷は天才肌且つ，人間味が豊かな人物であった。「いいよ」と言う…。答えの代わりの条件は，「俺の伝記を書く」ことだった。ほどなく，神谷も徳永に心を開き，二人は頻繁に会って，神谷は，徳永に笑いの哲学を伝授しようとする。吉祥寺の街で暮らし，舞台のように行ったり来たりする彼らは，様々な人間と触れ合うことで芸を磨いてゆくのだが，しだいに歩む道が分かれていく…。徳永は少しずつ売れ始め，神谷は，少しずつ落ちぎみになってゆく…。お笑いの世界で生きる人々の周辺も丁寧に描写しながら，芸に打ち込む世界に，生きる人々の厳しさも垣間見させてくれる秀作との，評判の高い一冊である。 ★吉田篤弘の作品は，２人の女子高生が８０年代を舞台に，バンド活動を通じて成主人公の恭太郎は，人を惹きつけてやまぬ，と言われるほどの魅力的な声長する物語の『ソラシド』を置いている。『透明カメレオン』道尾秀介著角川書店を持つ深夜ラジオのパーソナリティーだ。番組の中では，運動神経抜群でリスナーのどんな悩みにも迅速・的確に答えてくれると好評を得ている。が，実際は器量もそこそこ，というところだし，恋もスポーツも苦手なのだ。ただ，話術に長（た）け，日常の，どうということもない話でも，少しの嘘や脚色を交え，面白く温かみのある，話に仕立て上げる才能は天下一品と，折り紙つきなのである。物語は，そんな恭太郎がある夜，悪意からではないが，行きつけのバーで一人の女性を騙してしまった事から，ゆっくりと転がり出す。常連客共々、彼女のたくらむある「殺害計画」に巻き込まれてしまう…。ここから独特の道尾ミステリー？ワールドが縦横無尽に展開される。旺盛な作家活動を続ける，道尾秀介の旬の小説である。大いに楽しめる傑作だ。『絶唱』朝日新聞出版湊かなえ著新潮社阪神淡路大震災以後を生きる，四人の女性の再生を描いた物語だ。今日まで，心の中に重く存在する思いがある。喪失感は深く，未だ消えてはいない。『電氣ホテル』吉田篤弘著 2 年８９冊/1 年８９冊年１４３冊文藝春秋『花とアリス殺人事件』乙一著小学館物語には，70 人の登場人物（？）が描かれている。多くの人や物や動物等が入り乱れつつも，非常に緊密な構造を持った小説で，ユーモアあふれる語り口で爆笑の内に，奇妙でなんとも不思議な世界へと導いてくれる…。我々の頭上には，「電氣ホテル」が浮遊しているのだそうだ。地上の電力を拝借しながら移動する電氣ホテルは，どんどん巨大化し，ついには，街に大規模停電を引き起こし始めた。この停電調査のために，何故か電気会社ではなく詩人のオルドバと相棒である猿のチューヤーが，停電の謎を解く旅に出発するのだが…？前途多難・抱腹絶倒の展開…今は懐かしい雰囲気も，随石ノ森学園中学校に転校して所にちりばめられた，盛りだくさきた有栖川徹子（アリス）はんの痛快・冒険探偵小説だ。自分の席が「呪われた噂」の席であることを知る。そして，『水素社会の到来 /核融核融合への引っ越してきた，自分の隣の夢』家が『花屋敷』と怖がられらニュートンプレス編・刊れていることも知っていく。意を決して，アリスは花屋敷昨年末，水素で走る「燃料電池に潜入するが，そこで待ち構自動車」の一般発売が開始された。えていたのは，不登校のクラ今，水素をエネルギーとして広くスメイトの荒井花（花）だっ活用する「水素社会」の実現へた。物語は俄然，面白くなる。大きく進みつつある…。