ライカQ

有効約2400万画素フルサイズCMOSセンサー
EVF、
光学式手振れ補正機構
Wi-Fi、
NFC
ISO100∼50000
フルHD動画対応
3 型約104万ドット背面液晶
本体幅約130×高さ80×厚み93㎜
撮影時質量約640g
撮影データ
絞りF1.8
シャッター速度:1/16000秒
感度:ISO400
撮影モード:マニュアル設定
どうもスマホの調子が悪いので買
い替え⋮⋮そろそろあのレンズ手
に入れておかないと⋮⋮あ、
オイ
ル交換が⋮⋮っていうワザワイが
押し寄せカードの支払が逼迫しつ
つあるこの秋。
なんとかミクスは
いまだ我がもとには遠くも、
風心
地よし珈琲美味し。
善き哉。
写真と文
織本知之
ライカQを携えて海辺を歩いていると、
綺麗な野良猫に出会った。
触れるか
触れないかの微妙な距離感で様子を伺う仕草が可愛い。
「おお、
そうか。
これ
がライカが出会いを呼ぶってヤツだな」
と納得し 2 、3 枚撮らせてもらう。
絞りを開けて背景をボカして立体感をだそうとしたところ、
見事に思い通
りの効果に。
打てば響く、
そんな気持ちの通じるカメラです。
我
が国は長らくドイツをお手
本にしてきた歴史があります。
とくに自動車、カメラ方面は顕
著で、ほかにも航空機や銃器軍事、
政治、経済、文化、医学と多くの
影響を受けてきました。すると、
い
ったいどうなるかというとあたし
なんかはドイツ製っつうだけでも
うありがたくてありがたくて。な
んまんだぶなんまだぶ、ダンケシ
ェ、となります。
なかでも三大ありがたジャーマ
ンアイテムは高級ドイツ車、高級ド
イツカメラ、高級ツヴィリング包丁
でございます。車のほうは前号の
﹃モノ・マガジン﹄
︵2015 - 2号︶
。
また包丁のほうもやはり弊社刊
﹃ツヴェリング読本﹄で堪能いただき
まして、カメラのほうはぜひ、我が
﹃電子寫眞機戀愛﹄
にてご賞味いただ
けますように、
今回はライカのライ
ンナップから高級コンパクトのラ
イカQをご紹介いたしましょう。
まずはライカQの外観写真など
からご説明いたしますと、まあこ
れがじつにすっきりとしたという
か、シンプルというか、もうちょ
っとメカニカルな感じでゴツゴツ
してる外観のほうがオジサンとし
てはうれしいな⋮⋮って物足りな
く感じることでしょう。ええ、写
真だとボディラインにもうすこし
凸と凹が欲しく感じるのですよ。
でもね、実物の感触だとその感
想はまるで違ったモノになるんで
すな。無垢のアルミニウムブロッ
クから削り出された上質なトップ
カバーやマグネシウム合金のボデ
ィからは、上質さがにじみ出てお
るのでございます。触れた瞬間に
それが伝わります。
そしてこのカメラを構えたとき
に、右手親指のあたる肩の部分が
トパンター。わからないレディま
たはフラウはググってみてくださ
い。
﹁あっ︵納得︶
﹂となるでしょう。
﹃ガールズ&パンツァー﹄でいう
と黒森峰女学院の保有戦車ですね。
これで﹁あっ︵納得︶
﹂となったら
それはそれで問題です。
さて、基本性能はクラスを越え
て極めて高いレベルにあるこのラ
イカQですが、操作性能や描写力
のほうはどうでしょう?
人間が
作るモノなので国が違えども、そ
うそう違いはないはずなんですが、
たまーにありますよね、スイスア
ーミーナイフの缶切りがなぜか押
して切るタイプでしばしまごつく
とか、
ドイツ車のウインカーが左右
逆なのでまごついたあげくワイパ
ーうごかしつつ車線変更してしま
いクラクション鳴らされるとか。
その点、ライカQはなんの心配
もいりません、すべての操作が合
理的かつ人間工学に基づき正確に
配置、システム化されているので
撮影までの手順は説明書が不要な
ほどであります。懐中電灯ですら
電池交換するのに説明書を読む私
が言うので間違いありません。ま
た、368万ドットの高性能EV
Fもビューチフル。構えた感じも
収まり具合も快適な電子ビューフ
ァインダーです。
そしてレンズの描写も大口径F
1・7らしく素晴らしくボケる。お
っと、まずボケを褒めたらピント
が合わないみたいだけど、自然に
背景の溶ける浅い被写界深度でピ
ントが際立つので素晴らしく立体
感を感じるのであります。
確かに購入には少々気合いの必
要な価格ではありますが、その価
値はありますぞ富裕層の皆々様。
お値段以上、ライカQ。
10
180
181
28ミリ 接写
スナップなど日常の撮
影では便利で楽しい28
ミリと正確で素早いコ
ントラストAFだけど、
たまには接写もしたい
なーっていうワガママ
をいうユーザーにライ
カも折れました。
今回
は最短30㎝、
さらにレ
ンズ根元の切り替えリ
ングで近接撮影機構に
スライド、
最短撮影距
離17㎝まで近寄れま
す。写真はMACROに
てマグロ……。
接写もお任せ
六
夜
約2400万画素35ミリ判フルサイズ、28ミリF1.7ズミルックス、
単焦点高級コンパクトという贅沢、ライカQ
製品写真/油科康司
(WPP)
ほんのわずかに削られサムレスト
になってることに気がつくはずで
す。ほんのわずかな変化にしか思
えないのですが、これが実にしっ
くりとカメラを握り構えることが
できる効果的なものだと知ったと
き、あなたも驚きを隠し得ないで
ありましょう。
我が国の美徳のひとつである慎
み深さとさりげない工夫。そう、
無
骨な焼き目の茶碗に加えられた陶
工によるほんの少しの親指のへこ
み⋮⋮そんな優しさを感じるライ
カQの握り心地なのであります。
ドイツ製だからってぜんぶマレー
ネ・ディートリッヒみたいなすご
いのばかりじゃないんです。いや、
そういうのもキライじゃないすけ
ど⋮⋮。
幅130㎜、高さ ㎜、本体質
量590g と小型ながら大口径レ
ンズを搭載したヤクートパンター
︵編注 第二次世界大戦当時のドイ
ツ軍中戦車︶みたいなライカQで
すが、中身のほうは約2400万
画素の ミリ判フルサイズCMO
Sセンサー画像をQ専用エンジン
が処理し、撮影感度はISO10
0からISO50000と高感度
撮影にも対応。ノイズレスなフル
サイズCMOSの余裕と搭載され
たライカ ズミルックス F1・7/28
レンズの組み合わせで
ASPH.
ローライトな撮影条件下でも最高
の描写を約束します。さらに光学
式手ブレ補正機構も内蔵、これに
よりシャッター速度にして約2・
5段もの効果が得られるのであり
ます。このコンパクトな機体内に
凝縮された高性能は完全にレンズ
交換式大型一眼レフを駆逐しにか
かってます。できないのはレンズ
交換だけです。これまさにヤクー
素早いオートフォーカスとキレの良
いシャッター、
適切なグリップと軽
快な質量。
そして滑らかで見やすい
368万ドットの高性能電子ビューフ
ァインダーでこのライカQは相当な
スナップ番長であります。
高速な10
コマ/秒の連写速度に頼らずともレ
スポンスの鋭さで瞬間を切り撮るこ
とができるカメラでありました。
ここがスゴイ
撮影データ
絞り:F4
シャッター速度:1/1000秒
(オート)
感度:ISO100
撮影モード:絞り優先オート
ボデイにくらべ大き
く感じるレンズはズ
ミ ル ッ ク ス 28㎜
f1.7。そりゃそうだ
よフルサイズでF1.7
の明るさだもの。
ラ
イカ定番の50ミリ
や35ミリでないの
がファンにとってど
う感じるかはともか
く、
シャープで立体
感のある描写力は流
石っス。
クロップで
35ミリ、
50ミリの画
角が選べますのでぜ
ひそちらもご賞味く
ださい。
ライカQ
28ミリ スナップ
凹んだサムレスト部
分。
これによりカメ
ラを薄く軽快な感覚
で握れる。
ボデイは
アルミニウムからの
削り出しとマグネシ
ウム合金による美し
いラインを描く。
な
でなでしていて飽き
がこない指に吸い付
くようなこの感触が
裸……じゃない、
ラ
イカの魅力なのだな
と感じた不惑の秋。
魅力の質感と操作性
る
す
を
戀
に
眞
寫
な
ん
こ
第
80
電子寫眞機戀愛
35
イ
ア
ン
レ
キ
ン
シ
ャ
シ
シ
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デ
㎜