薬事関係法規Ⅱ

薬事関係法規Ⅱ
[健康・漢方・医療]4 年次 (後期) 1 単位(必修) 講義
喜多代晋
〔授業概要および目標〕薬事関係法規Ⅰでは、わが国の社会医療制度の現況、薬剤師法、薬事法について学んできたが、薬事関係法規Ⅱでは、
次のステップに入ります。薬剤師が率先して適正管理を行いたい毒物や劇物の取扱い、麻薬・向精神薬・あへん・大麻・覚せい剤など薬物
犯罪を引き起こすおそれのある薬物を取締る麻薬関連法規、さらには私たち医療人にとっての基本法ともいうべき医療法や医師・歯科医師・
看護師等の身分法、わが国の国民皆保険制度を維持していくための各種健康保険法、高齢化社会に向けて安心な社会生活を営むための介護
保険法や高齢者医療制度を理解し、社会の中に薬剤師がどのような関わりをもっていくかを理解していく。
〔授業計画〕後期
方略
コアカリ
SBO 番号
回
項目
到達目標(授業内容)
1
麻薬及び向精神薬取
締法1
麻薬及び向精神薬取締法を概説し、規制される代表的な医薬品を列挙できる。
C18(1)3-1
2
麻薬及び向精神薬取
締法2
麻薬及び向精神薬取締法を概説し、規制される代表的な医薬品を列挙できる。
大麻取締法及びあへん法を概説できる。
3
4
覚せい剤取締法
覚せい剤取締法を概説し、規制される代表的な医薬品を列挙できる。
毒物及び劇物取締法
1
毒物及び劇物取締法を概説できる。毒物・劇物・特定毒物の対象となる物質
とその取扱い、責任者・施設について理解する。
C18(1)3-1
C18(1)3-3
C18(1)3-2
C18(1)3-4
5
毒物及び劇物取締法
2
毒物及び劇物取締法を概説できる。毒物・劇物の製造、販売、輸出入、貯蔵、
運搬、廃棄の方法を理解する。
C18(1)3-4
6
医療法
薬剤師に関わる医療法の内容を説明できる。医療提供の理念、関係者の責務
を理解し、併せて、病院・診療所の開設手続、病診連携、病薬連携、地域医
療計画などを理解する。
C18(1)1-1
C18(1)2-4
7
医師法等
医師法、歯科医師法、保健師助産師看護師法などの関連法規と薬剤師の関わ
りを説明できる。
C18(1)2-5
8
健康保険法1
医療保険の成り立ちと現状を説明できる。保険医療の仕組み、保険医療機関・
保険薬局の指定、保険医・保険薬剤師の登録について理解する。
9
健康保険法2
医療保険のしくみを説明できる。療担規則及び薬担規則を理解し、厚生労働
大臣及び都道府県知事の保険医療機関等への指導大綱を理解する。
C18(2)2-1
C18(2)2-2
C18(3)3-1
10
健康保険法3
医療保険のしくみを説明できる。診療報酬、調剤報酬、施設基準、薬価基準
制度について理解する。
11
高齢者の医療の確保
に関する法律
高齢者医療保健制度のしくみを説明できる。後期高齢者医療制度の目的、対
象者、給付の内容、費用負担の問題等を理解する。
12
介護保険法
介護保険制度の仕組みを説明できる。目的、対象者、介護サービスの種類、給
付の内容、費用負担を理解する。
13
14
総合演習
C18(2)3-2
C18(2)3-3
C18(3)3-4
C18(2)1-4
C18(2)1-3
試験
〔評価方法と基準〕定期試験を中心に、出席状況等から総合的に評価する。
〔学生の質問への対応〕1.オフィスアワー(月曜から金曜の午後 2∼5 時、場所:本部棟 305)
2.E-mail : [email protected]
〔教科書〕薬事衛生研究会(2009∼10 年版)
『薬事関係法規及び薬事関係制度解説』薬事日報社、日本公定書協会(2009 年版)
『薬事衛生六
法 学生版』薬事日報社 薬事衛生六法は、すでに所有している者もいますが、最近頻繁に改正が行われているので、できるだけ最新版が望
ましい。
〔参考書〕厚生労働省(平成 20 年版)
『厚生労働白書』ぎょうせい、厚生統計協会(2008 年版)
『国民衛生の動向』廣済堂、武田正一郎(2009
年)
『薬事ハンドブック』じほう、日本薬剤師会(2008 年)
『保険薬局業務指針』薬事日報社、日本公定書協会(平成 19 年)
『麻薬・向精神
薬・覚せい剤管理ハンドブック』じほう 月刊薬事、日本薬剤師会雑誌、病院薬剤師雑誌、薬事日報などに参考になるものが多数掲載されて
います。
〔担当教員からのコメント〕薬事関連法規は、将来、薬局薬剤師、病院薬剤師を目指す者だけでなく、薬事関連の企業等で勤務する者にとって
も大切な事項が数多く含まれています。これらの法律や制度を理解しておくことが、社会において良識のある医療人として信頼を得られる
者につながると考えております。法律は、覚えるのが難しいという者がおりますが、法律を学ぶということは、単に条文を丸暗記すること
ではなく、そこに書かれた内容を受け入れて理解することが重要だと考えております。法律には常にその制定や改正の背景があるからです。
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