剛体の力学その1

2011 年度 3EC 応用物理 I (力学) 補助プリント No.15
剛体の力学その 1:剛体とそのつり合い
群馬高専 一般教科 (自然科学) 小林晋平
2012. 1. 10.
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講義内容のまとめ
• 剛体 · · · 大きさを持つ物体で,変形しない(とみなせる)もの.
→ 変形しない = 剛体を形作っている原子や分子の相対的な位置が変化しないということ.
cf.) 質点 · · · 大きさを無視できる物体.
cf.) ゴムのように大きさを持つがある程度変形できる弾性体や,油や空気のように自由に形を変
えられる流体などもある.
• 剛体の運動
(1) 重心の位置座標 x, y, z と,剛体の向き(姿勢)を表す 3 つの角度 θ, ψ, ϕ で状態が決まる.
→ 自由度は 6
(2) 重心の位置は,重心の運動方程式
M
d2 r G
=F
dt2
(1.1)
で決まる.ここで
– M : 剛体の質量(剛体を構成している質点の全質量)
N
∑
– F : 剛体に加えられている外力の合計.つまり, F =
Fi
i=1
(3) 回転は,回転の運動方程式
dL
=N
dt
(1.2)
で決まる.ここで
– L: 剛体の全角運動量.つまり L =
N
∑
Li =
i=1
N
∑
r i × pi
i=1
– N : 剛体に加わる,外力による力のモーメントの合計.つまり N =
N
∑
i=1
Ni =
N
∑
ri × F i
i=1
• 剛体に働く力のつり合い
(1) 用語の確認 · · · 着力点(作用点)、作用線、偶力
(2) 剛体に働く力がつり合って静止するための条件は,質点と違って 2 つ.
1. 剛体に働く力がつり合っていること:
F1 + F2 + ··· + FN =
N
∑
Fj = 0
(1.3)
j=1
2. 剛体に働く力のモーメントがつり合っていること:
N1 + N2 + · · · + NN =
N
∑
j=1
1
Nj = 0
(1.4)
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練習問題
講義で説明した
(1) 壁に立てかけた棒が静止するための条件を求める問題(ベクトルを使わない場合)
(2) 壁に立てかけた棒が静止するための条件を求める問題(ベクトルを使う場合)
(3) 任意の点まわりの力のモーメントを考えて,静止条件を求める問題
を復習しておくこと.
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