機械器具・工具の基礎知識セミナー②報告書 機械器具・工具の基礎知識

平成 27 年 10 月 22 日
マザックニシカワ 榎並梨緒
機械器具・工具の基礎知識セミナー②報告書
日時:平成 27 年 10 月 20 日(火) 15:30~18:00
場所:大阪トヨタビル 8 階
講師:大福伝導㈱ 福益社長、㈱東商店 東社長
参加者:渡邊、湊、戸田、題府、三木、瀬崎、中井、榎並
スケジュール: 15:30~16:40 駆動機器、伝達機器について
16:50~18:00 ベアリング、その他機器について
<内容>
駆動機器、伝達機器について(大福伝導㈱ 福益社長)
*伝導・伝動機器(Power Transmission Equipments)とは
主にモータ、チェーン、歯車、ベルト、プーリ、ベアリング、軸継手等の機器。
産業分野の機器やシステムの核として、動力を伝える重要な役割を担う機械要素。
(1)駆動機器
①モータ
周波数(50Hz/60Hz)及び極(ポール)数によって回転速度が異なるが、一定の回転速度で動く
もの。代表的なものとして、4 極(ポール:P)60Hz での回転速度は約 1800(r/min)。
②減速機付モータ
モータにギヤを組み合わせた機器を取り付けたもの。モータの回転速度の減速が可能。
モータに取り付けることでコンパクトになり、又、簡単に必要な回転速度が得られる。
③ベルト式・機械式変速機付モータ
モータにベルト及び特殊機構を使った機器を取り付けたもの。モータの回転速度を一
定の範囲内で変速が可能。攪拌機、コンベア等に多く使用されている。
(2)伝達機器
①軸継手(カップリング)
原動機の軸と従動側の軸とを直接つなぐ伝達機器にはカップリング(軸継手)とクラッ
チがある。軸継手とは、その結合を解くためには機械を止めて分解しなければならな
いもの。点検・修理時等以外は常に両軸を結合したままで良いようなところ(常時動力
を伝達するところ)に用いられる。一方、クラッチは動力を伝達及び遮断する機能を持
つもの。
●軸継手の分類及び種類●
分類
特徴
種類
(リジットカップリング)
二軸を完全に結合して、両軸心の狂いを許さな ・フランジ形固定軸継手
い。
・筒割形軸継手
たわみ軸継手
(フレキシブルカップリング)
軸心間の多少の狂いを許して二軸を結合出来
・フランジ形たわみ軸継手
る。
・金属ばね軸継手
歯車軸継手
(ギヤカップリング)
形状が比較的小さく、高速・高トルクに耐える。・ギヤカップリング
チェーン軸継手
(チェーンカップリング)
チェーンの取り付け、取り外しだけで軸の結
・ローラチェーンカップリング
合・分離が行える。
・プラスチックチェーンカップリング
ゴム軸継手
(ゴムカップリング)
振動・衝撃の吸収効果が大きく、二軸の絶縁が ・ジョータイプ
自在軸継手
偏心(平行誤差)及び偏角(角度誤差)が大きくて ・ユニバーサル軸継手
固定軸継手
(ユニバーサルジョイント)
可能。
・オルダムタイプ
も動力を伝えられる。
・軸付ユニバーサル軸継手
②ベルト伝導
軸と軸を直接つないで動力を伝えていくことに代わり、ベルトで間接的に伝える伝達方
法。ベルト伝導以外に歯車(ギヤ)による歯車伝導、チェーンによるチェーン伝導がある。
V ベルト伝導
V ベルトと V プーリの組み合わせでの伝達システム
歯付ベルト伝導(タイミングベルト伝導)
歯によってかみ合い動力を伝達するシステム
丸ベルト伝導
丸ベルト(ロープ)とプーリのセットでの伝達システム
平ベルト伝導
平ベルトと平プーリのセットでの伝達システム
★ベルトサイズ(長さ)の計算
L’p=2C+1.57(Dp+dp)+(Dp-dp)2/4C
L’p:ベルト概算長さ(mm)、C:軸間距離(mm)
Dp:大プーリピッチ径(mm)、dp:小プーリピッチ径(mm)
ベアリング、その他機器について(㈱東商店 東社長)
(1)ベアリング
①転がり軸受(産業機械には一番多く使われる)
玉軸受(点で接触)
、ころ軸受(線で接触)とがあり玉軸受がよく使われる。特に自動車。
②すべり軸受(ドライベアリングとも呼ばれ面での接触が基本。
樹脂タイプ、金属タイプ、樹脂・セラミック他に分類される。
★ベアリングの原理
(2)直動機器
モータから発生した回転運動を直線運動に変えていく機器。
精度を出すため、ベッドと呼ばれる水平度の出た基準の上に、原動機⇒軸継手⇒ボ
ールねじと組み合わされて動く。NC 加工機等には欠かせない機器。
①特殊形状タイプ
特殊形状をしたレールにテーブルを組み込んだガイドレールシステム。精密な機械の
ガイドシステム向きで、自動制御の機械にはほぼ必ず使用されている。
②ボールねじ
モータの回転運動を直線運動に変える機器。丸シャフトの外周に溝を施し、その溝に
沿って筒に内臓されているボールが循環しながら動いていく。
③台形ねじ
ボールねじの溝が台形になっている。すべりの良い砲金のナットで滑らせており、回
転の位置を保持する(逆転防止)
。主に主軸での使用に向いている。
他、ガイドレールや O リング・オイルシール、ジャバラ、機械要素アクセサリー(ハン
ドル・ねじ)
、FA メカトロ機器についての説明。
【所感】
第二回目の機械器具・工具の基礎知識セミナーに参加致しました。今回は、大福伝動㈱の
福益社長と㈱東商店の東社長に「伝導機器・軸受」についての講義をして頂きました。今まで
耳にしたことがあるものもありましたが、知らなかったものがほとんどでした。それぞれの
特徴を、メーカーごとの違いも交えながら説明して頂き理解し易かったです。ベアリングや
ベルトは実物を用意して下さり、実際に手にとって見ることが出来ました。伝導機器の種類
や基本的な特徴、それぞれの重要性を知ることが出来、非常に勉強になりました。しかし、
今後営業でお客様のお役に立つためにはまだまだ浅い知識でしかないので、一つ一つ深めて
いきたいと思います。