特別展 伝説の洋画家たち 二科 100 年展 1914(大正 3)年、日本の美術界で大きな出来事 が起こりました。文展(文部省美術展覧会)の鑑査 に不満を抱いた洋画部の一部の画家たちが、新旧二 科制設置を文部省に願い出ますが聞き入れられず、 ついに文展を離れ在野の美術展を立ち上げます。そ れが「二科展(二科美術展覧会)」の幕開けです。 常に先進的な作品を発表することで話題を提供し てきた二科展は、戦時中の一時期を除いて毎年継続 され、今年で 100 回という節目を迎えます。それを 記念して開催するこの展覧会では、その 100 年の歴 史を「創草期」 「揺籃期」 「発展、そして解散」 「再興 期」の 4 つに分け、各時代を象徴する作家約 100 人 の作品で振り返ります。それはまた、日本近現代美 術史における二科展の特徴や意義を浮き彫りにする ことにもつながるでしょう。 そしてなにより、作品を通じて、ときに伝説をも うみだした洋画家たちの情熱や、たゆみない挑戦の 足跡を感じていただけたら幸いです。 なお本展は 7 月東京でスタート(東京都美術館 7/18-9/6)、大阪を巡回後(大阪市立 美術館 9/12-11/1)、久留米で開催するものです。 作品数 122 点 その他資料 会 場 石橋美術館 主 催 石橋財団石橋美術館、久留米市、公益社団法人二科会、産経新聞社、西日本新聞社 TVQ 九州放送、テレビ西日本 後 援 公益財団法人久留米文化振興会 本館・別館 入館料 一般 1,000 円(800 円) シニア 700 円(500 円) 大高生 500 円(400 円) 前売券 600 円 チケットぴあ、ローソンチケット取扱店などにて販売 (P コード 766-541、L コード 81979) ※中学生以下無料。( )内は 15 名以上の団体料金。 休館日 月曜日(11/23 は開館) 開館時間 10:00-17:00 交通案内 JR 博多駅より JR 久留米駅まで新幹線で 20 分(在来線あり) 福岡(天神)駅より西鉄久留米駅まで 特急で 30 分、急行で 40 分 本展に関する お問い合わせ 公益財団法人石橋財団 石橋美術館 ※入館は閉館の 30 分前まで 広報担当:泉田佳代 学芸担当:伊藤絵里子 森山秀子 〒839-0862 福岡県久留米市野中町 1015(石橋文化センター内) Tel 0942-39-1131 Fax 0942-39-3134 e-mail [email protected] 展覧会構成 1 草創期 1914(大正 3)年 10 月、石井柏亭、山下新太郎、有島生馬、坂本繁二郎、梅原龍三郎、 津田青楓、斎藤豊作ら 11 名を鑑査委員とし、上野竹之台陳列館で第 1 回展が開催され、 翌年「二科会」が発足しました。1919 年に藤川勇造を迎え、彫刻部が新設されます。 広 報 画 像 ① 坂本繁二郎《海岸の牛》 第 1 回展(1914 年、北九州市立美術館) 2 揺籃期 広 報 画 像 ② 広 報 画 像 ③ 有島生馬《鬼》 第 1 回展(1914 年、 東京都現代美術館) 萬鉄五郎《もたれて立つ人》 第 4 回展(1917 年、 東京国立近代美術館) 1920 年頃から、自ら二科展へ出品する外国人作家が増え、ピカソやマティスらの作品 や、彼らに直接学んだ留学組の成果を特別陳列するなど新傾向絵画を紹介する場所とし ても機能しました。そして、里見勝蔵らの 1930 年協会のような運動や、児島善三郎ら 率いる独立美術協会などの分派がうまれます。 広 報 画 像 ④ 藤川勇造 《ブロンド》 第 11 回展 (1913 年、 東京国立博物館) Image: TNM Image Archives 3 発展、そして解散 広 報 画 像 ⑤ 広 報 画 像 ⑥ 佐伯祐三《新聞屋》 第 15 回展(1927 年、個人蔵) 古賀春江《素朴な月夜》 第 16 回展(1929 年、 石橋財団石橋美術館) 1934 年に藤田嗣治を迎え入れる一方、1935 年には有島、石井、山下、安井曾太郎、藤 川勇造ら一部の創立メンバーが会を去るという世代交代劇がありました。1939 年には藤 田、東郷青児を顧問とした九室会が結成されました。さらに戦時下の要請によって、1944 年二科会はやむなく解散します。 広 報 画 像 ⑦ 安井曾太郎《玉蟲先生像》 第 21 回展(1934 年、東北大学史料館) 4 広 報 画 像 ⑧ 広 報 画 像 ⑨ 吉原治良《作品 1》 第 26 回展(1939 年頃、 大阪新美術館建設準備室) 松本竣介《建物》 第 22 回展(1935 年、 神奈川県立近代美術館) 再興期 戦後まもなく、いちはやく動いた東郷や、高岡徳太郎らが中心となって二科会は再結成 されました。入場者増員にもつながった前夜祭の挙行や、公募分野の拡大、海外展開催、 二科会法人化など、絶えず変化し、さまざまな工夫を凝らして今日に至ります。 広 報 画 像 ⑩ 織田廣喜《黒装》 第 31 回展(1946 年、福岡市美術館) 広 報 画 像 ⑪ 岡本太郎《重工業》 第 34 回展(1949 年、 川崎市岡本太郎美術館) 広 報 画 像 ⑫ 吉井淳二《舟をつくる》 第 53 回展(1968 年、 学校法人ラ・サール学園) みどころ 1. 伝説の洋画家・彫刻家約 100 人の名作が久留米へ。 全国の 70 を超える美術館・所蔵者から作品約 120 点が集結。 2.あの作家も最初は二科展への入選を指していた。 広 報 画 像 ⑬ 東郷青児《パラソルさせる女》 第 3 回展(1916 年、一般財団法人陽山美術館) 3.こだわり!作品すべてが二科展出品作。 100 年を象徴する作品をすべて二科展出品作で揃えました。会場に並ぶ作品から、 二科展の特徴がより鮮明に浮き彫りとなるでしょう。 広 報 画 像 ⑭ 4.マティスもピカソも。海外の作品がちらほら。 有島生馬にスカウトされたジェレニェウスキー、藤田 嗣治が結婚式の立会人を務めた彫刻家ザツキンなど自 ら二科展へ出品する外国人作家もいました。 また、硲伊之助や海老原喜之助らが将来したマティス やピカソも紹介します。最近見つかったロートの水彩 画は前期のみ(11/7-12/6)の展示ですので、お見 逃しなく。 アンリ・マティス《青い胴着の女》 第 23 回展(1935 年、石橋財団ブリヂストン美術館) ちょぎゅうしょう 5.二科賞、 樗 牛 賞 受賞作がズラリ。 設立当初に設けられた二科賞、第 2 回展か ら授与された樗牛賞。ともに授賞は第 18 回展までで一旦とり止めになります。それ までの受賞作を重点的に集めました。それ らを比べると受賞作の作風の変遷が見られ、 当時の審査員側の思惑もよみとれます。 広 報 画 像 ⑮ 岸田劉生《初夏の小路》 第 4 回展(1917 年、下関市立美術館) 関連事業 ■レクチャー 時間:14:00-15:30 会場:別館 2 階ロビー(70 席) 11 月 21 日(土)対談「二科展絵画部回顧」 川内悟氏(二科会常務理 木戸征郎氏(二科会監事・熊本支部長) 小出 重にはじまり、東郷青児急逝の折の話まで、東京と九州をつなぐ二氏から、気にな る作家や二科展にまつわるエピソードが飛びだします。 12 月 12 日(土)「二科展彫刻部回顧」 野毅氏(二科会常務理事) 彫刻の見方から、ヴラマンクやザツキンにまつわる伝説的エピソードまで語っていただき ます。 ■スペシャルトーク 企画担当者が展覧会のみどころについてご紹介します。 日時:11 月 7 日(土)、12 月 19 日(土)14:00-15:00 会場:展示室 ■ギャラリートーク 美術館スタッフが展覧会や作品について解説します。 日時:土・日曜日(11/7、21、12/12、19 をのぞく)14:00-14:20 会場:展示室 作品掲載に関するお願い 1.作品掲載をご希望の方は別紙の「石橋美術館広報画像利用申込書」にて申請ください。 2.本展覧会の広報を目的とした使用に限らせていただきます。二次使用はできません。 3 作品の文字のせ、トリミングはできません。 4.当館が指定するクレジットを必ず作品と一緒に掲載してください。クレジットは別紙の 「石橋美術館広報画像利用申込書」をご参照ください。 5.広報用作品はプレスリリースに掲載のある 15 作品です。 6.掲載見本を必ず 1 部お送り下さい。
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