Japan Aluminium Association Advanced, functional and creative aluminium for the future (社)日本アルミニウム協会 短期間で急成長した日本のアルミ産業は、 これからも飛躍を続けます。 総需要 (万トン) ボトル型アルミ缶登場(2000年) 000 400 オールアルミボディ自動車「NSX」登場(1990年) 300 コンピュータ磁気ディスク用アルミ基板 オールアルミ車両の東北・上越新幹線開通(1982年) 生産本格化(1983年) 乗用車用アルミホイール生産本格化(1981年) 200 オールアルミ缶登場、LNGタンクにアルミ採用(1971年) 100 乗用車用アルミ製ラジエータ登場(1969年) カラーアルミ板登場(1967年) 飲料缶にアルミ製ぶた登場(1966年) 印刷用アルミPS版登場(1965年) アルミ製鉄道車両登場(1962年) レディメードアルミサッシ登場(1959年) 0 1955 1965 1975 1985 1995 2006 年 アルミニウムの可能性に挑戦する AL INNOVATOR 広がるアルミニウム・ワールド アルミニウムの可能性に挑戦する AL INNOVATOR いつの時代も、先端のモノづくりを支える基礎素材。 それがアルミニウムです。 ボーキサイトから製品までの製造工程とマテリアルのフロー アルミニウムは、軽い、錆びにくい、さまざまな形に加工しやすい、熱や電気をよく通す、など他素材と比べて多くの優れた特性を持 ・共通の管理技術:安全、品質、TPM、原価 赤字は必要とされる主な技術 つ金属です。このような特性を生かし、アルミニウムは輸送機器、建築、機械、食品包装など、幅広い製品に不可欠な基礎素材として その用途を広げてきました。またアルミ製品を使用することにより省エネルギーが図れる、 リサイクルしやすい、などの特徴を生か し環境保全に役立つため、地球環境や人間社会と共生する金属として、大きな可能性を秘めています。 海外 ボーキサイト原料 これからも、モノづくりを支える基礎素材として、アルミニウムの世界はますます広がっていくことでしょう。 溶解・鋳造 熱延・冷延・熱/表面処理・切断 ・溶湯 ・溶湯処理 ・圧延・熱処理 ・表面処理・加工・制御 スラブ + + アルミナ 電 解 押出・引抜・熱/表面処理・切断 ・押出・引抜加工・熱処理 ・金型設計・制御 新地金 国際宇宙ステーション サッカースタジアム ビレット 日本を含む世界各国の共同プロジェクト「国際宇宙ステーション計画」で、日本は「きぼう」と名付けら れた宇宙船を提供しています。この船体はアルミ製で、軽量で耐久性にすぐれた構造となっています。 サッカースタジアムなどの大型施設でも、軽量なので建設工事が しやすく、いつまでもさびにくいアルミ建材が使用されています。 原料 配合 加工・組立 ・合金 ・製品 ・製造の設計 ・製品 ・加工 ・表面処理 ・品質保証 鍛造 ・鍛造 添加元素(中間合金) 再生地金 新幹線 ノートPC 超高層ビル 他機種との差別化を図るため、アルミボディの表面 に特殊な加工技術が施されています。 オフィスビルや高層マンションでは 窓サッシや内・外装材に、気密性とデ ザイン性の高いアルミ建材が使われ ています。 アルミニウムの鉄道車両は、軽量で大幅な省エネルギーが図れます。 現在作られている新幹線の車両は、すべてアルミ製です。 (溶解) ・鋳造/ダイカスト ・金型設計 ・熱処理 ・シミュレーション ・制御 デジタルカメラ 地金再生 メカニカルなデザインにふさわしい 光沢感は、アルミニウムの多彩な表 面処理技術が支えています。 インテリア家具 自動車 さまざまな形状に加工しやすいアルミ ニウムの特性を生かし、シャープな フォルムが実現します。 自動車では、CO2排出抑制や走行性能向上のためアルミニウムによる軽量化が 進んでいます。とくに高級車やスポーツカーではこの傾向が強く、 ボディパネル、 エンジンブロック、サスペンション、ラジエータなどのアルミ化率が高まっています。 アルミニウムとは ●原子番号13、元素記号Al ●おもな特徴:軽い(比重2.7。鉄の3分の1)、強い(比強度 が大きい)、耐食性がすぐれる、加工性がよい、磁気を帯び ない、熱や電気をよく通す、低温に強い、毒性がない、光や 熱を反射する、 リサイクルしやすい、など。 ●原料はボーキサイト(鉱石)で、 ここからアルミナ(Al2O3) を抽出し、 これを電気分解することによりアルミニウムが 得られる。 ●製品に使用されるアルミニウムは、アルミニウムに他の元 素を添加して、強度を高めるなど特性を向上させたアルミ 合金がほとんどである。よく知られている「ジュラルミン」 は、 アルミニウムに銅、マグネシウムなどを添加したアルミ 合金の名前である。 回収 スクラップ アルミニウムの特徴 1 軽い:比重は鉄や銅に比べると約1/3 2 強い:比強度(単位重量当たりの強度)が大きい 3 耐食性がよい:空気中で緻密で安定な酸化皮膜を 生成 10 光や熱を反射する:放射エネルギーの90% 以上を反射 11 美しい:アルマイト処理で各種の色をつけられる 12 鋳造しやすい:低融点であり、湯流れがよい 4 加工性が良い:塑性加工しやすい 13 真空特性がよい:真空到達性能が高い 5 磁気を帯びない:非磁性体で磁場に影響されない 14 接合しやすい:各種の接合技術で容易に接合 6 電気をよく通す:導電体として極めて経済的な金属 15 再生しやすい:新地金の3%台のエネルギー 7 熱をよく伝える:熱伝導率は鉄の約3倍 8 低温に強い:極低温下でも脆性破壊がない 9 毒性がない:無害・無臭で衛生的である で再生 アルミ圧延品 ■アルミ板材:厚み500∼600mmのスラブ から圧延ロールで板厚を薄くする。 ●板厚区分: ・厚板:板厚6mm以上(熱間圧延上がり) ・薄板:板厚6mm未満(冷間圧延上がり) ・箔:板厚0.006∼0.2mm(箔圧延上がり) ●最大コイル:幅2,650mm×重量22トン ●最大コイル外径:2,540mm ●製品形状区分:コイル条・シート、円板など ■コイル ■シート ■アルミ押出形材 断面形状例 日本のアルミ産業(特徴) ●短期間で445万トン/年に急成長した産業 ●グローバル化対応 アルミ元素が発見されたのは1807年、工業生産が始まっ 家電、 自動車等国際的に競争力があるユーザーの海外生産 たのは1886年のことです。日本のアルミ産業は戦後数万ト に伴い、自動車用熱交換器、 レーザービームプリンター・複写 ン規模の需要でしたが、高度経済成長期(昭和30∼40年代) 機用感光ドラムシリンダーなど現地会社からの高品質のアル に飛躍的に増大し、その後国内アルミ製錬が撤退したものの、 ミ素材、高性能な加工への要請に対応すべく日本の企業が海 今日までの約60年間で順調な発展を遂げ年間約445万トン 外に進出しています。 規模の需要量(非鉄金属では第1位)を維持しています。 また、建材サッシなどの汎用品は、海外市場のニーズに応じ 最近の日本のアルミ新地金の消費量は、中国、米国につい て日本の企業が海外で生産を行っています。 で世界第3位であり、一人当たりのアルミ消費量は年間約 30kgと世界トップクラスとなっています。 ●未来ある素材 アルミニウムは、現在、多くの分野で不可欠な金属材料とし 資源 : アルミニウムの資源寿命は鉄、銅などより長く、現在、 て重要な役割を果たしています。同じ金属でも、紀元前から使 約200年と言われていますが、循環型材料の創製が 用されてきた鉄や銅に比べると、アルミニウムは短い期間に 進むと資源として永続出来ます。 急速に成長し、普及した材料といえます。 ●環境に優しい素材 製造 : 新製錬法、高速溶湯圧延、ハイブリッド接合、新表面処 理、 シミュレーション、 リサイクル、省エネなどの製造 プロセス分野および高強度・高成型性材料、先端複合 輸送材料の軽量化にアルミニウムは最も適した材料であり、 材料などの製品分野で革新的な技術開発が期待さ 自動車の燃費改善を背景に軽量(アルミ)化が順調に進んでい れています。 ます。今後、 ボティパネル・バンパーなどのアルミ化および、そ 用途 : 世界中で、自動車のボディパネル、バンパー、スペース れに伴うエンジン・足回りも含めた究極の軽量(アルミ)化を行 フレームなどへの大きな需要拡大が見込まれていま うと、 これだけで全体のCO2排出量の1%削減が期待できます。 す。また、建築構造物へのアルミニウムの適用により、 また、 アルミニウムをリサイクルする時に必要なエネルギー 長寿命、 リフォーム、耐震、 リサイクルなどの優れた特 は新地金製造時に比べてわずか3%台と少なく、再生地金に よる省エネルギー効果は927万ton-CO2/年と大きいため、 期待されます。 性が期待されています。更には宇宙基地への適用が 資源の節減に役立ちます。日本国内に製品として7年分が都 市鉱山として備蓄されており、今後もリサイクル拡大は重要な 課題であります。 ●世界トップレベルの技術力を誇る日本のアルミ産業 日本のアルミ産業の歴史を振り返ると、アルマイト(陽極酸 化処理)、 ジュラルミン(Al-Cu-Mg合金の一種)など世界的な研 究開発の成果を残してきました。現在でも溶湯処理、圧延技術、 熱処理技術、成形加工技術など、世界トップレベルの技術を保 有しており、自動車産業やIT産業の高度化に大きく貢献してい ます。 多くのアルミ製品が期待される宇宙基地 協会における人材育成事業などのご案内 提供:NASA (日本アルミニウム協会HPに掲載しています) 1. アルミニウム研究助成 3. 新規開発商品の素材提供および加工依頼ご相談コーナー アルミニウムを研究する博士課程への進学確定者、博士課程在籍者を 含む40才未満の優秀な研究者に対し、使途自由で1年目50万円、2年 目30万円を助成します。 新たにアルミニウムを用いた製品の開発を支援することを目的として、 アルミニウム素材の入手や加工に関するメーカーの相談窓口に連絡し ます。 2. 特別出張講座 4. アルミニウム材料データベース 各大学の材料系学科を対象に大学の要請に基づいてアルミ産業にお 材料エンジニアリングデータ、アルミニウムハンドブック、技術資料など ける産業の歴史、研究開発、プロセス技術開発、製品技術開発、新素材 開発、工場見学など用意した標準メニューを基に個別調整致し、特別出 張講座を実施します。 を提供しています。 アルミ製品、アルミ産業へのご質問、人材育成についてのお問い合わせは 社団法人 日本アルミニウム協会 〒104-0061 東京都中央区銀座4-2-15(塚本素山ビル7階) TEL 03(3538)0221 http://www.aluminum.or.jp 2007.12.PR-O
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