主題 副題 『どうつきあう?無料通話アプリ』 ~文 字コ ミュ ニケ ーシ ョン の便 利さ と怖 さ ~ さいたま市立仲町 小学校 1. ねらい 近 年 、子 どもたちのメディア環 境 も大 きく変 化が生じており、スマートフォン等の長 時 間 使 用による生 活 習 慣 の乱 れや不 適 切 や利 用 による青 尐 年 の犯 罪 被 害 、さらにプライバシーの問 題 等 につながるケ ースが増えている。 本学級(6 年生)では、自 分専用の携帯電話を所 有している児童が 75%、うち 25%がスマートフォン であった。また、9 割 を超 える児 童 がインターネット利 用 経 験 をもち、中 には SNS(Face Book・Twitter 等)や無料通 話アプリケーション(LINE 等 )を利 用している児童もいた。利用 制限を付加 したり、家 庭 内 でルールを設 けたりするなど、利 用 に際 して注 意 を払 っているようであるが、ネット世 界 への入 り口 は子 どもたちのすぐ手の届くところにあり、正しい知識と的確な判断力 を育む指導 の必要性を強く感じた。 本 学 習 では、現 在 世 代 を問 わず大 流 行 している無 料 通 話 アプリケーション(以 下 「アプリ」と略 す) を めぐる実話をもとにした映像教材を用いながら、子 どもたち自身にも起こりうることとして、トラブルの回 避 策や情報化社会への向き合い方を考えることができるように指導していく。 2. 指導計画 (1) 自分専用の携帯電話・スマートフォンの所有、 インターネット利用経験の確認。スマートフォン・ SNSの基礎知識を学ぶ。 (2) 映像教材視聴(「リアルスマホストーリー」)。 (3) 無料通話アプリによるトラブルのケーススタディ。 (4) 「ネット上のコミュニケーション」についての話し 合い。学習のまとめ。 3. 授業実践例 (1) インターネット端末所有の実態、基礎知識の確認。 ・自分専用の携帯電話やインターネット端末 (音楽プレーヤー・ゲーム機等)の有無、利用経験 の実態を知るとともに、スマートフォンや SNSの利便性と危険性について確認する。 (2) スマートフォンによる無料通話アプリでのコミュニケーションの実態を学ぶ。 ・【NHK 番組『リアルスマホストーリー』~たった一言のちがいが…~(NHK for school よりネッ ト視 聴 が可 能 )】を活 用 し、無 料 通 話 アプリを使 ったコミュニケーションで実 際に起 きたトラブ ルを小学生の事例から学 ぶ。 (3) 無料通話アプリによるトラブルのケーススタディ ・同 番 組 の事 例 を基に、今 実 際 に起 きているSNSに起 因 する事 件 ・事 故の実 態 を学 ぶととも に、ネット社会との向き合い方や今後気を付けなければいけないことについて話し合う。 2015.1 1 仲町小 情報教育部 (4) ネット上のコミュニケーションのあり方について。 【活動のまとめ】 ① 本当に必要なコミュニケーションなのかを 考える(直接会って話せないの?)。 ② 「既読」や「返信」にとらわれすぎない。 ③ 書き言葉と話し言葉の違いに気を付ける。 (【?】マーク一つで意味が全く変わる) ④ 人が傷つくことや悪口は絶対に書かない。 (グループトークはいじめに発展しかねない) ⑤ 家族で利用ルールを決めて使うようにする。 ⑥ 何かあったら、大人に相談 する。 (5) 本時の学習感想を書く 4. 児童の学習感想 ・LINE などのアプリは、うまく付き合えばとても便利なものだけれど、使い方を間違えると恐ろし いものに変ってしまうということがよくわかりました。 ・今 日 学 んだことを生 かして、スマホを上 手 く活 用 していくことが大 切 だと思 いました。でも、で きるだけリアルなコミュニケーションをきちんととっていける力を養っていきたいと思いました。 ・気 軽に使えてすごく便 利なのにいろいろなトラブルが起きてしまうのは、使い方 が間 違 ってい るからだと思います。正 しい使 い方 でルールを守 りながら、自 分 でトラブルを防 げるようにした いです。今回の学習を今後の生活に生かしていきたいと思います。 ・この授 業 を受 ける前 は、スマホが欲 しいと思 っていました。でも学 習 を通 して、あまり欲 しいと 思わなくなりました。今、スマホがなくても普通に友達と楽しく過ごせるからです。 5. 成果と今後の課題 今 回 の学 習では、小 学 生の間 で起 きた実 例 を通 して、インターネット利 用のあり方 、特 に今後 子 ども たちが利 用 するであろう無 料 通 話 アプリやSNS(Social Networking Service)の落とし穴 を正 しく理 解 することができた。スマートフォンや無 料 通 話 アプリは、正 しい知 識 をもち、正 しく利 用 すれば便 利 なツ ールであるが、ただ便利 だからといって安易に利 用すると思わぬトラブルに巻き込まれる可能性もある。 管 理 者 がいない(監 視 されていない)LINE 等 のコミュニケーションの実 態 に子 どもたちは驚 いていた。 ルールを決め、大人と相 談しながら、インターネット端末を利 用していこうとする意識を醸成することがで きたと考える。 学 習 を通 して、「学 校で毎日 会 う友 達 と、毎日 夜 遅くまでコミュニケーションをとる必要 があるのか」や 「本 当 に伝 えたことは直 接 話 したほうが良 い」など、子 どもたちから健 全 な意 見 がたくさん出 てきた。こう した価値観や正しい判断 力を養う指導を今 後も継続 的に実践していきたい。 2015.1 2 仲町小 情報教育部
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