講演3 「人がときめく感覚の魔法」 リハビリテーション科 技監 理学療法士 八児正次 人は長い進化において直立2足立位歩行を獲得しました。しかし現代人の生 活習慣は、猿人のような姿勢に退化してしまう危険性をもっています。例えば パソコンやスマートフォンの普及は、背中が丸まり頭を前に突き出した姿勢に なりやすく、肩こりや頭痛の原因になっています。スマホ首と呼ばれる姿勢で は、頭を前に 15 度傾けると首の後ろに 12.2kg の重みがかかるというデータが あります。 また、加齢による身体の衰えも姿勢に影響します。筋力や柔軟性の低下によ り、からだが重力に負けてしまい、やはり脊中が丸くなり、O 脚や曲がった膝 などの下肢の変形を生じます。歳をとることは人類皆平等ですが、からだをど う使っているかによって個人差が表れます。 今年の市民公開講座では感覚(五感)を刺激することで、からだが変わるこ とを体験して頂きました。 ①「ハイパワーポーズでみなぎる自信」 スーパーマンのポーズ、腰に手を当て、胸を張った姿勢を数分とると、自信 がみなぎり、ストレスホルモンが減少します。 ②ゆっくり歩くと背が伸びる ついつい気持ちが早歩き、前へ前へと意識が強くなりすぎると、姿勢は前か がみになりやすくなります。特に痛みや麻痺などの症状のある方は注意が必要 です。時に立ち止まり、足の裏を踏みしめる感覚に集中し。ゆっくり歩む事を お勧めします。 ③味噌汁の香で柔軟性が高まる アロマなどよい香りはリラックスを導きます。日本人は味噌汁などうまみの 香りも効果があるようです。 ④イメージの魅力 頭の柔軟体操です。ルビンの盃など反転図形で楽しんでいただきました。物 事の捉え方、見方をかえてみようというメッセージでした。 ⑤口には幸せが集中している ⑥手指の誘惑・・・ 口と手は脳の中でも支配している領域が大きく、感覚の刺激にも敏感です。 口先手先はものを探る器官であり、ちょっとした刺激でも全身に影響を与える ことがおわかりいただけたと思います。 本日はいつもの運動とはちょっと違った、体験をしていただけたと思います。 『自信があるということは自分のことが好きでいられる状態のこと』 人は自分のからだが変わることを知ると、少し自信になり、気持ちが元気にな りますよ! 楽しく笑い、一生懸命から一笑賢明に!
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