599 茶 お よび カテ キ ンの百 日咳菌 に対 す る防 御 作用 1) Key 昭和 大 学 医学 部 細 菌学 教 室,2)三 井農 林 株 式 会社 食 品 総 合研 究 所 堀 内 善 信1)戸 田 眞 佐 子1)大 原 征 彦2)島 村 words: tea, 久 保 幸 枝1). 忠 勝1) (平成3年12月9日 受 付) (平成3年12月17日 受理) Catechin, Bordetella 要 pertussis, LPF, cell adhesion 旨 茶 お よ び カ テ キ ン の 百 日咳 に 対 す る感 染 防 御 の 可 能 性 を,百 日咳 菌 に 対 す る殺 菌 活 性,菌 へ の 付 着 に 対 す る抑 制 作 用 お よ び 百 日咳 毒 素 の リン パ 球 増 多(Lymphocytosis 対 す る 不 活 化 作 用 を 指 標 と して 検 討 し た.殺 茶 お よ び コ ー ヒ ー は,そ 菌 活 性 に つ い て は,い れ ぞ れ 常 用 飲 用 濃 度(5%)で,百 ア ー ル 茶 も比 較 的 弱 い な が ら殺 菌 活 性 を 示 した.(-)エ フ ラ ビ ン ジ ガ レ ー ト(TF3) HeLa細 日咳 菌 に 対 し て 強 い 殺 菌 活 性 を 示 し た.プ お よび テア 間 以 内 に百 日咳 菌 を 完 全 に 殺 菌 した. れ に 対 し,緑 茶 お よ び 紅 茶 は,培 養 細 胞 へ の 菌 の 付 着 を 強 く抑 制 した. 性 不 活 化 作 用 は,細 胞 へ の 百 日咳 菌 の 付 着 抑 制 とは 逆 で,1%で さず,ま た 紅 茶 で もわ ず か な 不 活 化 作 用 しか 示 さ な か った.一 方,EGCgお 不 活 化 作 用 を 示 し,な か で もTF3の に は百 日咳 防 御 に 関 し て,興 序 活性に ず れ も濃 度 依 存 的 で あ り,緑 茶,紅 胞 へ の 百 日咳 菌 の 付 着 能 に対 す る 抑 制 作 用 を 検 討 し た と こ ろ,EGCgやTF3 は 全 く抑 制 を 示 さ な か っ た.こ 百 日咳 毒 素 のLP活 の培養 細胞 LP) ピ ガ ロ カ テ キ ン ガ レ ー ト(EGCg) の 殺 菌 活 性 は 強 く,1mg/miで24時 胞 お よ びCHO細 promoting, 緑 茶 が 全 く作 用 を示 よ びTF3は100μg/mlで 不 活 化 作 用 は 顕 著 で あ っ た.以 上 の 結 果 か ら茶,EGCgお 強い よ びTF3 味 あ る活 性 の あ る こ とが 示 され た. 児 の 主 要 な感 染 症 の地 位 を 占め て い る の が 現 状 で 文 くか ら重 篤 な乳 幼 児 呼 吸 器 感 染 症 あ る1).こ れ らの 国 の 多 くは,副 反 応 低 減 の た め の の 一 つ と して,広 く注 目を 集 め て き た1).強 い伝 染 菌 体 成 分 ワ クチ ン導 入 も さ る こ とな が ら,そ れ 以 性 や 感 染 初 期 に お け る診 断 の難 し さか ら,1960年 前 に,他 百 日咳 は,古 に も接 種 率 お よ び接 種 効 果 の 向上 な どの 代 に効 果 的 な ワク チ ンが 実 用 化 され る ま で,そ の た め に解 決 す べ き多 くの 問 題 を抱 えて い る もの と 実 効 的 な 疾 病 制 御 は 困 難 で あ った.そ 考 え られ る. の後 も,ワ ク チ ンの 副 反 応 に よ る接 種 率 の低 下 に伴 っ て 罹 患 と こ ろ で,近 年,茶 お よ び カ テ キ ン の抗 菌 ・殺 率 が 一 時 的 に 上 昇 す る 等 の 問 題 が み られ た2)3). 菌 活 性 や 生 理 活 性 に 関 して,興 1981年 に 日本 で,菌 体 成 分 ワ ク チ ン が 実 用 化 さ れ,下 痢 原 性 消 化 器 感 染 症 原 因-菌6)∼11),皮 膚 糸状 れ4),こ う した 問 題 の 解 決 に対 す る期 待 が 高 ま っ 菌12),MRSA た.そ な ウ イ ル ス 性 疾 患 に お い て も防 御 効 果 を示 す 可 能 れ に伴 い,ワ クチンの改良 に向けた研究が 世 界 的 に 活 発 化 した5)に も関 わ らず,そ の 後,未 だ 新 た な 菌 体 成 分 ワ ク チ ン の本 格 的 実 用 化 の 例 は み られ て い な い.百 日咳 は,今 な お 多 くの 国 で 乳 幼 別刷 請 求 先:(〒142)東 平 成4年5月20日 島村 13),さらに は イ ン フル エ ン ザ14)のよ う 性 を示 唆 す る知 見 が報 告 され た. そ こで,わ れ わ れ は こ の度,ワ ク チ ン に よ る制 御 に加 え,日 常 飲 用 に 供 さ れ て い る茶 類 の 百 日咳 制 御 へ の 応 用 の可 能 性 を 検 討 す るた め の 第 一 段 階 京 都 品 川 区旗 の 台1.5-8 昭和 大 学 医学 部 細 菌学 教 室 味 あ る研 究 が な さ 忠勝 とし て,百 日咳 菌 に 対 す る殺 菌 活 性,培 養細胞 へ 堀 内 善信 他 600 の菌 付 着 抑 制 能 お よ び百 日咳 毒 素 活 性 の 不 活 化 作 既 報7)の 方 法 で 抽 出 し て サ ン プ ル と し た.カ 用 に つ い て 検 討 し た.そ ン は 精 製EGCg(緑 の 結 果 若 干 の 興 味 あ る知 見 を 得 た の で 報 告 す る. 茶 よ り 精 製17))を 20(w/v)%,コ 材 料 と方 法 1) 使 用 菌 株 Casamino acid USA) 7.0に 溶 解 し た.こ pH (CA, Technical grade, れ を20%牛 本 生 物 材 料 セ ン タ ー)加Bordet G)培 地(Difco. USA)で37℃,48時 2.5×1010CFU/mlと 濁,バ & イ ア ル に 分 注 し て-80℃ (B・ 血 清 に懸 月 以 上 に わ た っ て安 実 験 の 際 に は,そ れぞれ新 しいバ イ ア ル を 融 解 し て 用 い た. 2) HeLa細 (CHO) Hamster Ovary 229細 胞 は,千 葉 県 血 清 研 究 所 の 鈴 木 博 士 た,CHO細 細 胞 株 を 用 い た.培 養 は,10%牛 Essential Medium 胞 は当教室保存 (MEM-FCS 緑 茶(煎 茶,宇 国 茶)お toxin; 日 咳 菌1相 (S & S)培 Sepharose Cl-6B Sweden) PT) 東 浜 株 をSteiner 地 で37℃,5日 た 上 清 か ら,Sekuraら18)の 間静置培養 し Fine Chemicals, に よ る ゲ ル 炉 過 に よ り さ ら に 精 製 し た. リ ア ク リル ア ミ ドゲ ル 電 気 泳 雑 の 有 無 の 検 査 の 結 果,高 1 5) Structual formulae Epigallocatechin a) ァー & gallate (EGCg), S培 地 で25倍 た 緑 茶,紅 ン 酸 緩 衝 液(glycerol- 濃度 し ア ー ル 茶 の保 存 抽 出液 を れ ぞ れ20, 希 釈 溶 液 を 調 製 し た.さ gallate b) 東 浜 株 を,2倍 に 希 釈 し て10gCFU/mlと 茶,プ 滅 菌 蒸 留 水 で 希 釈,そ v)%の of Epigallocathechin 7の50(v/ で 保 存 し た. 上 記 凍 結 保 存 百 日 咳 菌1相 を 用 い, に よ る 度精製 標 品 で 殺菌活 性 のS 茶(Lipton(R)),プ よ び コ ー ヒ ー(UCC(R)) a)(—) 中 に-20℃ た.ま 治 山 田),紅 Fig. v) % glycerol加M/100リ PBS) & 方 法 に 準 じ て 精 製 し, (Pharmacia 得 ら れ たPTは,ポ 10)中, 茶 お よびカテキ ン ル 茶(中 Schlte 胎 児血 清 加 ・ 37℃ で 炭 酸 ガ ス 培 養 法 に よ り行 っ た. 3) 液 時 希釈 して用 い あ る こ と が 確 認 さ れ た.こ のPTは,pH よ り分 与 を 受 け た.ま Minimum 百 日咳 毒 素(pertussis FHA夾 細胞 HeLa 出 動 法 に よ る 純 度 検 定 お よ びELISA法 胞 お よ びChinese 茶 は は 各 々PBSで2mg/ml溶 に 凍 結 保 存 し,用 PTは,百 に 凍 結 保 存 し た15). こ の 保 存 菌 液 の 生 菌 数 は6ヵ 定 し て お り,各 4) 間 培 養 し た 後, な る よ う に40%牛 照).各 た. Difco, 血 液(日 Gengou よ びTF3 を 作 成,-20℃ 東 浜 株 を 少 量 の1% 用 い た(Fig.1参 ー ヒ ー は25(w/v)%のPBS抽 液,EGCgお 凍 結 乾 燥 百 日 咳 菌I相 テキ 茶 よ り精 製16))お よ びTF3(紅 Teaflavin and Teaflavin digallate 10, 4.0, 1.0 (w/ ら に,EGCgお よ digallate. (TF3) b) 感 染 症 学 雑誌 第66巻 第5号 601 茶,カ テキ ンの抗 百 日咳作 用 びTF3の 各 溶 液 も 同 様 に 希 釈,2.0, ml,お よ び2.0, 製 し た.こ を,組 1.0, 0.2mg/mlの れ ら 各 希 釈50μlと,上 養0, 1, 3, 希 釈 溶 液 を調 (96穴)の 潤 箱 中,37℃ 各 ウェ 々の つ を 採 取 し,Miles 19)の方 法 に よ りB・G培 & 地 で生菌 数 を カ ウ ン ト し た. 6) 地 で37℃,24時 東 浜 株 を1% CAに 菌 液100μlず に対 す る殺 菌 活 性 茶,コ ー ヒ ー,EGCgお よ びTF3の,百 緑 茶,紅 茶,プ コ ー ヒ ー,200μg/mlのEGCgお ぞ れ 等 量 混 和 し,37℃ の それ で15分 間 処 理 し た.こ 示 す よ うに非 常 に強 い 殺 菌 活 性 菌 液 に お い て, も,48時 間 目ま で に 完 全 に 殺 菌 さ れ た.そ れ 以 下 の 濃 度 で は,48時 の 完 全 な殺 菌 に は至 ら なか っ た が,茶 れ ら Fig. 2 Bactericidal against B. cultured 処 理 菌 液 お よ び 対 照 無 処 理 菌 液 を15,000回 転 で5 に 希 釈 し た. 前 に 培 養 液 を 除 去 し,PBSで 2×104/wellのHeLa細 洗 浄 した 胞 お よ びCHO細 間 以内で の濃 度 に 依 胞 の各 in containing tea or activity pertussis. a a) d) counted at geometric 0, at tea, 37•Ž. 1, 3, 24 mean of and at tea 108/ml 100,ul/well green coffee of 5•~ of b) S 48 least & black Viable and coffee bacteria tea, cell hr. were S medium c) pu-erh numbers were point shows Each 3 repeated ●; 0.5%, experi- ments. 4ウ ェル に,こ の 処 理 希 釈 菌 液 各20μlを 添 加 し, 37℃ で45分 間 接 触 さ せ た.つ づ い て これ ら各 ウ ェ ル に180μlの1% CAを 菌 を 回 収 し,さ 添 加 し て 上 清 の 浮 遊 百 日咳 ら に 温 和 なTrypsin処 胞 付 着 百 日咳 菌 を 回 収 し た.回 ○; 10%, △; 5%, □; 2%, a) Green tea b) Black 理 に よ り細 菌 活性の場 れ ら の菌 液 を 無 細 胞 ウ ェ ル に 添 加 し て 同 様 に 測 定 し た と こ ろ,用 いた 条 件 下 で は 殺 菌 活 性 に よ る著 しい 生 菌 数 の 減 少 や,ウ 7) ェ ル へ の 非 特 異 的 な 吸 着 は み ら れ な か っ た. 百 日 咳 毒 素LP活 2%の TF3を 緑 茶,紅 茶,お 性 に 対 す る不 活 化 作 用 よ び200μg/mlのEGCg, そ れ ぞ れ,10μg/mlお c) よ び2μg/mlのPT と 等 量 混 和 し た.5μg/mlと1μg/mlのPT溶 液, 生 理 食 塩 液 の 各 対 照 お よ び 上 記 検 体 ・PT混 液 の 各 々0.5mlを,1群5匹 4週 齢)の 腹 腔 内 に 投 与,3日 の マ ウ ス(ddY, ♀, 後 に メ ラ ンジ ュ ー ル を 用 い て 各 マ ウ ス の 尾 静 脈 か ら 採 血 した.採 取 した 血 液 を 型 通 り に チ ュ ル ク 液 に 浮 遊 し,ノ イ バ ウ ア ー の 血 球 計 算 盤 を 用 い て,鏡 検 下,リ お よ び 白 血 球 数 を 併 せ て カ ウ ン ト し た. 平 成4年5月20日 ンパ 球 数 ▲; trol 収 した 上 清浮 遊 お よ び 細 胞 付 着 百 日 咳 菌 の 生 菌 数 を,殺 合 と 同 様 に カ ウ ン トし た.こ 間 まで 継 続 的 な菌 の増 殖 が み られ た.こ れ に 対 し, 緑 茶 はFig.2aに ァ ー ル 茶, よ びTF3と 分 間 遠 心 洗 浄 し た 後,1%CAで100倍 日咳 菌 2に 示 す よ うに茶 抽 出液 無 添 加 対 照 で は,48時 が 認 め られ ず,5%で 濃 度 を 分 光 光 度 計(日 際 濁 度 単 位 に 調 整 し た.こ つ を,2%の 百 日咳 菌 10%の 濃 度 で は,培 養1時 間 目で 既 に生 菌 の 検 出 間 培 養 し た 百 日 咳 菌1相 浮 遊,菌 立,U-1100)で0.1国 そ し て,直 よ びTF3の を 示 し,出 発 時5×108CFU/mlの 培 養 細 胞 へ の菌 付 着 抑 制 作 用 B・G培 績 1) 茶,コ ー ヒ ー,EGCgお の 増 殖 像 に 対 す る影 響 を 検 討 した.そ の 結 果,Fig. で 培 養 し た.培 24時 間 お よ び48時 間 目 に,各 ウ ェ ル か ら培 養 物20μlず Misra 成 0.1mg/ 記 希 釈 菌 液50μl 織 培 養 用 平 底Microplate ル 中 で 等 量 混 和,湿 0.4, Pu-erh tea d) Coffee tea Con- 堀内 善信 他 602 存 して 生 菌 数 の 減 少 が認 め られ た. 紅 茶 の 場 合,Fig.2bに うに,1mg/mlで,EGCgで 示 す よ うに10%で 時 間 目で 生 菌 の検 出 が認 め られ ず,そ は,24 め な か った.そ れ 以 下 の濃 度 で も,茶 の濃 度 に依 存 して48時 間 ま で 継 続 的 な れ 以 下 の 濃 度 で も,茶 同様,そ れ ぞ れ 濃 度 依 存 的 な殺 菌 効 果 が み られ た. 生 菌 数 の 減 少 が み られ た. 2) 培 養 細 胞 へ の 菌 付 着 抑 制 活 性 プ ァ ー ル茶 の 場 合,Fig.2cに み られ る よ うに, 48時 間 以 内 で の 完 全 な殺 菌 に は10%の た.そ は24時 間 で,ま たTF3 で は48時 間 で 完 全 な殺 菌 に至 り,生 菌 の検 出 を 認 れ 以 下 の濃 度 で は,2%ま 次 に菌 定 着 に対 す る阻 止 の 可 能 性 を探 るた め, 濃 度を要 し で は,48時 培 養HeLa細 間ま 胞 お よ びCHO細 胞 へ の 百 日咳 菌 の 付 着 に 及 ぼ す 緑 茶,紅 茶,EGCgお よ びTF3の で濃 度 に依 存 した 継 続 的 な 生 菌 数 の減 少 が 認 め ら 制 能 に つ い て 検 討 した.こ れ た が,0.5%で ンで 処 理 した 菌 液 の100倍 希 釈(103CFU/ml)に は 十 分 な殺 菌 活 性 ば み られ な か っ た. れ らの 茶 お よび カ テ キ い て細 胞 付 着 能 を調 べ た と ころ,Table コ ー ヒー で は ,緑 茶10%で は み られ な か った が,10%お 見 られ た 急 速 な殺 菌 Table よ び5%で 胞 お よびCHO細 目 まで に完 全 な 殺 菌 が認 め られ,さ は24時 間 らに,2%の 抑 つ 1お よ び 2に 示 した よ うに,緑 茶 と紅 茶 は,HeLa細 胞 の いず れ に 対 す る 菌 付 着 を も 強 く抑 制 した.一 方,EGCgお よびTF3の 低 濃 度 で も48時 間 目ま で に 完 全 な殺 菌 が 認 め られ 用 い た条 件 下 で は,HeLa, た(Fig.2d),す へ の菌 付 着 に対 して も,顕 著 な 抑 制 を示 さ な か っ なわ ち,コ ー ヒ ーの 場 合,殺 菌 有 CHOの 場 合, いず れ の 細 胞 効 濃 度 や 殺 菌 速 度 か らみ て,こ れ ま で 示 した 他 の た.さ らに104CFU/mlの 茶 とは,殺 つ い て も検 討 した と こ ろ,細 胞 付 着 お よび 上 清 浮 菌 活 性 の機 作 が 異 な る可 能 性 が 考 え ら れ た. 処 理 菌 液 を用 い た 場 合 に 遊 の 各 菌 数 は,用 い た 菌 濃 度 に 依 存 して そ れ ぞ れ 茶 成 分 の うちEGCgお よびTF3が,既 菌 性 下 痢 症 起 因 菌 の場 合 と同 様,百 て も殺 菌 活 性 を 示 す か 否 か を,茶 検 討 した.そ の 結 果,Fig.3aお Fig. 3 or b) shows の場 合 と 同様 な結 果 で あ った. と同 様 の方 法 で 3) 百 日咳 毒 素LP活 よび3bに 示 した よ were TF3. 約10倍 に 増 加 した が,付 着 抑 制 に つ い て は103/ml 日咳 菌 に対 し Bactericidal bacteria 報8)の細 activity cultured Viable geometric cell mean a) ○; 1mg/ml EGCg, b) ○; 1mg/ml TF3, a) EGCg of in △; △; and a 100ƒÊl/well numbers of EGCg 百 日咳 毒 素 は,百 at were least 200μg/ml 500μg/ml TF3 of S counted S at 3 repeated B. medium 0, 1, 3, 24 日咳 発 症 の 上 で 重 要 な役 割 を pertussis. 5•~ 108/ml containing a) EGCg Each point and 48 hr. experiments. EGCg, TF3, against & 性 に対 す る不 活 化 作 用 □; □; 50μg/ml 100μg/ml EGCg, TF3, ●; ●; Control. Control. b) TF3 感染 症 学 雑 誌 第66巻 第5号 茶,カ テ キ ンの抗 百 日咳 作用 Table 1 EGCg Inhibitory and TF3 tussis to HeLa 1): Geometric 2): Significantly 1%CA tions 37•Ž of 1% black for B. pertussis were 100ƒÊg/ml and min. and as 2 Inhibitory EGCg and TF3 1): Geometric from tea, supernatant expressed Table per- of green tea, black tea, of Bordetella viable adherent with 100 229 number of to the cells green TF3 times. HeLa mean 1% 100ƒÊg/ml The cells was of two at in four the 結 果,Table and wells. 3に 示 した よ うに5μg/mlのPTに 対 して,1%緑 びTF3は 担 うも の と考 え られ て い る.そ て,緑 茶,紅 茶,EGCgお 茶,紅 茶 は全 く不 活 化 作 用 を 示 さ つ い て,百 日咳 毒 素 に 対 す る不 活 化 能 の 検 討 を 行 った.そ 3 Inhibitory 1): Geometric 5ƒÊg/ml the expressed 平 成4年5月20日 mean of five PT, 1ƒÊg/ml concentrations injected with as action of promoting PT 0.5ml geometric mice in the of each mean tea, (control) table. mixture counts 不 活 化 作 用 を 示 した.一 black of pertussis 2): or saline shown green activity Five and 95% was mixed bled of leuco-lymphocytes EGCg and TF3 on the leuco- interval with old 3 days green female later. per tea, ddY The ,al black mice tea, were residual of the blood EGCg or TF3 intraperitoneally LP 匹敵す る 方,EGCgは5μg/mlの toxin confidential of 4 weeks were tea, こ ろ が, 用 い た 場 合,緑 茶 は や は り不 活 化 作 用 を 示 さ な か った が,紅 茶 はTF3に の よ と も に 顕 著 な 不 活 化 作 用 を 示 し,特 に 強 い 不 活 化 作 用 が 認 め られ た.と 1μg/mlのPTを 性を指標 とし よ びTF3に lymphocytosis TF3に こで,代 表 的 な百 日咳 毒 素 活 性 の 一 つ で あ るLP活 as 1. except for using CHO cells. dilu- counted or in Table or in wells bacteria mean な か った.こ れ に 対 して,100μg/mlのEGCgお Table per- 2): Significantly different from control (p= 0.05) The experiment was carried out in the same manner (p=0.05) treated diluted with a geometric control EGCg, were The action on adherence tussis to CHO cells co-incubated 45 tea, of Bordetella cells different (control) were of green tea, black mean 106CFU/ml tea, action on adherence 603 activities samples. were at 堀 内 善信 他 604 PTの 場 合 と異 な り僅 か な不 活 化 作 用 し か 示 さ な か った. し か し,殊 に 紅 茶 とEGCgの が,PTの 考 近 年,健 濃 度 に よ っ て は 逆 転 を み せ た こ とか ら, これ らのLP活 察 康 に 対 す る 関 心 の 高 ま りと と も に,食 不 活化 作 用 の 強 さ 性 不 活 化 の機 序 に多 様 性 の あ る こ とが推 察 され る.ま た,緑 茶,紅 茶 ま た はEGCgの 品 の 生 体 調 節 機 能 に着 目 した 研 究 が 多 くみ られ る 腹 腔 内 投 与 に よ って,マ よ うに な っ た.我 々6)7)は,50種 以 上 の 食 品 を ス ク 白血 球 の 増 多 が観 察 され た.こ の こ とは,緑 茶 お リー ニ ン グ した 結 果,茶 よ び紅 茶 の 多 様 な 成 分 やEGCgが,末 や コ ー ヒー が,多 くの細 ウス 末 梢 リンパ 球 お よび 梢 リン パ球 菌 性 下 痢 起 因 菌 に対 して 抗 菌 作 用 を有 す る こ とを や 白血 球 に対 して 生 理 活 性 を 有 す る こ とを 示 す も 報 告 した.ま の と考 え られ る.こ の 活 性 と,緑 茶 お よ び紅 茶 が MRSA13)に た,茶 や カテ キ ン が 皮 膚 糸 状 菌12)や 対 し て も 殺 菌 作 用 を 有 す る こ とを 報 十 分 量 のEGCgやTF3を 有 して い る に も か か わ らず,5μg/mlのPTに 告 した. 今 回,茶 お よ び コー ヒ ーが,さ らに,呼 吸器 感 染 症 起 因 菌 の 一 つ で あ る百 日咳 菌 に 対 し て も殺 菌 活 性 を 有 す る こ とを見 い だ した.ま た,そ の殺 菌 対 し てLP活 性不 活 化 作 用 を示 さ な か った こ と との 関 連 は不 明 で あ る. 以 上,茶 類,EGCgお に対 して,殺 よ びTF3が 菌,菌 定 着 阻 止,あ 百 日咳 菌 感 染 るいは毒素不 活 活 性 は濃 度 依 存 的 で あ り,コ ー ヒ ーの そ れ は殺 菌 化 を通 じ て防 御 的 に働 き得 る可 能 性 が 示 され た. 時 間 や 有 効 濃 度 か らみ て,茶 今 後 さ ら に,百 とは作 用 機 作 が異 な 日咳 毒 素 の 他 の 活 性 に 対 す る不 活 る こ とを うか が わ せ た.ま た,茶 成 分 の うち,主 化 の 可 能 性 や,飲 な 有 効 成 分 と考 え られ たEGCgお 検 討 な ど,実 用 化 に 向 け た 研 究 を行 うこ とは,日 よびTF38)は, 用,噴 霧 吸 入 とい った 投 与 法 の 百 日咳 菌 に対 し て もや は り強 い殺 菌 活 性 を示 す こ 常 飲 用 し て い る茶 の 安 全 性 の 実 績 か らみ て も意 義 とを 確 認 した. あ る もの と考 え られ る. 文 献 Prevention with use of vaccines と こ ろ で,我 々14)は,茶が イ ン フル エ ン ザ ウイ ル ス の培 養 細 胞 へ の 感 染 を 阻 止 す る こ と を 報 告 し た.ま た,Relmanら20)は 1) Wright, P. F.: -Pertussis 百 日咳 菌 の様 々 な病 原 因 子 欠 損 変 異 株 の 定 着 能 を,CHO細 of the problem 胞 お よび家 兎 Infect. 気 管 上 皮 細 胞 を 用 い て 解 析 し,用 い た 継 代 細 胞 と 2) Kanai, CHO細 こで,わ れ わ れ はHeLa細 胞 を 用 い て 緑 茶,紅 茶,EGCgお よ びTF3 の 細 胞 へ の 百 日咳 菌 付 着 抑 制 能 を検 討 した.そ の 結 果,緑 茶 お よ び紅 茶 が,常 用 飲 用 濃 度 の5分 の 1の=濃 度 で も,強 い菌 付 着 抑 制 作 用 を 示 す こ とが 明 ら か に な った.一 方,EGCgお よ びTF3は,殺 菌 活 性 の場 合 と異 な り,用 いた 条 件 下 で は ほ とん ど菌 付 着 抑 制 作 用 を示 さず,殺 菌 活 性 と菌 付 着 抑 制 作 用 で は,互 い に 関 与 す る茶 成 分 の 有 効 量 も し くは 種 類 に違 い の あ る こ とが 示 唆 され た. 次 に,百 日咳 が 毒 素 性 疾 患 の一 つ で あ る と考 え られ て い る こ と か ら,茶,EGCgお よびTF3に る百 日咳 毒 素 不 活 化 の可 能 性 を 探 った.ま 活 性 に対 す る作 用 を観 察 した 結 果,茶 ろEGCgやTF3に よ -143 and prospects Japan's for control. Rev. 1991. evidence and vaccination in pertussis in the past thirty Jpn. J. Med. Sci. Biol., 33: 107 , 1980. 3) Fine, P. E.M. & Clarkson, J. A.: The recurrence of whooping cough: Possible implications for assessment of vaccine efficacy. 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Black tea showed slight but significant inactivation of the activity, whereas green tea showed no inactivation. These results suggest that green tea, black tea, EGCg and TF3 might act as prophylactic agents against pertussis infection. 平成4年5月20日
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