POV-Ray 入門その 1

情報メディア導入ユニット(9 月 25 日分配付資料)
金曜日 3 限分
POV-Ray 入門その 1
情報メディア学科
佐藤尚
このドキュメントは、http://www.sato-lab.jp/ml2/01.pdfからダウンロードすることが出来ます。
9月25日(金)の授業教室について
教室
3505教室
3504教室
クラス
1,2組
3,4,5組
担当教員
長先生、西村先生
谷中先生、佐藤
来週以降の授業教室について
教室
3304教室
3402教室
3502教室
3504教室
3602教室
クラス
1組
2組
3組
4組
5組
担当教員
西村先生
長先生
谷中先生
佐藤
小坂先生
授業時に持参するもの
l
l
l
l
ノートパソコン
ACアダプタ
LANケーブル
教科書
1. この演習で体験すること
金曜日3限ではPOV-Rayを使って3次元CGに挑戦することにします。
POV-Ray(ポブレイと呼びます)は、世界中で使われている3次元CG用フリーソフトウェアの一つで
す。パソコンからスパーコンピュータまで、様々なコンピュータで利用できます。POV-Rayは、3
次元形状の形をプログラムのような方法で指定する(これをシーンファイルと呼びます)し、レイ
トレーシング法によって高品質な画像を生成することが出来ます。
今回は、POV-Ray入門の第1回目なので、ソフトウェアのインストールや簡単なシーンファイルの
作成を行います。
次回からは教科書を使用しますので、毎回持参して下さい。今日持っていない人は持っている人に
見せてももらって下さい。または、http://www.sato-lab.jp/ml2006/6th.htmlを参考にして下さい。
2. 今回の演習で使用する教材
POV-Ray をインストールするためには、POV-Ray 公式サイト(http://www.povray.org/)からダウ
ンロードする必要があります。 しかし、今回は授業を円滑に進めるために、このサイト内に準備
した、 www.sato-lab.jp/ml2/povwin362-32bit.msi をダウンロードして下さい。最新の POV-Ray
は 3.7 ですが、POV-Ray 本体とエディタを別々にインストールする必要があるので、一つ前の 3.62
を使用することにします。サンプルのプログラムは 3.7 でも動きますので、興味ある人は 3.7 を使
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っても良いかも知れません。
POV-Ray のインストール
作業手順
1.
2.
www.sato-lab.jp/ml2/povwin362-32bit.msiから、ダウンロードして下さい。
教科書p.184∼p.189を参考にして、ダウンロードしたファイルをダブルクリックしてイン
ストールを行って下さい。少し変わっているかもしれませんが、なんとかなると思います。
3. まずは使ってみよう
POV-Rayはシーンファイル(Scene File)というテキスト形式のファイルから画像を作り出します。
このシーンファイルの中には、物体形状の情報、カメラ(視点)の情報、光源の情報などを記述し
ます。下にシーンファイルの簡単なサンプルを示します。
シーンファイルの簡単なサンプル
#include "colors.inc"
#include "shapes.inc"
camera{
location < 0,10,-10 >
look_at < 0,0,0 >
angle 20
}
light_source{ < -10,10,-10 > color White}
light_source{ < 10,10,-10 > color White}
object{
Sphere
pigment { color Red}
}
POV-Rayでは次のような手順で画像を作り出します。
POV-Rayの起動
シーンファイルを書く
レンダリングの実行
画像ファイルの完成
4. シーンファイルの概略
先ほど入力したものを一部変えたサンプルを下に示します。
シーンファイルの簡単なサンプル
#include "colors.inc"
#include "shapes.inc"
←カメラ(視点)の設定です。
camera{
location < 10,5,-10 >
look_at < 0,0,0 >
angle 20
2
}
←ライト(光源)の設定、ライトは2本です。
light_source{ < -10,10,-10 > color White}
light_source{ < 10,10,-10 > color White}
object{
Sphere
pigment { color Yellow }
}
←3次元形状の設定です。
形の情報はobjectの中に書きます。
camera{
location < 10,5,-10 >
look_at < 0,0,0 >
angle 20
}
の部分で、カメラ(視点の設定)をしています。
コンピュータグラフィックスにおいて、物体やカメラの位置を表すのに、座標という考え方を使用
します。座標軸という目盛りのふられている軸を考え、その目盛りの数字の組み合わせで位置を指
定します。POV-Rayでは、位置を表すのに3つの数字の組み合わせ<x,y,z>で表すことが出来ます。
最初の数字をX座標、2番目の数字をY座標、最後の数字をZ座標と呼びます。POV-Rayでは、それ
ぞれの座標軸が次の絵のような位置関係になっています。赤色の軸がX座標、緑色の軸がY軸、青
色の軸がZ軸とおり、矢印の向いている方向へ行くほど、座標の値が大きくなります。この3つの軸
が交わっているところが原点です。数学などでは3次元空間の点の座標を表すのに(x座標の値,y座
標の値,z座標の値)と書きます。
"location{・・・}"の部分では、カメラの位置を指定しています。この例では(10,5,-10)という場所
にカメラが置かれています。
"look_at"の部分では、カメラが見ている場所を指定しています。この例では、カメラは原点の方を
向いていることになります。また、"angle"の部分では、画角を六十分法で指定しています。数字が
大きくなると広角レンズのようになります。
カメラの設定に関しては、教科書p.26∼p.27の説明も参考にして下さい。
"object{・・・}"の部分では、表示する形状や色などを指定しています。 この例では、物体形状と
してSphereとなっているので、物体の形状は中心が原点(0,0,0)で半径1の球となっています。 ま
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た、"object{・・・}"内の"pigment{color Yellow}"の部分で色を指定しています。この場合は、Yellow
なので黄色となります。
なお、座標軸の周りに回転するさいには、上の図の矢印の向きが正の向きになります。角度は六十
分法を利用します。左手を軽く丸め、親指が出る方向を軸の正の方向へ向けます。このとき、丸ま
っている指先の方向が正の方向となっています。
演習手順(povray を使って見る)
1. 「シーンファイルの簡単なサンプル」のシーンファイルを入力し、レンダリングを実
行して下さい。
2. レンダリングで出来た画像は、画像ファイルとして何処かに保存されています。どこ
に画像として保存されているかを調べて下さい。
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