2.3 教職員は どう対応すべきか

2.3
教職員は
どう対応すべきか
ここで学ぶこと
・スマホ、SNSを生徒に利用させる際の注意点
・スマホ、SNSを生徒に利用させる際の考え方
・問題解決に向けた学校、自治体の実例
・学校、自治体の指導における注意点
スマホ、携帯、SNS の利用ルールを決める
第 4に、利用時間をコントロールすることです。ネッ
児童生徒へはスマートフォン、携帯電話、SNS の
き起こさないよう、オンとオフを心がけましょう。
利用ルールを、実際にあった事件事例と共に教える
第 5 に、ネットや SNS で知り合った知らない人
機会を持つべきでしょう。教員では対応が難しい場
とは会わないことです。素性や年齢、本心などを
合は、外部講師などに依頼することも必要です。
偽っている可能性があり、ネット上ではいい人でも
第 1 に教えたいことは、他人/家族も含めた個人
会いに行くと危険な目に遭う恐れがあります。
情報をネットや SNS 上に出し過ぎないことです。個
最後に、問題があったら保護者・教員などに相談
人情報とは特定の個人を識別できる情報のことで、
できる環境を作りましょう。児童生徒は問題があっ
具体的には氏名、住所、電話番号、生年月日、出身
た時は友人に相談する傾向にありますが、それだけ
校・在籍校、勤務先、家族構成、病歴、顔写真など
では問題が解決せず、悪化してしまいます。問題が
が該当します。家族や友だちの個人情報も、勝手に
起きた時点で保護者や教員に相談することで、悪化
公開してはいけないことを教えましょう。
を未然に防ぐことができます。保護者や教員に言い
第 2 に、自分に不利益な情報をデータで残さず、
づらい場合に備えて、公共の相談機関の存在も教え
他人にも渡さないことです。元恋人が付き合ってい
ておくといいでしょう(図 1)
。
る時に撮影したプライベートな写真や動画を、ネッ
児童生徒への指導教育と共に重要なのが、保護者
ト上に公開するトラブルも起きています。
との連携です。携帯電話やスマートフォンの購入、
第 3 に、誰かが不快に思う可能性があることは書
年齢や発達段階に応じたフィルタリングやペアレン
かないということです。特定の友達への悪口は相手
タルコントロール機能の導入などは、保護者の協力
を傷つけ、人間関係を壊します。また、ネットや
なしでは不可能です(32 ぺージ参照)
。そのために
SNS は多くの人が見る公共の場です。投稿する前に
は、児童生徒の利用実態や危険性などを保護者に伝
問題がないか見直す習慣を付けましょう。
えることも必要です。
相談機関・窓口
トや SNS の利用しすぎで睡眠不足や学力低下を引
受付内容
URL
違法・有害情報相談センター
(業務委託元:総務省)
ー
インターネット・
ホットラインセンター
(業務委託元:警察庁)
インターネット上の違法・有害情報の通報受付窓口。
http://www.internethotline.
通報内容は警察庁に情報提供される。また、サイト管
jp/
理者などへの送信防止措置の依頼も行っている
ー
身の回りのトラブル全般について相談できる
#9110
警察の相談窓口
都道府県警察の少年相談窓口
(警察庁 Web サイト)
ー
https://www.npa.go.jp/
都道府県別のいじめや少年犯罪に関する相談受付窓口
higaisya/shien/torikumi/
一覧
madoguchi.htm
都道府県警察本部のサイバー犯罪
都道府県別のサイバー犯罪に関する通報/相談窓口 https://www.npa.go.jp/
相談窓口一覧(警察庁 Web サイト) 一覧
cyber/soudan.htm
国民生活センター
情報セキュリティ安心相談窓口
(情報処理推進機構)
人権相談窓口(法務省 Web サイト
みんなの人権 110 番)
ー
ー
ワンクリック請求など、重要な消費者紛争を解決する
0570-064-370
http://www.kokusen.go.jp/
ための手続きを行う
(消費者ホットライン)
ウイルス、スパイウエア、ワンクリック詐欺といった https://www.ipa.go.jp/
マルウエアや不正アクセスに関する総合的な相談窓口 security/anshin/
03-5978-7509
いじめやインターネットでの誹謗中傷、プライバシー http://www.moj.go.jp/
0570-003-110
侵害などの人権問題について相談できる
JINKEN/index_soudan.html
図 1 インターネットのトラブルに関する公共の相談機関
30
電話番号
インターネット上の「違法・有害情報」などに関する
相談窓口。内容に応じたアドバイスや関連情報を提供 http://www.ihaho.jp/
している
第 2 章 「ソーシャル時代のコミュニケーション」