早 キル ヒホ ッフの法則 ここでは =電 源と抵抗だけの少 し複雑な回路で ,電 流の流れ について考えます . 閉 じた回路で ,ま ず ,仮 の電流の方向を設定することか ら始 めます .そ して計算を していきます . 計算結果 がプラス (正 )の 時は ,仮 の設定どお りの方向に電流 が流れています .逆 にマイナス (負 )に な つて しまつた時は ,仮 の設定の電流の方向とは逆方向に流れていることを意味 します それでは :キ ル ヒホ ッフの法則とともに 1電 流の方向 と大き . さを求めま しょう。 キルヒホッフの第1法 11(電 流に関する法則 ) キルヒホ ッフの第 1法 則は ,電 流に関する法則です . 0キ ル ヒホ ッフの第1法 則 「回路中のある1点 (こ の場合はA点 )に 流れ込んだ電流の合計と,そ こから 流れ出した電流の合計は等しい」 A点 に流 れ込 む電流 f3 A点 から流れ出た電流 A点 から流れ出た電流 A点 に流れ込む電流 図4.1 キルヒホッフの第 1法 則 図4.1の よ うにA点 に流れ込んで い る電流はrlと f2で ,流 れ出て い く電流は ′ 3と f4で す。キル ヒホ ッフの第 1法 則 を式 に してみ ましょう . A点 に流れ込んだ電流の合計 =A点 から流れ出た電流の合計 Il+ら =為 十14[A]… ……………… (4.1)式 (4.1)式 を変形 してみ ます 。右辺 の′3と f4を 左辺 に移項 します 。移項 をす る時 は符号 が逆 に な り ,右 辺 には何 も残 らないの で0に な ります ね ′1+f2 . f3 f4=0[A]… … … … … … … … … …(4.2)式 (4.2)式 か ら ,キ ル ヒホ ッ フの 第 1法 則 は ,次 の よ うに も言 い換 え られ ま す .た だ し ,A点 に流 れ込 ん だ電 流 をプ ラス (正 ),A点 か ら流 れ 出 た電 流 をマ イナ ス (負 )と します 。 回路 中 の あ る1点 (こ の 場合 はA点 )の 電流 の 総合 計 は0で あ る . J讐 型η型が 岬Ⅲ 岬 Iぜ 帥 響砲 キルヒホッフの第2法 則(電 圧に関する法則) キル ヒホ ッフの第 2法 則は =電 圧に関する法則です . 。 キル ヒホ ッフの第2法 則 「 複雑な回路中の,あ る1つ の開 じた回路 (閉 路といいます)を 一定の方向に 1周 した時の電圧降下の合計 は,そ の開路中にある電源電圧 (起 電力といい ます)の 合計 と等 しい」 キル ヒホ ッフの第2法 則を利用 して計算 してみます , . 計算のためにたどる1周 の方向と,電 流の方向をそれぞれ自分 で仮 に設定 し ましょう。筆者は図4.2の ような方向にしました . 電流rl[A] 方向 は仮 計算のためにたとる方向 方向 は仮設定 電流f2[A] 方向は仮設定 電源ら [V] 電 源 El 図4.2 あ る閉路の計算例 ●電圧 降下 の合 計 を求 め る キル ヒホ ッフの第2法 則 では ,た どった1周 中にある電圧降下の合計 と起電力 の合計 は等 しいのですから,ま ず電圧降下の合計を求めましょう。 図4.2よ り抵抗Rlに よる電圧降下ylと ,抵 抗R2に よる電圧降下ちは , 関J型 リッ 91 や墜 イ?壼 警跳理 こ キ ル ヒ ホ ッフ の法 則 図4.2は ,複 雑な回路の一部を取 り出 したものです。 この回路 を利用 して yl=flRl[v] 72=r2R2[V] です.し かし,こ こで注意が必要です.計 算のためにたどる方向と仮設定の電 流の方向が同じ向きなら,電 流をプラス(正 )に ,逆 ならマイナス(負 )に します。 電圧降下の合計は71+ち ですが,そ の内訳を詳 しく追ってみると , yl+y2=rlRl+(― f2)R2… …… … =ら Rl (た どる方 向 と電 流 r2は 逆方向) r2R2[V]… …………………………………(4.3)式 となりますね.電 流r2の 方向は,計 算のためにたどる方向とは逆向きですから , マ イナ ス が付 いて い ます 。 ●起電 力の合計 を求 め る 次に起電力の合計を求めましょう.起 電力とは電源電圧のことです。 この開 路中には2つ の電源があります.起 電力の合計は ,El+E2と なりますが ,こ こ で も注意が必要 にな ります。 計算のためにたどる方向と,起 電力の向きが逆の場合 はマ イナス(負 )を 付け るのです。 この場合の「向きが逆」とは ,計 算のためにたどる方向が ,起 電力の プラス (正 )に 向か う方向のことをいいます.で すか ら起電力の合計 は , El+( E2)=El E2[V]… ………………………………。(4.4)式 とな ります。 ここで もう一度「キル ヒホ ッフの第2法 則」を思い出すと,「 複雑な回路中のあ る1つ の閉 じた回路 (閉 路 といいます)を ,一 定な方向に1周 した時の電圧降下の 合計は ,そ の開路中にある電源電圧 (起 電力といい ます)の 合計 と等 しい」で し た。とい うことは ,(4.3)式 と(4.4)式 が ,等 しいといっているのです (4.4)式 =(4.3)式 El E2=flRl― f2R2[V] 攣 禦 型 壺 壁型 . キルヒホッフの法則を用いた電流の計算例 それでは「キル ヒホ ッフの法則」を使って ,少 し複雑 な回路の電流を計算 し ていきましょう。図4.3の ような回路があります . ●電流 の方 向 と計算の ため にたどる方 向を書 き込 む まず図に,各 電流とその向きを書き込みます。図中の電流の方向は仮設定で す。 だけですと,抵 抗R3に 関する式がたてられないので ,こ の抵抗R3を 通るよう 「たどる方向2」 を書き込みます な閉路を考えて . もちろんたどる方向は,自 分で設定できます。筆者は,図 中のようにたどるこ とにしました.で は,電 流 fl,f2'f3の 大きさと,流 れる方向を解いていきます。 電流11[A] 抵抗 Rl =2[Ω 電 流 f3[A] ] た どる方 向 2 電源島 =8[Ω ] 抵抗 R3 =4[Ω ] たどる方向1 =10[V] 抵抗 R2 電源 E2 =2[V] +-----------図4.3 キル ヒホ ッフを使 用 した計算例 キルヒホッフの法貝uを 用 いた電流 の 511 キ ル ヒ ホ ッフ の法 則 「たどる方向1」 次に,計 算のためにたどる閉路とその方向を書き込みます。 ●第 1の 法則 で 電流 の合計 を求 める まず ,「 キルヒホッフの第1法 則」を使って ,電 流について解 きましょう。 抵抗R3に 流れ込む電流 ′ 3は '電 流 flと ′ 2の 合計 と考えられます . 13=fl ttr2[A]… … … …… … … … … … … … … … … … … … … (4.5)式 ●第 2の 法則 で電圧 を求 め る 次に,「 キルヒホッフの第2法 則」を使って ,電 圧について解きます。 まず ,「 たどる方向1」 について考えていきます。 El E2=flRl― ′ 2R2… … … … (起 電力の合計=電 圧降下の合計) 10--2=2rl― -8′ 2 8=2ri-872… … … … … … … … … … … … … … … … … (4.6)式 となりますね.起 電力の合計 はら 十E2で すが ,E2は「たどる方向 1」 が ,電 源の プラスからマ イナスに向か っていますので「―E2」 です。また ,電 流 r2の 向きも 「たどる方向 1」 とは逆ですか ら 「―f2」 と,マ イナスになっています。 次に ,「 たどる方向2」 について解 くと , El=ら Rl+73R3 10=2ら +4′ 3… …………………………………………………(4.7)式 となります.こ れら3つ の式 で ,連 立方程式をたてて ,電 流を求めます。 色々なや り方がありますが ,筆 者はまず (4.7)式 の f3に 代入 します。 10=2′ 1+4(′ l+f2) ド ー 堕 Z製 些聖 ` 電 呈型 ,(4.5)式 の f3を 10=2rl+4fl+4r2 10=6rl+4f2… … … … … … … … … … … … … … … …… … … …(4.8)式 (4.8)式 を見 ると ,未 知数 は電 流 flと r2で すね。 (4.6)式 も未知数 は 11と f2 で す か ら ,こ の2つ の式 を加減算す ることによって ,11ま たは 12の どちらかを 消す ことがで きます。 (4.8)式 の両辺 を2倍 して ,(4.6)式 のf2と そろえます (8r2に なる). 10× 2=6× 2× rl+4× 2× f2 20=1 2rl+8r2… …………………………………………… ¨(4.9)式 キ ルヒホ ッフの法則 次 に ,12が 消 えるように (4.6)式 と(4.9)式 を足 しましょう . 8=2fl-8r2… … … … … … … … … … … … … … … … 。(4.6)式 十 )20=1 2fl+8f2… … … … … … … … … … … … … … … … (4.9)式 28=14fl+0 …………………………………………・(4.10)式 (4.10)式 を「ri=」 の形 に変形す るために ,11に ついてい る14で 両辺 を割 ると 28 14fl 14 14 約分 をす ると , , 2=rl とな り,電 流 11は 2[A]で す。 また ,答 えがプラスです か ら,図 4.3中 の電流 rlの 仮設定 の方向は ,正 しかったことにな ります . ● 求 め た 電 流 を代 入 次 に ,(4.6)式 に ,い ま計算 した電 流 rl=2[A]を 代 入 して ,f2を 求 めます。 8=2fl-8f2 … ………………………ri=2を 代 入 8==2〉 〈2--8f2 ・4を 移項 します 8=4-8′ 2・ …… ……………………・ 8-4=-8r2 初 レヒホッフの法則を用 いた電流 の計算例 く 4=-8r2・ … ………… …両辺 を-8で 割 ります 4 _-8f2 -8 -8 :=f2 r2= 0・ 5[A] 電 流 r2は , 0・ 5[A]に な りま した 。答 えが マ イナ スで す か ら ,図 4.3中 の 電 流 r2の 仮設 定 の 方 向 は ,逆 だ っ た こ とにな ります 。 最後 に ,電 流 f3を 求 めましょう.(4.5)式 に電 流 為 と/2の 答 えを代 入 します . 13=fl+f2… ……………・fl=2と f2= 0・ 5を 代入 =2+(-0.5) =1.5[A] 電流 J3は ,1・ 5[A]で す .ま た ,答 えがプラスです か ら,図 4.3中 の電流 J3 の仮設定 の方向は正 しかったことにな りますね . 本当の電流 の方向が描 かれている図 を ,図 4.4に 示 します 電流L=2[A] 抵抗 Rl =2[Ω ] . 電流12=05[A] きとは逆 だよ 電流13 =15[A] 抵 抗 R3 =4[Ω ] 電源ら 電源島 =2[V] =10[V 図4.4 キル ヒホ ッフの法則で求めた電流の大 きさと方向 このようにして ,電 流の大きさと流れる方向を,計 算でも求めることができ ました。少 し計算量が多く,分 か りづ らいような気がしますが,順 を追ってゆ っくりやれば ,必 ず答 えが出てきます。 >つ レヒホッフの法則を用いた電流の計算例
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